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[3050]

新しい広域流動(3) 水郡線・鹿島線

車両 線路 発想 研究 越後線 マインド ラウンジ 広域流動 最速


 [3004],[3005]に続き、都市圏の周縁部における鉄道の利便性や速達性などに関する考えかたを考えて(※)みましょう。

※重ね重ねになりますが、ただちに○○線を○○すべきだ、しないのはケシカラン、よって○○(鉄道事業者や自治体など)はケシカラン…などといっているのではないことを十分に理解の上、お読みください。

[3005]
 > 当該区間の外側から外側へ乗り通す客の流れを考えるということは、ネットワークの設計に近い発想になってきます。路線網が持つネットワーク構造や構造上の重みをほとんど考慮に入れていないために、こういうこと(需要を喚起するような施策の立案ができない)が起きるといえます。

 実務者が、しかるべき確立された手法に基づいて実務として輸送計画を立てていく部分については、部外者が口をはさむ余地はないと思いますが、そうではない部分では、特に研究者がよりよく研究していけるようにするためには、大いに口をはさむことが(研究者の側からも)望まれているように思います。本当でしょうか。

 その答えは、みなさま、お近くの研究者(もっとも身近には大学のセンセイ)に直接おたずねいただくとしまして、必ずしも鉄道が専門でない研究者が鉄道を対象として研究しようとしたときに行きあたる難しさのようなものが実感できそうな資料がございました。

・片岡正昭「地方中心都市における鉄道輸送の変貌−水郡線を例として その2−」交通運輸情報プロジェクトレビュー11(のドラフト?)(慶応義塾大学)(2003年)
 http://jre.sfc.keio.ac.jp/review11/mokuji.htm
 http://jre.sfc.keio.ac.jp/review11/02docs/022kataoka.pdf

※…うーん、目次になく、しかしディレクトリ内にあるPDFというのは、何なのでしょう。掲載には至らなかったドラフト(草稿)なのでしょうか。わかりかねますが、Googleにインデクシングされていますので、公表されたものとみなして、以下ご紹介します。

 著者の片岡氏(現在は教授)は政治学で(※)学位を取られており、専門は地方自治(条例の制定プロセスを中心に)とのこともあり、この論文(という位置付けだとは、執筆時点で著者は考えていないかもしれませんが、外形的には論文とみなされますので論文に準じて話を進めます)の体裁も、いま明確に「文系」のものと見えます。

※「で」と表現すること自体が、ご本人の感覚とは相いれない(政治学をココロザシて、政治学「の」学位を取った)だろうと思いますが、あえて「で」と表現いたしたく思います。

 4ページで5章構成でありますから、と、油断して5章(結論)を先に読んだところ、具体的な成果(本稿での分析結果や考察の要点)がほとんど書かれておらず、ああ、「文系」だったんだと、いま、冒頭からリニアに読む(それ以外の読み方は許されない=しても読み解けない)ことを促された次第であります。

 改めて冒頭から読み直しますと、水郡線と越後線の比較です。とはいえ、(本稿では)水郡線だけ(※)にフォーカスし、そして沿線の人口などが近いというだけで越後線と比較しようという姿勢には、冒頭からいきなり置いてけぼりにされるような、戸惑いのようなものを覚えます。

※なお、後述のように、本稿より前の稿までで、ほかの線区についても検討されたとのこと。

 なぜ、水郡線と同じく水戸(※)に乗り入れる大洗鹿島線(鹿島臨海鉄道)〜JR鹿島線(貨物輸送を主眼とし一体的に建設された「国鉄鹿島線」、[2939],[3008])の系統と比較しないのでしょうか。JR東日本の寄付講座だから他社線(貨物を含む)には関知しない、ということでも、あるのでしょうか。

※ならば隅々までJRなマインドが貫徹されているかといえば、そうでもなく、文中で「水戸近郊区間」なるものを勝手に設定してしまっています。「○○近郊区間」は国鉄・JRの用語ですから、「水戸近辺のそこらの路線」という一般的な意味で「水戸近郊区間」と表記してはいけません。せめて「の」を入れて「水戸近郊の区間」と表記していただきたいところです。個人のブログや一般的な雑誌の記事などであればそこまでの厳密な用字用語は要求されませんが、論文では要求されます。

・Google ストリートビュー 「水戸駅」付近
 https://goo.gl/maps/wnxUSK6LMrK2
 https://goo.gl/maps/F1hPxYYscXz
 https://goo.gl/maps/mYNmNvPkPmy

 もっとも、専門家としては越後線というのは好適な対照線区だったようで、その後、2012年3月、列車増発の「社会実験」が行なわれるなど、おもしろい動きが続いているようです。ニュースにもなっていたのかもしれませんが、見逃していました。

・ウィキペディア「越後線」
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B6%8A%E5%BE%8C%E7%B7%9A

・Google ストリートビュー 「越後線」付近(2015年5月)
 https://goo.gl/maps/yMzfGfUwnv42

 「実験」は難しいもので、施策とは関係のない要因で輸送人員が減ったのだとしても「かえって減ったじゃないか」といわれ、元に戻されてしまう(2015年3月)というキビシサがあります。本当に難しいですね。

 PDFに戻りまして、2章では、他者による先行研究が…いっさい紹介されません。そこまで独自なココロミであるとも思えないのですが、とはいえ実務的な資料ばかりで論文(査読付き)にはなっていないということなのでしょうか。([3010]も参照。)いえいえ、鉄道などに関連するナントカ機構などの論文や紀要論文を含めれば、何もないということはないはずです。本当でしょうか。

 3章では、本稿で分析するにあたっての評価項目(要件)が3つ(! 終日の運転本数、朝夕ラッシュ時の本数、データイムの本数の3つ、微妙に入れ子)、定義されています…と思ったのですが、これに対応するはずの4章では、最初の1項目(終日の運転本数)…というわけでもなく「通過人員」だけが議論されています。3章の冒頭で要件(「条件」)が箇条書きになっているのは、形だけだったのでしょうか。

 図表に着目しますと、「JR所蔵」とする通過人員統計…が出てくるのはよいですが、本稿で対照としている越後線の統計は出てこず、水郡線の統計だけがExcelでキレイ(※)に(3D)グラフにされています。これでよいのでしょうか。そして、この内容で折れ線グラフにする(横軸に駅、年次ごとに1本の線を引く)ことは適切でしょうか。

※あくまで当時として。

 通過人員の統計は、他線区との接続(流入)を考慮に入れなければ何ともいいがたい統計です(川越線[3005]も参照)。水戸と郡山で接続する各線(新幹線を含む)や、上菅谷−常陸太田間(支線)などの沿線の状況や高速バスなどの状況、これら線区等(ほかのモード=バス、自家用車、自転車を含む)の輸送人員(鉄道としての「逸失分」を含む)の増減に、かなり影響されているともいえます。どこからどこまでが水郡線としての(水郡線の利便性を反映した)実績なのか、なかなか決定できないという難しさがありましょう。

※もともと、通過人員や輸送トン数などは、当該区間で使用する車両や線路の保守のための指標で、いわば「事業者の事業者による事業者のための」指標ともいえます。別の言いかたでは、区間外の動向に大きく左右される従属的な指標であり、通過人員の数字だけをもって当該区間の利便性の評価を行なう(施策の効果の根拠として使う)ことは無謀でしょう。

※もっと難しいのは、ほとんどの統計が互いに、それぞれ同じような関係にあるということです。トレードオフですね、わかります。すべてをほうり込んで「ディープラーニング」(deep learning)でもさせれば、何かは出てくるでしょうが、どうしてそうなるのかまでは(自動的には)出せません。また、何を変えれば何がどう変わるかの予測も自動的には出てきましょうが、計算に入れていない未知の要因(変数)がないとも限らず、(自動的に)出てきた施策(例えば減便や減車)を現実に適用するにあたっては、なお慎重さが必要とされるはずです。

 沿線人口との比較は、本文中で間欠的に述べられていますが、図表がなく、全線を通して定量的に検討したとは(あくまで本稿の上では)いえない状態にあります。手元に資料を揃えておきながら、また地方自治(※)が専門でありながら、本稿に盛り込まなかったというのは、かなりもったいないことです。

※「車社会はつらいよ」条例、いえ、「乾杯では日本酒を」…いえ「移動には鉄道を」条例でもつくらないといけないという結論を出すような研究も、できるのでしょうか。国としては「地域公共交通活性化再生法」が施行されたところであります。(降ってわいたようにも見える)この法律だけでは「再生」の裏付けにはなっても「活性化」を実際に促すところまでは効果がないのではないかと心配されます。

・国土交通省「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律等の施行について」(2014年11月20日)
 http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/transport/sosei_transport_tk_000055.html

 増発の「社会実験」が行なわれるに至った越後線も、新潟大学を核とした「コンパクトシティ」の様相を呈しています。各地にあまねく造られた歩道橋、いえ、駅弁…いえ、国立大学(地域ごとに立地することが重要な教員養成課程、大学病院など含む)が、こんどは地域公共交通を引き寄せ、狭い範囲ではありつつも「活性化」していくためのカギとして活かされて(「生かされて」?)いくのかもしれません。本当でしょうか。

・ウィキペディア「駅弁大学」
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A7%85%E5%BC%81%E5%A4%A7%E5%AD%A6

 冒頭のPDFに戻ります。

 > 水郡線では、沿線に水戸以外の主要都市がないにも関わらず、旧国鉄時代から他の同規模の都市近郊ローカル線に比べて相対的に恵まれた対応がなされていた。

 > JR発足後の1988年になると、強気の列車設定が見られるようになる(図2参照)。

 1986年度まであった水郡線全線(水戸−安積永盛間)での貨物営業も、著者のいう「強気」の旅客営業の基礎となった(文字通り「インフラ」となった=路盤の維持にコストがかけられている等)面もあるでしょう。とはいえ、貨物営業があったかどうかという視点は、私はいま、ウィキペディアを参照して初めて知った次第です。2003年当時、必ずしも鉄道が専門でない教員が「…ということで、ひとつ頼まれてくれないかなぁ」(=あくまで想像ですが)と頼まれて取り組むにあたっては、貨物営業にまで考えをめぐらすことは相当(かなり)難しいことだったと思われます。

※私もそうですが、あくまで東京に視点があり、旅行や出張で「気まぐれ」に乗ったことがあるだけの地方の線区に対して、どれだけ網羅的な視点が持てるかというと、たいへん難しくあります。沿線の地元の人であれば「だって貨物列車ばかり通るじゃない」「汽車に乗るのは高校生までだよねぇ」などと「肌の感覚」で明らかなことが、なかなかわからないのです。(地元の人に聞きたい話[2645]も参照。)

・Google ストリートビュー 「水郡奥州街道踏切」(福島県須賀川市)付近
 https://goo.gl/maps/L5xAW82q4PF2

・同「宗五郎踏切K」(福島県郡山市)付近
 https://goo.gl/maps/HuhTThxpoK52

 こうしたときに、単に「寄付講座」(+若手社員を「研究員」として派遣=実質的には選抜と学費を会社側で持つ大学院教育に相当、いわば「逆インターンシップ」ですね、わかります)ということだけでなく、例えば水戸支社の「長い人」(直近30年の施策を網羅的に知っているような人、の意)と教員や院生が直接、話ができて、といった、JRとの密な関係を最大限に活かした、ほかの大学や研究室ではできない研究ができていれば、と悔やまれます。

・「逆インターンシップ」
 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu23/002/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2014/08/19/1351030_01_1.pdf

 1999年〜2003年の当時、それができていれば、2007年の「18号答申フォローアップ」([3003])で水郡線や鹿島線のような周縁部(しかし鉄道が無理なく最速の移動手段となりうる区間)に対してどう取り組んでいくかという話題が取り上げられることになったかも知れず、2015年度中にもまとまるとされる「次期答申」([2975])にも、何らかの問題意識が反映されていったかもしれないところ、かなり(2015年度という視点では)手遅れな観(次は2030年を待て、の意)があります。もったいないことです。

※「爆速」やら「ヤ倍速」やら、とまでは申しませんが、長期的な施策とはいえ、50年を30年に、30年を15年に短縮していくような、短縮のための手法の開発に期待しているところです。「戦略的新駅」([3007])も、そのひとつですね。

※「5日刻み」の田植え([3046])ではないですが、エリアや年限をより細かく区切って「答申」と「フォローアップ」(いわゆる「サイクル」)を繰り返していくということも制度設計上は不可能ではないはずですが、現実にそれをするには専門家も予算も足りないといったこともあるのかもしれません。また、細分化すると全体の整合を取るのは別のチームの仕事とせざるを得ず、チーム間での齟齬(そご)や対立があっても困ります(滞る恐れが出てしまいます)。

・「ヤ倍速」(2015年1月15日)
 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20150115_683962.html

 冒頭のPDFに戻ります。

 本文で言及のある人口動態に加え、利用者の行動(選好)モデル、燃料価格、雇用情勢や所得など様々な社会的要因、事業者や省庁による施策など、それぞれの寄与度(影響度、相関)がわからない限りは、なんともいえません(※)。寄与度を直接には測れないとなれば、架空の環境を設定してシミュレーションをば、となりましょうが、「本来はシミュレーションすべきであるが今回は基礎的な検討ということでご容赦を」という「濁したお茶」すら出てきません。「(著者自身が)本来すべき」こと(研究の位置づけ)が十分に示されていないということです。また、これとともに論文では必須の「今後の課題」や展望も述べられていません。今回まとめた結果が、次の研究(ほかの人が続ける場合を含む)にどうつながるのか、著者自身が責任をもって示さなければなりません。

※すべてを金額換算でエイヤっと分解する経済学の発想は強力ですが万能ではありません(「B/Cの値」[2938]も参照)。「汽車」が、キレイな「電車」(発電機によりモーターを駆動するディーゼル車)になったので「乗ってみたい」「乗ってウレシイ」というキモチなど、どう測ればよいのでしょうか。短期的かつ趣味的には、新型車両の登場を報じた新聞や雑誌の販売部数などから推計できたりできなかったりするのかと思いますが、長期的に、地元の人のキモチを測り続けるには、何を調べればよいのでしょうか。

 また、共著者がおらず単著であることも、取り組みの限界を示しています。一人でできることがきわめて限られているのは自明で、工学系では単著は限りなくあり得ません。単著としたということは、著者としては、「自分でできる範囲でしか取り組みません」「自分の専攻を飛び出すものではありません」と、自ら自分を過小評価しているような状態ともいえます。

※つまらない話としては、院生を指導するという形を取りつつ、院生と教員との間でも一種の「ダブルチェック」が働くようにして、漏れのない研究に仕上げていくことが期待されます。自分の興味のあることを(教員が)自分で、しかも単著でとなると、たいへん見落としが増えそうで、むしろコワイです。それでも人(≒若い学生)には任せられない、おもしろい部分はぜんぶ自分で取り組みたい、というのは、欲ばりですよねぇ。それが研究の原動力=モチベーションである場合もありますので、すべて否定するものではありませんが、よほど興味が狭いのでなければ(それを自分で認める=自負する=かどうかは、分野にもよりましょう)、ほかの人も自分と負けず劣らず強い興味を持っているはずだと思って、ある程度は委ねたほうがよいことも多いでしょう、たぶん。

・ReadWrite Japan「普通の開発者を讃えよう」(2015年5月20日)
 http://readwrite.jp/archives/23211

 なかなか示唆に富む話です。研究者も「普通の研究者」が中心となってこそ、より多く、より普通の(実地に役立つ)研究成果を「量産」していける面もある(のに、そのことが著しく軽視されている?)のではないでしょうか。

 冒頭のPDFに戻ります。

 > これまで4年間にわたり、100万人レベルの地方中枢都市から30万人未満の地方中心都市レベルまで、さまざまな都市周辺におけるローカル輸送のここ40年あまりの変化について、さまざまな角度から分析してきた。

 具体的にいくつの都市について検討されたのか、1999年や2001年の研究報告を参照しなければわからず、またそれらがWeb上で参照できない状態となっており、これまたもったいない状況になっています。機会があれば紙ベースで読んでみたく思います。

 なお、やはりこのPDFはドラフト(しかも不採録)なのかなぁとも思えてきます。そのあたりをよくわからないまま参照してしまう、そして「.sfc.keio.ac.jp」のドメインに書いてあった! とばかりに引用する方が続出されますと、ちょっと困ったことになりそうです。読む側として、ああ、これはドラフトっぽいんだな、と理解することが、まずは大事ではないかと思い、以上まとめた次第であります。


・このサイト「リファレンス」(2005年10月21日)
 http://atos.neorail.jp/reference/reference_sign.html

 > (7) 慶應義塾大学有澤研究室交通運輸情報プロジェクト(JRE)
 > 「利用者×事業者」の視点で政策を提言

 これまでずっと、このサイトからリンクしておきながら、その実、研究成果をきちんと読み込む余裕もなく申し訳ない状態でありました(このフォーラムでも[2367],[2807]で触れたきりです)。いま、目次だけに目を通して、各年度から1編ずつ着目してみようとしますと、以下の記事が挙げられます。(あくまで主観によります。)

・「鉄道利用者の待ち時間に関する研究」(2007年度)
 http://jre.sfc.keio.ac.jp/review16/ronbun/hara2.pdf

 質問紙調査(アンケート、有効回答119件)で、自由記述を「茶筅」で「テキストマイニング」するという、ちょっと(かなり)時代を感じさせる内容です。

※このサンプル数で「テキストマイニング」をば、というのは、ノコギリで鉛筆を削るようなアンバランスさが感じられます。

 > 空港にはファースト・ビジネスクラス利用者向けにラウンジがある.これを鉄道でも見習って,グリーン車を利用するお客様を意識した有料待合所を主要駅に新設したらよいのではないかと考えた.

 待ち時間と「イライラ感」の分析から、なぜか「有料待合所」(ラウンジ)の話に移ってしまいます。ちょっと展開が強引な感じがあり、鉄道駅と空港の違い(Y-VRさん[2754]も参照)も、あまり丁寧には考察されていないようにも感じられます。

※現に、その後、よくわからないまま「待合室」(ただしラウンジでない)の整備が進められていきました。駅舎全体を屋内化しよう(待合室の外は「不快な空間」でよいのか)とか、ホーム上に「エレベーターホール」(エレベーターの乗降口と待合室の一体化)を設けて、少なくともエレベーターの利用者だけは線路への転落を防止しよう(ホームドアの整備を待たずに防止しよう)といった発想には、つなげていけないものでしょうか。

※質問紙での項目の並べ方によって、お客さまの反感を買っていないか(それによるバイアスがないか)、ということも心配されます。「待ち時間が短くなれば『有料待合所』などいらない、待つだけにもカネをとる気なのか?」と、気の短い方は質問紙を破り捨てたかもしれません。

・「編成の多様化に基づく都市間交通利用者の満足度向上に資する研究」(2006年度)
 http://jre.sfc.keio.ac.jp/review15/ronbun/shimogai.pdf

 車両のインテリア(荷物置き場[2988]、その他[2968])や車内決済([2969])に関する話です。こちらもアンケート(有効回答226件)の実際がよくわかる報告となっています。これからアンケートしたい方には、大いに参考になるでしょう。

※アンケートのおもしろいところ(≒難しいところ)は、同じ内容でも、違う時期や違う対象者に聞けば、まったく結果が変わってくることです。あえて上掲とほとんど同じアンケートを(もちろん出典を示して、また著者の了解を得て)、自分の身近で行なって卒論にまとめる(修論には向かないと思いますが)というのもよいでしょう。

 他方、ファンドへの謝辞の書きかたがフリーテキストとみられ、過剰に丁寧で、かえってぶしつけな印象があるとともに、「寄付講座」では「謝辞の書きかた」のルール化も、研究テーマごとの通し番号の付与などもされていないのかと心配されます。本当でしょうか。

・「コラム:鉄道運賃のパターン,折れ線から曲線へ」(2005年度)
 http://jre.sfc.keio.ac.jp/review14/column/column_arith.pdf

 この記事に図表があれば、と渇望されます。本当でしょうか。いえいえ、文字で読んだだけで頭の中で作図しなさい(これはコラムというふうを装っていながら、文章題なのですよ)ということですね、わかります。それはそれとして、航空から海運、近年は陸運(軽油で走るトラックの貨物)の運賃にも取り入れられている燃油サーチャージ、電気料金の燃料費調整のようなものが、鉄道にも入れやすくなっていきそうですね。

・2004年度
 http://jre.sfc.keio.ac.jp/review13/mokuji.html

 この年は、なぜか「汽車に乗るのは高校生までだよねぇ」がフィーチャーされております。桶川の屋台もアツいです。ぜひ、ご一読ください。


この記事のURL https://neorail.jp/forum/?3050


(約10000字)

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