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[3140]

「新たな相模線交通改善プログラム」を読み解く(前編)

列車 車両 線路 発想 研究 行違 実行層 越後線 相鉄厚木線 新潟駅


2045年までの「超長期」
追い越し線または通過線
三井不動産の図を正しいと仮定して「JR海老名駅」を占う
表1 期間の区分


 この夏(※)、横浜線の運行管理がATOSに切り換えられたように、少なくとも見かけ上は見受けられますが、しかし、「導入が完了しました」という発表や報道はみられません。これには、橋本駅で管理されている相模線の動向が関係していると、これはもう、誰が見てもそう思われることと思います。

※といって、もう冬でして…恐縮です。

・このサイト「広がるATOS/導入予定線区/横浜線」(2014年9月16日)
 http://atos.neorail.jp/atos2/future/hashimoto.html

 > 横浜線と関連の深い相模線についても、このページで説明する。

 > 横浜線ではCTCが導入されており、橋本にCTCセンターが設置されている。橋本では、相模線(茅ケ崎−橋本間)も管轄しているが、相模線ではCTCに加えPRCも導入済みであるのに対し、横浜線ではPRCが未整備であったことから整備が急がれていた。

 > 相模線については、地元自治体などでつくる相模線複線化等促進期成同盟会に対し、2010年7月22日にJR東日本が提示した段階的整備内容で、PRCの改修が挙げられている。
 > ATOS導入には、現地のCTCセンターに置かれた指令を東京の指令室に一元化する目的もある。橋本では、横浜線だけでなく相模線への対応も必要であることから、将来的には相模線でも既設PRCがATOSへ切り換えられる可能性がある。

[3054] 「【横浜線】橋本駅でATOS使用開始、相模線指令の習熟のため先行か」(2015年5月29日)
 > 橋本についてはこれまでの東神奈川[2927],[2928]に準じた状況になっていくとみられますから、改めて述べるまでもないということにいたします。橋本に当面(※)残る相模線の指令(の人)としては、相模線の運行管理を、ATOSの駅装置を部分的に併用して行なうということだとみられ、バイトでいえば(いえ、バイトに例えるのはたいへん語弊がありますが)レジの機械が明日から大幅に変わる(taspo対応など大幅に多機能化され、操作手順も変わる)ので急いで慣れてね☆、という、たいへんいっぱいいっぱいな状況とでもいいましょうか。
 > ※当面(東神奈川における併存の期間と同じくらい)、ということですよねぇ。

 上掲のページ内で触れています「地元自治体などでつくる相模線複線化等促進期成同盟会に対し、2010年7月22日にJR東日本が提示した段階的整備内容」につきまして、相模線複線化等促進期成同盟会(以下、「期成同盟会」)が2014年3月に公表した「新たな相模線交通改善プログラム」(以下、「同プログラム」)を、いま、通しできちんと読もうと思います。

 前編では、地元の期成同盟会がまとめた同プログラムにおける、▼地元の都合と▼鉄道事業者の都合を、なるべく正確に「しゅん別」しながら読み解くことを目指します。あわせて、小田急・相鉄との関連が深い「海老名駅」について、三井不動産の資料を参照して期待を高めます。

 後編([3141])では、同プログラムにおいて地元が実現を目指すとしている「5つの新駅」について、同プログラムの上で複線化の工程(部分複線化と、その後の全線複線化)と整合が取れているかを確かめます。また、Googleのサービスをフル活用して、一種「生々しい青写真(仮)」のようなものを描いてみます。


●2045年までの「超長期」


 まずは「概略版」から目を通します。

・相模線複線化等促進期成同盟会「新たな相模線交通改善プログラム(概略版)」(2014年3月)
 http://www.go-go-sagamisen.ecweb.jp/data/improvement/program-outline.pdf

 > 超長期的にはリニア中央新幹線の大阪開業を見据えつつ、2015年から2045年までの約30年間を次のとおり4区分して目標を設定した。

■表1 期間の区分

区分年限同プログラムにおける期間
短期5年2015〜2020年
中期10年(2015〜)2020〜2025年
長期15年(2015〜)2025〜2030年
超長期30年(2015〜)2031〜2045年


 前期ともいえる15年間については、5年ごと3期に区分され、かなり具体化されているという印象がありましょう。他方、後期ともいえる残りの15年間については、期中が区分されていません。(業界を問わず、という意味で一般にも)具体化できるのは15年先までがやっとだということです。

 5年後には2031〜2035年の事業が具体化され、10年後には2036〜2040年の事業が具体化され…と、5年単位で進んでいくということが想像されます。(「1マス5年の人生ゲーム」[3103]も参照。)

 この時間感覚を、まだ3マスや4マスほどしか進んできていない(※モノゴコロついてからといえば2マスや3マスの、さらに、勉強を始めてからは1マスや2マスだという)若いかたにあっては、気の遠くなるような長さで待ちきれず、未来にきちんと時間軸の目盛り(年代測定法[2480]ほか)をふることができず一種「飽和」して「(頭の中の)未来が『ハウリング』!」してぐわーん、と、それ以上は何も考えられない(いま、2035年だとして、2040年までの5年間にどんな仕事をするのか、それを2015年に2020年までを考えるのと同じようにタンタンと考える、ということができない、の意)ということになるかと思います。

※ワタクシ15年…いえ、鉄道に関してはまだ「0マス(何もなしていない:勉強中)」だと自覚しております。

・同プログラム

 > 2027年のリニア中央新幹線の名古屋開業を見据え、第1ステップとして、駅行違い施設整備(整備費用:約172億円)や、信号保安設備改修、分岐器改良等(整備費用:約60〜90億円)による輸送改善を目指す。
 > その後、部分複線化を進め、2045年のリニア中央新幹線の大阪開業を見据え、最終段階である全線複線化を目指す。

 > 複線化に向けた取組みと合わせ、「ホームの延伸(6両化)」や「新駅の設置」を目指す。
 > 早期に効果が期待される「八王子駅直通の運転本数の増加」や「始発・最終電車の繰り上げ・繰り下げ増便」、「新型車両の導入」の実現を目指す。

 とのことで、同プログラムにおける期間の区分とはぴったり合いませんが、2027年がひとつの「マイルストーン」になる(JR東海さんがしているので、期成同盟会としてもJR東日本としてもせざるを得ない:否応にも巻き込まれる)ということです。

 このうち、2027年までの「第1ステップ(ケースA)」については、期成同盟会に対して示された「JR東日本の資料」に盛り込まれるなど、一種「実行層」にまで「下りて」きているかのような印象がうかがわれます。

 一方、それ以外については、県や期成同盟会など地元側の計画に留まっています。とはいえ、これをただちに「JR側」が「とりあっていない」と見るのは早計で、単に、あまりにも先のことであるので(そこまで長期にわたる責任は、JR側では誰も負うことができないとして)何ともいっていない、他方、特に反論もしていないということは、時期が近づけば順々に、そのようにしていきましょうという空気のようなものはありそうだ、などと想像されます。(あくまで想像ですが、責任を持てない以上、これは誰が誰に聞いても「答え」は得られず、結局は想像するしかない種類の話だと納得されましょう、の意。)

 「第1ステップ(ケースB)」は、端的には「ATACSの首都圏全域展開」まで待て、と悠長に構える「JR側」に対して、一種「待ちきれない」といって、その実、「信号保安設備」の都合も考えずに線路だけを県側が云々し(ただし調査は専門の会社に委託し)たものであるようです。

・「駅行違い設備新設」:複線化しないまま「行違い設備」を新設(駅構内だけを複線化)するということは、(単線と複線の境での)分岐器の数が増え、これまでスルーであったところ「絶対停止」での進入となれば表定速度も下がり(端的には所要時間が増え)、新たに連動装置を置く連動駅が増え、しかも、後から全線複線化するときには無駄になるという、JRとしては避けたいと考えられるのではないかと思われる、一種「場当たり的」な施策です。

 JRとしては無駄になる、しかし地元としては待てない、その中間をとるならば、「ケースA」の「信号保安設備の改修、分岐器の改良、PRC改修等による輸送改善」にあわせて、全線複線化後も優等列車が通過する「追い越し設備」を先行的に整備するんだ(将来のさらなる速達化に資しつつ、いますぐには「行違い設備」や、始発の繰り上げ・終電の繰り下げに資する「電留線」として活用されるんだ)などという、JRではできない、しかし県ならできる、長期的な事業(の一部)だということにでも、すればいいんではないでしょうか。

 なお「輸送改善」というのも専門用語(といいますか『JR用語』といいますか)なのだろうと思いますが、カナシイかな、その意図する範囲が正確にはわかりません。わからないなりに鉛筆を転がして…いえ、『消去法』的に外側から意味を狭めていくとしますと、▼「輸送力増強」ではないので増発はない、▼初電の繰り上げや終電の繰り下げもなさそう(電留線や人員配置には言及されていない)、▼分岐器通過速度の引き上げによる、行違いの待ち時間の短縮による所要時間(停車時間を含む)の短縮、それにより各駅で発着時刻を微調整する余裕ができ▼茅ケ崎、橋本での他線との接続の改善、あたりまでは自然と考えられましょう。

 「PRC改修等」の「等」の意図するところがわかりませんが、「PRC改修」といって、その実、これまで折り返しを行なえなかった駅でも(逆向きの出発信号機を増設して)新たに折り返し運転をできるようにすることによって、ラッシュ時などに需要の多い方向で短い区間の増発ができるとか、もっと「お客さま」寄りのところでは、自動アナウンスに駅名の『音片』が増えるんだとか(従来のPRCでは増やせなかったとか)、といったことも邪推されましょう。(あくまで邪推です。)

 仮に「快速運転」を導入するとしますと、それも「輸送改善」と呼ばれるのかなぁ、と、確かなことはわかりかねますが想像されます。その場合には、まさに▼閉そく信号機の増設による列車の詰め込み、▼例えば海老名駅での、行違いと見せかけた追い越し(を可能とするPRC上の条件の拡張?)、といったことが必要となりそうであることが想像されます。

・Google ストリートビュー 「JR海老名駅」付近(2015年6月)
 https://goo.gl/maps/ZVQQ3kNjfyN2
 https://goo.gl/maps/EvgRRERVDgq
 https://goo.gl/maps/NytMUDJ8kCQ2
 https://goo.gl/maps/VeCLGP9z95M2
 https://goo.gl/maps/c7rSZPJNW3F2


●追い越し線または通過線


 JRでは、なかなか、追い越しだけを考えた連動駅というのは新設されないようにも見受けられ、総武快速線(市川駅)、埼京線、京葉線…くらいでしか、そういう「新しい連動駅」は見られません。埼京線と京葉線はともかく、総武快速線の連動駅は、複々線化の前から連動駅だった駅ばかりのはずですから、「輸送改善」のために既設の非連動駅を新しく連動駅にしようというのは、例がないのではないでしょうか。(川越線の西大宮など、新駅としての整備例は除きます。)

・市川駅の追い越し線(1972年7月より)
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%82%E5%B7%9D%E9%A7%85#/media/File:JR-Ichikawa004.jpg

・戸田公園駅の追い越し線(1985年9月30日開業)
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%B8%E7%94%B0%E5%85%AC%E5%9C%92%E9%A7%85#/media/File:JREast-Saikyo-line-Toda-koen-station-platform.jpg

・葛西臨海公園駅の追い越し線(1988年12月1日開業)
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%91%9B%E8%A5%BF%E8%87%A8%E6%B5%B7%E5%85%AC%E5%9C%92%E9%A7%85#/media/File:JREast-Kasai-rinkai-koen-station-platform.jpg

 埼京線と京葉線では、駅名がよく言い表しているように、土地の確保が(相対的に)容易で、ダイヤ編成上、必要となる位置、かつ、追い越し線を高速で通過しても騒音が問題にならず(ならないように防音壁を高くする結果、全天候っぽい駅舎が実現し)、あー、ちょうど公園もある(または公園の新設が計画されている)ので駅名に公園と付せば駅として成り立つなぁ、などと、いっさい「鉛筆!」であるかのような錯覚がありましょう。(あくまで錯覚です。)

※歴史的には、「乗降の多い駅や車両基地の最寄り駅で緩急接続しつつ追い抜くべし」的な発想がみられる東海道線の主要駅(横浜、大船など)、「あまねく中線」な高崎線などの一長一短を踏まえ、一種「集大成」として東北・上越新幹線の配線を経て、(その在来線への普及として)埼京線へとつながっているかと思います。

・逸見駅の通過線(1958年9月)
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%B8%E8%A6%8B%E9%A7%85#/media/File:Keikyu-railway-main-line-Hemi-station-platform.jpg

・鮫洲駅の追い越し線(1966年6月より)
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AE%AB%E6%B4%B2%E9%A7%85#/media/File:Samezu_station_platform.jpg

・南太田駅の通過線(1987年12月より)
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E5%A4%AA%E7%94%B0%E9%A7%85#/media/File:Minamioota_Sta_plattform.jpg

 用地が確保できず、後からどうにもならないが、それでも追い越し設備をつくるんだ、といって、いわゆる「新幹線型」とも呼ばれる配線の駅が私鉄で登場した、ということのようです。従って、用地が確保できるつくばエクスプレスのような新線では、2面4線の駅が(ダイヤ上の)要所要所に設けられる一方、「新幹線型」の駅はつくられていません。

・つくばエクスプレスの開業にあわせて2面4線化された関東鉄道の守谷駅(2005年8月)
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%88%E8%B0%B7%E9%A7%85#/media/File:Kanto_Railway_Moriya_Station_Platform.jpg

・成田湯川駅の追い越し線(2010年7月17日開業)
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%90%E7%94%B0%E6%B9%AF%E5%B7%9D%E9%A7%85#/media/File:Naritayugawa_station_kounai.JPG

・本庄早稲田駅の本線(通過線)
 http://yurakuchou.fc2web.com/Toku/Takasaki.htm

 本線と副本線との間に防音壁っぽい壁が建っていますが、ホームの端から端まであるというわけでもないようです。ダイヤ上、副本線に列車が停車していなくても本線(通過線)をほぼ最高速度で通過する列車がある、ということなのかなぁ、と想像されます。本当でしょうか。いま「新幹線型」の配線を採用するということは、すなわち、高速で通過しますよということで、ならば、つくばエクスプレスが「160km/hまではいける(ATCの符号の上で[3123])」などといわれつつも配線がこのままで大丈夫なのか、あるいは、成田スカイアクセス線は160km/hといわず、もっと速くなるんだろうか、などと、みなさま、想像が尽きません。

・個人のブログ「東海道線各駅の配線の特徴 その1」(2011年9月27日)
 http://senrohaisenzu.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/1-b504.html

 (複線区間で)いまから2面4線の新駅をば、というのは、ともすると「南びわこ駅」のように費用負担が問題視され、とん挫しかねません。かといって、立体交差化にあわせて2面4線化をば、といっても、別の駅で線路を減じた分を集約したんだ、などと理屈される必要があるかのように錯覚されます。(あくまで錯覚です。)

・武蔵小金井駅の2面4線ホームと防音壁
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A6%E8%94%B5%E5%B0%8F%E9%87%91%E4%BA%95%E9%A7%85#/media/File:MusashikoganeiStation-20120806.jpg

・同「信号ウソつかない」([3096]
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A6%E8%94%B5%E5%B0%8F%E9%87%91%E4%BA%95%E9%A7%85#/media/File:MusashikoganeiStationPlatform_1-2_3.jpg

 逆に、防音壁の高さからして、これはもう、やがては外側の線を優等列車が高速で(現行の法令上では、例えば125km/hや155km/hで)通過することもあるのかなぁ、と想像されますが、いえいえいえ、そうしたことは、地下線で線増されることが都市計画で決定されている急行線([3042])がいよいよとん挫したしたときのためのバックアップ、あくまでバックアップであって、いま、防音壁が高いからといって、現状の配線のまま、通過速度が引き上げられるということはないのだろう、といって、ちょっとがっかりされます。(あくまで勝手な想像です。)


 相模線に戻ります。

 では、なぜ地元から「行違い設備新設」を推そうとする「大きな声」が出てくるのでしょうか。

・JR東日本 東京電気システム開発工事事務所「信越線新潟駅付近高架化」
 https://www.jreast.co.jp/tesco/03_project/service_kouka/index.html

 > 白山駅 1面1線増設
 > 越後線行違い設備新設
 > 電留4線
 > 新潟駅 3面5線
 > 上沼垂(かみぬったり)信号場 構内改良(電留機能1線(着発)確保)

・Google ストリートビュー 「白山駅」付近(2011年10月)
 https://goo.gl/maps/j7kvqsuPy5U2

・同(2015年5月)
 https://goo.gl/maps/GX1SiswT4mG2
 https://goo.gl/maps/yMzfGfUwnv42

・Google ストリートビュー 「越後線」付近(2011年9月)
 https://goo.gl/maps/heWoenVde9R2
 https://goo.gl/maps/yG49Li5YF3w

・同(2015年5月)
 https://goo.gl/maps/VzHep9Dd7y32

 新潟駅の在来線の高架化で、ホームが1面2線、減る代わりとして、前後の駅や信号場、それに駅間で、設備が新増設されるという理屈ですね、わかります。とはいえ、越後線としては事実上の「部分複線化」であり、相模線でもこの手の、高架化にあわせて、しかし全線複線化をも見通した先行的な整備が、待たれるところでしょう。この場合、新潟駅も前後の駅も、もとから連動駅ですから、分岐器の位置が変わったり、数が増えたりしつつも、(上述のように)連動装置を新たに置く(新しく連動駅を設ける)、ということはなく、無理なく実現できたとみられます。

 他方で、地元としては、拠点駅の近くに電留線の増設を促すと、電留線が「フル活用!」されて、すなわち朝ラッシュ時の上り列車がそのまま「長い、長〜い『昼寝』」をし、夕方にそのまま、下り列車となる、といった形で、「入区のため、ガラガラで走る列車」が期待できなくなるというジレンマもあろうかと思います。

 そうしたことをまるっと理解できれば、「いいこと思いついた!」的なソレとしての「4駅行違い施設新設」「3駅行違い施設新設」などという自称『(ケースB)』など、出てくるはずがないといって、一種「安ど」されようかと思われます。

・相模線複線化等促進期成同盟会「新たな相模線交通改善プログラム」(2014年3月)

 > ※3 以上より全線複線化に掛かる費用の合計は992〜1,022億円となる

 「第1ステップ(ケースB)」は「(ケースA)」の代わりに行なおうというのではなく、ぜんぶやる(60+84+88+330+430=992、単位:億円)ということなんですね。このうち、172億円は、本来、「第2ステップ」の330億円に含まれる工事を、駅単位で取り出して、しかも部分複線化であれば連動装置が廃される駅も出て維持費がトントン、という計算もできようかというところ、それがまったくなく、172億円だということです。こんな話が「平成16年度」に出てきたので、それはとんでもない、という意味もあって「平成22年7月22日付」の「JR東日本資料」が示された、ということであったのかもしれません。

 このほかに、地元として目指す「相乗効果を狙って取り組む施策」として、ホーム延伸と新駅設置の案、および、その概算費用が示されています。

 > ホーム延伸(6両化)175億円
 > (仮)西久保駅 (仮)海老名運動公園前駅 (仮)作の口駅 80億円
 > (仮)上今泉駅 (仮)磯部駅 70億円

 うーん、3駅で80億円ということはないでしょうから、各駅80億円、ということでしょうか。5駅で計380億円、10億円の差額が出るのは、駅の構造の違い(島式か対向式か、高架か)で、いずれも2線(追い越し線なし)での概算とみられます。

・村岡新駅
 http://atos.neorail.jp/atos3/news/news_130611.html

 > 自由通路等を除く概算工事費は、相対式ホームの場合で約71億円、島式ホームの場合で約79億円。「ホーム形式の判断は、鉄道事業者により総合的な観点から行われる」としている。

 15両(の用地を確保して10〜11両の長さで整備?)でも6両(の同、4両)でも、ほとんど額はかわらないということでしょうか。いえ、71億円が70億円になりそうなのはわかるとして、なぜ79億円が78億円や、あわよくば77億円にはならず80億円に、なるんでしょうか。そこにどんな計算式(条件を入れさえすれば機械的に概算してくれる、便利なソレ)があるのか、とっても気になります。


●三井不動産の図を正しいと仮定して「JR海老名駅」を占う


 小田急小田原線、相鉄本線、それにJR相模線が乗り入れる「海老名駅」…といって、その実、▼小田急と相鉄本線の海老名駅と、▼JRの海老名駅そして相鉄厚木線の線路(駅はありません)は、たいへん離れております。

・Google Earth 厚木−海老名間(西側から俯瞰)
 https://goo.gl/maps/nzcY5waJKGu

・Google ストリートビュー JR厚木駅南側の踏切
 https://goo.gl/maps/mkDhFQVwdRQ2

・Google ストリートビュー 厚木第三踏切
 https://goo.gl/maps/ypkXVjpvfaB2

・Google ストリートビュー 海老名駅(相鉄・小田急)
 https://goo.gl/maps/q9jycNANdon

 えー、線路が2本(※レールは4本:念のため。)あるのに「単線」なの? …といって、一度は混乱されましょう。そして、ちょっと調べるとすぐに、片方はJR相模線、もう一方は相鉄厚木線(車庫への回送線)だとわかります。うわーモッタイナイ(2社で共用して「複線」として使えばいいじゃない!)、と、誰もが思うのではないでしょうか。

・日本経済新聞「小田急とJRの2つの海老名駅間を再開発 600億円投資」(2015年8月29日)
 http://www.nikkei.com/article/DGXLZO91104910Y5A820C1L82000/

 > 小田急電鉄は28日、神奈川県海老名市の小田急線海老名駅とJR相模線海老名駅の駅間地区に総額約600億円を投じ、再開発すると発表した。マンションやオフィスビル、商業施設などを建設する。2016年度に着工し、25年度に完成する予定だ。海老名駅を小田急線の中核駅の一つと位置付け、駅周辺のにぎわい創出と鉄道利用者の拡大につなげる。

 > 再開発地区は小田急が所有する敷地面積約3万5000平方メートルの土地で、(1)商業・オフィス(2)居住(3)サービス――の3エリアに分けて再開発する。両駅間は自由通路(約200メートル)で結び、「動く歩道」を設ける。

 とのことで、周辺の道路交通、歩行者の流動量などの計画も含め、この事業は小田急単独では実施できません。事実上、JR海老名駅も、しかるべき流動に耐えられるよう、あるいは最低限でも、JR側で入場制限を行なっても、小田急の駅との間で歩行者が将棋倒しになったりしないよう、十分な広さの広場や歩行者デッキが整備されることが、なかば自動的に求められます。

・「首都直下地震による鉄道途絶時のバス代行輸送に関する研究」第94回 運輸政策コロキウム(2009年2月19日)
 http://www.jterc.or.jp/kenkyusyo/product/tpsr/bn/pdf/no44-07.pdf

※浦安市内の駅の駅前広場が大混雑したソレ、など、記憶に古くないところです。

・海老名駅西口土地区画整理組合
 http://www.ebinishi.or.jp/summary/index.html
 http://www.ebinishi.or.jp/schedule/index.html

 JR相模線としては2027年までにいくらかの改良をば、という「段階的整備」が予定される中、その隣では相鉄・JR直通線が2018年、小田急側の計画が2025年、と進んでいくわけです。JR側では具体的に何が予定されているのかは発表されてみないとわかりませんが、うまくJR・相鉄直通線…いえ、「相鉄・JR直通線」の相乗効果のようなものが、なるべくなら厚木(JR厚木駅)までおよぶことが期待されましょう。(誰もが期待します、の意。)

・Google ストリートビュー ららぽーと海老名・JR海老名駅・相鉄厚木線
 https://goo.gl/maps/4x5fUgsVMRu

 幅広い歩行者デッキが、「ぜんぶららぽーとのせいだ」…いえ、ぜんぶららぽーとだけのため、だなんて、うそーん([3059])と思いませんか? 土地区画整理事業にかかる造成工事は、まさに先月(2015年11月)で完了したということで、組合は来年2016年12月に解散する予定だということです。その後、JR海老名駅に関しても「区画整理事業等の進捗を見ながら」という「紋切型」のソレがなかば自動的に動き出すのではないかと、これはもう、たいへん期待されます。(誰もが期待しますっ! 、の意。)

・Google ストリートビュー JR海老名駅・西口中心広場・ららぽーと海老名
 https://goo.gl/maps/udJKDagMKMn

・三井不動産「「(仮称)ららぽーと海老名」着工」(2014年6月6日)
 http://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2014/0605_01/index.html

 > 詳細図

 「JR海老名駅」が図に示されていますが、えっ、と驚かれます。仮に、三井不動産の図が正しい(いずれ正しくなる)としますと、現在のホームより茅ケ崎方に約120mほど長く、しかし図の通り歩行者デッキまでで終わるとしますと、ホームは約178m、橋本方が現在のホームそのままぜんぶとしますと約210mの長さが確保されるといって、Googleの距離測定ツールが弾かれます。きわめて本当でしょうか。現状では三井不動産の図を疑うのがスジですが、いえいえ、そんないい加減な図を描くものでしょうか。(JR側にあって)「当社が発表したものではない」「決定した事実はない」([3103])にしても、三井不動産側としては、将来的にJR海老名駅に10両編成の電車がドカドカと発着するようになっても問題ないように施設の設計(エントランス部の流動など局所的なことから、来店客の時間帯ごとの分布や、それに応じた非常食の備蓄量の決定までいろいろ)を行なっているとうかがわれます。さすが、したたかですね、わかります。

※これを指して、三井不動産側の勝手な期待を反映させただけの荒唐無稽な図だといって一種「無視」することもできましょうが、いえいえ、三井不動産としてのららぽーとの状況いかんによって、JR側の意思決定がなされるという一種「協調設計」っぽい面があるのです。


 本質的でない余談としては、JRの10両編成が海老名にっ! といって、来年3月にも常磐緩行線の車両が遠くは新松田(!)まで直通するかのような試運転が行われているとのことです。

・「E233系2000番台マト4編成が新松田へ」(2015年11月18日)
 http://railf.jp/news/2015/11/18/170000.html

 ちょっと、うそーん([3059])と目を疑うような、いいえ、これでこそ直通ですってばよ、と納得される気がいたします。

・小田急電鉄「小田急線・箱根登山線・箱根ロープウェイ・箱根海賊船にて2014年1月から駅ナンバリングを順次導入します! 新宿駅から箱根・芦ノ湖まで通しのナンバリングにより、わかりやすくご利用いただけます」(2013年12月24日)
 http://www.odakyu.jp/program/info/data.info/8052_1284200_.pdf

 > OH67 元箱根港

 ぬおー、もはや小田急小田原線内で新駅は計画されないということですね、と早合点されます。(あくまで早合点です。)


この記事のURL https://neorail.jp/forum/?3140


(約13000字)

この記事を参照している記事


[3141]

「新たな相模線交通改善プログラム」を読み解く(後編)

2015/12/9

[3147]

【年忘れ】 戻りたい! 『始まりと終わりのATOS』をもう一度(「連動装置」を遠回りに読み解く)

2015/12/20

[3173]

「大手町」を読み解く / 「総合商社」を読み解く

2016/2/8

[3183]

「富里市中心部を東西に通り抜け、芝山町中心部を経て芝山千代田駅に接続し東成田駅に至るルート」を読み解く(談)

2016/2/27

[3229]

【東京圏あり方】速達性向上、2007年の「フォローアップ」活かされず

2016/4/7

[3264]

京成千葉線・京成千原線を読み解く(続)

2016/5/1

[3265]

「市原市交通マスタープラン」を読み解く

2016/5/1

[3287]

「ぜんぶマナーのせいだ」を奥ゆかしく疑う(談)

2016/5/25

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【ネットワーク信号制御システム】「京葉線で使用開始」との報道

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2016/9/12

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いま問う「約225分」のココロ(談)

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2018/2/24


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