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[3179]

リアルタイムオンライン座席予約処理装置「MARS-1」(マルス1)を読み解く(前編)

列車 研究 実装 自由研究 マルス 落語家 通信網 電子図書館 真空管 ジャック


黎明期のコンピューターとその周辺
いま問う「MARS-1(マルス1)」のココロ
日立の「ソフトウェア工場」
「MARS(マルス)」は『電磁的座席予約装置』の直訳
『営業畑』の「ビジネスマッシーン」としての「マルス1(わん)」
鉄道博物館の説明と情報処理学会の説明を読み比べる


 この一連の記事では、国鉄と日立製作所が共同開発したリアルタイムオンライン座席予約処理装置「MARS-1」(マルス1)を題材として、電気・電子の両分野にまたがる「電気通信」「情報処理」、それらにまたがる「情報通信」について、歴史的な流れをふまえた立体的な理解を目指します。

 前編([3179])では、「コンピューターとは何か」「コンピューターと呼べるのはどこからか」を意識しながら、現在の「データベース」につながる歴史的な流れを追います。このため、黎明期の「装置」を読み解くための基礎知識を導入します。

 そして、鉄道博物館における展示内容(説明文)と、情報処理学会「コンピュータ博物館」における説明文を読み比べます。これにより、電気分野としての成果と、情報分野としての成果を切り分けて見ることができるようになることを目指します。

 中編([3178])では、MARS-1で使われた素子など、ひとつひとつの要素技術に着目し、「装置」全体の立体的な理解を目指します。最新の記憶素子についても概観します。(「素子とは何か」を含みます。)

 そして、当時のきっぷの写真を参照しながら、「乗車券センター」「(交)大阪川口」を読み解きます。ここから、「オンラインリアルタイム処理」を実現するための通信網に焦点を移していきます。

 後編([3177])では、電信回線について実感的な理解を目指し、鉄道電話につながる歴史的な流れを追います。通信網の構築における交換局と端局の階層構造についても概観します。(「通信とは何か」を含みます。)

 記事の中では、勉強のため、「仮定」をしながら見ていく部分があります。最後に「日立評論」の(当時の)記事(技報)を参照して、「答えあわせ」をしてみます。


●黎明期のコンピューターとその周辺


 いま運行管理システムそして連動装置といって、(一般に)なかなか理解が難しいのは、背景的な知識がほとんど普及していないからだと感じます。

[2856]
 > ちょうど1969年3月に東西線、1971年4月に千代田線との直通運転が始まったところ
 > 「自動化するのに時間がかかるなら、できることからやれ」という考えと「いつかは全面的にコンピューターを入れるつもりだから、今はもうしばらくこのままにしておく」という考えがすれ違っていたりします。「自動化のほかにできることからやれ」という意見に対して「できるところから自動化しているではないか」と答えているようなもので、ほとんど噛み合っていません。

 (日本の国鉄では)CTCは1956年から導入が始まり…いえ、「ピコピコ」「カチカチ」のどちらともつかない時期ともいえる1950年代、いかにして情報処理や情報通信が実現され、また、いかなる新技術が構想されていたのでしょうか。

 いま神妙に、「ピコピコ」に関する時代背景のようなものを再確認しておくことにいたしましょう。

・YouTube 「Harwell Dekatron / WITCH Reboot」(2012年11月21日)
 https://www.youtube.com/watch?v=vVgc8ksstyg&feature=youtu.be&t=4s




・YouTube 「The reboot of the Harwell Dekatron / WITCH computer, the world's oldest working computer」(2013年イギリス)
 https://www.youtube.com/watch?v=SYpPPIsxq64




※「1951年製造」と訳している例が見られますが、とんでもない! こんな黎明期にあっては、試作・実験・改良の区別も明確ではなく、ほかのほとんどの装置が(分解され、その次の装置に再利用されるなどして)現存していないように、ずっといじり続けていたと説明されます。どこかの時点をもって「○○年製!」などと断じられるものではないでしょう。「the world's oldest original working digital computer dating from 1951」とのことで、「1951年から動き始めた世界最古で現存するオリジナルのデジタル計算機!」とでも訳したらいいんではないでしょうか。本当でしょうか。(大げさには「歴史に日付の目盛りを刻み始めた」→「動き始めた」と意訳できましょう。)『現存唯一』については[2977]を参照。

※いきなり映像だけ見てもピンと来ないかと思われますが、当時、開発に関わった人たち(1951年に29歳としても2012年には「90歳!」)が招かれ、ほかに、コンピューターサイエンスや博物館の現役の人たちや退職して間もない人たち(40〜65歳くらい)、後ろのほうには、24歳前後の院生がチラホラという、よくあるソレだと理解されましょう。70〜80歳くらいの人がほとんどいないように見えるのは、このためです…たぶん。このあとレセプションといって飲んだに違いありません…などと想像されてきます。

・YouTube 「ibm 305 ramac」(1956年?)
 https://youtu.be/zOD1umMX2s8?t=15s




※まず『買えない』国内のフトコロ事情、そして、(日本を含めて)自由には『売ってくれない』という、「冷たい、冷た〜い時代」だったという(占領、国際情勢、それに経済の)歴史も踏まえなければなりません。

・「1948年」
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%83%E3%82%B8%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3

・「1950〜1955年」
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E7%89%B9%E9%9C%80

・「1953〜1959年」
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%A0%E7%94%B0%E6%95%8F%E9%9B%84

 > 1953年5月に開発を開始した汎用コンピュータのプロトタイプである***は1954年10月に完成した。真空管よりも計算速度が遅い代わりに安定した素子であるリレー回路を用いており大学・研究所の計算の代行を行った。*A*は1956年に商用化版の***を完成させ、文部省をはじめ30台以上を売り上げた。
 > その後、日本で開発された素子パラメトロンを用いた***などの開発を行った。しかし次世代の素子として業界首位のIBMはトランジスタによるコンピュータ開発へ転換しており、遅れを認識した*A*は*B*を説得してトランジスタによるコンピュータの開発を進めるよう進言した。コンピュータの事業は赤字であったが、*B*は社長の*C*を説得して体制を整え、新たにコンピュータの為の部が作られた。
 > 1959年、社長に就任した*D*はコンピュータに対する関心が高く、*A*を始めとした若手エンジニアが専門知識の講義を行った。

※ぬおー。ぬおー。こういうソレであれば「えきすぱぁとしすてむっ!」([3166])にはならないんではないかなぁ、と、改めて思われました。

・ウィキペディア「コンピューター」
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF

 > 1952年 日本初のデジタル式リレー計算機「ETL Mark I」を通産省工業技術院電気試験所(現:産業技術総合研究所)が開発。
 > 1956年 日本初の電子計算機「FUJIC」を富士フイルムが開発。レンズの設計用であった。
 > 1957年 日本電信電話公社の電気通信研究所でMUSASINO-1が開発される。論理素子としてパラメトロンを採用。
 > 1958年 米テキサス・インスツルメンツのジャック・キルビーが集積回路(IC)を発明。
 > 1959年 日本国有鉄道が日本初のオンラインシステムであるマルス1を導入。

 > 1967年 IBMがフロッピーディスクを開発。
 > 1968年 ダグラス・エンゲルバートが、マウスやウィンドウなどをデモンストレーション。

 1960年代において「オンラインシステム」と「コンピューター」は同義とはいいがたく、「コンピューター」というと科学計算に使うもので「計算機」と呼ばれ、「計算機センター」に置かれ、時間割…いえ、時分割でシェアされるソレであったわけです。このあたりの感覚は、いまでもさほど変わっていないとみられることを先述しました(「わりとヒマな研究者の1日!」…いえいえいえ、「研究室でコンピューターに待たされてヒマしている人」[3099])。

 他方の「オンラインシステム」は、「コンピューター」を使うかどうかとは関係なく、「オンラインでリアルタイムの情報処理ができる」という「機能」に焦点があり、それを実現するための具体的な装置は、さん孔テープ([3107])だろうが磁気テープだろうが何でもよい、といった空気感があったように読まれます。(あくまで主観です。)

・YouTube(再掲)「さん孔テープ」
 https://youtu.be/SYpPPIsxq64?t=10m54s




※後述の通り、電信が先にあって、電信の自動化という形で、コンピューターよりも前に「情報通信」として、後の「情報処理」につながる要素技術(狭くは「さん孔テープ」)が生まれてきたわけです。


●いま問う「MARS-1(マルス1)」のココロ


 この一連の記事では「MARS-1(マルス1)」と呼ばれた、国鉄で最初の「オンラインシステム」に着目します。

・ウィキペディア「マルス(システム)」
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%B9_%28%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0%29

 > マルス1は、国鉄の座席予約専用にハードウェアを設計したコンピュータを使ったシステムであった。記憶装置としては磁気ドラムを採用し、ここに4列車、3600席、最大15日分の予約をできるようにしていた。しかし、すべて1からの手作りであったため、予定の1959年3月には間に合わず同年8月に完成、1960年1月18日に運用を開始した。当初は下り「第1こだま」「第2こだま」に、その後6月に下り「第1つばめ」「第2つばめ」を加えた4列車の予約業務を行なった。しかし、発券内容を切符として印刷することができず、プリンタで印刷し、それを窓口係員が書き写して切符を作成していた。

 ウィキペディアとしては、記述の視点が「プロジェクトX」にあるのかなぁ、と想像されます。したがって、MARS-1は(マルス101から見ての)「解決すべき課題」として描かれ、MARS-1がどんな課題を解決したのかについては、積極的には触れようとはされていません。また、MARS-1に限らず当時、いくつか実装があったのではないかとみられる一般的な特徴までが、あたかもMARS-1の独創性に寄与しているかのような印象を与えていて、ややミスリードっぽくも感じられます。

 現代の一般的な「コンピューター=汎用であたりまえ」という前提が、この時代には全然ちっとも通用しないということを自覚しなければ、勉強が阻まれます。

 「コンピューター」には、特定の処理に特化した「専用」のコンピューター(あらかじめハードウェアで組まれた論理で、同じ種類の計算や処理しかできない)もあるのです。(鉄道の連動装置や、多くの機械式計算機もここに分類されましょう。)

※歴史的には、データを読み込ませるのと同じように「(任意の)プログラムを読み込ませて実行できる」ことを指して、ワー! 「プログラマブル」ですね、すごーい! と喜ばれたのです。きわめて抽象的には、いま(ネットワークなどが)「ソフトウェア定義」ですね、すごーい! といって喜んでいるのも、同じ理屈(ハードウェアからソフトウェアへ:固定から可変へ:専用から汎用へ)といえましょう。

 「情報処理装置」というだけでは、まだ、例えば「画像ファイル装置」のような、専門家だけが書き込みを行ない、エンドユーザーは読み出しだけを行なう一種「リードオンリー!」の装置が含まれましょう。

 これに対し、座席予約は、多くのエンドユーザー(=みどりの窓口の担当者)が同時に、次々と読み書き(空席照会そして予約)を行なうというところに、「情報処理装置」としての難しさが出てきます。(ハードウェアのデバイスの仕様=素子の大小や消費電力などという部分でなく、機能の上で要求がある=抽象的なレイヤーのはなしです、の意。)


●日立の「ソフトウェア工場」


 MARS-1(マルス1)を読み進める前に、ちょっと視点を現代に戻します。

 あー、いまなら○ラクルでミラクル! …といって、「○ラクル」がどこからきたのかなど問うてはならない! …といわれるかもしれませんが、いえいえいえ、ここではきちんと、「いつか来た道」を一種「丹ねん」に追ってみようではありませんか、と意気ごまれます。

※高校1年生のかたには「?」な部分もあるかもしれませんが、いまどき一般に教わるはずの内容は割愛します。シーケンシャルアクセスとランダムアクセス、ロック、オフライン処理(バッチ処理)とオンライン処理までバッチリ(「自称バッチリ」でいいですよ、ええ、自称でいいですとも:このあたりをバランスよく問う入門的な資格や検定など見かけませんので自称するしかありません、の意)だと前提します。(このほかはすべて、個々の処理系で「実装」された「方言」や、時のニーズに応じてつくられた「新語・流行語」だとみなします、という立場をとります宣言、の意。)もしセンセイに聞きに行くなら、物理のセンセイがおすすめです!(勝手におすすめします。)

※高専のかたにとって「!?」となりそうなのは、技術の発展の歴史的経緯を踏まえての用語や概念の整理のあたりでしょうか。そこをすっとばして「いまはこういうふうになっている」というところをピンポイントで、しかし多岐にわたって勉強されているのではないかと思います。(教員による差が大きそう、の意。「トリビア多め」で教えてくれるセンセイにあたれば『めっけもの!』ですね、わかります!)「プログラマブルなIC」のどこがスゴいのか、いまさらとはいわず、ちゃんと驚いて、先人たちのほうをシノんでみましょうよ、といってみます。本当でしょうか。その答えは、お近くの高専のセンセイに、しかしゴキゲンを損ねぬよう顔色をうかがいつつ、おたずねになってください、ぜひ。

※大学生以上のかたには「…」、お好きなようにどうぞ、としかいえません。(だって、そのほうがおもしろいでしょ? 、の意。)

・個人のページ「ワンダフル・ベジタブル・おみそしる」(不適切な表現を含みます)
 http://www.z-z-z.jp/zenji/9704.htm

※国際電話は001でワンダフル!([3173]) レッツおみそしる!([3174]) 『さんがい(3階)』でございまーす!!

・(参考)「にじゅー/さんがいでございます」
 http://www.ytv.co.jp/announce/kotoba/back/0401-0500/0431.html

・(参考)「ワカメ 34歳」
 http://www.oricon.co.jp/news/66012/photo/1/

・「「過程はいいからまず結果出して」が駄目なワケ」より「エンジニアはすでに育たない」「究極の課題」
 http://el.jibun.atmarkit.co.jp/jibun/2010/01/post-55bd-3.html

 > 20年の経験を持つにゃん太郎氏による『ソフトウェア開発に幸せな未来はあるのか』。若手育成の問題について考察する。
 > 昔は資料もツールも圧倒的に不足していて、何でも自分で調べて作っていた。しかし、現在は(略)昔と違い、いまは若手エンジニアが「自ら育つ」時代ではない、とにゃん太郎氏は指摘する。
 > ならば先輩エンジニアはどうすればいいのか。
 > 成長途中のエンジニアに結果のみを求め、できなかったら責めるような業界であってはならない。

 > さとう氏は勉強会「オラクルでミラクル」で、Oracleデータベースのネットワーク構成について学んだ。勉強会には、いくつかの楽しい工夫がこらされている。「究極の課題」を設定し、皆で難問に挑むのがその一例だ。宿題も「枝豆とたこわさとリスナーポート」や「ほっけの簡易接続焼き」など、面白いタイトルがついている。
 > これらの工夫は「楽しく勉強したい」という主催者の気持ちが表れている。まじめに勉強するだけではなく、ちょっとしたユーモアを大切にするのも、勉強会開催の重要なスキルではないだろうか。

※きちんと一種「あっぷでぇ〜〜つ♪」([3162])していけるソレ(落語家がITの話題を古典噺に採り入れるようなソレ)がないと、ユーモアのセンスの「陳腐化リスク!」にさらされるんですよ。なるほどなるほど、それで?(もしゃもしゃ)…あざっす。

・個人のブログ「枝豆30年を2時間半でブーっ」(2015年1月27日)
 http://tht.sblo.jp/article/112713972.html

・NHK「2016年春のEテレ新アニメ あのアザラシの“ゴマちゃん”が この春、天てれアニメで復活!」(2016年1月20日)
 http://www.nhk.or.jp/pr/keiei/shiryou/soukyoku/2016/01/011.pdf

・「にゃん太班長・幸せのレシピ」エンターブレイン
 http://bslogcomic.com/loghorizon/

・「風邪の日と、ねこねこpart3」(2007年)
 http://video.unext.jp/episode/SID0002658/ED00015037

※こう、よなよな水曜日のネコ…いえ、真夜中の庭でトムさん…いえ、***に***を適用することにより、「賞味期限切れのちりめんじゃこ」が「新鮮な***!」に変換されるということです。

・「PLD(Programmable Logic Device)」
 http://www.marutsu.co.jp/contents/shop/marutsu/mame/58.html

・「日立のデータベース、きほんの「き」」
 http://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/soft1/spcon/hitachino_db/

 > アートディレクション&デザイン/渡辺浩之(olola)
 > イラスト/タナカカツキ
 > 編集協力/株式会社 翔泳社 DBOnline編集部

※うっ…、きょうれつに たちこめる 1975ねんふ゜らすまいなす2ねん のにおい! こ゛ほこ゛ほ……。もし は゜らめとろんか゛ ほしいなら こうし゛ょうに また゛ のこっているから それを もっていくか゛いい。こ゛ほこ゛ほ……。

・「1975ねんふ゜らすまいなす2ねん のにおい」
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%82%BA%E3%83%80%E3%83%BC%E3%83%93%E3%83%BC
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B2%AC%E3%82%81%E3%81%90%E3%82%8A
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%81%AE%E4%BB%AE%E9%9D%A2
 https://ja.wikipedia.org/wiki/On_Your_Mark
 http://www4.nhk.or.jp/endless/

※つかれているんて゛す。やすませてくた゛さい。あした また きてくた゛さい。こ゛ほこ゛ほ……。

※「システムの都合上」(!)、全角ひらがなで表記しましたが、原文は半角カタカナだということです。え゛ーッ!!(「Windows 95 20周年同窓会」[3136]のノリで、ひとつよろしくそのせつなにぶん…などと、「9500年と20年前!」のほうなどシノビながら「懇がん」されます。本当でしょうか。)

・谷川俊太郎「ごあいさつ」
 http://www.kget.jp/lyric/170563/%E3%81%94%E3%81%82%E3%81%84%E3%81%95%E3%81%A4_%E9%AB%98%E7%94%B0%E6%B8%A1

・週刊アスキー「谷川俊太郎さん オタクな素顔 ひたすら好きな家電の話をする「詩の話より面白いなあ」」(2015年05月13日)
 http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/333/333762/

 > 「これなんだけどね、Palmがなくなったとき買ったやつで※1」
 > モンストやパズドラとか、やってませんよね。
 > 「えっ、なになに?」
 > 「『書院』が出てきて初めて原稿書きに使えるようになりましたね。シャープは、売り出したばっかりのパソコンをよく分かりもしないで買い込んでましたよ。まだカセットテープがメモリーになってるやつ。最初のころはディスプレイが1行か2行で、メモリーも数百キロバイトしか保存できなかったから仕事にならなかったけど」
 > 谷川さんの直筆……じゃないか、なんていうのこれ

※この、こういう部分では「会社で支給!」でなく自分で(≒自腹で)買うことを通じて一種「知見のようなもの」が鍛えられる面があると実感されましょう。

・「1981年〜1994年」に築かれた「礎」
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%97%E3%82%8A%E3%81%82%E3%81%8C%E3%82%8A%E5%AF%BF

・せんだいメディアテーク「青葉縁日」
 http://www.smt.jp/aoba3/aoba01/

・「日立のデータベース」
 http://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/soft1/download/catalog/pr/dbonline1308.pdf

 > メインフレーム時代のデータベースについて知ろう!
 > この「みどりの窓口プロジェクト」にこそ、日立のデータベース開発の原点があるのだという。
 > 世界初となるソフトウェア専門事業所「ソフトウェア工場」を設立したのだ。

 > 1974年に生まれたのがネットワーク構造型データベース「PDM」と階層構造型データベース「ADM」、1977年にはデータベース機能を内蔵した金融証券向けオンラインコントロールプログラム「TMS-4V」をリリースする。

 …とのことで、さすがにMARS-1の説明はしきれない(本題から逸れる)といって一種「戸塚工場の窓からパラメトロンが投げられた! 打った! 走った!」感を感じました。(あくまで比ゆです。)

・戸塚駅(2000年7月)
 http://atos.neorail.jp/photos/photos.cgi?mode=find&station=%8c%cb%92%cb
 http://atos.neorail.jp/photos/images/atos0173.jpg

http://atos.neorail.jp/photos/images/atos0173.jpg


・「燃えた、打った、走った!」(1974年)
 http://bookmeter.com/b/4820542818


●「MARS(マルス)」は『電磁的座席予約装置』の直訳


 MARS-1について、第三者による説明という意味で電気学会を参照してみます。

・電気学会「MARS1/JR Reservation Ticket Offices "Midori-no-madoguchi" Magnetic electronic seat reservation system」
 http://www2.iee.or.jp/ver2/honbu/30-foundation/data02/ishi-01/ishi-2122.pdf

 いまカタカナで「マルス」といって由来がよくわからないソレが、「MAgnetic electronic seat Reservation System」(日本語の「電磁的座席予約装置」の直訳! 語順が日本語のまま!!)の頭文字をとった「MARS」だとわかります。

※「電磁的」すなわち、このフォーラムでいう「カチカチ」については[3170]で先にまとめました…といって、本稿のためにまとめたんですよ。なるほどなるほど、それで?(もしゃもしゃ)…あざっす。どうにも可読性が低い状態なのは『仕様!』です。3年後くらいにでも『再構成!』できればいいかなぁ、などと3年後のほうなど遠目に見ながら思ってみます。(あくまで思うだけです。具体的な予定はありません。)

※とはいえ、きっと、あのマルスさんとかけているんですよねぇ…といって3月の火曜日のほうなど数えてみようと思いました。(名称の由来に関するはなしは後述。)紙の発券機能、すなわち「プリンターと呼ばれる電磁的な機械」が組み込まれている限り、このシステムは「マルス」と呼ばれ続けるのでしょう。翻って、「全面チケットレス!」になれば、各社バラバラの小さなシステムに分かれていって、もはや「マルス」という名前は残らないか、あるいはシステム間をつなぐネットワーク(EDI、エクストラネットの類)に、その名が残ったりするんでしょうか。(まったく想像です。)

 > 日本のコンピュータ黎明期のオンライン・リアル・タイムシステムの代表
 > マルス1は、磁気ドラム記憶、2組の演算制御回路の照合方式を採用し、座席予約処理を行う日本初のシステムとして1963年10月まで運用した。
 > 当時のこの成功は、日本の電子計算機技術がオンライン・リアルタイムに応用できることを実証し大きな意義を持った。

 (あくまで現代のソレで述べるならば)データのトランザクションが完ぺきで「ダブルブッキング(予約の重複)」がなければ、座席予約システムとして「及第点のようなもの」はもらえるということです。これを、ハードウェアはぜんぶできていて「ソフトウェア工場」だけでゴリゴリできるというのは、たいへん先進的で、端的にはとってもシアワセなことなのですよ、ということです。

 MARS-1の技術的な詳細は中編([3178])でまとめますが、仮には、電信(トンツーのソレ)の相手が人でなく磁気ドラム(メモリ)です、というくらいのソレ、とまで一種「曲解」しても、あながち「過言」ではないかもれません。情報処理とは何か、その原点を再認識できる、一種「すがすがしさ」のようなものを感じられます。(感想は個人です。)


●『営業畑』の「ビジネスマッシーン」としての「マルス1(わん)」


 世の中では「全米が泣いた!」([3053],[3066])…いえ、「電気学会の権威が認めた!」と、一種「権威1つ!」で全面的に持ち上げるような受け取りかたをするかたが、まだ(たぶん、まだ)多いのかなぁ、と推測します。「電気学会の権威!」は(歴史ある分野ですから)確かに「権威」だろうといって疑いませんけれども、では、この成果=MARS-1(マルス1)は電気学会だけで扱いきれるようなソレなんでしょうか、というところは大いに疑ってみることにいたしましょう。

 鉄道博物館での説明を見てみましょう。

・個人のブログ「鉄道博物館に行く 〜その6〜 その他の展示」(2014年9月21日)
 http://akkey.air-nifty.com/heplabo/2014/09/post-74c4.html

 > これだけの大きさで、磁気ドラムの記憶容量は40万ビット(50KB)、4列車、3,600座席、15日分の予約が出来た。

 > (鉄道博物館の展示物より)
 > 戦後の経済発展にともない、国鉄では快適な旅行を約束する列車の指定券が重要視され、多くの優等列車に指定席が設けられるようになりました。当初は乗車券センターで座席台帳を用意し、手作業による座席予約作業をしていました。しかし、1958(昭和33)年11月に東京〜大阪・神戸間にビジネス特急「こだま」の運転が開始されると、指定席等の取り扱い数が著しく増大して発券に時間がかかり、さらには誤発売も多いなどサービス面でも問題が出てきました。そこで、当時急速に進歩するコンピュータ技術に注目し、これを座席予約に利用する研究が開始されました。
 > 中央装置:東京駅乗車券センターに配置
 > 中央処理装置:磁気ドラム(容量40万ビット)の記憶装置、トランジスタ約2,000個、ゲルマニウム・ダイオード約1万個を素子とする演算回路からなる。
 > 予約装置からの要求に対し高速度で要求座席を探し出し回答を送る。予約装置からの送信は待時式の自動交換装置により到着順に中央装置に接続
 > 記憶装置と演算回路は二重回路の並列運転方式を用い、誤動作を検出
 > 制御盤(装置全体を人手で制御)、入出力装置(次期の日付の座席の書き込み)等が付属

 > 予約装置:乗車券センター・各駅に配置、A型とB型の2種類
 > 中央装置と通信回線を介して要求座席の授受を行う
 > 要求内容の回答を印刷する印刷機(タイプライター)を付加(指定券の直接印刷はできず)
 > A型:座席の照会、予約、特定座席の指定予約、解約(取消)機能を持つ
 > 東京乗車券センター、東京駅、上野駅、日本交通公社本社に配置
 > B型:座席の照会、予約機能を持つ
 > 有楽町駅、新橋駅、渋谷駅、新宿駅、横浜駅に配置(のち名古屋駅、大阪駅に配置)

 > 予約期間:15日間
 > 取扱列車数:「こだま」ほか4列車
 > 座席数:3,600座席(一列車900座席以内)
 > 各座席を3区間に分け、それぞれ独立に予約
 > 要求の処理時間:約3秒
 > 1回で取れる座席数:4座席まで
 > システム設計・論理設計・回路方式設計:国鉄鉄道技術研究所(現鉄道総合技術研究所)

 > 出典:横溝潔「座席予約電子計算装置の試用」(日本国有鉄道営業局編集『国鉄線』No.130)

 さすが博物館、詳しすぎる内容は適宜、省きつつ、そこそこコンパクトに紹介されています。ただ、出典から持ってきた部分と、自分たちで書いたとみられる部分とで、文章の質が大きく異なり(=大きく異なることから、ああ、ここは持ってきた、ここは書き下ろした、などと判別できてしまう、の意)、なかなかたいへんそうに見受けられます。本当でしょうか。

 「コピペぇ!」(「でべそー!」[3103]的な意味で)とはいいませんが、かなり出典からそのまま引き写した文面(引用符で囲むなどしていない、の意)があるだろうと予想して、その原典を直接参照してみます。いまならなんと! しかるべき業界団体の『電子図書館』で誰でもすぐに参照できます。(これは***『電子図書館』ですね。別途まとめます。)

・交通協力会 電子図書館「国鉄線」No.130(1960年3月)
 http://library.transport.or.jp/e-library/%E5%9B%BD%E9%89%84%E7%B7%9A/pdf/1960-03_%E5%9B%BD%E9%89%84%E7%B7%9A%28s35%29.pdf

 > (営業局旅客課)

 > はしがき
 > 座席予約用電子計算装置の概要
 > 座席予約用電子計算装置の試用要領
 > あとがき

※ワー! 技報並みに「清く正しい」ソレでびっくりです。現在でも、ほとんどそのまま技報に掲載できそうな水準だと見受けられます。スバラシイ! しかし、著者の所属をみますと、いわゆる『技術畑』ではなく『営業畑』と呼ばれるほうに位置していて、それでなお、この文章が書けるということは、いかに水準の高いことであるか、ということです。(『技術畑』の人から「上がってきた」ドラフトを自分の名前で発表しているのでない限り、ですけれども。)当時の人事をよくわかっていないので、本当にご本人がスバラシイのかまでは断定できません。恐縮です。

 > アメリカ等で広く採用されている電子計算機を応用した自動予約装置について研究を進め、試作第一号機を完成した。
 > この試作機は東京乗車券センターに設置され、既に新聞等にも紹介されているが、二月一日から営業に試用を開始したので、本装置の概要及び試用の概要について次に紹介したい。

 > この装置は、昭和三十二年から部外有識者の協力を得ながら、部内の営業・電気関係者の間で研究を重ね、鉄道技術研究所において設計したもので、日立製作所の作製にかかるものである。
 > 発売箇所に設置した予約装置の押しボタンを操作することにより、座席の予約・照会がわずか三秒程度で自動的に行われる
 > 座席番号指定を行い、希望によっては特定の座席指定まで行うことができる。

 > 中央装置
 >  中央処理装置、制御盤、入出力装置、交換装置
 > A型予約装置
 >  予約装置操作盤、送受信装置、座席状況表示装置、印刷機
 > B型予約装置
 >  予約装置操作盤、送受信装置、印刷機

 > 大容量(四〇万ビット)の磁気ドラムの記憶装置と、トランジスター約二〇〇〇個、ゲルマニウム・ダイオード約一万個を素子とする演算回路
 > 磁気ドラムに予約期間中の全座席を記憶収容させておき、発売箇所からの要求に対し、高速度で要求座席を探し出して回答を送る仕組みであるが、記憶装置と演算回路とは全く同じものが二個あつて、並列運転を行い、両者の回答が一致して始めて要求元に回答を送ることができるよう一致回路を使用し、正確を期している。
 > 発売箇所(予約装置)からの送信は待時式の自動交換装置により到着順に中央処理装置に接続されるので、電話の場合のように話中で後からかけなおす手間もいらない。
 > 中央装置では(略)予約状況表(乗務員に交付する発売通知書に相当するもの)の印刷を行うことができる。
 > A型には更に、テレビのようなブラウン管上に客車の座席状況を表示する装置を附加し、特定座席の指定予約及び解約(取消し)の機能を持たせてある。
 > 旅客の申込書に書かれた日付、列車名、乗車駅、降車駅、等級、座席数(四座席まで)に従つて、予約装置の操作盤パネルの押しボタンを押し、発信キイを倒せば、センターの中央装置に信号が送られる。電子計算機は定められた順序に従つて、希望順位の高い客車中央部の窓側から順次空席を探して行き、空席がなければ客車前後部の窓側・中央部の通路側・前後部の通路側の順序で探す。この順序は、あらかじめ覚え込ませておけば機械はそのとおり忠実に探して行くようになつている。空席が見付かればこれを予約状態におき、その応答を予約装置の操作盤上にランプで表示し、同時にタイプライターが起動してその予約内容を印刷する。

 > (写真)座席予約満員表示装置

 とのことで、確かに『営業畑』に寄った説明ですね。その点では文句なく「丁寧な説明」と感じられ、特に、駅員(発券窓口)だけでなく乗務員への対応にも言及されていて実際的です。(単なる「装置自まん!」でなく、業務プロセスの刷新が本題なのだといって一貫しています。)その一方、通信回線については説明がありません。よほど説明不要なほどあたりまえの回線(=当時)であったか、アピールできないほど貧弱な「カリソメ」のソレであったか、の『二択!』かなぁ、とシノバレました。(あくまでシノビです。)

 そのような、きわめて実際的な「ビジネスマッシーン」(国産!)として見る流れからは、『(狭義の)コンピューター』かどうかなど関係ない! …とまではいかずとも、要素技術は一種「隠ぺい」して、「何ができるのか」「仕事がどう変わるのか」に焦点をあてるのは当然です。「プロジェクトX」としても、それで十分「楽しめる」構成となりましょう。それでも、このフォーラムとしてはちょっと(かなり)物足りないなぁ、といって、一種「貪よく」になってみましょう。

・(狭義の)いわゆる「ビジネスマッシーン」
 http://www.dentaku-museum.com/calc/calc/1-sharp/6-sorocal/sorocal.html
 http://www.dentaku-museum.com/calc/calc/1-sharp/6-sorocal/suntory/b-2.jpg

・YouTube 「ピコピコそろばん」としての「シフトレジスタ」
 https://youtu.be/Zt0OIH0u8E8?t=27s




※あー、それでそろばんって桁数が多いんですね! 右のほうと左のほうで「並列計算!」できて、しかもレジスタの内容(メモリー)が電力を使用せず(重力と摩擦力で)保持されつつ、記憶と表示を同じ素子が担うんです(≒記憶素子が「見える化!」されているんです)。…などと、理解するためとあらば歴史的な順番は無視しても差し支えないとまで思われてきます。(あくまで理解のためです。)

・「営業畑」の「サンイラズ」
 http://kiteru-kuriyama.com/?p=17243
 http://kiteru-kuriyama.com/files/sunrise01.jpg

・Google ストリートビュー 「栗山サンライズ」付近
 https://goo.gl/maps/KoXr9ehBhF12

※看板が手づくり・手書きと見受けられます。そして、やだなぁ、ある程度の大きさの文字までは「素」じゃないですかぁ…といって、その実、「筆跡のようなもの」がそのまま表われつつ、ある限度を超えて大きな文字を書く…いえ、もはや「描く」となったときに、こう、意識して意図せずとも素朴に「国鉄書体!」のようなものが一種「再発明!」されていることに気づかれましょう。

・「リンゴ畑」を営業しながらの難しい演奏会
 http://selvatica.blog45.fc2.com/blog-entry-1081.html

・道の駅南国風良里(ふらり)の「定休日に営業」する「電話予約制」のレストラン「まほろば畑」
 http://blog.livedoor.jp/pachekou-eiga/archives/366101.html

※これ、英訳できるかたいませんか。便利でおトクな「マジックワード」としての「電話」については[2969]なども参照。遠い未来、もはや通話などされない時代を迎えてもなお「電話予約」という言葉は残りそうだ、ということです。(あくまで予想です。)対して「道の駅」は、「老朽化対策!」などといって歩道橋のように「第3種やっかい者」扱いされる時代がきっと来ると予想されます。(あくまで予想です。)「国道版SAPA」とか「都道府県版SAPA」(さらには「JA市町村JV型SAPA」)といってみれば、あー、そういうことだったのねん☆…といって、その実、道路会社に集約しないと立ち行かなくなりそうだと早合点されましょう。そのうち「吉野家JA○○」で「地産地消型ロードサイド牛丼店!」などと…(略)。牛を見ながら牛丼! 「本格牛丼」と書かれた赤い布をはためかせながら『牛の見えるテラス席』で牛丼!!(「本格○○」については[3091]、牛肉を供するチェーン店については[3165]も参照。)

・「牛を見ながら牛丼」(2014年6月10日)
 http://blog.livedoor.jp/doroyoideisui/archives/7911454.html

・Google ストリートビュー 「柏木牧場」(神奈川県伊勢原市)付近
 https://goo.gl/maps/9eVc3utWaC52

・同「牛舎に面したテラス席」
 https://goo.gl/maps/ez7tSX9HC4t

※「お客様に迷惑がかかりますので当牧場に動物類を捨てないで下さい!」との掲示が見られます。え゛ー、▼『迷惑』かどうかと無関係に(「当牧場」とも関係なく)捨てること自体がだめでしょ、▼(牛舎の消毒とか、あるいは肉牛まるまる食用にできなくなる等の結果)営業できなくなって困るのは「お客様」より先に「御社」でしょ、と思われました。この掲示を見ないと入店できないお客様としては、逆に「なるほど、『飼いきれなくなったミニブタ』等は当牧場に『放せば』、「しょうがないわねぇ」といいながらも『面倒みて』もらえるんですね! わかります!!」と早合点されて、動物類のソレ(持ちこむ側は「捨てた」とは認識していないかもしれない、の意)がかえって「促しん!」されてしまいそうな「懸ねん」がありましょう。…しかし「営業畑!」からの余談でした。


●鉄道博物館の説明と情報処理学会の説明を読み比べる


 情報処理学会では、電気学会とは異なる視点から、すなわち、あくまで「コンピューターの原型」としてとらえる見かたからまとめられています。読み比べてみましょう。

・「【日立・国鉄】MARS-1」情報処理学会
 http://museum.ipsj.or.jp/computer/dawn/0030.html

 > MARS-1 (Magnetic-electronic Automatic Reservation System 1)は,1950年代後半に国鉄鉄道技術研究所(現・鉄道総合技術研究所)の穂坂衛,大野豊らにより計画・設計された.1958年日立製作所に発注され,戸塚工場で谷恭彦らを中心として製作された.

 > 座席用ファイルに40万ビットの磁気ドラム記憶装置が採用された.また,座席パターンの高速な検索と更新のために,1列車の各座席が空いているかどうかを示す900ビットのレジスタ2個が使用されたのを始めとして,端末との通信,予約通知書の印刷,CRT表示用などに大きな容量のレジスタが使用された.これらのレジスタ類は磁気ドラムの表面を遅延線として用いる再生循環レジスタとして実現されており,フリップフロップの数を大幅に減らすことに成功した.

 > ハードウェアの論理部は,ダイオードによるAND-ORゲートと,クロックに同期するセット,リセット形の静的フリップフロップが主体であった.中央装置1台には,トランジスタ1000個,ダイオード4500個の他,当時大電力用のトランジスタがなかったため真空管70本が使用された.磁気ドラムは,径300mm,長さ300mm,回転数3000rpm,全トラック数200で,うち10トラック分が循環レジスタに使用された.

 > 信頼性の確保のため,通信系の誤り検出はパリティチェック,中央装置は二重系並列運転による照合チェック,ファイル更新にはレコードのサムチェックが行われた.

 > 1959年,東京駅構内に中央装置が設置され,
 > 初期10ヶ月間の稼働率は99.86%,以後は99.95%以上という実績を残した.

 まず、貢献者の貢献箇所を明示して、連名で扱うところが、たいへんフェアだと感じられます。ここで新しく出てくるのは、「AND-ORゲート」「クロックに同期するセット,リセット形の静的フリップフロップ」「真空管70本」、そして、磁気ドラムの詳細な仕様と、使用方法です。また、ダイオードの数についても総数を示すのでなく、「中央装置1台」と限定して「4500個」と示しています。これは、回路の規模を知るための重要な情報で、いまでいう「プログラムの行数!」に相当するものですね。

 そして、…おおー! このくらい情報が示されていれば「自由研究」として模擬して「追体験」など、できるかもしれない、と思われてきそうです。ただ、そこを通り越して、きわめて俗には「自分でもつくれる!」「子どもでもつくれる!」などと、そういう印象を「あん易」に抱いてしまいますと、MARS-1(マルス1)を指して「手作り」(ウィキペディア)と評されることとなるのでしょう。…本当でしょうか。

・(再掲)(現行版)
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%B9_%28%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0%29

 > マルス1
 > すべて1
 > からの手作りであったため、予定の1959年3月には間に合わず同年8月に完成、1960年1月18日に運用を開始した。

 「手作り」というのは、だいぶ比ゆ的なソレであって、いいたかったのは「試行錯誤や予期せぬ多数のトラブルに見舞われた=それが楽しくてやりがいがあった=いまとなっては懐かしい思い出だよ」という、どこかで語られたかもしれない回想そのままのソレですね。ウィキペディアの筆者が「懐かしい思い出」を語ってどうしますか、と断じられましょう。

 …仮に「戸塚工場で板金加工したり、部品を手作業でハンダ付けしてました」ということでしたら、当時としても、現在の受注生産のソレとしても(それなりに)「あたりまえのこと」のはずで、見学した人が(勝手に)「手作りで国産! スバラシイ!」などと一種「たん絡」されて「赤い目」をして(感涙のソレ)、あろうことか『戸塚工場見学記』など書かれ(描かれ)ましたとしても、それはそれ、あくまで「製造」や「製作」と呼ばれるところでありましょう。(「トンテンカン」については[2908]も参照。)いえ、そんなことはない、ということもあるかもしれませんので、ここではどちらとも断定できません。


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