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「情報と鉄道」「ユニバーサルデザインと鉄道」「社会と鉄道」がテーマのフォーラムです。(16歳以上対象) 【このフォーラムについて】



by tht

[3270]

【柏市・東武】2018年度末に高柳駅を橋上化、2019年度末に六実−逆井間を複線化

高柳駅 輸送サービス 詳細設計 日比谷線 輸送力増強 指令所 急行運転 光ファイバー 自由通路


「高柳駅の進捗状況について」ほかを読み解く
東武鉄道「安全報告書」を見る
東武鉄道、本線系統はATSを維持か


 [3415],[3470]に続報ございます。


 東武野田線(愛称:東武アーバンパークライン)の船橋−柏間が、2019年度末をめどに完全複線化されます。4月25日、東武鉄道が発表しました。

 複線化されるのは、この区間のうち単線のままだった、六実−逆井間で、2016年度から着手するとしています。

・Google ストリートビュー 「高柳駅」付近(2015年5月)
 https://goo.gl/maps/t3hR9UeHUmP2
 https://goo.gl/maps/maSA1iBmJuy

 昨年9月29日に柏市が公表した「高柳駅の進捗状況について」によりますと、複線化工事の区間にある高柳駅について、▼駅舎を橋上化、▼現在の線路の西側に用意された「複線化用地」に1面2線のホームを新設、▼自由通路を整備するということです。また、この資料に添付された図面からは、▼ホームの長さは約130m、▼現在の位置より南へ75mほど移設となることがわかります。さらに、駅舎の広さ、支柱の位置などから、少なくとも2面3線化を考慮して駅舎および自由通路が設計されているとみられます。

 駅舎の橋上化は柏市の事業で、この事業では1面2線までの整備しか行えない一方、東武鉄道による輸送力増強の工事として、残りの少なくとも1面1線を整備するのではないかとみられます。このため、2019年度末の複線化の時点では、急行運転を含む大幅な増発などは実現できないとみられます。

 東武鉄道の発表では「輸送サービスの向上を目指します」と表現されていることから、2020年度以降のさらなる取り組みが待たれます。

・Google Earth 「高柳駅」付近(東側から俯瞰)
 https://goo.gl/maps/mgdnNnPspAt

・Google ストリートビュー 「高柳駅」付近(2015年5月)
 https://goo.gl/maps/ZySTajbUBak
 https://goo.gl/maps/vxfPigek1aL2
 https://goo.gl/maps/XRLotc4jWzN2
 https://goo.gl/maps/TmTDxoDc19G2
 https://goo.gl/maps/BEnLHRf2ix52

 なお、高柳駅の西口について、Googleストリートビュー、Google Earthとも古い画像のままですが、既にいくつかの商業施設が開業するなど、大きく変化しています。


●「高柳駅の進捗状況について」ほかを読み解く


 以下、このフォーラムの「名状しがたいスタイルのようなもの」とともに、資料を立体的に読み解くことを目指してみます。資料1つだけ読んでわからないことは、複数の資料をあわせて読めばいいんです。

・柏市「高柳駅の進捗状況について」(2015年9月29日)
 http://www.city.kashiwa.lg.jp/soshiki/140700/p021767_d/fil/takayanagi_sinntyoku.pdf

 > 柏市では,高柳駅の自由通路および橋上駅舎の一体的な施工に向け,現在,両施設の詳細設計を進めています。

 > 本図は,橋上駅舎等の外観を表現したものです。今後,詳細設計の進捗により変更する場合があります。

 > 複線化用地の使用開始後,自由通路および橋上駅舎の工事に着手します。
 > 一体的施工により,工事期間の短縮,工事費の削減を図ります。
 > 平成30年度末,橋上駅舎および自由通路の一部を供用開始する予定です。

・東武鉄道「東武アーバンパークライン 六実〜逆井間 複線化工事に着手します」(2016年4月25日)
 http://www.tobu.co.jp/file/pdf/64493067610b470ed3deb33cb7b1c3f0/160425_2.pdf?date=20160425130147

 > 柏〜船橋間が全線複線となり、同区間における列車交換のための待ち合わせの解消等により、所要時間の短縮等、輸送サービスの向上を目指します。

 > 複線化完成目途 2019年度末

 ちょっと読み解くのが難しそうです。しかし、「同区間における列車交換のための待ち合わせの解消等により、所要時間の短縮等、」と、「等」が2回も出てくるのはどういうことでしょうか。

 この文を、字面だけ追って、単に「できのよろしくない『あく文』!」だと見るか、いえいえいえ、高度に構造的で、すべて意味のある表現なんだ(けれども、現時点で決定していないこと『等』は、記載できなかった『等』)とみるか、これはもう、読む側が試されているともいえそうです。

 そして、最終的には「輸送サービスの向上を目指します」と着地する形式を取る文ではありますが、うーん。つまり、増発できないうちは「輸送力増強」とは呼べないので「輸送サービスの向上」と表現するしかなく、一方で、複線化の究極の目的は「輸送力増強」でしょ(そこは疑われない、の意)といって、その実、全体として「輸送力増強」が実現するには、▼「待ち合わせの解消」のほかにも『手』(運行上の改善)がある、そして▼「所要時間の短縮」のほかにも『利』(利用者にとってのメリット)が出てくる、といって、それぞれに『等』がつくんだ、…などと勝手に納得できそうです。(あくまで勝手な納得です。あしからず。)

 ▼橋上化は(自由通路込みで)柏市が主体
 ▼駅舎の費用は東武鉄道が負担
 ▼橋上駅舎および自由通路の施工(線路敷での工事)は東武鉄道
 ▼エスカレーター、エレベーターの費用の一部は柏市?
 ▼「複線化用地」は土地区画整理組合の所有のまま? 柏市に譲渡後、東武鉄道が使用?
 ▼橋上化のため「複線化用地」を使う必要がある?⇔「複線化用地」を使うからには(速やかに)複線化されないといけない?

 高柳駅の整備がここまで遅くなった(「待ちくたびれた感」がきわめて高い、の意)背景にあった「バタフライっぽい問題」が、バタフライな依存関係はそのまま、ここぞと、一気に取り組まれる感じがしてきます。見よ! これが『鉄道時間』([3065])だっ!

 「駅舎だけ先に何とかしてよ、土地だってあるんだし」という素朴な考えでは事業化できないことがうかがわれてきそうです。

 いわゆるタイムラインも見てみましょう。

▼2018年度末(2019年3月?)に高柳駅の施設の一部使用開始(予定)
▼2019年度末(2020年3月?)に六実−逆井間が複線化(予定)、柏市による高柳駅の整備が完了(予定)

 おお、高柳駅に現状(2面2線)を超える規模の乗降場(プラットホーム)を設けるときは、東武鉄道が主体で別の事業としなくてはならないとうかがえてきそうです。柏市が主体の事業(橋上化)が完了した後に、こんどは東武鉄道が主体で、柏市の補助金なども活用(エスカレーター、エレベーター、可動式ホーム柵も?)しながら、2面3線化など取り組まれるのではないかなぁ、と想像できそうです。(あくまで想像です。)


●東武鉄道「安全報告書」を見る


 JRですと、ATACSがどうのこうの、他の線区との兼ね合いが、電子連動化が云々、となりそうなところ、東武鉄道ではどのような状況にあられるのでしょうか。ウィキペディアに頼らず、東武鉄道が公表している公式の資料を探してみます。

・東武鉄道「2011年 安全報告書」
 http://www.tobu.co.jp/anzen/houkoku/2011/safety_measures/safety_service.html

 > 野田線、東上線では運行管理システムにより信号やポイントを制御しています。

 > 一部の駅では信号係が列車の進路制御も担当しています。

・同
 http://www.tobu.co.jp/anzen/houkoku/2011/safety_measures/images/img4_5_1.jpg

 > 運転指令(本線)

 おお、監視カメラの映像もいまどき普通のIP回線であたりまえのようにライブカメラ…いえ、指令所ほか、イントラネット内のどこからでも参照できそうな気配がございます。(コンビニのチェーンと同じくらい安価なソリューションで実現されていそうだ、の意。)本当でしょうか。

・同
 http://www.tobu.co.jp/anzen/houkoku/2011/safety_measures/images/img4_5_6.jpg
 http://www.tobu.co.jp/anzen/houkoku/2011/safety_measures/images/img4_5_20.jpg
 http://www.tobu.co.jp/anzen/houkoku/2011/safety_measures/images/img4_5_22.jpg

 > 駅
 > 継電器点検
 > 通信機器点検

 おお、▼継電連動装置はそのまま、▼いまどき安価になった普通の通信設備を外付けして『運行管理システム!』だというような、ラッパー([3267])っぽい開発工程が想像されます。工事の進捗にあわせて高柳駅の配線を次々に変えることは、JRほどたいへんではなさそうに思えてきそうですが、あくまで錯覚です。(一概には比べられません、の意。)

 高柳駅の柏方(北側)には、留置線の用地の外側(東側)半分を使った6線の留置線が造られて使用されていますが、残りの用地に留置線の増設(さらに6線ほど?)をしながら、高柳駅を2面3線化(※前述および後述)したり、大宮−春日部間と同様の踏切や信号の改修を経て、おお、柏−船橋間でも輸送力増強といいながらのソレ(各駅停車を減便せず、6運用ほどの急行を新設?)など想像できそうです。(まったく想像ですが、用地から推測できる「上限」は6運用である、の意。)

 (『編集部より鉄道に詳しい方』のうち、特に)ダイヤに詳しいみなさま、ぜひ、柏−船橋間で6運用の増加で、現行の本数は全駅で維持のまま、いかなる急行運転など可能であるか、探ってみられるとおもしろいのではないかと思われます。また、高柳−逆井間の留置線の用地からは、8両化は予定されていないとみられ、他方、(京成でも同様ですが)車両故障に備えた2重化のため4両編成(動力が1ユニットしかない)は淘汰される方向性が見られますから、編成はすべて6両のままとみておけばよいのではないかと早合点できそうです。(あくまで推定です。)


●東武鉄道、本線系統はATSを維持か


 東上線と本線系統では、いろいろと事情が異なることに気をつけながら読んでみます。

・同「2015年 安全報告書」
 http://www.tobu.co.jp/anzen/houkoku/2015/safety_measures/index.html

 > 運行管理システムについては、東上本線・越生線(2001年度)および野田線(2009年度)に導入しておりますが、2015年3月27日より伊勢崎線・日光線についても導入・使用開始いたしました。
 > これにより、全線において信号制御の集中化を行い、さらなる安定輸送の確保を図っています。また、列車位置や遅延などの情報を集約することにより、お客様に詳細な運行情報を提供できるようになりました。

・東武鉄道「東武鉄道路線図」
 http://www.tobu.co.jp/anzen/houkoku/2015/contact/images/rosenzu.gif

 千葉市では地図を反時計回りに45度ほど回転させる([3158])のと似たようなもので、東武鉄道では、時計回りに60度ほど回転させるんですね、わかりますわかります!

 そして、東武の路線網を見ながら、東武電設工業さんのページを参照してみます。

・東武電設工業
 http://www.tobudensetsu.co.jp/service/signal/
 http://www.tobudensetsu.co.jp/service/telecommunication/index.html

 > 信号保安設備工事
 > 信号保安設備には、信号機、連動装置、軌道回路、転てつ機、自動列車停止装置(ATS)、自動列車制御装置(ATC)、自動進路制御装置(PRC)、列車集中制御装置(CTC)等数多くの装置があります。そして、CTCを中心にこれらの保安装置を集中的に制御し、全線の運行状況を監視しながら、安全で能率的に列車の運行を管理するのが列車運行管理システムです。私たちは、列車運行に係わる保安設備全般に対応しており、蓄積された豊富な知識と高い技術力で、お客様のニーズにお応えいたします。

 > 鉄道通信全般工事
 > 通信の要となる通信ケーブル、光ケーブル設備工事の施工から、旅客サービスにはかかせない、放送装置、電気時計、監視用テレビカメラ等幅広く工事を行っております。

 とはいえ、これまでの電気工事と、光ファイバーへの対応という、あくまで「電設」で対応できる範囲は限られ、東上線の運行管理システムは、主に連動駅でのATC(東京メトロに準じた「むずかしいATC」、の意)への対応の必要から、東芝と日本信号のソレ(メーカー名が表に出る体制での発注)になっているのだろうとうかがえます。(あくまで推察です。)

・東芝「運行管理システム」
 https://www.toshiba.co.jp/sis/railwaysystem/jp/products/information/traffic.htm

 > 東上線、越生線 運行管理システム(2001年)

 本線の系統では、こう、どこまでATCにするのか、隅々までATCにするのか、といって、うーん、いきなり全線がATCにという状況ではなさそうだ、翻って、これまでの保守の体制を続けるためにも、継電連動装置など、それなりにそのまま使った方が合理的だろうと考えられそうだ、と想像されてまいります。(あくまで想像です。)

 ATCでない限りは、既設の装置はそのままで『運行管理システム!』(上述)だというようなソレ(まったく決めつけですが、写真からはそういう空気がありますよねぇ=市販とみられる液晶モニターをたくさん並べた感じなど、の意)になるんだと、そして、(比ゆ的には)買ってきたものを並べるだけなら自社でできますよ(配線は東武電設工業さんですよ)、ということがあっても驚かれない気がしてまいります。(あくまで錯覚です。)

 「日比谷線にホームドア→東武の本線系統もそれなりにATC化だ!」という観測のかたもいらっしゃるようですが、うーん、本線系統ではぜんぶATSのまま、既設の装置を活かしながら全線(伊勢崎、赤城、西小泉、葛生、東武日光、新藤原、東武宇都宮、それに大宮、亀戸、船橋までの全区間で、の意)で「スマート踏切」(「かしこい踏切」)に対応できる『デジタルっぽいATS(あくまでATS)』(小田急[3123]も参照)に「バージョンアップ」していきながら、ゆくゆくは(低廉に)無線化かもしれないという方向性のほうが現実的ではないでしょうか。ATCを維持するための人や機材の拠点を、本線系統のほんのわずかな区間のためだけに、本線側にも置かなければならないというのは、たいへん割に合わないだろうと推測されましょう。


この記事のURL https://neorail.jp/forum/?3270


(約6000字)

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