・「表定速度」とは ・「速度」とは ・速度と数値の「精度」(誤差) ・表定速度を「使う」
(約11000字)
[3075]の続きです。続きではありますが[3075]とは一転、具体的な線区や列車にはいっさい言及しません。
●「表定速度」とは そもそも「表定速度」とは、いかなる位置づけにあるのでしょうか。
・日本民営鉄道協会「表定速度」
http://www.mintetsu.or.jp/knowledge/term/128.html
> 表定速度=運転区間の距離÷運転時間(走行時間+停車時分)
> 列車の速さを比べるときには表定速度を用いるのが一般的です。
・ウィキペディア「表定速度」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%A8%E5%AE%9A%E9%80%9F%E5%BA%A6
> 主に鉄道において用いられ、運行計画を立案する際の基礎データとなる。
> 多くの高速鉄道では表定速度を高めるため、
日本民営鉄道協会のスキのない記述は、さすがです。何が「一般的」か、というのは解説において大事で、多くの「一般的な読者」は、「一般的なこと」が知りたくて事典にアクセスするのですから、これに応えられなければ事典としての役割を果たせません。
ウィキペディアの記述では、記述の起点とする時代背景も視点も定まらず(筆者間で共通の認識がつくられず)、ものごとの順序(何が先に決定され、何が従属的に決まっていくのか等)についても、あまりよく考えられていないように見受けられる記述になっています。
そして、上掲の2ページを総合すれば、(誰が書いても)まあ、こうなりますよねぇ。
・修士論文「移動が限られた都市における沿道土地利用を考慮した渋滞解消の一提案」(2014年)
http://repo.lib.hosei.ac.jp/bitstream/10114/9840/1/%E5%B0%8F%E5%86%85%E3%80%80%E9%81%BC.pdf
> 23ページ
> 表定速度とは,正式には運転時刻表制定制度といい,時刻表の出発時間と到着時間から区間の所要時間を求め(略)運航計画を立てる際などに使われている.
> 停車時間を除いた時間は平均速度といい(略)
※「運転時刻表制定制度」は原文ママですが「運転時刻表制定速度」の誤記でしょう。
これ以降の説明は具体的で、この研究(修士論文)の位置づけがよくわかります。このときに、「一般には<A>するが、私(我々)は<B>の目的のため、<A>を<A'>に変えて用いる」と説明できるためには、一般的な<A>がわかっていないといけません。(加えて、<B>のため<A'>に、いわば「改変」することについても合理的に説明が尽くされなければならないのは当然のことです。)そして、<A>の定義は「金科玉条」([2938])ではなく、目的に応じて適切に<A'>へと変えなければ、研究は達成されません。<A>のままでは、いくらあれこれしても、どこにも新規性も独創性もないからです。本当でしょうか。
※とはいえ、日本語が不十分です。英語で(も)書いたかな、とも思われ、そして、それを日本語に一語ず |