・「64.5km/h」 ・「60.5km/h」 ・「38.3km/h」 ・「速度感」のようなもの ・表1 東京近郊区間における乗換駅間の表定速度
(約14000字)
何かに使おうと思いつつ使うに至らないまましまいこんでいたデータやプログラムを、順番に使ってみます。そして、大事なことですが、特別なことは何もしておらず、誰でもできることしかしていません。それでも自分でやってみるというのが「追体験」というものです。そうだと自覚した上で実際にやってみると、これがなんとも楽しいものなのです。
※逆に、たったそれだけのことに過ぎませんので、あしからず。さらに申し訳ないことに、後述の通り、このフォーラムに「表」を載せたい(載せてみたい)一心であります。つまらない(たいへん、「いまさら」な)「表」で、恐縮でございます。
・[3003]
> ※http://www.jrtt.go.jp/01Organization/org/pdf/jks19-2-2.pdf
> スライドの本題としては「Hyperpath導入による急行待ち時間設定の適正化」ですね。とてもおもしろいので、追って詳しくご紹介したく思います。
とてもおもしろく(≒たいへん難しく)、きちんと理解するには自分でも手を動かしてみる(手元で同じような計算やプログラムを走らせてみる)ことが不可欠と思い知らされました。
2013年3月の改正ダイヤ(※1)を使って、乗換駅と乗換駅の間の区間(※2)における、最速の普通列車(乗車券のみで乗車できる列車)の所要時間(※3)を、東京近郊区間あまねく(※4)算出いたしました。
そのココロとしましては、路線の線形、現状の信号設備、車両の性能、乗務員の習熟といった(これらに限らず)「技術層」「実行層」における諸々の制約をいっさい(暗黙に)考慮の上で、さて、ベストを尽くして運行されるとどうなるのか、いわば「理想状態」に対して、現状の運行はどの程度の「充足率」のようなものなのか、といったところに興味があるわけです。
※1 南武線快速のみ、2014年3月のダイヤに基づきます。
※2 このため、例えば中央線を西国分寺で区切り、「新宿−西国分寺間」の「中央線中央特快・快速」とするようなことをせざるをえなくなりました。この場合、新宿−国分寺間の中央特快の所要時間と、国分寺−西国分寺間の快速(といっても隣の駅ですが)の所要時間の足し算で、乗り換え時間と待ち時間はいっさい含みません。そして、国分寺−西国分寺間のように短い区間でも所要時間は「1分単位」で扱いますから、足し算するたびに誤差が拡大していくはずです。
※3 上りと下りで所要時間が異なる区間もありましょうが、今回、着目します「最速」という点からも、(朝夕のラッシュ時や深夜・早朝でなく)日中の所要時間を使うこととしました。このため、日中なら上下で所要時間が大きく異なることはないだろうという期待のもと、とはいえ主に下り列車(優等列車の退避等がないとみられる列車を選びましたが、選び間違えているデータも混じっているかもしれません)での所要時間を、市販の時刻表に記載の「1分単位」の時刻を引き算して得ています。みなさまご承知のように、本来のダイヤや業務用の時刻表では、「秒単位」です。「標準発車時刻表」として、いわば「書き下し」される段階で丸め誤差が生じています。市販の時刻表の上で単に「10時10分」と記載されるとき、実際には「10時9分30秒」から「10時10分29秒」までのような幅(誤差)があるわけです。そして、この誤差は発時刻、着時刻の両方であり、また市販の時刻表で着時刻が記されていない駅については発時刻をもって代わりとしていますので、さらに誤差が積みあがることとなります。
※4 地図の左上から時計回りに、大前、水上、日光、黒磯、烏山、常陸大子、常陸太田、いわき、鹿島神宮、成田空港、銚子、安房鴨川、扇町、大川、海芝浦、久里浜、伊東、韮崎、武蔵五日市、奥多摩、横川より内側の区間をすべて含めました。御殿場線、身延線と、新幹線は含みません。
混雑率([3053])とも似た話になりますが、事業者としては細かく把握の上、あるいは長年の勘も入れてポイントをおさえて把握の上、ダイヤに反映させているはずです。部外者としては、結果としてのダイヤには、あらゆる前提条件や制約がいっさいまるごと反映されている、その点に限ればダイヤというものを、それこそ光り輝く「金科玉条のごとく」([2938])受け取ってよいといえます。
※運転士の操作を逐一メモして運転曲線を書き起こしたり、車内や沿線で加速度計などを用いて列車の速度を計測したり、臨時の速度制限の一つ一つにやきもきしたり、しなくてよいのです。すべては最終的に、時刻表や「発車時刻変更のお知らせ」といった形でお客さまにきちんと届けられます。それがない限りは、どこかで調整しているということで、表定速度は一定である(一定を保つ)というわけです。
以下、表1を参照いただきつつ、そして、このフォーラムで「表」を載せるのは、1999年5月25日の開設以来、たぶん初めてでございます。このために今回、このフォーラムで表組みが扱えるように改修いたしました。([3071]とはいいながら、結局、既存のPerlのコードに手を加えているという何とやら。まさにグダグダですね、わかります。)
・スラド「Wikiの文法の標準化案を作成中」(2004年1月11日)
http://srad.jp/story/04/01/11/0611207/
・個人の日記(2004年11月14日)
http://aligach.net/diary/20041114.html
> tDiary の記法が合わないらしく、なかなか苦労されているようだ。自分も tDiary の標準の記法は好きじゃない。個人的には Wiki スタイルが書きやすさではいちばんオススメだけど、
・はてなダイアリー ヘルプ「表組みをつくる(表組み記法)」(2005年6月24日)
http://hatenadiary.g.hatena.ne.jp/keyword/%E8%A1%A8%E7%B5%84%E3%81%BF%E3%82%92%E3%81%A4%E3%81%8F%E3%82%8B%EF%BC%88%E8%A1%A8%E7%B5%84%E3%81%BF%E8%A8%98%E6%B3%95%EF%BC%89
このあたりのトレンドを「10年遅れ」で反映しました、という次第であります。
●「64.5km/h」 「甲府−韮崎」「新宿−西国分寺」「小山−宇都宮」「宇都宮−宝積寺」「蘇我−大網」の5つの区間で、誤差を考慮しつつ平均を出してみる(簡易な操作としては、上から2番目の表定速度における誤差の上端69.5に、下から2番目の表定速度の誤差の下端59.4を足し、2で割る:意味的にそれなりに正しくは、上端(上界)の平均69.3と、下端(下界)の平均59.6を足して2で割る:最も厳密には、誤差に確率分布も入れた関数で…略)と、「64.5km/h」という数字が出てきます。「標準時刻」でバチンと出して「64.5km/h」ぴったりになるのは中央本線だけですが、他の区間も実は「64.5km/h」でダイヤ(スジ)が引かれたうえで、いろいろな誤差が積みあがって数字がばらけているんだ、などとパース(リバースエンジニアリング的な意味で)できようかと思います。本当でしょうか。
※そして、なぜ「65.0km/h」でなく「64.5km/h」になるんでしょうか。ここでは深入りしませんが、最高速度としてはキレイな数字であるものが、駅に停車する分、遅くなる、そして駅の数や駅間距離はマチマチでありながら数字が揃うという不思議さに対しては、採時駅だけに着目すれば駅間距離はほとんど同じなのではないか(⇔同じになるように採時駅を設けているのではないか)、などと勝手に納得することができようかと思います。
●「60.5km/h」 同様に、「佐倉−成田」「品川−川崎」「南船橋−蘇我」「渋川−水上」「品川−大崎」の5つの区間でも、誤差の上端の平均65.0、下端の平均55.9として、その間「60.5km/h」という数字が出てきます。山手線は例外として、ほかはいずれも、機関車が走る(ことのある)区間で、信号設備上、そういう何か的なものがあって、同じような最高速度なり(前につかえないようにするため等の)表定速度なりに揃えてある(≒線区が違っても機関車の運転士が同じように運転できる)のかなぁ、などと勝手に想像できようかと思います。
同じ「60.5km/h」のレンジ(範囲)には、「大宮−倉賀野」の「高崎線特別快速」([2910])から「市川塩浜−西船橋」の「京葉線」までが、だいたい収まるように見えます。その次の「南浦和−大宮」は、「京浜東北線・湘南新宿ライン」、すなわち浦和で区切って2本の列車(電車)の所要時間を足し算したために(異なる2つのレンジが混合されてあり、どちらのレンジからも)はみ出すことになったとみられます。
●「38.3km/h」 同様にして、いくつかの標準的なレンジを「発見」(あくまで「追体験」のヨロコビとしての発見であって、全然ちっとも発見ではありません)できます。最後に出てくる(もっとも遅い、標準的なレンジ)のが、「大宮−高麗川」「御茶ノ水−代々木」「上菅谷−常陸太田」「千葉−蘇我」「武蔵浦和−南浦和」「府中本町−立川」(ただし南武線各駅停車)の6つの区間で、誤差の上端の平均41.2と、下端の平均35.4を足して2で割って「38.3km/h」と出てきます。武蔵野線、南武線のこの区間での何ともいいがたい走りっぷりを想起いただきますと、みなさま必ず(いわば落胆とともに)おわかりいただけますように、速いとはいえませんが決して遅くはなく、いかにも(JRの)「普通電車」といいましょうか(≒わざわざ「各駅停車」とも呼ばれず、電光掲示板では種別が非表示になるような)、そういう速度で走る区間の表定速度が、(いろいろな要因が積みあがって)結果的に「38.3km/h」に揃うということであります。本千葉−蘇我間など(ただし蘇我駅の場内信号機の手前で停止しない限りは※)体感的には速く感じられましょう。乗車したことはありませんが水郡線も、かなり速く感じられるのではないかと想像します。決して遅くはないのです、たぶん。
・「普通電車」
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C9%E1%C4%CC%C5%C5%BC%D6
※もちろん、場内信号機の手前で止まっている時間や、単線区間で行き違いを待つ時間は、今回の計算に含まれます。むしろ、行き違いでのロスを、駅間で高速に運転することで相殺しつつ、しかし所定の表定速度を超えてまでは(運転上でなく、計画上)がんばらない、といったことがあるのでしょうか、ないのでしょうか。わかりかねます。
●「速度感」のようなもの このような体感的な、いえ、体感(速度計を隠して速度を言い当てるといわれるソレ)というよりは(「お客さま」にとっての)認知的な「速度感」のようなもの、「快く速い感」「速達した感」、ひいては「遊びのワンダーランドへようこそ!!」…いえ、「ひとみ、すっきりさわやか。ピュアドロップス、誕生。」的なもの…のようなものは、どのように定量化していけるのでしょうか。
・「視覚環境が運転者の速度感に及ぼす影響要因解析」土木学会(2003年)
http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00039/200311_no28/pdf/209.pdf
確かこのころ、田んぼの真ん中の、信号機のない(あるわけがない)交差点で交通事故が相次いで起き、運転者から見て相対的に静止して見えることが原因だという話題があったように記憶しています。本当でしょうか。
・ウィキペディア「コリジョンコース現象」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%AA%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%82%B9%E7%8F%BE%E8%B1%A1
…もう少し後の2007年の話でした、すみません。過去のできごとについて、起きた年や順序を正確に記憶し続けるのは難しいことですね。(自分の)記憶に頼ってはいけないと痛感されます。
…と、
・「コリジョンコース現象で衝突? 幼稚園送迎バスが水田に転落」(2003年1月29日)
http://response.jp/article/2003/01/29/22331.html
…やはり「このころ」=2003年だったようです。この種の事故について、ニュースなどで盛んに「コリジョンコース現象」の(名前までは出さずとも)メカニズムの解説をともなって報じられたと記憶しています。それまでは単に「高齢者に多い」「(誰も見ていないのでスピード超過をしやすいといわれ)『田舎』に多い」(=運転者だけが全面的に悪い)とだけ言われていたものが、きちんと解説され、環境の条件が揃えば高齢者でなくても『田舎』でなくても、さらには速度が低くても起きるんだということが広く知られるきっかけになったと思いますが、もはや時間が経ったので元のモクアミなのかもしれません。
・信号機のない交差点(いい意味で)
http://www.jama.or.jp/lib/jamagazine/jamagazine_pdf/201412.pdf
※「紋切型」としては、「信号機のない交差点」と聞いただけで交通事故を連想させられ、「電気鉄道に詳しい」と聞いただけで特定のセンセイ(の、デスクトップPCの「壁紙」まで)を想起させられます。認知や思考の省エネですね、わかります。
・個人のブログ 速度感を感じさせないほうの話(2013年3月31日)
http://ksmakoto.hatenadiary.com/entry/2013/03/31/140926
> 乗客に不安感を与えないよう(鉄の箱というのはそれだけで不安感を与えるものである)、どちらのエレベータも揺れのような速度感は感じさせない。遊園地の絶叫マシンではない、というわけで、特にランドマークのほうは硬貨が倒れない程の安定性を誇っている(プロジェクトXによればサンシャインのほうも)。かすかに聞こえる風切り音の鋭さと、鼓膜が感じる気圧変動がその速度を伝えてくる。
> 以下に簡単な図で説明するが、
※スバラシイ! こんな図なら、誰も「コピペ」しませんね、わかります。
・べつやくれい「円グラフで表そう」(2007年3月17日)
http://portal.nifty.com/2007/03/17/a/
・発言小町「絶叫マシン」(2011年4月1日)
http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2011/0401/398683.htm?o=0
※…うーん、2011年の春休み(ですよねぇ)に絶叫マシン談義ができるとは、(皮肉でもイヤミでもなく心底から)シアワセな方々ですね、わかります。新幹線は、まだ復旧していなかった時期です。
一例としまして、表の中で最初に出てくる「湘南新宿ライン特別快速」「東海道線特別快速」(ただし横浜−大船間に限る)「常磐線特別快速」(ただし日暮里−松戸間に限る)が、知らない人にとってはいかにも、知っている人にとっては意外なところではないでしょうか。
まず、「湘南新宿ラインは東急東横線と『競争』しているので速い!」「常磐線はつくばエクスプレス(TX)と…同!」([2652])と、マスメディアなどで「紋切型」([3053],[3066])に報じられた「(路線や列車の)イメージ」そのままで認知されている方からすれば、上掲の表定速度がたたいて飛び出す…いえ、記録される「区間」を不思議に思うことなく、「そうそう、速いんだよ、アレ」という感触を持たれるでしょうが、その実、実際に表定速度が高い(特に「きわめて高い」)のは、湘南新宿ライン(東海道線)でいえば、東急線とは競合しない区間、常磐線では日暮里−松戸間(※)という限られた区間だけであることに気づかされます。
※中央線の西国分寺と同様、常磐線も新松戸、我孫子で区切る(快速線を別線とはみなさず)こととしたため、今回の計算では、松戸−取手間の特別快速の所要時間は採用できません。これは一見、なんだそれは、というアレ(≒特別快速をきちんと評価していない)ではありますが、その実、三郷などから都心へ向かうお客さまが常磐線の特別快速に、直接にはアクセスできない(松戸で乗り換えが必要となる)という実効的な「使い勝手」のようなものを愚直に反映させた結果であります。
・「たたいて飛び出す」
http://www.ikea.com/us/en/catalog/products/57212295/
http://www.ikea.com/us/en/images/products/mula-toy-hammering-block-assorted-colors__0252853_PE399518_S4.JPG
http://www.amazon.co.jp/dp/B00V4JKH2C
他方、知っている人、すなわち当該の区間を、湘南新宿ラインや特別快速の運転が始まる前から長年、乗ってきた人にとっては、そこまで速くなったとは実感されていないのではないかとみられます。もとからそれなりに速かったということから、それより速くなったといっても違いがよくわからず、他方で加速や減速はよくわかるということから、駅間で最高速度を維持して(定速で)走るような走りかたや惰行(惰性走行)で再加速しない走りかたでは、あまり速さが実感しにくい(本当は「きわめて速い」のに、発車時にしか加速度が感じられず、駅間で再加速がないと遅く感じる)ということもありましょう。
横須賀線に武蔵小杉駅ができる前の、さらに湘南新宿ラインも運転されていなかったころの下り電車を思い出してみますと、西大井を発車後にぐーんと加速しつつ(新幹線のフェンスが近接しているため実際の速度以上の「スピード感」がありつつ、じっと見ていると酔いそうになるため窓の外はあまり見ず、そして多摩川をいつ越えるか気に留めず=次の駅まで長いと知っていて、乗り過ごす心配なくウトウトしているか本を読んでいる)、現在の武蔵小杉駅にあたる部分では曲線のため減速しつつ(多摩川の橋りょうもコミコミでほぼ惰行だけで減速していて、減速したかどうかわかりにくかったように記憶します=少なくとも「(アナログの)ATCでチーン!」のような減速ではなかった)、新川崎に向けて再び加速し、とはいえさほど速度が出ているわけでもないので駅間の所要時間は長く、むしろ、それによって「スピード感」「遠くの駅まで一気に飛ばしてくれてる感」があったように思われます。(総武快速の千葉からでも)横浜が近いかのような錯覚すらありました。(感想は個人です。)
※もっとも、自動車でいうところの「エコドライブ」にあたる、変電所の容量や回生の効率などの面から、こうしかできないという面もあるとみられます。…といいましても概念的なことしか理解できておらず恐縮です。「電気鉄道に詳しい方」に補足いただけますと幸いです。
・JAF「エコドライブ」
http://www.jaf.or.jp/eco-safety/eco/ecodrive/
http://www.jaf.or.jp/eco-safety/eco/ecodrive/drive/index.htm
http://www.jaf.or.jp/eco-safety/eco/ecodrive/drive/image/03.gif
※余談ですが、駅が増える、増発で列車の密度が高まると(原理的には)速度は落とさざるを得なくなるところ、実際には、線路や信号の改良、車両の更新などあらゆる手を尽くして、従前の表定速度が維持されたり、むしろ引き上げられたりしてきています。表定速度のほうが先に決まっているかのようで、電光掲示板でいえば南武線の小型でも2行タイプ([2943])、あるいは電車特定区間([3032])のような杓子定規…いえ、ココロ強さを感じます。…本当です。「村岡新駅」([2992])などについても、「所要時間が延びて迷惑だ」といって「反対」する必要は、まったくありません、たぶん。
前者については、直接の競合区間で速いかどうかよりも(少なくとも遅くなければ十分)、乗換駅での乗り換えにかかる時間を足しても、なお先着できるためには、乗換駅より手前の、競合ではない区間で「きわめて速い」ことが効いてくることがわかります。「横浜−大船」間で速い、といってもピンときませんが、「大船→横浜」間で(この向きに)速いとなれば、そのままJR線に乗り続ければ、最終の目的地(例えば渋谷や新宿)までの全区間で速いのではないかと期待させられます。
※もっとも、常磐線の特別快速については、取手−土浦間で通過駅がなく、この区間では普通列車と違いがない(特急の退避がない、という点はありましょうが)ため、「我孫子−友部」間を「普通列車」で求めてあります。特別快速が「本気」を出してしまうと特急「ときわ」と競合しますので、「ときわ」を維持するには特別快速は「ときわ未満」であることが求められるのでしょう。
■表1 東京近郊区間における乗換駅間の表定速度 | | 表定速度 | (km/h) | 区間 | 路線・種別 | 距離(km) | 所要時間(分) |
---|
順位 | (下) | | (上) | | | | |
---|
| | | | | | | | 1 | 88.1 | 94.7 | 102.4 | 横浜−大船 | 湘南新宿ライン特別快速 | 22.1 | 14 | 2 | 82.2 | 88.4 | 95.6 | 横浜−大船 | 東海道線 | 22.1 | 15 | 3 | 73.0 | 78.5 | 84.9 | 日暮里−松戸 | 常磐線特別快速 | 15.7 | 12 | 4 | 71.4 | 76.8 | 83.0 | 西大井−武蔵小杉 | 横須賀線 | 6.4 | 5 | 5 | 67.5 | 72.6 | 78.5 | 大船−茅ケ崎 | 東海道線特別快速 | 12.1 | 10 | 6 | 67.0 | 72.0 | 77.8 | 武蔵小杉−横浜 | 湘南新宿ライン特別快速 | 12.0 | 10 | 7 | 65.8 | 70.7 | 76.4 | 友部−水戸 | 常磐線 | 16.5 | 14 | 8 | 65.1 | 70.0 | 75.7 | 川崎−鶴見 | 京浜東北線 | 3.5 | 3 | 9 | 62.2 | 66.9 | 72.3 | 市川塩浜−南船橋 | 京葉線 | 7.8 | 7 | 10 | 60.8 | 65.3 | 70.6 | 東戸塚−大船 | 横須賀線 | 9.8 | 9 | 11 | 60.0 | 64.5 | 69.7 | 甲府−韮崎 | 中央本線 | 12.9 | 12 | 12 | 59.8 | 64.3 | 69.5 | 新宿−西国分寺 | 中央線中央特快・快速 | 22.5 | 21 | 13 | 59.7 | 64.2 | 69.4 | 小山−宇都宮 | 宇都宮線 | 28.9 | 27 | 14 | 59.4 | 63.8 | 69.0 | 宇都宮−宝積寺 | 宇都宮線 | 11.7 | 11 | 15 | 59.2 | 63.7 | 68.8 | 蘇我−大網 | 外房線 | 19.1 | 18 | 16 | 59.2 | 63.6 | 68.8 | 赤羽−武蔵浦和 | 埼京線快速 | 10.6 | 10 | 17 | 58.7 | 63.2 | 68.3 | 宝積寺−黒磯 | 宇都宮線 | 42.1 | 40 | 18 | 56.9 | 61.1 | 66.1 | 大宮−倉賀野 | 高崎線特別快速 | 70.3 | 69 | 19 | 56.4 | 60.6 | 65.5 | 蘇我−木更津 | 内房線快速 | 31.3 | 31 | 20 | 56.2 | 60.5 | 65.4 | 佐倉−成田 | 快速エアポート成田 | 13.1 | 13 | 21 | 55.8 | 60.0 | 64.9 | 品川−川崎 | 東海道線 | 9.0 | 9 | 21 | 55.8 | 60.0 | 64.9 | 南船橋−蘇我 | 京葉線快速 | 17.0 | 17 | 21 | 55.8 | 60.0 | 64.9 | 渋川−水上 | 上越線 | 38.0 | 38 | 21 | 55.8 | 60.0 | 64.9 | 品川−大崎 | 山手線 | 2.0 | 2 | 25 | 55.6 | 59.8 | 64.6 | 西国分寺−武蔵浦和 | 武蔵野線 | 25.9 | 26 | 26 | 55.5 | 59.6 | 64.5 | 東神奈川−橋本 | 横浜線快速 | 33.8 | 34 | 27 | 55.3 | 59.4 | 64.2 | 立川−八王子 | 中央線 | 9.9 | 10 | 28 | 55.1 | 59.3 | 64.1 | 横浜−東戸塚 | 横須賀線 | 7.9 | 8 | 29 | 55.0 | 59.1 | 63.9 | 新前橋−渋川 | 上越線 | 13.8 | 14 | 29 | 55.0 | 59.1 | 63.9 | 成東−松岸 | 総武本線 | 40.4 | 41 | 31 | 54.9 | 59.0 | 63.8 | 市川塩浜−西船橋 | 京葉線 | 5.9 | 6 | 32 | 54.8 | 58.9 | 63.7 | 成田空港−成田 | 快速エアポート成田 | 10.8 | 11 | 33 | 54.4 | 58.5 | 63.2 | 南浦和−大宮 | 京浜東北線・湘南新宿ライン | 7.8 | 8 | 34 | 53.6 | 57.6 | 62.3 | 新宿−池袋 | 湘南新宿ライン特別快速 | 4.8 | 5 | 35 | 53.2 | 57.2 | 61.8 | 茅ケ崎−伊東 | 東海道線快速アクティー・伊東線 | 62.9 | 66 | 36 | 51.6 | 55.5 | 60.0 | 武蔵浦和−大宮 | 埼京線快速 | 7.4 | 8 | 37 | 51.4 | 55.3 | 59.8 | 南浦和−新松戸 | 武蔵野線 | 25.8 | 28 | 38 | 50.5 | 54.3 | 58.7 | 水戸−いわき | 常磐線 | 94.1 | 104 | 39 | 50.2 | 54.0 | 58.4 | 東神奈川−横浜 | 京浜東北線 | 1.8 | 2 | 39 | 50.2 | 54.0 | 58.4 | 西船橋−南船橋 | 京葉線 | 5.4 | 6 | 39 | 50.2 | 54.0 | 58.4 | 高崎−横川 | 信越線 | 29.7 | 33 | 39 | 50.2 | 54.0 | 58.4 | 大崎−西大井 | 湘南新宿ライン普通 | 2.7 | 3 | 43 | 49.9 | 53.6 | 58.0 | 新松戸−西船橋 | 武蔵野線 | 14.3 | 16 | 44 | 49.6 | 53.3 | 57.6 | 我孫子−友部 | 常磐線普通 | 67.5 | 76 | 44 | 49.5 | 53.3 | 57.6 | 香取−鹿島神宮 | 鹿島線 | 14.2 | 16 | 46 | 49.3 | 53.0 | 57.3 | 新松戸−我孫子 | 常磐線各駅停車・普通 | 10.6 | 12 | 46 | 49.3 | 53.0 | 57.3 | 拝島−高麗川 | 八高線 | 21.2 | 24 | 46 | 49.3 | 53.0 | 57.3 | 香取−松岸 | 成田線 | 31.8 | 36 | 49 | 49.1 | 52.8 | 57.1 | 倉賀野−高崎 | 高崎線 | 4.4 | 5 | 50 | 48.7 | 52.4 | 56.6 | 鶴見−府中本町 | ホリデー快速鎌倉号 | 28.8 | 33 | 51 | 48.4 | 52.0 | 56.2 | 東京−市川塩浜 | 京葉線快速・普通 | 18.2 | 21 | 51 | 48.4 | 52.0 | 56.3 | 大宮−小山 | 宇都宮線快速 | 50.3 | 58 | 53 | 48.1 | 51.8 | 55.9 | 大網−成東 | 東金線 | 13.8 | 16 | 54 | 48.1 | 51.7 | 55.9 | 小山−新前橋 | 両毛線 | 81.9 | 95 | 55 | 47.7 | 51.3 | 55.5 | 木更津−安房鴨川 | 内房線 | 88.1 | 103 | 56 | 47.4 | 51.0 | 55.1 | 川崎−尻手 | 南武線 | 1.7 | 2 | 56 | 47.4 | 51.0 | 55.1 | 東京−品川 | 東海道線 | 6.8 | 8 | 58 | 47.3 | 50.8 | 55.0 | 成田−香取 | 成田線 | 30.5 | 36 | 59 | 47.2 | 50.7 | 54.8 | 西船橋−千葉 | 総武線各駅停車・快速 | 18.6 | 22 | 60 | 46.6 | 50.1 | 54.2 | 錦糸町−西船橋 | 総武線快速・各駅停車 | 14.2 | 17 | 61 | 46.5 | 50.0 | 54.1 | 松戸−新松戸 | 常磐線各駅停車 | 5.0 | 6 | 62 | 46.0 | 49.5 | 53.5 | 八王子−拝島 | 八高線 | 9.9 | 12 | 63 | 44.7 | 48.0 | 51.9 | 松岸−銚子 | 総武本線 | 3.2 | 4 | 63 | 44.7 | 48.0 | 51.9 | 秋葉原−上野 | 京浜東北線快速 | 1.6 | 2 | 63 | 44.7 | 48.0 | 51.9 | 橋本−八王子 | 横浜線 | 8.8 | 11 | 63 | 44.7 | 48.0 | 51.9 | 綾瀬−松戸 | 常磐線各駅停車 | 8.0 | 10 | 67 | 43.8 | 47.1 | 50.9 | 武蔵小杉−府中本町 | 南武線快速(2014/03改正) | 20.4 | 26 | 67 | 43.8 | 47.1 | 50.9 | 小山−友部 | 水戸線 | 50.2 | 64 | 69 | 43.7 | 47.0 | 50.8 | 我孫子−成田 | 成田線 | 32.9 | 42 | 69 | 43.7 | 47.0 | 50.8 | 西国分寺−立川 | 中央線 | 4.7 | 6 | 71 | 43.5 | 46.8 | 50.6 | 西国分寺−府中本町 | 武蔵野線 | 3.9 | 5 | 72 | 43.3 | 46.5 | 50.3 | 赤羽−南浦和 | 京浜東北線 | 9.3 | 12 | 73 | 42.3 | 45.4 | 49.1 | 鶴見−東神奈川 | 京浜東北線 | 5.3 | 7 | 74 | 41.8 | 44.9 | 48.6 | 大網−安房鴨川 | 外房線 | 70.4 | 94 | 75 | 41.6 | 44.8 | 48.4 | 上菅谷−常陸大子 | 水郡線 | 45.5 | 61 | 75 | 41.7 | 44.8 | 48.4 | 大船−久里浜 | 横須賀線 | 23.9 | 32 | 77 | 41.5 | 44.6 | 48.2 | 千葉−佐倉 | 快速エアポート成田 | 11.9 | 16 | 78 | 41.1 | 44.2 | 47.8 | 横浜−大船 | 根岸線 | 22.1 | 30 | 79 | 40.7 | 43.8 | 47.4 | 高崎−新前橋 | 両毛線 | 7.3 | 10 | 80 | 40.2 | 43.2 | 46.7 | 品川−西大井 | 横須賀線 | 3.6 | 5 | 80 | 40.2 | 43.2 | 46.7 | 佐倉−成東 | 総武本線 | 21.6 | 30 | 82 | 39.1 | 42.0 | 45.4 | 神田−秋葉原 | 山手線 | 0.7 | 1 | 83 | 38.4 | 41.3 | 44.6 | 池袋−赤羽 | 埼京線 | 5.5 | 8 | 84 | 37.8 | 40.7 | 44.0 | 田端−赤羽 | 京浜東北線 | 6.1 | 9 | 85 | 36.8 | 39.5 | 42.7 | 高麗川−倉賀野 | 八高線 | 57.3 | 87 | 86 | 36.3 | 39.0 | 42.2 | 東京−神田 | 山手線 | 1.3 | 2 | 87 | 35.6 | 38.2 | 41.4 | 大宮−高麗川 | 川越線 | 30.6 | 48 | 87 | 35.5 | 38.2 | 41.3 | 御茶ノ水−代々木 | 中央線快速・各駅停車 | 7.0 | 11 | 89 | 35.3 | 38.0 | 41.1 | 上菅谷−常陸太田 | 水郡線 | 9.5 | 15 | 89 | 35.3 | 38.0 | 41.1 | 千葉−蘇我 | 外房線 | 3.8 | 6 | 89 | 35.3 | 38.0 | 41.1 | 武蔵浦和−南浦和 | 武蔵野線 | 1.9 | 3 | 89 | 35.3 | 38.0 | 41.1 | 府中本町−立川 | 南武線 | 7.6 | 12 | 93 | 35.0 | 37.6 | 40.7 | 立川−拝島 | 青梅線 | 6.9 | 11 | 94 | 34.4 | 37.0 | 40.0 | 拝島−武蔵五日市 | 五日市線 | 11.1 | 18 | 95 | 33.9 | 36.5 | 39.4 | 大崎−代々木 | 山手線 | 7.9 | 13 | 96 | 33.8 | 36.4 | 39.3 | 拝島−奥多摩 | 青梅線 | 30.3 | 50 | 97 | 33.5 | 36.0 | 38.9 | 東京−錦糸町 | 総武線快速 | 4.8 | 8 | 98 | 33.2 | 35.6 | 38.5 | 水戸−上菅谷 | 水郡線 | 10.1 | 17 | 99 | 32.9 | 35.3 | 38.2 | 茅ケ崎−海老名 | 相模線 | 15.9 | 27 | 100 | 32.7 | 35.1 | 38.0 | 尻手−浜川崎 | 南武線 | 4.1 | 7 | 101 | 32.5 | 35.0 | 37.8 | 宝積寺−烏山 | 烏山線 | 20.4 | 35 | 102 | 32.4 | 34.8 | 37.6 | 尻手−武蔵小杉 | 南武線 | 5.8 | 10 | 103 | 32.2 | 34.7 | 37.5 | 池袋−田端 | 山手線 | 5.2 | 9 | 104 | 31.3 | 33.7 | 36.4 | 海老名−橋本 | 相模線 | 17.4 | 31 | 105 | 30.7 | 33.0 | 35.7 | 池袋−赤羽 | 湘南新宿ライン特別快速 | 5.5 | 10 | 106 | 27.1 | 29.1 | 31.5 | 秋葉原−錦糸町 | 総武線各駅停車 | 3.4 | 7 | 107 | 26.8 | 28.8 | 31.1 | 上野−赤羽 | 宇都宮線普通 | 4.8 | 10 | 108 | 25.3 | 27.2 | 29.4 | 木更津−上総亀山 | 久留里線 | 32.2 | 71 | 109 | 25.1 | 27.0 | 29.2 | 秋葉原−御茶ノ水 | 総武線各駅停車 | 0.9 | 2 | 110 | 24.2 | 26.0 | 28.1 | 神田−御茶ノ水 | 中央線 | 1.3 | 3 | 110 | 24.2 | 26.0 | 28.1 | 日暮里−田端 | 山手線 | 1.3 | 3 | 112 | 23.9 | 25.7 | 27.8 | 鶴見−浅野 | 鶴見線 | 3.0 | 7 | 113 | 20.5 | 22.0 | 23.8 | 上野−日暮里 | 山手線 | 1.1 | 3 | 114 | 19.5 | 21.0 | 22.7 | 代々木−新宿 | 中央線各駅停車 | 0.7 | 2 | 115 | 18.1 | 19.5 | 21.1 | 浜川崎−扇町 | 鶴見線 | 1.3 | 4 | 116 | 14.0 | 15.0 | 16.2 | 浅野−安善 | 鶴見線 | 0.5 | 2 |
※表定速度の誤差は、所要時間±0.075(10分につき±45秒)で算出…といいつつ、この「誤差」、まだ何の役にも立っていませんです。まだまだ先が長いですね、わかります。
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