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このサイトでもニュースとして取り上げていますが、東海道線の大船−藤沢間に新駅を設置する構想が進んでいます。
・「【東海道線】 大船−藤沢間に新駅、地元自治体が2015年度事業化へ」(2013/6/11)
http://atos.neorail.jp/atos3/news/news_130611.html
これに関連して、鎌倉市のごみ焼却施設の用地選定の話が出ています。
このサイトへの掲載時点(2014/9/16)で既に明らかになっていながら、まとめる余裕がなく、申し訳ありませんでした。
地元住民でも関係者でもないのに横からあれこれと恐縮ですが、状況を見ていくにつれ、実はほとんど何も問題はなく、新駅の計画もほぼ予定通りに進むだろう、ごみ焼却施設も問題なく建設できるだろうと見受けられました。
それでは何が問題であるかといえば、以下のような問題点があると思います。
・(1)市町村境をまたぐ「広域」ならではの問題
・(2)いわゆる「迷惑施設」に関する住民の認知が変わらない問題
・(3)「学問的エレガンス」にのっとった政策検討プロセスが、まだ一般には理解されていない問題
(1)については、新駅(仮称「村岡新駅」)の予定地は藤沢市の村岡地区にありますが、鎌倉市の深沢地区が隣接しており、新駅の設置と合わせて進められる区画整理や再開発が、藤沢市内、鎌倉市内の双方で同時に進められます。各々の事業は独立のものですが、いずれも新駅を前提としているという点で、利害は一致しています。鎌倉市としても、新駅による地価の上昇といったメリットを打ち消すような施策は取りたくないはずです。本来、こういう認識は両者や、両地区の関係者、住民の間できちんと共有されていなければなりませんが、今回、そこまでは広く浸透できていなかったのではないかとみられます。
(2)については、「子どもの声がうるさい」といって保育園の設置が難航するという話まである昨今ですが、これは決して望ましい状態とはいえません。ごみ焼却施設に関する技術革新にも目を見張るものがあり、かつてのように、周辺に悪臭や有害な煙をまき散らしたり、土壌汚染が起きたりするわけでもありません。そのような技術的側面での進化や変化をまったく見ないまま、旧来のイメージだけで、あるいは単に「記号」(symbol)として、「ごみ焼却施設=迷惑施設」と断じる、ましてや、先に断じたうえで後付けで「ごみ収集車の往来が増えて汚い、危ない」などといって反対することは、まったく合理性のない、あってはならないことといえます。住民の間でそのような反応が起きるということは、ひとえに行政による広報の不足にほかなりません。
(3)については、鎌倉市としては村岡新駅に関連する再開発で土地(鎌倉市が所有する旧国鉄用地)が高く売れることが望まれるわけですから、地価を下げるような(※)施策は避けるのが当然です。それでも、なぜ、旧国鉄用地でなく他の用地へごみ焼却施設を建設することが合理的であるのか、それを説明するためだけに、例え採用の可能性がほとんどゼロであったとしても、旧国鉄用地も候補に入れておかなければならないのです。検討の段階ではあらゆる候補を特別扱いしないということでもあり、これもまた「学問的エレガンス」にのっとった、きわめて合理的で客観的な政策検討プロセスといえましょう。今回、住民や新聞記者には、そのことが理解されていなかったとみられます。
※という意味では、(2)のような反発を防ぐ広報にも限界があるということは織り込んでおかなければなりません。とはいえベストは尽くされるに越したことがないといえます。
もちろん、上記は問題点について説明するための例え話であります。あるいは、旧国鉄用地にごみ焼却施設を建設することがもっとも合理的だという結論になるかもしれません。用地が取得済みであること、既に土壌汚染が起きている土地であること、あるいは、ごみ処理施設に隣接する地区をすべて公共施設の用地として利用すれば、ごみ処理施設と住宅地が隣接する場合よりも問題が少ないなど、いろいろな話がいっさい鉛筆…となるのかもしれません。
・鎌倉市「深沢地域周辺地区のまちづくり」
http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kyoten/fuka.html
・神奈川新聞(カナロコ)「「村岡新駅」構想 波紋 鎌倉市が建設候補地選定 開発用地に焼却施設 藤沢市「寝耳に水」」(2014/7/13)
http://www.kanaloco.jp/article/74467/cms_id/91081
> 鎌倉市が突如、新ごみ焼却施設の建設候補地の一つに、新駅を挟んだ鎌倉側の開発用地を選んだためだ。同市は「物理的に絞り込んだ段階」と説明するが、ごみ焼却施設が建つことになれば最悪の場合、計画の練り直しを迫られるだけに、両市の関係者からは困惑と反発の声が上がっている。
・「深沢まちづくりニュース第28号 (PDF:1,032KB)」(2014/7/25)
http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kyoten/documents/fukanews28.pdf
> 現在、都市計画決定手続を見合わせているところです。
> 事業課としては、これまで時間をかけて権利者の皆さんと計画づくりを行ってきているということをしっかりと評価してもらえるよう伝えていくとともに、年度末に候補地が1つに絞られた後は、速やかな対応が図れるように準備していきたいと考えている。
・鎌倉市「深沢地域国鉄跡地周辺総合整備事業用地(B用地)の土壌分析詳細調査結果について」(2014/8/1)
http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kyoten/fuka-dojo.html
> 鎌倉市が所有する深沢地域国鉄跡地周辺総合整備事業用地(B用地)の一部(約1.3ヘクタール)において、土壌汚染対策法に準じた自主調査を実施したところ、特定有害物質の「鉛及びその化合物」が指定基準地を超えて検出されました。
・藤沢市「(仮称)村岡新駅を中心としたまちづくりの状況について」(2014/9)
http://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/tosei/machizukuri/toshi/shisaku/muraoka/documents/201409briefing.pdf
> 新聞報道やテレビ放送等により、すでにご承知の方も多いことと思いますが、
> このことについて、情報が錯綜している部分もございますので、
あんなの、新聞やテレビがいっただけだと、あんなこと(※)、というニュアンスが隠さずともにじんでいるように見受けられます。
> H27年1月(予定) 答申内容を踏まえて1箇所を選定(市案)
> H27年2月(予定) 上記市案に対してパブリックコメントを実施
> H27年3月(予定) ごみ焼却施設用地最終候補地の正式決定
> (※)4候補地:(1)野村総合研究所跡地
> (2)深沢地域総合整備事業区域内(元国鉄清算事業団所有地)
> (3)山崎下水道終末処理場
> (4)深沢クリーンセンター
「(予定)」とあるのがミソで、ここまでスケジュールが決まっているというのは、実はほとんど決まっているんだ、といっているようなものだと思います。
いわゆる「現在地で建て替え」という、各地で類例の多い解決策に落ち着くということも、あるのかもしれません。地元としては地元を特別扱いしてほしいと、素朴に思ってしまうものでもありましょうが、ぜひ、そこはそれではいけないんだと、住民としても「学問的エレガンス」を志向していただけたら、とも思います。
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