フォーラム - neorail.jp R16
発行:2017/7/8
更新:2019/4/2

[3503]

【どうなる京成線】

【直流1500V】小湊鉄道線を読み解く(施設編)【20‰】


「鶴舞」とはにわを知りたい(談)
ティーカップを片手に大洗鹿島線を眺める(ダー)
「迂回率」再び(再)
小湊鉄道線の「直流電化」を探る(仮)
【上信電鉄】「直流電化」これだけ(仮)【長野電鉄】
いまから直流電化か、蓄電池車(電気式気動車)か

(約26000字)

 この一連の記事では、これまでもっぱら趣味的・郷土史的に語られることの多かった小湊鉄道線について、地元・市原市の現在の視点に沿って、技術的に読み解くことを目指します。

 プロパルジョン編([3506])では、車齢が40年を超えた「キハ200形気動車」の後継となる車両について、多角的に予想を試みます。補助金による由利高原鉄道の車両更新(3両)の事例に着目しながらも、14両の車両の更新ひいては増発が期待される小湊鉄道線における効率的な車両調達のあり方を探ります。

 運用編([3505])では、現行の車両・人員の状況も踏まえながら、地元・市原市で必要とされる輸送を担う平日ダイヤを読み解きます。五井駅のほかに留置線を持たない小湊鉄道線で、車両がどのように運用されているのか、早朝時間帯の仕業に着目しながら、上総牛久駅における夜間滞泊の実情を探ります。

 線路編([3504])では、YouTubeに投稿された映像およびGoogleストリートビューの画像その他を参照し、小湊鉄道線の下り方向について、曲線区間の速度制限や信号の状況を立体的に読み解くことを目指します。また、1995年に導入されたATSについて概観するとともに、風速計の設置状況についても確認していきます。

 施設編([3503])では、開業した年代が近い長野電鉄それに上信電鉄と比較しながら、仮に小湊鉄道線が電化される場合に予想される施設配置や改良等について概観します。また、2019年に当面の免許の期限を迎える京成千原線の海士有木延伸に関連して、小湊鉄道線の施設が共用される可能性について探ります。


★「鶴舞」とはにわを知りたい(談)


 (現有の施設そのままで可能な範囲でといって)五井−上総牛久間だけが頻発運転されるにつれ、不便さが際立ってくるのが2つ先の上総鶴舞駅でございます。

・Google ストリートビュー 小湊鉄道線「つっ…つるじゃないけど舞ってみました!」付近
 https://goo.gl/maps/9AL2piUauSo

 おコメやおコメ、踏まれておいしくなーれ…あ、いえ、その、中央本線がしかるべき時代に複線化されたり線形が改良されたり、そのために別線に切り替えられたりした、そのようなことは小湊鉄道線においても、いつかは取り組まれることが期待されるわけです。現状は、あくまで開業時に技術上・経営上のベストを尽くして決定された線路(ルート)ではあるとはいえ、状況が変われば、よりよい(その時点その時点での)ベストが尽くされていかなければ、いつまでも開業当時と同じ輸送しか実現されないわけです。

・日本経済新聞「「トキ踏んだ米」被害逆手にPR 新潟・佐渡」(2013年7月18日)
 http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG18003_Y3A710C1CC0000/

 > 農家からは親子連れのトキに苗を踏まれたとの相談が寄せられる。ひなは行動範囲が狭いため、巣近くの同じ田を何度も踏み荒らす傾向がある。
 > 「農家にとってトキとの共生は厳しい道であることを、消費者に理解してほしい」と市農林水産課。

※理解してほしい:値上げさせてほしい。

 収量が落ちた分を価格でカヴァーだっ。…お、おぅ。

 もともとの鶴舞は駅からは北東のほうにあり、その後、駅の北西でも鶴舞と称され、次に南側に鶴舞と称するゴルフ場ができたのち、さらに南に近年「市原鶴舞IC」と呼ばれるインターチェンジのほうなど完成しております。高速道路と山が認知上のエッジ(⇒「認知地図」で「引き返せ」[2913])となっているはずですから、「市原鶴舞IC」より南へ広がることはないでしょう。

[2913]
 > > 今日はこのへんにしておこう…というより、早く行かないと遅刻してしまう。

 > まさに、ここまでが「住民」の生活圏で、これより先には「住民」というものがほとんどいません。この方が引き返す判断をした背景には、無意識のうちに、認知地図上のエッジとなる風景やオブジェクト(※)に行き当たったためとみられます。つまり、その先には、ここまでとは別のディストリクトがある、と認知した、ということです。

 > 看板類が急に減った、自販機がない、路面が汚れている、歩道がない、町が灰色である、等々、この地区でのエッジとしては、「その先に生活感がない」ということですね。「住民」であれば、子どもに「あの道路より先へは行ってはいけない」と言い聞かせるような、特定の道路があるかもしれません。

 もとの鶴舞に加え、「西鶴舞」「南鶴舞」ができたようなものであると思われていそうですよ。本当でしょうか。(※地元のかたにうかがったわけではございませんので、あしからず。しかし、地形や道路などのオブジェクトこそが原因であって認知は結果なのですから、住民にきかずとも推定して構わない=だいたいそのような認知になるものだ、ということでもございます。)

[3265] 市原市の計画です
 > おお、小湊鉄道線を中量扱いでなく、きちんと鉄道扱いするということですね。これはすごい「再定義」だと実感されましょう。駅勢圏をJR線、京成線と同じに広げるということは、駅施設や駅前広場の広さなど、少なくとも市原市内のJR線、理想的には千葉急行電鉄(「公団のにおい」で「現在の水準!」、の意)と同じ基準で決めていく(都市計画に反映していく)ということだと理解されます。

・市原市の説明です(2017年4月17日)
 https://www.city.ichihara.chiba.jp/joho/koho/kouchou/kocho/shichoenotegami/tsukibetsu/201608/tegami3.html

 > 関係者による協議の結果、複線化につきましては、1日の乗車人員が4万人に達した時を目途に検討することとし、その延伸につきましては、複線化完了後に輸送人員及び地域開発の動向等を勘案しつつ考察することとしております。しかしながら、現在京成千原線の乗車人員は2万人程度で推移している状況が続いており、その実現は厳しいものとなっております。

 2019年に向けては、部分複線化と速達化と延伸がセットで、完全複線化こそを後回しにするという現実的な計画に修正されるようなことをされながら、免許を延長するような手続きのほうなど想像されるかもしれません。(あくまで邪推です。)

 小湊鉄道線では、施設そのままで車両だけ更新という一過性の検討で終わってしまうことを最も恐れます。(※あくまで個人的な恐れでありますが、共感いただけるなら幸いではございます。)上総牛久駅の南側には、昔の発想で留置線や機関庫を配置できそうな用地がございますが、すでに、線路沿いは月極、残り半分は時間貸しという形ではっきり分けて(境目にはガードレールも建植されながら)駐車場にされていることからも想像できるように、上総牛久駅は2面4線化されることはあっても、上総牛久駅に留置線を何本もつくるようなことは、もはや想定されていないように見受けられます。

※駅間距離が長かった時代の発想で、需要のある大きな駅に(駅と平行に)留置線もつくって、留置線の出入りのために入換線や機回し線というものをですね(略)出し入れが面倒すぎるんですよ。終点の駅や、需要が落ち着く駅の、下り線の方向に留置線や車両基地(への出入り線)をつくるのがナウいんですよ。森林公園駅や長津田駅、それに守谷駅のほうなど見るともなしにポヤンと見ると、これはもう、本当によくわかりますよね(※いずれも設計は各社独自でなく、公団によるとみられます)。そういう意味で、小湊鉄道線の留置線や車両基地は、少なくとも上総鶴舞駅より南、里見駅の南とか養老渓谷駅の東とか、そういう位置に設けることが望まれると、こういうわけです。海士有木や上総三又に留置線というのは、ラッシュ時の増発用ですよね&かなり後回しな話ですよね。(※あくまで一般論です。)しかし、そういうものがぜんぶ、五井駅にあるのが小湊鉄道なんですよ。…なんてこったい。(棒読み)

・Google ストリートビュー 「森林公園駅」「長津田駅」「守谷駅」のイメージです
 https://goo.gl/maps/XQa9dse8mft
 https://goo.gl/maps/T7rYnRydQaS2
 https://goo.gl/maps/vD5TJrtuC7o

 使っているコンクリートの量が多いからお高そう&ケシカラン…とんでもない!(棒読み)本線の騒音を防ぐにはこの高さの防音壁が必要ですし、防音壁を1種類に揃えるならば、入出区線の防音壁も(高さが)高いと、こういうわけです。そして、防音壁さえ高ければ、スラブ軌道でがーがー音が響いても(それなりに)問題ないんですよ。そこまで含めてのトータルなそろばんですよね、の意。(※恐縮です。)

※これまたわたしたち、さっき勉強したばかりみたいな顔でのうのうと、スラブ軌道は、地盤沈下(とくに不等沈下)が起きない区間でしか採用できないようですよ([3239])。えーっ。小湊鉄道線では、高滝湖(高滝ダム)にかかる橋の区間などスラブ軌道を採用できたかもしれないと見受けられるところ、まったくすっかり全線でバラスト軌道に揃えられているようです。


★ティーカップを片手に大洗鹿島線を眺める(ダー)


・Google ストリートビュー 「大洗駅」のイメージです
 https://goo.gl/maps/aBfcXrncJAo
 https://goo.gl/maps/CgCUH7MVUBn
 https://goo.gl/maps/Yq9dfj38i4R2
 https://goo.gl/maps/o63yjV863DH2
 https://goo.gl/maps/MvwV2B4dBkB2

・YouTube 常澄→大洗
 https://youtu.be/13ZSAUDKt6g?t=12m10s




 > (映像の12:11)ピヨッ

・(映像の10:00)発車
・(映像の12:30)風速計あり
・(映像の12:39)場内進行で大洗駅に進入→(映像の12:47)制限「60」で分岐器→(映像の13:36)停車

 (営業キロで)3.3キロの駅間を216秒で走っています。表定速度は55.0km/hですね、わかります。速いなぁ(⇒「水戸−いわき間の常磐線普通列車」より速く「南浦和−新松戸間の武蔵野線」より遅い[3075]⇒かなり速いほうですよね、の意)。(※感想です。ほかの区間ではそこまで速くなさそうかもですよ。なお、線区としての最高速度は95km/hだということです。)

 > ジリリン
 > ピンポンピンポンピンポン

 にょほほほっ(略)。これがATSってものですよ。一種「全力!」でつっこみながらATSによって60キロ以下に速度が落ちるんですよ&これがオレンジ…いえ、これが正しいそうですよ(=そういう前提でATSの地上子の位置など計算されているので、車両の性能が極端に変わらない限り大丈夫との説明ですよ)。本当でしょうか。(※「本当でしょうか」といって、その実、素人や部外者としては確かめようがないかなぁ、の意。メッソウではございました。)

 いくら公団の設計とはいいましても、▼気動車で1両や2両で、▼(国鉄末期の計画からの)『3セク!』とまでいいますと(≒予算がタイトだじぇ★)、むしろ駅と平行に留置線をおつけして、道路側の予算でボックスカルバートを構築していただいて…ゲフンゲフン。新しくはあっても、特殊な状況下での特殊な事例なのかなぁ。本当でしょうか。小湊鉄道線も同じくらい特殊なんじゃないでしょうか。…ギクッ。

・Google ストリートビュー 眺めるともなしにポヤンと「留置線や車両基地はここかっ&ここなのかっ」付近
 https://goo.gl/maps/B3Qyk9shELA2
 https://goo.gl/maps/EFYJav3kroR2
 https://goo.gl/maps/h26hvJZJk4S2
 https://goo.gl/maps/KbPNhuNmAfy

 素人ながらわたしたち(※)、車両基地は、敷地全体を平たんに整地する必要があり(⇒南古谷[3379])、じゃぶじゃぶと水が利用できる(導水および排水のコストが最小である)ことが望まれるらしい(⇒東所沢[3434])と、これまでそれとなく勉強してまいりました。そして、あまり崖や山を削ろうとすると遺跡にあたる(⇒港南台[3411])と、そういう(両側からの)条件に照らせば、(いくら市原市や広しといへども)候補地はあまりないことが、素人ながらなんとなくわかってくるような、そんな気がしてきそうですよ。えー、どれどれ?(略)

※このフォーラムの記事を掲載日時順に通読されているという前提で「わたしたち」と表現いたします。お読みでない記事がありましたら、遡ってお読みいただかない限り(この記事だけでは)意味が通じないと、たぶんこういうわけです。面倒なことになっていて、たいへん恐縮ではございますが、このフォーラムの仕様でございます。…えーっ。


★「迂回率」再び(再)


・Google ストリートビュー 上総牛久−上総鶴舞間
 https://goo.gl/maps/f7CLfMRXgW62
 https://goo.gl/maps/ZRo3sPFmeGk
 https://goo.gl/maps/1qzgfH2Yo992