フォーラム - neorail.jp R16
発行:2017/10/13
更新:2020/8/26

[3556]

【新しい広域流動】

新しい広域流動(8) 大雄山線・伊東線


「熱海駅」を読み解く外一式(仮)
いま問う神奈川県「大雄山線の延伸」のココロ
「伊東線」を読み解く(仮)
「丹那トンネル」(1934年)で湯河原駅を読み解くココロミ(試)

(約24000字)

 [3555]の続きです。湯河原駅を読み解くためには熱海駅を読み解く必要があり、そのためには周辺一帯の状況をまるっと概観する必要があるという認識でございます。(恐縮です。)


 また、[3547]の続きでもございます。

[3547]
 > この「新しい広域流動」と題する一連の記事は、フォーラムのトップページでは「これまでの計画手法では対応が難しい都市圏周縁での鉄道の利便性の確保について考えます。」と説明されてございます。この説明に即して、しかし「都市圏周縁」という部分だけ「ターミナル駅の周縁」(※「周辺」でなく『周縁』です)と読み替えますと、おお、「大きな駅」の近くはかえって不便である(いわゆる「灯台下暗し」)というようなことにも迫っていけるかなぁとの感触にございます。

 初回([3004])に続いて、神奈川県に着目します。

 今回は、さらに外側、神奈川県と静岡県、それに山梨県との県境を挟んでの鉄道網の整備や再編という話題に迫っていければと、こういうわけです。

・Google ストリートビュー 県道19号線「長い峠道 最後のスタンド」(伊東市宇佐美)付近
 https://goo.gl/maps/k7qEywRCcXS2

 はじまりましたブラ***(違)。え〜、この坂道のぼるんですか? あ、きょうはのぼりませんから。…『きょうは』!!(棒読み)

 https://goo.gl/maps/zLkdgyzKbQN2
 https://goo.gl/maps/NmScBF2sDjq
 https://goo.gl/maps/fqt7AQXHRQy

 当地の伊東線、線路は単線ですが高架橋は複線で、さらに架線のセクション(※異なる変電所からくる電線どうしのつなぎ目)のため、線路のない側にも架線が吊られていて、下から見上げる限りは複線のように見えるのだと、こういうわけです。

・「伊豆急ケーブルネットワーク(IKC)」のイメージです
 https://goo.gl/maps/GCRFrW9tAjq
 https://goo.gl/maps/MNEAbR4ocxs
 http://www.izu.jp/support/ikc.html

 > 設立 1985年(昭和60年)5月

 > 通信設備 光ケーブル
 > 熱海〜下田間 JR伊東線、伊豆急行線の線路沿いに幹線光ケーブル敷設

 > 伝送装置 端局設備 熱海、伊東、稲取、下田
 > 上位接続 JR熱海駅構内で日本テレコムと相互接続、伊豆半島から日本全国にNW構築可能

 情報通信のインフラとしても伊東線・伊豆急行線は大きな役割を果たしているわけです。わたしたち、管路の賃貸料という収入も考えずに『ローカル線』だのなんだのと云々していてはいけないと実感されましょう。智頭急行からの鳥取県情報センター・鳥取情報ハイウェイ管理センター「鳥取情報ハイウェイ」([3468])も参照。

・総務省「広域的な情報通信システムに関する調査報告書」(2005年3月)
 http://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/souhatu/h16seika/10bousai/10_kouiki.pdf

 > 「情報ハイウェイ」… 山梨県のみ
 > 〜静岡県、神奈川県は民間主導型

 > 光ファイバアクセスが可能な地域は、富士山の南部、北西部及び神奈川県の一部に限られており、xDSLサービスしか提供されていない市町村が多い。
 > これらの地域は、人口や地勢的な条件から、民間資本によるインフラ整備の推進が期待しづらい地域であるため、地域公共ネットワークの推進によってブロードバンド環境を整えることが求められる

 > 相模・伊豆沿岸コリドールインフラネットワークの整備

[3468]
 > 「現代公企業論の課題」(1989年)
 > > ロブソン教授

 > やーいロブソンせんせいーっ(=当時)。
 > NTT、日本テレコム、それに智頭急行が同時に出てきていながら、(この時点では)「智頭線の管路で情報スーパーハイウェイ(かもしれない)」という視点はみられないことがわかります。

 「民間主導型」とはいっても、日本テレコムでありJR伊東線ではあるわけです。

・伊豆新聞(静新SBSグループ)の報道です(2017年7月26日)
 http://izu-np.co.jp/shimoda/news/20170726iz1000000010000c.html

 > 「光ファイバー通信網の充実が企業誘致や若者の呼び込みには不可欠」と訴えた。**副市長は「県の助成制度を利用するなど検討を進めている」と述べながら、費用負担や利用者数が見込まれないといった課題を解決する必要があるとの見解を示した。

 高速な基幹回線が下田までまったく来ていないならともかく、あとは受益者負担だというのが基本的な認識ではございましょう。(※一般的な見解です。)なお、今回はあくまで鉄道の話題ですので、あしからず。

・Google ストリートビュー 伊豆急行線「下田駅」のイメージです
 https://goo.gl/maps/rHvTM1bHXXL2


★「熱海駅」を読み解く外一式(仮)


 熱海駅(静岡県熱海市)は、▼JR東日本(小田原方面)からの線路が、▼JR東海・伊豆箱根鉄道駿豆線(修善寺方面)、▼伊東線・伊豆急行線(伊豆急下田方面)と、2つの方面に分かれる分岐駅でございます。駅としては、東海道線の貨物列車が行き交う要衝でもございます。単に線路が多くて連動装置の規模が大きいというだけではない「大きな駅」であるということでした。(※その昔、そこまで理解しないまま云々しちゃっていました。恐縮です。)

・伊東線の新宇佐美トンネル(静岡県)を維持するのが(JR東日本)横浜支社の仕事なんですよ…その発想はなかった!
・東海道線の丹那トンネルはJR東海でございます。しかし、来宮−熱海間が、伊東線との関係でJR東日本であるので、熱海駅もJR東日本なんですよ…その発想はなかった!

※その発想はなかった!:みなさまあたりまえだと思われているかもですが、実は驚くべき着目点なのかもしれませんよ、の意。

・Google ストリートビュー 「横浜支社が管理するトンネル」のイメージです
 https://goo.gl/maps/cWZ22fjRFWx
 https://goo.gl/maps/GEYGqMjuqQ52
 https://goo.gl/maps/fApSjWGFhB32

 湯河原−熱海間のトンネルも管理なさっておられるのですから、さらに新宇佐美トンネルも管理なされるといって、その実、あまり変わらないともいえます。(※どちらもたいへんなお仕事ですよね、の意。)

 先に着目点がわかってから、いざYouTubeを参照しようという、このような順序にございます。そして、映像を投稿されたかたに絶大なるアリガトウのほうなど贈ろうと思います。(※映像は客室から撮影されています。)

・YouTube 新宇佐美トンネルほか(2014年11月)
 https://youtu.be/N6tyAzJx7f4?t=5m53s




 > (映像より)
 > 上り新幹線は、新幹線ホーム7番線から、58分発こだま号・東京行き、そのあと15時29分発こだま号・東京行きです。
 > 「熱海、熱海です」(機関車の汽笛)

 来宮(=後述)では、北側の側線に電車が停まっているほか、三島方からJR東海の列車、東京方からE231系が側線に入ってくるようすが見られます。熱海では、来宮の側線に入ってきた回送電車のすぐ続行で貨物列車が下っていきます。このあたりの事情がいちどにわかる映像だと思いました。(※個人の感想です。)

 来宮と熱海の間は、これでも(営業キロで)1.2km、ちゃんと離れているのです。いうなれば松戸車両センターに駅がある(※あの有名な『短い電車!』にお客さまも乗せてもらえる)ようなものですね、わかります。

・railf.jp「あの有名な『短い電車!』」のイメージです
 http://railf.jp/news/2010/03/14/015500.html

 > 小運転
 > さよなら小運転

 ちょうど、もう少し時代が新しければ、熱海駅から西、伊豆急行線と東海道線が別々に敷かれているのだという(届出上の)扱いにもされそうなところではあろうかという印象が、みなさまありましょう。少なくとも来宮駅は、(側線を含む一連の連動装置の構成上)熱海駅の一部のようなもので、伊東線の起点を熱海駅とすることができるような進路構成ではないという、技術上の事情が前面に出てくるとみられます。しかし、それはあまりにも技術本位でシヤクシヂヤウギの度が過ぎる(それはそれとして制度上の境界はシンプルにできないのか)という印象もまた出てまいります。(※あくまで個人の感想です。)

・「スーパービュー踊り子」が貨物線に追いやられて小田原・湯河原にも停車するということは考えられないでしょうか
・「踊り子」の分割併合が熱海駅から小田原駅に移される(修善寺行きは湯河原を通過するなど)というようなことは考えられないでしょうか

 あくまで東日本としては(黒磯駅[2977],[3147],[3150]とも似ているという印象ではございますが)、▼自社線としての留置線などがあるわけでもないのに、▼JR東海・JR貨物・事実上の伊豆急行線としての伊東線にかかる指令機能(狭くは熱海駅の進路制御ただしそのためのあらゆる人的な連絡を含む)を置き、▼熱海駅構内の本線を長く占有しながら特急列車の分割併合などと…えーっ。車両が新しくなって自動化されるならともかく(わあぃ「マリンエクスプレス踊り子」っ)、そうでなければ小田原に移したい(=貨物列車をお待たせしません)と思われても自然ではあるとの印象が高まってきそうです。(※あくまで印象です。)

※わあぃ***っ:みなさまもしかするとお忘れかもしれませんが***というものがありますよね、の意。

・特急「東海」と特急「踊り子」、それに貨物列車と寝台特急という表裏一体の列車(スジ)であったところ、「東海」は2007年3月、寝台特急「はやぶさ」「富士」は2009年3月で廃止になっているんですよね
・JR西日本が誇る電車「サンライズ出雲・瀬戸」は存続しています(=あくまでJR西日本の列車です)
・なんと東急電鉄がJR横浜(じぇいあーるよこはま)始発で伊豆急行線に直通する特別な青い列車([3537])をですね(以下略)駿豆線のほうも、仮には小手指から修善寺行きなどと、伊豆箱根鉄道(西武グループ)の側に主導権のある列車(サービス)に刷新されていったりしないですかねぇ

・Google ストリートビュー 伊東駅「留置線って、こうですか?」付近のイメージです
 https://goo.gl/maps/51Wdyd3sX292
 https://goo.gl/maps/xaJabvyXZDD2

 洗浄線があるわけでもなく、ただ留め置かれているという、それだけでございます。一方、来宮駅では、(伊東線ではなく)東海道線側の側線(複線の本線の両外側に1線ずつの2線)が15両対応の留置線として、東日本によって使われています。

・ウィキペディア「東海」
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E6%B5%B7_(%E5%88%97%E8%BB%8A)

 > 1972年3月には全列車の運転区間を東京駅 - 静岡駅間に変更した。1996年3月には特急列車に格上げされ、運転区間が新幹線と並行する数少ない昼行特急列車として、東海道新幹線の補完輸送の役目を担い、新幹線が停車しない沿線主要駅に対し乗換不要のサービスを提供していたが、2007年3月に利用客の減少により運行を終了した。