フォーラム - neorail.jp R16
発行:2017/3/30
更新:2018/1/8

[3439]

【新幹線の「宿題」】

新幹線の「宿題」(3) 博多南線と「都市高速鉄道」(都市計画法)


「こんなこともあろうかと」は続くよ
博多南線「2845A」列車を読み解く(幹)
「大食堂」「本部食堂」を遠目に眺める(談)
博多駅24時(※新幹線北乗継窓口は18:55までの営業です)
「福岡ネット21」「福岡都市圏セット」で博多南駅を読み解く(西)
横浜市「横浜新貨物線」から「羽島こうか駐車場」まで
越後湯沢−ガーラ湯沢間(1.9km)・博多−博多南間(8.9km)・高崎−本庄早稲田間(19.0km)・東京−八潮間(12.8km)の間で整合のとれた運賃・特急料金を探るココロミ(試)
西鉄天神大牟田線・福岡市営地下鉄空港線を読み解く(仮)
JR西日本「博多南線」を読み解く(再)
JR東海の在来線特急列車(愛称なし)としての「八潮発東京行き」は可能か?
表6 「博多南線 列車時刻表(博多南駅発)」(ツイッターに投稿された写真より)

(約33000字)

 [2997],[3197]に続いて、主たる区間を概ね時速200キロメートル以上で走りながら忘れられてきた、古くて新しい課題を概観します。


●「こんなこともあろうかと」は続くよ


 博多駅の新幹線ホームについては、趣味誌のバックナンバーなどをあさるまでもなく、じゅうぶんな解説が公開されています。

・(一社)九州地方計画協会「博多駅における九州新幹線ホーム増設工事の設計・施工」(2011年1月)
 http://k-keikaku.or.jp/xc/modules/pc_ktech/index.php?content_id=1898

 > 博多駅は、1963(昭和38)年12月区画整理事業により現在地に移設開業し、以降1975(昭和50)年3月山陽新幹線、1985(昭和60)年3月福岡市地下鉄空港線が乗り入れている。

 > 申請時と比べ大幅に新幹線の列車本数が増えていること、九州内の新幹線新駅の駅数や駅間距離等を考慮すると博多駅構内に新たに新幹線ホームを増設し、将来の新幹線体系に適応したダイヤ設定が可能となるよう、2004(平成16)年6月九州新幹線として1面2線(うち1線は8両対応)の工事実施計画の追加認可を得た。

 「将来の新幹線体系」といって、東京−大宮間のように「いろいろな新幹線!」が(博多−新鳥栖間で)入り乱れるとのソレを想像すればよろしいのでしょうか。

 > 在来線の配線は現行5面11線(ホームタッチ9線)を4面9線(同8線)に縮小することとなった。

 ぬおー「ホームタッチn線」っ。そのように呼べばよかったんですね&こんどから呼んでみようと思います。(棒読み)

 > 地盤調査ではN値ベースの液状化判定を行なったところ、表層の沖積砂質土層と洪積砂質土層が液状化し、増杭打設等の大幅な基礎補強が想定された。詳細な液状化判定法を実施した結果、ゆるい洪積砂質土層を液状化範囲から除外することができた。これにより効率的な基礎補強が可能になった。

 なるほどそのようなことが起きうるので、かえって初期の段階では地盤についてはあまり深く検討しないとの津田山駅([3156],[3435])に…本当でしょうか。

 > 高速鉄道の開業が交流人口の拡大を促し、さまざまな分野で九州一円への波及効果をもたらし、地域の発展のお役に立てますよう、新幹線の幅広いご利用を紙面を借りて、関係各位にお願いいたします。

 論文の末尾だけ「ですます調!」でこういう文言を入れてしまうというところが、論文の書き手として素人じみているとの率直な印象を申し添えます。

・「ホームタッチ」は和製英語です!
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%BE%E9%9D%A2%E4%B9%97%E3%82%8A%E6%8F%9B%E3%81%88

 > 和製英語でホームタッチと呼ぶ時もある。

 わざわざ『積極的に!』使おうというほどの用語ではなかったとわかりました。(※見解です。)

 同じ号にもう1編あります。

・同「九州新幹線鹿児島ルート全線開業を踏まえた今後の交通のあり方について」(2011年1月)
 http://k-keikaku.or.jp/xc/modules/pc_ktech/index.php?content_id=1896

 > 企業・大学ヒアリングでは、アンケートとほぼ同一の設問で、18社及び2大学を対象にヒアリング調査を実施したが、この結果、以下のような傾向があると考えられる。

 > 通学圏については、通学費用が各自の手出しとなることもあり、

 …はひ? なんだろう「手出し」って…4人でじゃらじゃらするほうのアレっすか。市長と副市長もすなるというアレ。へー…。(おそらく、大学職員が回答した自由記述での用字用語を、それなりに右から左へしているんだとお見受けします。著者がじゃんじゃんなさるかどうかはわかりませんよ、ええ。)

・「手出し」は『麻雀用語』です!
 http://www.weblio.jp/content/%E6%89%8B%E5%87%BA%E3%81%97

 > ツモった時手牌の中から打牌すること。

・「手出し」は方言だとの見解です
 http://jigemonenglish.com/2016/02/19/%E6%89%8B%E5%87%BA%E3%81%97-pay-for-out-of-your-own-pocket/

 > 先日、知人と話しおって方言て知ったとが、自己負担って意味で使う「手出し」。
 > おそらく東京の方やと思いますが、相手が個人的に負担することのなかごとと思うて「手出しがないようにしてくださいね」ってちゃんと標準語でゆーたら、ものすごいムッとされたそうな・・・気遣いのはずが、とんでもなか誤解ば招いてしもうたとでしょうね。長崎ば離れとる時は取り扱い要注意のごたんです。

 もーれつにムッとします、はい。論文に(ヒアリングした内容の箇条書きの箇所とはいえ)地の文で「手出し」と…とんでもない。「余計な手出しはご無用!(ひっこめ!)」という文脈でしか使わない(文書やスピーチなどでオフィシャルには使いようのない)ことばであるとの感覚にございます。


●博多南線「2845A」列車を読み解く(幹)


 九州新幹線の開業にともなって取りざたされたのが「博多南線」でございます。こういう『汽水域!』っぽい事例は、個別の結論がどうなるかという即物的な興味ばかりでなく、制度や事業など全体の中でどのように位置づけられていくのかという「しくみ」の話題として、たいへん興味深いと感じています。

※…などと抑制的に「中立」をきどりつつも、内心では「乗ってみたくてたまらない!(わたしが乗らないうちに廃止されないでっ)」「ほかの場所でも似たようなことができないのか?」と思うとかなんとか…ゲフンゲフン。(わたしがどう思うかなど『2の次!』です。じゃあ三次…違いますってばぁ。)

 博多南線の列車の所要時間は、(市販の時刻表における分単位の表示では)上下とも8分(※)ですが、博多南行きの最終列車のみ10分かかるとされています。

※2014年4月の映像では8分55秒くらい:「15秒単位」([2997])も参照。博多南線も「15秒単位」できっちりかっちり運行されるものと見受けられます。おお、「15時17分」とアナウンスされていますが…2017年3月のいま、ダイヤが変わって、現在はほとんどの列車が8分で着くということです。九州新幹線の電車から逃げるように、博多南線の列車もしゃきっと走るスジに変わったということでしょうか。

※8時台の列車が9分、23時台の最終列車が10分。こう、標準の所要時間としては何分と公称されるのでしょうか…気になります!

 いつかどこかで「はじき」([3089])…いえ、2分ほど多くかかる程度に徐行されているのだと推定されます。

・ウィキペディア「博多南線」
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%9A%E5%A4%9A%E5%8D%97%E7%B7%9A

 > 最高速度 120km/h
 > なお、九州新幹線の列車も、博多南線との共用区間では120km/hの速度制限がかかる。

 なぜ130km/hでなく120km/hなのでしょうか。

 もし、東北新幹線の東京−大宮間と同様の騒音対策としての制限速度だという理屈であれば、仮に複々線化されるなどして回送列車と共用されなくなっても制限速度が引き上げられることはないとみられ、翻って、複々線化などしてもしかたがないとわかってきます。

 一方、共用となっているために制限速度が低いという意味では、九州新幹線の本線との分岐点での進路制御の都合があるとみられます。車両基地の手前の分岐器を切り替える時、九州新幹線の列車、博多南線の列車ともに、分岐器より手前で停止できる現示(…といいますか、パターンといいますか)を受けながら走り、現に開通された進路を喚呼のほうなどしてから、おもむろに進出するという『プロトコール!』にあろうとの想像にかたくないところでございます。そういうことでしたら、なるほど、入出区線を複線化しようという首都圏新都市鉄道殿のほうなど遠目に眺めながら、…いやいやいや、博多駅周辺ひいては九州自動車道との交差部など、これから新幹線を複々線化するですと? 東京−田端間(=後述)ですら複線でさばかれているところ、ありえそうもないと想像できそうです。(あくまで想像です。)

・YouTube 博多南線
 https://www.youtube.com/watch?v=fLswRvlu9Mw




 こう、ほぼ全区間で定速運転のほうなどされている…やのような、『新しい最新式!』の洗濯機の脱水運転のような…なんとも煮えきらない感じの運転音(モーターならびにインバーター)を延々と響かせながらの走行となっているようすがわかります。

※ほら、昔の洗濯機って、「全力!」で脱水してくれちゃうじゃないですかぁ。…やだなぁ。(※表現は演出です。特定のメーカーを念頭にしたものではありません。)

 博多駅に近い区間では(分岐器を過ぎても曲線区間があり)少し遅く、防音壁が少し高くなった(ように見える)区間に入ると、少し速度が上がった…ように見えます(映像の5:12)。ここで最高速度の120km/hに達しているのかは、架線柱の間隔などわかれば推定できましょう。(ここでは推定いたしません。恐縮です。)

・Google ストリートビュー 博多南線「警弥郷緑地」付近(2012年1月、2014年1月)
 https://goo.gl/maps/qUxPpu23ZC12
 https://goo.gl/maps/UnJjung8WuC2

・同(2012年1月、2015年2月)
 https://goo.gl/maps/EfDaRj9Umt82
 https://goo.gl/maps/cHRXm72TdNP2

 既設の防音壁の上部に、さらに透明の遮音板のようなものが取り付けられているようすがわかります。2012年1月のストリートビューの画像ではみられないことから、九州新幹線の開業時(2011年3月12日)にもなかったとみられます。2014年1月までの間の、いつ、取り付けられたのかは不明です。

※2012年3月には山陽新幹線との直通列車が増発されています。その後、夏の臨時列車の運転までに取り付けられたのかなぁ、と想像してみます。(まったくの想像です。)

・Google ストリートビュー 「博多南線」付近(推定)
 https://goo.gl/maps/easwfz7SxqE2
 https://goo.gl/maps/31h3vRAEd9v

 こう、外側に入出区線、内側に九州新幹線の本線という形で「複々線」になる区間では、透明の遮音板は取り付けられていないようすがわかります。内側の線路の騒音が外側まで響かない(≒離れれば減衰する)という理屈ですね、わかります。

・Google ストリートビュー 「博多南線」付近(推定)
 https://goo.gl/maps/hr67b8VqSRR2

 内側の本線は高くなりながら、入出区線を越えていきます。防音壁の高さそのものも、外側の入出区線の防音壁の高さより高いようすがわかります。

・Google ストリートビュー JR西日本「博多南駅」付近
 https://goo.gl/maps/jKEnmr6N6QE2
 https://goo.gl/maps/dUD76rwfC6H2
 https://goo.gl/maps/LzfgVuybFAw

 > 博多南駅前ビル INFORMATION

 > ガーデンパーク Garden park
 > 情報コーナー Information corner
 > ショップコーナー Shop corner
 > フード・ショップコーナー Food・shop corner

 うーん。…うーん! あえていおう、なにもいわないでおこうとッ!!

※「SeBIC(Seikan tunnel Bousai Information Control system)」については[3253]、「のりかえ案内 Transfer Information」については[2925]を参照。「お酒コーナー」については[3403]を参照。「経済産業省のキャリア教育事業の一環で作成した「わくわくキャッチ!」の独自コーナー」については[3399]を参照。「「今日はこんなことを皆さんにお試しいただきたいと思います」みたいなパネルのオープニングコーナーがあるんですよ。」については[3302]を参照。

[2864]
 > この印字用の紙は誰がいつ補充しに来るのでしょう。印字しようと思ったら紙がない! という事態には遭遇したくないものです。

[2960]
 > 日本語では「線」(せん:'sen' in Japanese)と「ライン」(らいん:'rain' in Japanese)という違いがあり、その違いが利用客にも何となくは伝わりますが(※)、英語にするとどちらも「line」で、区別ができません。英語アナウンスのことまで考えず、日本語の発想だけで安易に決めたという印象しか持てませんが(略)
 > 「ライン」のほうが聞き慣れない単語('rain' is a strange term in Japanese)で、何か新しいもの(something new)、何かよいもの(something good)であると期待(expect)させられます。

[3131]
 > 新幹線でグリーン車ということはすなわち指定席だというわけですが、混雑を嫌ってグリーン車(※1)の指定席を購入しておきながら、始発の東京駅で先発列車(※2)の自由席をのぞいてみたら空いていたので乗ってしまった(略)
 > いくら新幹線とはいえ、目の前にガラガラの自由席があれば思わず座ってしまうというのも、一種「アフォーダンスのようなもの」であるかと思われます。

[2958]
 > > カウンターでも券売機でも同じきっぷが買えることを表示してほしい。
 > > 電話上部に「国際電話はカードで」と表記されているのに、そこではカードが売られていない。

・Google ストリートビュー 九州新幹線「博多南駅南詰」付近(推定)
 https://goo.gl/maps/Pmpmr2r49C92
 https://goo.gl/maps/dAEegbQLwP42
 https://goo.gl/maps/XxKKTmye5Jk

 九州新幹線としての高架線が高く高くのぼってまいります。高架橋が高ければ、線路至近での(道路などのGLからの)既定の高さで測定される騒音値はきわめて小さく、高さのある建物であれば防音性を備えているだろうとの期待、そして(高さ方向でも水平方向でも)線路から離れれば当然、音は小さく…なるほど「新しい最新式の新幹線!」ほど、地上から見れば驚くほど高いところを走るのは、そういう理屈なんですね。(あくまで推測です。)

※博多南駅前ビルについて、うーん、うーん、…なにもいわないでおこうと思いながらも無理ですやめておきます! なにもいわないでおこうといいながら、結局、[3436]で、いろいろいってしまう、たわし、残念系です。(たいへんうんざり系なことを述べていますから、「法学B」未履修のかたは閲覧をお控えください。)


●「大食堂」「本部食堂」を遠目に眺める(談)


 JR西日本さんとしては、車両基地内に社員食堂があるんですよねぇ@たぶん。

・ツイッター
 https://pbs.twimg.com/media/Cu36I2KUMAAEW4J.jpg

 > 開場時間 10:00〜16:00

 > ☆は臨時列車です

 おおー!

 > 本部食堂
 > 大食堂

 こう、大食堂のほうは、いつかどこかで1970年代の九州鉄道学園! …いえ、企業内学校としての鉄道学園の卒業式がおごそかに挙行できそうな感じに『校長先生の背中にでっかい大きなJRマーク!』が…ゲフンゲフン。(※ナイーブな印象にございます。)

 デスクワークのかたや清掃のかたなどが細〜くいただくとみられる本部食堂と、大きな人たちが太〜くたいらげられるとみられる大食堂の2つがあると見受けられます。業務(の強度)に応じて適切なカロリーの食事を提供することは、とっても重要なことですよ。うん。(※恐縮でした。)

■表6 「博多南線 列車時刻表(博多南駅発)」(ツイッターに投稿された写真より)

1138
1210☆41
1312☆47
1408☆44
1502☆32
160817☆
170312☆41☆


 > ☆は臨時列車です

 こう、なんといいましょうか、最大がんばると毎時4本いけます的な空白のほうなど…気になります!

※現に、朝の通勤通学の時間帯に4本の設定ございます。事前には告知せずに運行される「真の臨時列車」については[3254]を参照。…お客さまが16時台になってもぜんぜん帰ろうとしないんですよ! 「こんなこともあろうかと」からの「17時台に「隠し列車!(着発線変更を16時台に手配!)」だっ。…お、おぅ。」キターっ。(あくまで推察です。)「開場時間 10:00〜16:00」といって、降車完了…いえ、『お客さま退場完了!』を確認して16時半、17時には退社できますよ、というような(昼間の)シフトのひとたちをしのぼうかと、こ