フォーラム - neorail.jp R16
発行:2017/2/16
更新:2017/12/25

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【青梅線・五日市線】「運行管理システムの変更」に着手か


【ATOS拡大】青梅線・五日市線・横浜線・京葉線への導入、発表から6年半で完了へ
【拝島駅】なぜCTCセンターは拝島駅に置かれたのか?(1971年)
〔参考〕新幹線とともに進展したCTC(1964年・1972年・1975年・1985年)
「通告伝達システム」は出発時機表示器を代替せず
【八高線・川越線】箱根ケ崎駅・高麗川駅の動向は

(約18000字)

 JR東日本が6日、「どこトレ」サイト上に掲載した「重要なお知らせ」によりますと、青梅線(西立川−青梅間)・五日市線(拝島−武蔵五日市間)で「運行管理システムの変更のため」12日から「どこトレ」での情報提供を停止するということです。

・「どこトレ」
 http://doko-train.jp/pc/index.html

 3月31日からは「JR東日本アプリ」で情報提供などを行なうということです。

 この間、3月4日にはダイヤ改正が行なわれますが、JR東日本八王子支社が現在までに公表しているプレスリリースでは、青梅線・五日市線・八高線に関する記述はみられません。

・JR東日本 八王子支社「2017年3月ダイヤ改正について(多摩版)」(2016年12月16日)
 http://www.jreast.co.jp/hachioji/20161216/20161216_info04.pdf

 運行管理システムの変更では、一般に指令員の配置換えや新しい端末への習熟などが必要になります。ダイヤ改正の実施日をまたいで運行管理システムの変更に関する作業が続くとは考えにくいことから、運行管理システム(コンピューターや通信回線)の切替は速やかに完了されるとみられる一方、「JR東日本アプリ」への移行が年度末の3月31日とされていることなどから、運行管理(指令業務)については3月31日付で拝島駅から東京の指令室への移管などが行なわれるのではないかとみられます。

・Google ストリートビュー 「青梅駅」付近
 https://goo.gl/maps/tAVybqgWvj92
 https://goo.gl/maps/nXEWBPDLav52

 なお、青梅−奥多摩間(※)と八高線の指令機能は引き続き拝島駅(八王子支社)に置かれるとみられますが、拝島駅電留線の入出区に関する信号扱いと「青梅短絡線」にかかる信号扱いについて、東京への一元化が行なわれるのかは不明です。青梅線(短絡線を含む)の立川−東中神間では連続立体交差事業が構想されていることから、この区間での抜本的な信号改良などは立体交差化まで行なわれないことも予想されます。

※青梅線は、奥多摩までの全線が「利用者が特に多い線区」とされる「電車特定区間」です。

 指令の東京への一元化が、青梅線・五日市線の運行(輸送計画や異常時の対応など)に対してどのような意味を持つのか(あるいは持たないのか)については先述しています。

・このサイト「青梅線・五日市線」(2014年9月16日)
 http://atos.neorail.jp/atos2/future/haijima.html

※このページに関する訂正は[2904],[2920],[3042]にまとめてございます。なお、ページに記載の日付はページ本文の掲載日です。掲載日より後に、一部の写真を動画に差し替えてございます。

・Google ストリートビュー 「立川駅」付近
 https://goo.gl/maps/tYsPZbvDKMS2
 https://goo.gl/maps/Hw5nCyBm3sv
 https://goo.gl/maps/XwG21rEtqaM2

・同 「残堀川」付近
 https://goo.gl/maps/NKtT6Tm6Ed62
 https://goo.gl/maps/ryfPq5Pj16v
 https://goo.gl/maps/2YGAAb1rYoL2

・同 「航空支庁西門踏切」付近
 https://goo.gl/maps/umTfTiGTjwR2

・(個人のページ)「西立川駅」「青梅短絡線」のようすです(2010年9月1日)
 http://nambusen.s225.xrea.com/news/100991-ome.htm


●【ATOS拡大】青梅線・五日市線・横浜線・京葉線への導入、発表から6年半で完了へ


 青梅線(立川−青梅間)・五日市線(全線)でATOSが使用開始になりますと、これまでに発表されていた導入予定線区のすべてでATOS(東京圏輸送管理システム)の導入が完了することになります。2010年9月に導入計画が追加された青梅線・五日市線・横浜線・京葉線では、計画の発表からおよそ6年半で導入が完了することになります。2011年3月には東日本大震災が発生し、東北縦貫線の開業が1年延期になっています。ATOS拡大についても、およそ1年ほどスケジュールがずれたのではないかとみられます。

 東京圏では、▼北総・房総各線、▼伊東線、▼相模線、▼八高線と青梅線(青梅−奥多摩間)の指令(輸送管理)が各地の支社や駅に残る格好になります。また、▼高崎線ではATOSが導入されていますが、指令は東京ではなく高崎支社に置かれているということです([3379])。また、▼南武支線、鶴見線、高島線や、▼JR貨物グループの臨海鉄道各社の線路などは、システム化されていないとみられます。ほかに、▼「相鉄・JR直通線」と東海道貨物線の直通に関するJR側の計画が、現時点では発表されていません。

 このうち、▼伊東線については、伊豆急行線([3390])やJR東海管内との間での連携(特急列車、貨物列車の直通運転)を担う拠点として、今後も熱海駅に拠点が置かれ続けるのではないかと推測されます。

 ▼相模線については、超長期での複線化事業の動向が注目されます([3140],[3141])。ただ、電化に際して導入された各駅の装置については青梅線や成田空港駅などと同時期の装置([3396])とみられ、複線化の着手を待たずに更新時期を迎えるものとみられます。

 ▼八高線(八王子−高麗川間)については、電化の時期が相模線より新しく、拝島駅の装置としては2006年に更新されたばかりであることから、差し迫った改修はないとみられます。

※なお、単線の電化区間では、架線柱の耐震性に関する検討が求められそうです([3030])。

 ▼成田線については、時期は不明ですが成田スカイアクセス線(京成電鉄)との施設(成田空港高速鉄道の成田市土屋−成田空港間)の共用の解消(「暫定整備」の解消[3279])などが課題であり、これらの動向に左右されることになるとみられます。スカイライナーを運行する京成電鉄に関しては「中速鉄道」([3264])とのキーワードも聞かれます。総武快速線および総武線(各駅停車)については、京葉線の新木場−市川市高谷間での複々線化の受け皿となる「接続線」([3226],[3043])の具体化が待たれる状況にあります。

 これまでに実現されてきた「湘南新宿ライン(西山手輸送)」(