フォーラム - neorail.jp R16
発行:2015/12/20
更新:2018/12/20

[3147]

【年忘れ】 戻りたい! 『始まりと終わりのATOS』をもう一度(「連動装置」を遠回りに読み解く)


始まりと終わりのATOS
終わりは始まりの始まり
『29キロポスト』をもう一度
普通のATOSに戻りたい!
表 ATOS区間の「境界」

(約14000字)

 みなさま、まもなく「年の瀬」がまいります!

・読売新聞「忘年会で最終電車乗り過ごし、救済バス…高尾発」(2015年12月20日)
 http://www.yomiuri.co.jp/national/20151220-OYT1T50006.html?from=y10

 > 忘年会シーズンに合わせて、東京・多摩西部を中心に路線バスを運行する西東京バス(本社・八王子市)が、JR中央線の中央特快最終電車で終点の高尾駅にたどり着いてしまった乗客を“救済”するバスの運行を始めた。

 > 中央線は、新宿駅を午前0時11分に出発する中央特快高尾行きを利用して寝過ごしてしまうと、高尾駅到着は0時55分で、接続する上り電車はない。また、高尾山にほど近く、周辺に夜を明かすことができる施設も少ないため、週末などは駅近くで立ちつくす人も少なくないという。

 > 昨年、最終電車の到着に合わせ、乗り越し客を宿泊施設や深夜営業の店が多い八王子市市街地まで送り届けるサービスを実施したところ、料金は日中の倍の880円ながら、7日間で計約150人が利用するなど好評だったという。

・読売新聞「「サンタ博士」が教えるクリスマスの真実」(2015年12月8日)
 http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20151207-OYT8T50109.html

 > 初期の研究(1970〜80年代)では、こんな仮説のもと、サンタクロースに対する信念と認知課題の成績、日常的な空想傾向との関連が盛んに調べられてきた。

 > その後の研究(90〜2000年代)でも変わりがなく、欧米に限らず、我が国でも同様の結果が得られている(グラフ参照)。

 うーん、時代が下っても深酒…いえ、研究手法が深化したりということではなく、同じ方法で追跡調査を続けたので(その物量で一種「ごり押し」的な意味で)確かさが上がりました、ということなんでしょうか。わたし的には、調査方法の限界(「認知課題の成績」といって、その実、あまりに低年齢の被験者さまに対しては課題の出しようがない等[3125])によって、ほとんど(統計的に)無意味な調査結果しか出ていないのではないかというワーストのシナリオが、真っ先に浮かびます。当面は、乳幼児にも負担なく適用できるfMRI等の技術開発が待たれるところではないでしょうか。

 > 毎年のように、「あー!ちょっと早くおいで! サンタさんが窓から見えるよ! 早く、早く!」と焦った様子で子どもたちを呼んだ揚げ句、「あーあ。なんでもっと早くこんの? サンタさんもう見えなくなったよ。残念……」という演技をくり返すつわもののお父さんもいた。
 > 虚構にリアリティを与えるためには、恥ずかしがらずにやり抜く勇気が必要なのだ。

 > 「プレゼントの包み紙が近所のお店と同じだった」
 > 「サンタさんにあげたはずの手紙が、お母さんの引き出しの中にあった」

 ぐはっ、と、そして大人にあっても、例えば『鉄識』([3107])を自問するプロセスと共通しているように感じます。

 > 5、6歳頃になると、子どもは次第に現実的で合理的な思考を身につけ始める。
 > すると、それまでは主観にばかりとらわれてよく見えなかった事柄が、急にはっきりと見えるようになるから子どもの成長は不思議だ。

 > 経験したことを、より客観的な視点から振り返り、伝え聞く物語の中のサンタクロースとの間にある矛盾点を突いていく。

 趣味誌に書いてあることなんて、物語なんだと、そんなもの(※)、とまでは申しませんが、限りなくそれに近いようなことも、かつては堂々とまかり通っていたのではないか、といって、「大センパイ方」([3077])に疑いの目を向けてみる、いま神妙に「標準6歳」(「標準9歳」[3099]も参照)になってみようと、最近、思っているのです。晴れて「1マス目」([3140])ですね、わかります。

・「発達科学におけるニューロイメージングの役割 〜光によるニューロイメージング法を中心に〜」日本赤ちゃん学会 ベビーサイエンス 2003.vol.3(2004年3月)
 http://www.crn.or.jp/LABO/BABY/LEARNED/MAKI/GIF/MAKI_GAKKAISHI.PDF
 http://www.crn.or.jp/LABO/BABY/LEARNED/03.HTM

 それはともかく…久々にATOSの話題です。恐縮です。


★始まりと終わりのATOS


・ツイッター(2015年3月12日PST)
 https://twitter.com/jod1996oo/status/576046791927341057

 > 羽鳥駅から水戸方へ5分歩いたとこにATOSの始まりと終わりがあった

 おおー、そんな標識があるんですね。さっそく、Googleストリートビューで現地を訪れた気分になってみます。

・Google ストリートビュー 羽鳥駅(2013年4月)
 https://goo.gl/maps/TY29sRSbsAF2

 ありました! 「ATOS区間 終わり」と「ATOS区間 始まり」が裏表に表示されています。保線の人がこちら側を歩くんだ…という「『通路』こちら側です」という、あらぬ情報まで公開されているような気もいたしますが、しかし、沿線住民が見れば一目瞭然で、秘密でも何でもないことだとわかって安心できます(『秘密を守るため!』[3101]も参照)。

[3031]
 > > ATOS禁止日のような、仕事をしたくても出来ない日もある

 保線その他の工事や作業にあって、線路閉鎖の手続きをすることや、その確認をすることなどいっさいまるっと「ATOS」と呼ばれていることがうかがえます。ミスを防ぐためにたいへん重要な単純化のひとつだと思われますから、「(用語・用法が)マチガッテイル!」などというのは筋違いというものです。(「きれいな線」[2836]も参照。)

※他方で、「ATOS=線路閉鎖」だと(自分の業務の範囲内で)理解したまま「旅客案内なんて、そんなの『おまけ』なんだと、そんなもの(※)」と(ネット上で)言っていた人たちが「ゼロ年代」には多く見られたやのように記憶していますが、いえいえいえ、ある線区がATOS区間かそうでないか、という境界をやすやすと越えられるのは特急列車だけで、特に「快速電車」(列車でなく電車)にあっては、たいへん、どこまでがATOS区間であるかということが、多くの「お客さま」の利便性に直結する面があるのです。同じことは、ATOSという運行管理システム(狭くはPRC)のレイヤーだけでなく、保安装置(の違い)、連動装置(の構成)、電化方式(の違い)など、それぞれのレイヤーで、引き起こされることであるのです。本当でしょうか。

・Google ストリートビュー 神保原駅(2014年3月)
 https://goo.gl/maps/EAofVRxa34x

 羽鳥(水戸支社)と同じ色と形をした「ATOS区間 始まり」の標識がかすかに見えます。きっと裏側に「ATOS区間 終わり」と表示されていそうです。

・Google ストリートビュー 那須塩原駅(2013年5月)
 https://goo.gl/maps/Zd6cBx17Z7Q2

 駅から北側に「これよりATOS■外」(■は判読できず)と、上り線側に標識が建てられています。

 この標識がウソ(「わざと混ぜたウソ」[2932]も参照)をついていないと仮定しますと、那須塩原駅の北側の場内信号機は「ATOS■外」だということになります。本当でしょうか。

 これ、落ちついて考えてみれば『ナナマタノオロチ問題』([3069])の一変種ですね。ATOSで管理され、ATOSで線路閉鎖できる区間(閉そく)が、この場内信号機の駅側の区間までである、すなわち、線路閉鎖されていない区間を北から走ってきた列車があれば、この場内信号機の直下までは(※)進行してくることがありうる、ということを意味しているのだとわかります。

※実際には、1つ前の注意信号に従って=45km/h以下で=この場内信号機の直前で停止すべくATS-Pのパターンによって減速しつつ、ということで、全力で走ってくるということはないようにされています。

・Google ストリートビュー 武蔵高萩駅(2015年5月)
 https://goo.gl/maps/nUNn1FxacFB2

 那須塩原駅と同じ標識です。2012年7月の画像でも同じ標識が確認できます。そして、「これよりATOS場内」と書いてあり、さらに裏表で「これよりATOS場外」と書かれていることがわかりました。

 標識の種類については、▼大宮支社管内(指令を除く)である那須塩原、武蔵高萩は蛍光色のオレンジの縁取りのソレ、▼水戸支社管内(指令を除く)である羽鳥、高崎支社管内(指令を除く)である神保原は黄色地で正方形のソレ、と、ここまで2種類がみられます。そして、この標識を設置することを決めるのは指令(東京支社)側だろう(※)とみれば、標識の種類の違いは設置時期の違いのみによるものだと推定されてきます。本当でしょうか。

※踏切やガードの(通行者に向けた、緊急連絡先を示す)看板は設備指令だということから、誰でも類推できましょう。違っていたらごめんなさい。


★終わりは始まりの始まり


 そしてこちら、表にまとめてございます…といって、いきなり表でございます。(いろいろと端折って、恐縮です。)

■表 ATOS区間の「境界」

最寄駅ATOS線区ATOS区間外となる線区・駅
羽鳥常磐線友部駅
小山東北本線水戸線、両毛線
宇都宮東北本線日光線
宝積寺東北本線烏山線
那須塩原東北本線東北本線(黒磯駅)
神保原高崎線倉賀野駅
武蔵高萩川越線高麗川駅
新秋津武蔵野線所沢駅?
立川中央線拝島駅?
八王子中央線・横浜線拝島駅?
甲府中央本線中央本線・身延線
橋本?横浜線相模線?
茅ケ崎?東海道線相模線?
国府津JR東日本JR東海
湯河原東海道線熱海駅
逗子横須賀線神武寺駅(京急逗子線)
長津田横浜線東急線
横浜羽沢東海道貨物線相鉄・JR直通線
尻手南武線南武支線
武蔵野線〜京葉線
亀有常磐緩行線メトロ千代田線
(西船橋)総武緩行線メトロ東西線
津田沼総武快速線幕張駅
西千葉総武緩行線千葉駅
我孫子常磐線成田線


※「JR貨物グループ」の臨海鉄道は除きます…といって、「ATOS区間」と直接、接する臨海鉄道は、まだ、ないようですね(東京臨海高速鉄道は除きます)。京葉線でのATOS導入によって、初めて、そういう例が出てくると早合点されました。

 他の地点もストリートビューで…と思いましたが、甲府駅、熱海駅については、沿線に道路がないためストリートビューでは確認できないことがわかりました。

・YouTube 八王子駅(2014年5月5日)
 https://youtu.be/vlh11tsTQbU?t=10m37s




 八高線で、八王子駅の場内信号機がウワッと5つ(!)並ぶ地点の電柱に、工事現場で使う緑のソレ(ストライプ)が掲出(?)されています。ATOSかどうかというよりは「これより八王子駅場内」と、信号機を見上げず足元に注意しながら(あちこちに「転落注意」の標識が見られます)歩いていても見落とさないように、ということなんでしょうか。

・YouTube 国府津駅(2014年10月17日)
 https://youtu.be/7N4sv-B3Z2Y?t=1h23m39s




 国府津駅の第一場内信号機からがATOS…というより、そもそもJR東海とJR東日本の管轄の境界とのことです。そちらが先に「周知徹底」されているのでいまさら標識を建てるまでもない、ということでしょうか。そして、なぜ第一場内信号機からがJR東日本であるかといえば、第一場内信号機から内側が国府津駅の場内だからであって、国府津駅をホーム単位で分けて扱えるような状況には(信号の上で)なっていないとみられる、ということに尽きます。御殿場線の列車が入線している間に、東海道線の進路構成ができるか(ポイントを転換できるか)、というあたりが不明で、できるのであれば問題ないですけれども、できないのだとすれば、これはもう、びっくりするほど融通の利かない装置(ただし連動装置)の構成になっているんですねぇ、といって、ヘラクレスが「したり顔」で「ろくろを回す」んです、たぶん。(「時隔曲線」[3085],[3089]なども参照。「ろくろ」=「ICTな人たち」だけがいくら頭を「フル回転!」させても、おおもとで、足元の連動装置いかんや、というところでほとんどすべてが決まってしまっているのだろうとうかがわれます。)

・YouTube 甲府駅(2013年9月7日)
 https://youtu.be/fIo0kAtQpVI?t=0m46s




 甲府駅の身延線も、うーん、あくまでもともと「甲府駅はひとつ」であって、後から会社が分割されたという、たいへん書類のにおいがしてくる話ではありますが、その実、軌道(線路)、電気(き電)、保安装置、連動装置、乗務員、駅の営業と、実にレイヤーごとに境界は揃っていないといって、ヒトコトでは言い尽くせないことがわかります。

 同じく「踏切はひとつ」という面から、上掲の映像で踏切にも着目すると、設備の実体と(それを管理する)会社との対応関係(の複雑さ:しかし肝心なところでは一種「幹事」といいますか、どちらかが責任を持って設備全体を管理した上で「共用」などとしている=「共用」といっても、管理する責任まで共同ではなさそうです、の意)が見えてきそうです。

※学校でも職場でも、共用の道具や設備を、必ず誰か一人が管理していますよね。えっ? と驚かれたなら、ダイジョーブ、ダイジョーブ、いますぐ責任者を決めれば問題ありません、といって「No problem!」をバーンと指差してみます。

※「東急いずみ野線」…いえ、「相鉄・東急直通線」における「新横浜駅」の管理について([2956])も参照。この時点では「未定」とのことでした。

・「東急いずみ野線」(2014年6月10日)
 http://www.kanaloco.jp/article/64956

※単に相鉄線が延伸ということだけでなく、「相鉄・東急直通線」あってこそヨロコばれる施策でありましょう、という意味で(皮肉や嫌味はいっさい含まず)「東急いずみ野線」だといって、その利便性を高らかに歌い上げて小躍りしてみようかと思います。

・新秋津−所沢間の連絡線
 http://news.mynavi.jp/series/trivia/211/

・ウィキペディア「寄居駅」
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%84%E5%B1%85%E9%A7%85

 > 秩父鉄道の管轄駅で3社線で改札を共用する共同使用駅となっている。

 改札口だけでなく連動装置も「ひとつ」だと推定されます。

 仮に、池袋駅で「お客さま混雑」→東武東上線の下り電車の遅れ→小川町で寄居行きの発車遅れ→寄居駅で入線遅れ→JR八高線・秩父鉄道線の発車遅れ…などという連鎖で遅れが波及しているのではないかともみられますが、遅れを受ける先が八高線、それに秩父鉄道線だけ(それより先には影響しない?)だということから、ほとんど問題にならないのでしょう。本当でしょうか。いえいえ、高麗川や高崎で、さらにJR線に影響をおよぼしたりしないのでしょうか。そして埼京線・高崎線を介して池袋駅で…「終わりは始まりの始まり」だとかなんとか。

・YouTube 小川町→寄居(2015年2月15日)
 https://www.youtube.com/watch?v=iA0WaGQL940




 これまた「線路を共用して複線!」([3141])されたいと誰もが思われましょう。同じ施策はあまねく展開されてこそ施策である、という立場に立つならば、海老名−厚木間をモデルケースとし、八高線にも適用していくという『戦略的複線化』のようなものが、検討されていくといいなぁ、と期待されます。(あくまで期待です。)

※「戦略的○○」がひとつうまくいけば、なかば自動的に、あれもこれも『戦略的ナントカ』と称してバババババ、と進めていくのが近年はやりの「執行役員」(という職制)だとかなんとか。

・「執行役員」
 http://www.weblio.jp/content/%E5%9F%B7%E8%A1%8C%E5%BD%B9%E5%93%A1

 「時間帯一方通行化」([3025],[3026],[3139])も応用可能で、小川町から東武竹沢→寄居→JR竹沢→小川町と、一方通行で環状運転、しかし行違い設備を応用して「(行違いと見せかけて追い抜く)快速運転!」(部分複線化と追い越し線[3141]、「Hyperpath導入による急行待ち時間設定の適正化」[3075]なども参照)も行なえましょう。あまねく律儀に、各社ごとに複線化することなく、かなりのサービス向上が図れると期待されます。(あくまで期待です。)「大合併!」に入らず独自の道を歩まれている寄居町にあって、このあたり、勉強いただいて「画期的な新施策!」を実現されていかれるといいのではないかなぁ(寄居町単独での市制施行も夢ではない!?)、などと、いえいえ、メッソウもございません。(あくまで期待は個人です。)

※東武の玉淀、JRの折原を除く全駅(東武竹沢、男衾、鉢形、寄居、JR竹沢)で交換可能です。小川町で折り返し、2周すれば編成の向きも元に戻ります。我こそはというかたはぜひ、「模擬スピーディー」を構築して、ダイヤの「私案」をつくってみてください。ぜひお願いします。

※寄居町が「議論をリード!」されない限りは、JRとしてはいずれ蓄電池駆動電車をば(複線化など「当社としては考えられない」→八高線で優等運転など「当社としては考えられない」→「線路閉鎖してSL!」や「リゾートおごせ!(『ジョイフルぶりっとちゃん』で運転)」になってしまい、地元の利便性に貢献されない)、秩父鉄道としては熊谷−寄居間の輸送力増強、東武鉄道としては…などと、各社それぞれ「できる範囲でカイゼンに努める(※)」ことしか望めません。共同しないとできないことってありますでしょ? と、念を押されます。そして、そこにこそ自治体の出番([3020],[3027]など)があるんだということです。行政が考えるべきことを事業会社に丸投げしてはなりませんし、事業会社の理屈だけでは公共サービスは実現されないことを踏まえて公的な施策が講じられなければなりません。このことは、規模の大小にかかわらず成り立つ図式だと考えられているはずですから、小さいところでもきちんと「エレガント」([2938])に進められることが求められます。

※単独でできることはタカが知れていることが知られている、の意。

・「ぶりっとちゃん」
 http://atos.neorail.jp/atos3/news/news_130819.html

・「ジョイフルぶりっとちゃん」
 http://www.jreast.co.jp/akita/gonosen/train/

 なお、単線そして一方通行について以下、補足的に示します。

・単線の環状線で終日一方通行化している例
 http://www.tokyodisneyresort.jp/treasure/fantasy/drl/info.html
 http://town.yukarigaoka.jp/yukariline/timetable/

 軌道の整備コストを単線化および高頻度運行によってまかなっている、とも読み解かれます。鉄道の単線区間にも応用可能です。

・時間帯により方向を変え一方通行化している例(「午前回り」「午後回り」)
 http://www1.bus-navi.com/news/?id=707
 http://www.chiba-kc.ac.jp/user/~iseri/busjikoku.html

 朝ラッシュと夕ラッシュがある場合の運行です。ただし、鉄道の単線区間の容量を最大限に活かすという目的からは必須とはならない施策と言えましょう。熊谷方面に行くには東武竹沢、小川町方面に行くにはJR竹沢だという具合に、終日、方向が一定であるほうがわかりやすいでしょう。そして、現行の所要時間を大幅に越えない限りは、「ゆき(往路)」または「かえり(復路)」のどちらか一方で大回りとなることは不便には直結せず、このためにも快速運転(1両でも2両でも快速は快速で、きちんと早い、の意)が求められるとわかります。沿線発→沿線着となる場合(『小川町寄居エリア内』)に限って、「初乗り運賃×2」で一周して元の駅へ帰ってこられる(終日一方向に運転される環状の区間内における駅間の往復において、経路に関わらず最短の…などと)乗車制度が整備されると、なお利用が誘発されそうです…などと、私が検討してもしかたがありませんので、寄居町のかたに期待します。(あくまで勝手な期待です。)

・JRグループ共通「旅客営業規則 第2編 旅客営業 -第4章 乗車券類の効力 -第2節 乗車券の効力」
 http://www.jreast.co.jp/ryokaku/02_hen/04_syo/02_setsu/11.html#157_2

 余談ですが、八高線は明覚の付近で大きく迂回しており、直線では2.00kmのところ道のりで2.95km、950mほど遠回りになっており、迂回率は1.475と、中央線(東京−新宿間)の1.7ほどではないにしても、ほぼ1.5となることから、(あくまで「現在の水準」で一種「しゅん別」されるとすれば)『鉄道にあるまじき迂回率』であると断じられましょう。それでもなお、所望の表定速度を達成しようとすれば、さらなる高速化が必要なんだと、東京−新宿間だけ妙にキビキビ走る中央線の快速電車に揺られてよろけそうになりながら、ちょっと考えてみてください。(寄居から八高線と青梅線、それに中央線を利用して東京駅へお越しになって、そして勉強してください、の意。恐縮ですが、勉強なしには施策も何もないだろうという面は、小さな役所ほど切実であるはずです。)

・「寄居町地域活性化シンポジウム」(2010年12月6日)
 https://www.town.yorii.saitama.jp/uploaded/attachment/1618.pdf
 http://www.sadeco1.com/sadeco/history4.html
 http://www.bamboo-d.co.jp/blog/archives/1792.html

 「夜灯(よとぼし)」…、いえ、ライトアップしさえすれば「千客万来」などと…そういういかにもなソレはわかりやすく「いま何かをしている感(高揚感)」が得られましょうが、住民や関係者をそういう感覚の一種『中毒』にするようではいけないと感じます。足元の、まさに「地域の『足』」としての公共交通が、きちんと、地元の人にとって便利になるように、というのが求められている(けれども地元の人はなかなか言い出さない:押しかけてきた人たちが楽しそうにライトアップだのなんだのといっているのを見たら言えなくなる)のではないかと、大いに疑います。

・「夜灯(よとぼし)」
 https://kotobank.jp/word/%E5%A4%9C%E7%81%AF%28%E3%82%88%E3%81%A8%E3%81%BC%E3%81%97%29-893167

※うそーん([3059])と、いまだに、やっぱりうそーん([3059])と思ってしまいます。恐縮です。…いえ、千葉大の人たちががんばっているのはいいなぁ、と思いますけれども、やっぱり、うそーん([3059])としか…ぎょそーん(略)。

・個人のブログ「今、自分は何かをやってるって感じがした」(2006年6月19日)
 http://blog.goo.ne.jp/circularmotion/e/ad0f7cf6e0cd1f4cc12b357ca8c0307b

 こうした高揚感は遅くとも高校生のうちに一種「済ませておく」ものであって、この点では、自由研究で研究プロセスを『体得』([3100])しておかなければ、その後にいくら「業務研究!(業研!)」などといっても、実はたいへん拙い(こともある=一種「社長賞争奪! 全社コンペ」になってしまい、前年度の成果を見せず毎年、新人にゼロから取り組ませるような、の意)ことに気づかれないままタンタンと取り組まれる([3053]ほか)という未熟さ(=個人や企業が、というよりは、社会の)が、地域での施策立案にあっても妨げとなっているのではないかと心配しています。


★『29キロポスト』をもう一度


 他社との境界は別格としまして、支社の境界というのも、そうそう単純ではないことがわかってきます。

 いま神妙に、武蔵高萩をもう一度。

・ウィキペディア「JR支社境」
 https://ja.wikipedia.org/wiki/JR%E6%94%AF%E7%A4%BE%E5%A2%83

 > 川越線
 > 武蔵高萩駅 - 高麗川駅(八王子支社管内) : NECネットワークセンサ日高事業所の南東(大宮起点29.0km地点)に支社境がある。
 > ※輸送指令は全線東京支社管轄

・Google ストリートビュー 大宮起点29.0km
 https://goo.gl/maps/o61fcXmugvA2

 雑草(! [3044])に埋もれていますが「29キロポスト」(起点から29kmの地点を示す標識)が見られます。この踏切に関する設備一式までを大宮支社管内としました、と、いわば立体的に見えてくるような気がします。

※「だってウィキペディアに書いてあったもん!」などと「金科玉条」([2938])のごとく、理屈も考えずに「コピペ」してはいけません。ましてや、自分で埋めた『埋蔵物(副葬品)』を『画期的なセルフ大発見!』…いえ、自分の願望を書き込んで「ほらウィキペディアに書いてあるじゃん!」などと…論外([2932])であります。他方で、『支社境』が定められる理屈が、ぜんぶどこかで公式に書かれているとも限らず、理屈(決定の流れや考慮される事項等)に関して出典を云々といっても困るわけですが、しかし、どう見ても踏切までを大宮支社管内だということにしたでしょ(踏切をもって決定し、そして「支社境」を起点から1km単位で定めれば、ちょうど距離の標識もあるので都合よく、の意)と、誰もが理屈を同じように想像できるということは、結構あるものです。

※そもそも『JR支社境』そのものに関しても出典を示すなら、IR資料や会社要覧など市販されないものは避けたほうがよく、「JR貨物時刻表」ですね。ISBNも何もないですが、実は国会図書館に納本されていました。市販されていて誰でも購入できますから『出典』にしてもいいですよねぇ? そして、「JR貨物時刻表」では「支社界」と記されています。『JR支社境』という用語は公式には存在しないのではないかと疑われます。(「ヒョーテイソクド」[3077]も参照。こういうことはきちんと疑って、それでもなお残るものを載せるという「吟味」が不可欠です。)

・国立国会図書館
 https://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/theme-honbun-102066.php
 http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I025419583-00

 宇都宮駅では、単線の日光線が複線の東北本線と並走する区間がそれなりに長く続いており、線路閉鎖といって、その実、ATOSだけでは東北本線しか手続きできないという、難しいことになっていそうです。

 千葉に関しては、これはもう、標識を建てるとかえってミスが誘発されそうなくらい、線路1本ごとに、境界はどこかっ?、どこなのかっ!? …などと、バラバラであるとみられます。「何でも貼り紙すればいい」が否定されるシーンがあることがよくわかる例だと思いませんか?([2855]も参照。)保線作業を管理する人たちはよくわかっているのに(危険と隣り合わせだから、ということが大きいわけですが)、同じノウハウが旅客案内には応用されないというところに、部署の違いがいかに大きく立ちはだかるのかが垣間見えるように感じられます。(見解は個人です。)

・「○○をもう一度」(1975年8月1日)
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%80%8E%E3%81%84%E3%81%A1%E3%81%94%E7%99%BD%E6%9B%B8%E3%80%8F%E3%82%92%E3%82%82%E3%81%86%E4%B8%80%E5%BA%A6


★普通のATOSに戻りたい!


・YouTube 長津田駅(2014年11月6日)
 https://youtu.be/VsJj80IUQtU?t=5m14s




・YouTube 長津田駅(2014年3月7日)
 https://youtu.be/0Em84vx2-Lk?t=24m40s




・Google ストリートビュー 長津田駅(2014年3月)
 https://goo.gl/maps/iGoPW92wJD22

 > 授受線【入】

 挙げていくときりがなさそうですが、武蔵境、拝島、流山など、各地にJR線と他社線(ただし「その他の専用線」等を含む)とがつながる線路があります。こうした線路では、保安装置(※1)や運行管理システムの出る幕がない(※2)一方で、変電所が違うので云々と、もっと下位のレイヤー(電気)において「(会社間などの)綿密な連携」を必要とする運転であることがわかります。

※1 「ATSを切って」のソレ(「入換運転」[3103]、「救援」[3144])、に準じるとでもするような規定があるのだろうと想像されます。だからといって、「ATSを切って運転するのは以下の場合に限る」などと、条項の一種「名寄せ」(仮に『第1種名寄せ』と呼びます)がされているかというと…されていないんではないでしょうか。(試運転に関する条項の『第1種名寄せ』[3138]も参照。)かくして、ATACSの時代を迎えてもなお、「ATACSを切って運転」という危うい箇所が温存されるのではないかと懸念されます。(個人はあくまで懸念です。)

※2 そういう線路{に向かう/から入ってくる}「進路」を、自システムの配下に関しては制御(進路を構成してロックしておく、の意)するんでしょうけれども、さあ、いかなる列車がどう走るのか、システムはまったく関知しない(社局間で係員どうしが「電話」でもするんでは? 、の意)んだろうと想像されます。こういう『例外的』なシーンを考えていくと、保安装置も運行管理装置も「表舞台でかぶる『仮面』」とでもいいますか、装置があってもなくても(装置が故障してもなお)安全に運転できる技量や体制がおおもとにあって、そちらのほうが「気の利いた装置」なんぞより、はるかに重要なんだというとらえかたで鉄道全体が成り立っていることがうかがわれてきます。

 こうした境界にあっては、「ATOS区間」かどうかなどという上位のレイヤーの話ではないことがわかります。(運転上は)「ATS-P確認」の標識が、境界を示していると早合点しておけばよさそうです。土地や線路がどちらの会社の所有なのか、実は決着がついていないような『原始時代』な箇所もあったとしても驚かれません。市町村の境界や飛び地、湖や川、果ては東京湾を東京都と千葉県でどう線引きするのか、など、類例がマイキョマイキョされましょう。われこそはという地理な方は…誰に言われるまでもなくあれこれ調べてはニンマリと楽しんでいるかと思います。

 あくまで日常的に使われる線路としては、栗橋駅のJRと東武の連絡線が筆頭に挙げられましょう。

[2538]
 > 18日未明より、宇都宮線栗橋構内の東武連絡線で試験を実施しました。電子連動装置、ATOS、信号保安設備の切り替え作業が2〜4時頃まで行なわれたようです。

[2829]
 > 同種のセクションは松田駅構内にもあるとのこと。

※この時点(2006年)では電気のことまでは理解できていませんでした。ご興味にお応えできず申し訳ございませんでした。

 他には、…と探しますと、いま宝積寺駅が熱い! …ことがわかりました。

・YouTube 宝積寺駅(2014年3月21日)
 https://youtu.be/s-QajuAbROc?t=11m56s




 > (映像より)
 > 「次は/停車//次は/停車」
 > 「強化架線区間に入ります//強化架線区間に入ります」

・「強化架線区間に入ります」
 http://sideviews.at.webry.info/201406/article_1.html

 うーん、いま絶妙に、東北本線から烏山線ホームへ入線するとき、あるいは、この電車(EV-E301系「ACCUM」)が入線するときに限って、この近辺で走行しているのはこの電車だけという状態で入線しているのかなぁ、と想像されました。(いえ、単に烏山線へ進出する出発信号機が「絶対停止」だということかもしれませんが、では、なぜ「絶対停止」にしなければならないかというと…、の意。)黒磯駅([2977])が「普通の駅に戻ります!」…かと思ったら、逆に、宝積寺が『特殊な駅』(連動装置が「き電」まで切り換えるかのようなソレ)になっているという、境界というのは信号でも電気でも、たいへん難しいものなんだと再認識されるような気がいたします。

・「普通の○○に戻りたい」(1977年)
 http://dic.nicovideo.jp/a/%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%BA


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