・「隣の庭は草ボウボウ」? 沿線自治体から指摘される線路際の雑草 ・中央線複々線化と国分寺崖線、そして箱根東京軽石 ・ロールプレイングで学べる(かもしれない)国分寺付近も地下線で線増する(しかないかもしれない)nつの理由
(約10000字)
[3042]に補足です。なお、見出しに深い意味はありません(※・※)。本当の見出しは、以下の3つです。
・「隣の庭は草ボウボウ」? 沿線自治体から指摘される線路際の雑草
・中央線複々線化と国分寺崖線、そして箱根東京軽石
・ロールプレイングで学べる(かもしれない)国分寺付近も地下線で線増する(しかないかもしれない)nつの理由
※唐突で恐縮ですが、郵便番号辞書で遊んでいた時のこと、地名の文字の連接を、もとの分布確率を保ったままランダムにつなぎかえて…というつもりがプログラムのミスで、やたら長くなんでもかんでもつながってしまったのでした。駅名でいえば「溜池山王」どころか、それに「王子」「子安」「安善」が連なって「溜池山王子安善」になるようなものです。文字数に上限を設けなければ「溜池山王子安善光寺山北八王子安善…」などとループしていく始末です。また、ソートすれば「山形県米沢市アルカディア1丁目」が出てきて、わあぃ、これが本当の「言葉遊び」…いえ、本件とはまったく関係ございません。
・「(タ)」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E8%B2%A8%E7%89%A9%E5%8F%96%E6%89%B1%E9%A7%85
・「イオンM千葉NT店」
http://www.shiseido.co.jp/sw/navi/shopdetail.html?shopCd=332P61
※カタカナ語を略して「湘南新宿L」「Hメッツ」(交通新聞)、「○○先生」という敬称を「○○T」(主に中学校で)と(生徒ではなく教員が自ら)略すような。とはいえ、本件とは関係ないのです。
※地名や駅名、商品名や店の名前が短く、発音しやすく、混同されず記憶に残りやすいということは本当に大事だと実感されます([3019])。
※紙面が狭いとか、和文タイプライター(!)で文字を拾うのが大変だ、あるいは活字が足りないといった状況ではともかく、いまは略す必要はないでしょう。必要もないのに略すのは、略すこと自体には意味がありません。同じ略し方をする人たちで仲良くする…いえ、コミュニケーションを円滑にするために略すんですね、わかります。
・「昔日本にあった和文タイプライターが非現実的過ぎると話題に」(2013年5月2日)
http://news.mynavi.jp/c_cobs/news/byokan/2013/05/post-1564.html
※和文タイプライターで「貨物ターミナル」「貨物タ−ミナル」「貨物夕一ミナル」…と打つなんて苦痛そのもので、「(タ)」「(タ)」「(夕)」で済めば、どれだけ楽でしょう。
・「貨物夕一ミナル」
http://www.truck-suwa.jp/H0903_Report.htm
http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/1996/00678/contents/118.htm
http://www.rfa.or.jp/publication/monthly_kamotsu/pdf/1307-01.pdf
※もっと古くは、鉄道電報で文字数を少なく、という背景もあったでしょう。
・ウィキペディア「電報略号(鉄道)」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E5%A0%B1%E7%95%A5%E5%8F%B7_%28%E9%89%84%E9%81%93%29
> 大正時代には既に多数の電報略号が使用されており、古くからあるが電報に代わってFAX及び電子メールによる一斉同報配信が使用されている現在でも日常的に使用されている略号が多数ある。
> 「全ハモヨロ」
> 「旅客列車長チーフ」
※「輸送事業システム」並みのソレですね。
・「プ」(1995年6月29日)
http://movie.walkerplus.com/mv27785/
※「プ」というタイトルの映画です。観たことはないのですが、いまから(いまさら)観るほうがかえって寓話的で楽しめそうな。そして、本件とはまったく関係ありませんのであしからず。
・ウィキペディア「アレゴリー」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%82%B4%E3%83%AA%E3%83%BC
・個人のブログ「ストリートビューに登場してた自分」(2015年3月24日)
http://blog.goo.ne.jp/gootari/e/472919dffe993c8161e3fbd9abc603d3
・同「語尾「き」だけ残った看板の正解は?」(2015年3月7日)
http://blog.goo.ne.jp/gootari/e/16d1fe41b2bf176b940a83e8ac3235f7
※上掲の映画の監督、立川市ご出身とのこと。そして、ツボというほどではないですが、なんとなく興味が近いような遠くないような。何も考えずに検索しても、どこか接点のある情報が出てくるというのは、ぜんぶGoogleのせいですね、わかります。それでも、本件とはまったく関係ありません。
・同「なぜ自分はアイヌ語を作品のなかで使うのか」(2014年11月8日)
http://blog.goo.ne.jp/gootari/e/e10073133e0150bc735a1a2dabbd655e
> この武蔵野台地にずいぶん昔に住んでいた人は、アイヌ語を話していたはずだ。いたるところにアイヌ語由来の地名が残っていることからそれは推測できる。
※かなり乱暴な推測だと思います。「…という説もある。(さもありなんと思うが、真相やいかに?)」くらいのニュアンスで受け止めておくほうがよいのではないでしょうか。
・西岡秀雄「多摩川と旧東海道:特に名称と架橋に関して」三田史学会(1963年)
http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AN00100104-19630900-0081
http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/download.php?file_id=56304
※本題は多摩川と六郷橋の歴史ですが、福生(フッサ)の地名の話や、多摩川の「タマ」が「トマ」からなまったものだとする説もあるにはあるが他にもいろいろな説があることがまとめられています。時代時代によって、異なる由来の「タマ」が入れ代わり立ち代わり出てきては廃れ、というのが真相かもしれません。由来が一つだなどとは断定できません。
・福生市「市の名前の由来」
http://www.city.fussa.tokyo.jp/municipal/aboutfussa/profile/m1cpmb000000863q.html
> 名前の由来については、諸説あるが定説はありません。
> そのうちの一つは、麻の古語である総(ふさ)・房(ふさ)からきたもので、麻の生える地-総生(ふさふ)から転訛を繰り返してフッサとなり、漢字を当てたとする説。
> 2つめは、アイヌ語説で、かつて東日本に住んでいたと考えられるアイヌ人が「湖のほとり」という意味の「フッチャ」が転訛を繰り返してフッサとなり、漢字を当てたとする説です。市内の遺跡地周辺に素晴らしい湧水がありました。
> 3つめは、「阜沙(ふさ)」からきたとする説。阜とは丘とか土山の意で、沙とは砂原、川岸の意があり、福生の地形や地質がそれによくあっていることから呼ぶようになったという説。
※…と、ここまで余談でした。
●「隣の庭は草ボウボウ」? 沿線自治体から指摘される線路際の雑草 中央線の三鷹−立川間の複々線化(地下線方式での線増)は、立川以西の青梅線・五日市線・八高線の沿線からも期待が表明されています。
・西多摩地域広域行政圏協議会(青梅市・福生市・羽村市・あきる野市・瑞穂町・日の出町・檜原村・奥多摩町)「事業報告書」(2013年)
http://www.nishitama-kouiki.jp/wordpress/pdf/20131030_2.pdf
> 中央線複々線化については、貴社も参加された三鷹・立川間複々線化専門委員会において事業効果の高い事業であることを確認しています。
> 今後は、この調査結果をもとに複々線化の早期着手に向けた具体的なスケジュールや手法の検討、体制の整備等を要望いたします。
> 五日市線の改善について
> 秋川流域(あきる野市、日の出町、檜原村)では、豊かな自然環境や歴史文化、貴重な地層に恵まれたジオパーク構想など、多様な資源を生かした観光まちづくり事業を広域で取り組むことにより誘客の増加に努めています。
> 八高線の改善について
> (1)JR車両基地整備計画の着工
> 「町の顔」として駅空間整備を目標とする瑞穂町の根幹的プロジェクトと連携されていることからも、車両基地整備の具体的計画の早期着工をお願いいたします。 (継続)
※「連携(連動)『させたい』」瑞穂町として、「車両基地整備の計画具体化の早期着手」をお願いしたいんですね、わかります。自他の区別を明確に、そして用語を正しく、相手(業界)に合わせて使うところから始めないと、要望は相手に届かないのではないでしょうか。概要部分と箇条書き部分とで、文章の質が極端に異なるのは、なぜなのでしょうか。そして、この資料をもとに記事にするとなれば、いくら原文では「早期着工」と書いてあっても、黙って「早期に着手するよう求める声がある」「…求める声が高まっている」「…求める声がある一方」などと記すことになるわけです。「声」は1件でもあれば「ある」のであり、その1件が「高まって」いれば「高まって」いるのです。もっとも、「求める声」を報じるばかりでなく、「求める声があるのも事実だが」として「持論を展開」する人の「声」を報じることもあるでしょう。
> (6)JR敷地内の雑草等の除去
> JR敷地内の雑草等が隣接道路や踏切りの通行部分までせり出して生い茂り、歩行者、車両等の通行の妨げとなっています。道幅が狭くなり、また視界も悪くなるため、危険な状態であり、特に歩行者などに治安面でも不安を与える状況となっている。また、JR敷地内の排水路(開渠)にも土砂の堆積などにより、草木が生い茂るところが見られます。草木が生い茂る初夏から早秋にかけて苦情も寄せられています。
> そのため、定期的な点検管理を行い、雑草の除去又は雑草抑制シート(一部施工済み)の設置および清掃をお願いいたします。あわせて、ごみについても随時回収し環境整備をお願いいたします。
…と、雑草ですか(え゛ー)。自治体からの要望事項で雑草の指摘を受けるとは、どういうことなんでしょう。他に、沿線に民家が迫りながら防護柵がない(民家の側にブロック塀などがあることでよしとしている)箇所について、民家の工事などにあわせて防護柵を整備できる態勢を整えることも要望されています。だいぶ前だと思いますが、佐倉市内で沿線の民家の小さな子どもが成田エクスプレスにはねられる事故があったように記憶しています。いま、八高線などで幸いにも事故がない(ほとんどない)のは、単に確率の上で少ない(運転本数が少ない、速度が低いなどにより事故の確率が低い)ということに過ぎず、防護柵がないままでは増発も危ういということですね。鉄道のサービス面ばかりを考えていると、頭が回りにくい部分です。「(どの部門も責任を持たない)白い箱」([3041])が生まれないようにしていただきたいものです。
●中央線複々線化と国分寺崖線、そして箱根東京軽石 中央線沿線の地盤(地質)について、詳しい資料がありました。
・東京都地質調査業協会「技術ノート(No.44) 特集:中央線」(2011年11月)
http://www.tokyo-geo.or.jp/tech-note-pdf/No44.pdf
> 御茶ノ水駅〜中野駅で複々線が建設され、昭和7年(1932)に完成しました。計画当初は貨物輸送力の増強を図る目的でしたが、複々線全線完成後一部時間帯に急行列車を運行させ、旅客輸送力の強化が図られました。また、この計画と同時に総武本線両国駅〜御茶ノ水駅間についても高架鉄道として建設され、この結果東京駅始発のものをラッシュ時には急行電車として運転することとなり、各駅に停車する電車は一部の時間帯に総武本線へ乗り入れることとなりました。第二次大戦後、中央線の輸送力増大は重要課題となり、昭和32年(1957)には東京〜御茶ノ水駅間および中野駅〜三鷹駅間の複々線化を決定しましたが、計画実行には苦慮していたところ、昭和35年(1960)に営団から東西線との直通運転の提案を受け、東京〜御茶ノ水駅間線増に代わるものとしました。
> 昭和41年(1966)に中野駅〜荻窪駅間の複々線化が完成し、中央緩行線の電車と営団地下鉄東西線(現・東京地下鉄東西線)乗り入れの電車がこの区間に運行されています。昭和44年(1969)には複々線区間が三鷹駅まで延長されました。しかし、それ以降計画はほとんど進まず、三鷹駅〜立川駅間の複々線化事業は事実上の凍結状態になりました。
> 写真16 中野サンプラザから見た中野駅の様子
> 平成22年度の1日当たりの平均乗車人員は約123,000人とJR東日本管内では25位を記録しています。
> 吉祥寺駅は平成22年度の1日当たりの平均乗車人員は約138,000人とJR東日本管内では18位を記録するなど新宿以西では立川駅に次いで乗降客の多い駅です。
> 立川・国立両市を横切って立川断層が走っています。立川断層は武蔵野台地の西部を北西から南東へ横切る断層で活断層とされています。
> 昭和42年(1967)年1月、北浅川の河床で直径1.5mの立木の化石が発見され、これがメタセコイアであることが確認されました。
> 5−3 台地部を構成する地形・地質(立川駅〜御茶ノ水駅:C)
> この地区は、主に台地と台地内に樹枝状に発達した谷底低地からなります。台地は標高30〜100mをもつ平坦な地形面で、各面の境界は段丘状をなし、各面の高度により、多摩面、下末吉面、武蔵野面、立川面に大別されています。(図14参照)台地部の表面には地形面に応じて立川、武蔵野、下末吉の各ローム層が分布しています。その下位には、立川礫層、武蔵野礫層と呼ばれる段丘礫層があり、厚い東京層(砂礫,砂,シルト)に連なり基盤の上総層群に達しています。また、谷底低地には、軟弱な沖積粘性土や部分的に腐植土が厚く分布し、超軟弱な地盤を形成していいます。
・東京都都市整備局「東京都景観計画」「国分寺崖線景観基本軸」(2013年3月18日)
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/kenchiku/keikan/machinami_01.html
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/kenchiku/keikan/keikaku10.pdf
・個人のページ「東京周辺の地学観察スポット」
http://ooisivolcano.my.coocan.jp/volcano/excursion.htm
> 約6万年前に箱根の噴火で降り積もった、箱根東京軽石(Hk-TP)。
> 詳しい情報は,学生の学習効果への影響もあり,また執筆時間が取れないこともあって,書いてありません.
※小田急線と千代田線の直通系統を指して「箱根東京L」などと…いえいえ、メッソウもありません。
※「コピペ」されないように、そもそも肝心なことは何も書かないということですね、わかります。
・おたカフェ(国分寺市・東京経済大学・国分寺地域連携推進協議会)
http://www.ota-cafe.com/
国分寺付近は、駅至近にも国分寺崖線(がいせん)が観察できる箇所が多数あります。地学・地層ファンとしては魅惑的でしょうが、工事となるとたいへん(※)でしょう。とはいえ、素人としては、国分寺付近を地上線とする計画の根拠が、単に費用面にある(先行取得された土地を活用することに主眼がある)のか、地質に由来する技術的な制約によるものなのか(20年前の都市計画決定の時より高度化したはずの掘削技術でも、なお困難であるのか)、上掲のような景観保存のため工事に制約があるのか、といったことがわかりかねます。我こそはという土木な方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えていただきたく、お願い申し上げます。
※いえ、工事そのものというより、地質をどう評価するのか、現在の技術や知見で、きちんと評価できているのか、地下水はどうか、といったことが難しくてたいへんだという意味です。淡々と手順に従えばなにがしかの評価結果は自動的に出てきますが、その評価結果がどのくらい正しいのかをどう評価、誰が評価すればいいのか、といったことも含まれてきます。狭い意味での環境アセスメントという視点だけでなく、できあがった構造物の安全性をより詳細に保証していくという工学的な視点からも注目されるでしょう。
●ロールプレイングで学べる(かもしれない)国分寺付近も地下線で線増する(しかないかもしれない)nつの理由 そして、わからないなりにも、どちらかというと記者的な発想で(掘削技術やコストをいっさいブラックボックスとしたまま)とらえますと、20年間の技術の進歩はすばらしいはずだ、着工までにもまだ時間があり、その間にも技術が進化するはずだ、現に調布で難しいトンネルが完成したではないか、といった流れで、いわば決めつけて(キレイにいえば「仮定して」※)見ていくわけです。(そうするしかないという悲しさでもありますが。)
※先にストーリーを作るなんて、だから記者は…と早合点して憤慨されるのはちょっと待ってください。資料を単発で、漫然と見ていてもよくわからないことが、仮定ではあってもストーリーに従って見ていくことで、途中が抜けている、この先があるはずだ、これより前はどうだったのか、などと網羅的に漏れなく調べていくことにつなげられるのです。仮定が間違っていることがわかれば、逐次、直していけばいいのです。見落としがあることのほうがむしろ大きな問題です。「図2-2」([3041])と同じですね。
・京王電鉄「調布駅付近連続立体交差事業」
http://www.keio.co.jp/train/chofu/construction_photos/
楽観的すぎるかとは思いますが、あえて楽観視するとしますと、掘削技術の進化によって、国分寺付近でも問題なくトンネルが構築できるのであれば、むしろ工区全体を通してシールドマシンが1往復するほうがコストダウンになるだろうということです。シールドトンネルの工区が国分寺で分断されて東西に2工区となると、シールドマシンの発進・転回の基地が4箇所(各工区の両端)に必要ですが、これが2箇所で済む(ただし地下に駅を設けない場合)ことになります。シールドマシンの組み立ても1回で済むでしょう。
別の点からも考えることができます。仮に、急行線の列車を国分寺または西国分寺に停車させたいとなったときに、地上ホームで対面乗り換えとなれば、一見よさそう(乗り換えが楽で便利そう)と思われますが、よほどうまく急行線と緩行線の列車が接続(ダイヤの上で)できないとホーム上の滞留が問題となり、また、このために、せっかく線路が分離されながら、急行線と緩行線が互いに影響を受ける(相手を待たせてはいけないので遅れてはならない、あるいは相手が遅れていれば待つので遅れが拡大する)という「ゆとりのないダイヤ」([2733])を組まざるを得ないという、何のために線増するのかわからなくなるような矛盾が生じます。
また、国分寺と西国分寺の両方に急行線の列車が停車することは営業上、難しいとみられ、この区間で地上線で方向別複々線としても、どちらかの駅では通過列車ばかりで、急行線に面してホームがあることがむしろ、駅通過時に減速を強いられるという形で足かせにもなりえます。これまた何のための急行線かということになってきます。
他方で、留置線が残ることとなる武蔵小金井での何らかの接続などを考慮すれば、いくらこれまで優等列車が停車していたとはいえ、隣接する国分寺に無条件で急行線の列車をどんどん停車させましょうとはいかなくなるでしょう。地元としては「今まで通りであれば文句はない(そっとしておいてほしい)」という一種の「切り札」が、最初から奪われる格好になるわけです。国分寺での優等列車通過化を「受け入れる代わり」(※)に西国分寺で(地下線にホームを設けて:ホーム設置費用のいくらかが地元負担となる)優等列車が停車するといった「提案」(※)を「受ける」の「受けない」の(※)といったところでドロドロすればするほど沿線自治体としては意向を統一できず(狭くは西国分寺の地下ホーム設置費用が議決できず)、最終的に両駅とも停車が見送られるということにもなりかねません。
※地元から見ればこう見える、という表現でございます。客観的には、こうするしかない(誰が考えても同じ結論になる)ということが最初から明らかであったとしても、あえて、その議論なり葛藤なり矛盾なり制約なりといったものを、地元としても「追体験」して納得いただかないといけない、という「上から目線」ですね、わかります。世の中の多くの方がこぞって「上から目線」に立つことができる、あるいは、一種の「ロールプレイング」として、「知らない自分」が「追体験」していることを自覚(自分を客観視)の上で「追体験」(一種の「追試」:再現性)できるようになれば、それはもう社会が広く「学問的エレガンス」を備えたようなものです。そのような合意形成プロセスの成熟という面からも、いろいろと期待したいですね。
・開発教育協会「ロールプレイ:授業・研修でやってみよう!参加型学習」
http://www.dear.or.jp/activity/menu07.html
> 合意形成や他者受容などの能力を高める
> 「開発」か「環境」か(ゴルフ場開発と自然保護、ODA事業と地域の環境や住民への影響など)。「ボランティアする側」と「される側」。「親」と「子」…。立場の異なる者どうしの間での合意形成が必要な場面は、いたるところにある。「YES」「NO」という結論をぶつけ合うだけではなく、「では、どうしたらよいのか」を建設的に話し合うことが求められる。そのためには「YES」「NO」の主張の背景にあるさまざまな立場や考え方を理解しあい、お互いを受け入れなければならない。 ロールプレイは、このような合意形成や他者受容、そのためのコミュニケーションなどの能力を高めるためのトレーニングになる。
> ある課題についての理解を深める
> 与えられた役柄(ロール)を演じ、話し合うためには、その役柄や扱っているテーマについての知識や想像力、情報が必要だ。また、話し合いを通して課題が明確になってくれば、さらに資料集めやインタビューなどを行うことによって、その課題についての理解を一層深めることがでる。
> 多様な社会集団の関係について理解を深める
> ある一つの問題に対して、さまざまな社会集団(企業、行政、市民グループなど)が、多様な立場から関わりを持っている。ロールプレイでは、そのような集団どうしの関係やそれぞれの立場の違いについて、理解を深めることがでる。
※「ことがでる。」は原文ママですが「ことができる。」ですね。信じられない脱字ですが、印刷物やPDFからWebページを「起こした」のでしょうか。
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