フォーラム - neorail.jp R16
発行:2016/1/25
更新:2020/8/26

[3168]

【東京圏「あり方」SP(仮)】

小川町−寄居間を例に考える『戦略的複線化』


竹沢:池袋へ「まっすぐGo!」
寄居:定期借家は20年
小川町:東武根古屋線は40年
表1 小川町−寄居間の営業キロ

(約17000字)

 「新しい広域流動」([3005])、「GPS列警」([3110])、「仮想踏切」([3155])に続いて八高線に着目します。直接には[3147]の続きです。

 まず、一般に「八高線!」といえば十中八九「八高線(笑)!」だと受け止められる、あるいは気動車が云々で「趣味的に楽しめる!」などと…そこからして疑わなければならないのではないかと疑ってみます…ちょっとだけ。

[3005]
 > 川越から八王子まで、自社線で直通できるのに、その途中の列車本数が非常に少ないとなれば、利用客としては(あるいはナビタイムのアルゴリズムとしては)私鉄と武蔵野線を乗り継ぐほうを選ばざるを得ません。かくして武蔵野線が、本来さばくべきニーズ以上に混雑するということになってきます。武蔵野線への過剰な投資を抑制しつつ、その混雑を緩和したければ、武蔵野線より外側の路線(路線網)の利便性を高めて、そちらにも乗客が流れるようにしていくことが求められてきます。

[3147]
 > これまた「線路を共用して複線!」([3141])されたいと誰もが思われましょう。同じ施策はあまねく展開されてこそ施策である、という立場に立つならば、海老名−厚木間をモデルケースとし、八高線にも適用していくという『戦略的複線化』のようなものが、検討されていくといいなぁ、と期待されます。(あくまで期待です。)
 > 「時間帯一方通行化」([3025],[3026],[3139])も応用可能で、小川町から東武竹沢→寄居→JR竹沢→小川町と、一方通行で環状運転、しかし行違い設備を応用して「(行違いと見せかけて追い抜く)快速運転!」(部分複線化と追い越し線[3141]、「Hyperpath導入による急行待ち時間設定の適正化」[3075]なども参照)も行なえましょう。あまねく律儀に、各社ごとに複線化することなく、かなりのサービス向上が図れると期待されます。(あくまで期待です。)
 > ※東武の玉淀、JRの折原を除く全駅(東武竹沢、男衾、鉢形、寄居、JR竹沢)で交換可能です。小川町で折り返し、2周すれば編成の向きも元に戻ります。我こそはというかたはぜひ、「模擬スピーディー」を構築して、ダイヤの「私案」をつくってみてください。ぜひお願いします。

 今般、「模擬スピーディー」の構築には至りませんが、電卓をたたいて概算してみようと思いました。(恐縮です。)そして、ここでは概算しつつ現状を一種「俯かん」するだけとし、いかなる結論も得ません。(そんな、メッソウもございません。『結論』は地元のかたが自分たちの手で得るものです。ヨソモノが横からああだこうだと、ましてや趣味に片足をば置いたまま云々するなど、きわめておこがましいというものです。)

 それでも云々するのは、勉強とはそういうものだ(あらゆる考えかたを追体験してから納得するものだ)という見かたによるものです。なお、実現には寄居駅の「大改造!!」が(「秩父鉄道殿」によって)必要となることを申し添えつつ、あくまで勉強のための例題のようなものだと思っていただきたくお願い申し上げます草々。

・「知識の社会的構成主義」(2005年7月28日)
 http://fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp/archives/beat/beating/014.html

※「乗客が多い/少ない」を云々したいなら「乗車人員」の数字を見ましょう([2251]以来、[3044]など)、という昨今の「データドリヴン!」な空気のようなもの(これは歓迎されます! …たぶん)と同様に、列車の「速い/遅い」を云々したいなら、速度計なんてのぞきこまなくていいですから(これはなんとお行儀のわるい)、時計とメモ用紙を片手に乗車して…いえ、客室で、きちんと着席してからおもむろにメモ用紙と筆記用具を取り出し(立ったままキョロキョロしながらメモを取るなんてお行儀のわるい&筆記用具を手に持ったまま人ごみの中を歩いてはなりません:割りばし事故がよぎります)、発車と停車の時刻を秒単位で記録し、翌日(測定と評価を同時に行なってはなりません:測定するときは測定だけに専念しましょう、の意)、時刻表に掲載の営業キロを用いて、表定速度を出してみましょう、といって、「話はそれからだ!」などと「紋切型」な弾幕([3045])…いえ、字幕的な何かをつけてみたくあります。そして、毎日、同じ列車に乗るのであれば、誤差…いえいえ、「平均の遅れ」([2929])もツマビラカにわかりますね、スバラシイ!

・個人のページ「割りばし事故」
 http://www.geocities.jp/jgill37jp/chopsticks.html

・日経メディカル「割りばし事故」(2013年3月25日)
 http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/dispute/201303/528675.html

・ウィキペディア「八高線」
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AB%E9%AB%98%E7%B7%9A

・ウィキペディア「東武東上本線」
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E6%AD%A6%E6%9D%B1%E4%B8%8A%E6%9C%AC%E7%B7%9A

 小川町−寄居間のJR八高線と東武東上線とで、線路の長さ(営業キロ:実キロ)は▼ほとんど同じでしょうか、それとも、▼どちらかは大きく遠まわりをしているでしょうか。どちらさまも「予想を言わない人」([3161])を決め込まず、さあ、予想してから下の表をご覧になってください。

 …予想できましたか?

はい
いいえ


 …本当に予想できましたか?

はい
いいえ


 …本当に予想できましたか?

はい
いいえ


 …本当に予想できましたか?

はい
いいえ


 …本当に予想できましたか?

はい
いいえ
すすむ


 さあ、アトグサレないようにいっせいに見てみましょうか、はいドーン!([3160]

■表1 小川町−寄居間の営業キロ

路線営業キロ配線略図(駅間の営業キロ)
JR八高線11.1km小川町>−3.5−<竹沢>−4.6−折原−3.6−<寄居
東武東上本線10.9km小川町>−3.0−<東武竹沢>−3.7−<男衾>−2.7
−<鉢形>−0.9−玉淀−0.6−<寄居


 なんと、差は200mしかありません。

※私はといいますと、JR八高線のほうが遠まわりだろうと予想していましたです。東武東上線が電化され電車の本数も多い、駅の数も多いのは、きっと最短経路であるためだろうとみたのです。確かに東武線のほうが「最短」ではありましたが、その差はわずかだとわかって驚きます。ワー! 都心に向かってまっすぐGo! …という見かたからも、八高線は寄居駅からまっすぐ南東へは向かわず、あろうことか南西へ向かうことから、200mの差よりももっと大きく「遠まわりしそうな気配」が寄居駅では感じられるのではないかとも思われます。本当でしょうか。

 小川町駅のこ線橋の中心から寄居駅のほぼ駅中心まで、直線では8.91kmであるとGoogleマップの距離測定ツールに言われますから、迂回率は、▼JR線が1.25、▼東武線が1.22と、どちらもまずまず、鉄道らしい線形(低い迂回率)になっていると、仮には評価されましょう。

※営業キロを信用せず道のりもGoogleマップで距離測定ツールしますと、▼JR線は11.04kmで1.24、▼東武線は10.82kmで1.21、と電卓されます。…営業キロを信用すればいい、とわかります。

 行違いできない区間は、長い順に、▼JR竹沢−寄居間(8.2km)、▼東武竹沢−男衾間(3.7km)、▼小川町−JR竹沢間(3.5km)、▼小川町−東武竹沢間(3.0km)、▼男衾−鉢形間(2.7km)、▼鉢形−寄居間(1.5km)となっています。あくまで行違いにより運行する場合、▼JR線では8.2km、▼東武線では3.7kmの区間から、最小の運転間隔が決まってきます。

[3075]
 > ■表1 東京近郊区間における乗換駅間の表定速度
 > 58.9km/h 成田空港−成田 快速エアポート成田 10.8km 11分

 カーブがそれなりにあって、終着駅には徐行で進入、途中に1駅、営業