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混雑率に関して、新しい話題を始めましょう。まず、「混雑率」という数字の出しかたを疑うところから研究が始まります。本当でしょうか。
※「ITホワイトボックス」のひそみにならって([2949])「研究ホワイトボックス」と題し、いろいろなテーマを研究として取り組む場合の流れや考え方を「追体験」([3044])いただけるような内容をば…いえいえ、そんな「上から目線」でなく、まず私が何でも「追体験」してみたく、興味の向くまま「追体験『してみた』」を楽しくレポートするような内容をば、と考えていますが、よもや、1回きりになるかもしれません。あしからず。
・個人のサイト「鉄道混雑研究ライブラリ」
http://okiraku-goraku.com/konzatu/konzatu.html
> 鉄道のダイヤグラムは流動特性と密接に関係しており、管理人がダイヤ分析をするにあたっては実際に現地で混雑状況調査することを重要視しています。
(現に実施された)ダイヤは「流動特性と密接に関係」していて、路線全体もしくは最混雑区間については、事業者や国などが調査の上、事業者の計画部門が(勘ではなく、いわば「データドリブン」で)ダイヤグラムを決定しているわけです。逆に言えば、大まかな混雑状況については、現地を見たことがなくてもダイヤを見ればわかるといえます。
それでも現地を見ないと話が始まらないというのは、事業者や国の調査で漏れている部分(や、そのためにダイヤ上で考慮が十分でない部分⇔ダイヤ編成上、どうにもできない部分は除きます)があるということですね。
> 混雑・利用状況に対する感覚は個人差による部分が大きいと思われるため、当サイトでは客観的に混雑状況を示すべく混雑ポイントという指標を用いています。
混雑率225%が200%になっても([3022]※)体感では違いがわからないだろう(一定の混雑度=体感的な圧迫感=を超えれば、同じくらい「不快」であって、そこに大小の違いは感じられない=飽和する)、「幅広車両」による数字のマジック(トリック)だ、といった、実感に基づく批判的な検討から、より実感に近い取り扱いをしようということで、たいへん合理的です。
・同「混雑ポイント」の定義に関する説明(2010年12月12日)
http://okiraku-goraku.com/konzatu/konzatu_main1.html
20ポイント刻み(「15秒単位」[2997]なども参照)でありつつ、0ポイントと20ポイントの間で「10ポイント」を設け、200ポイントで頭打ちという、全体的には対数的な発想の尺度(※)になっていることがわかります。そして、どことなく「混雑率」の数字と似せてある、「換算スコア」のような趣がございます。
※この数字、リニアな「指標」ではなく「順序尺度」ですよね。「足し算」したり平均値を出したりして例えば「67.2ポイント」などとは(本来)いえませんよね。わかったうえで便宜上、指標とみなして平均したりするのと、わからないまま無邪気に平均するのでは、大きな違いがあるといえます。
※「視聴率100%男」([3046])は昔の話としましても、一般には、「1,000mg配合!」…いえ、「○○率が200%!」といわれて数字だけ見て「これはすごい!(これはひどい!)」と反応したり、「降水確率100%の『どしゃ降り』」(!)と誤解したりする例がなかなか絶えない中にあって、きちんと扱われているとは思いますが、扱う内容の公共性や有用性に対しては、もっときちんと扱うことが期待されます。
・個人のブログ「1,000mg配合!」(2012年1月20日)
http://iwatteru.blog47.fc2.com/blog-entry-163.html
余談ですが、とあるPB品の紙パックの「濃縮還元・果汁100%」のジュース(アップルジュース)が、いくら濃縮還元とはいえ、どうにも100%とは信じがたい味の薄さでがっかりしたことがあるのですが、個人では調べようがありません。(総武線の車窓から、同社の食品成分検査施設が見えたり見えなかったりします。緩行線の上り電車なら見えるでしょうか。)最初は、自分の体調を疑いましたが、いろいろな状況下で(別の日に)飲み、最終的に1ケース12本、ぜんぶ飲んでも印象は変わりませんでした。他社ブランド品の同種の(濃縮還元で果汁100%の紙パックの)ジュースでは、もっとおいしいのです。どういうことなんでしょう。
・おいしいほうの濃縮還元・果汁100%
http://www.k-tropicana.com/kodawari.php
きっと、濃縮還元が云々でない、充填や輸送の段階で差がついているのでしょう。
「混雑ポイント」の話に戻ります。
> 混雑段階を「日中時の理想として100pを与える」こととし、座席埋まり段階を0〜100、立ち客埋まり段階を100〜200として段階区切りを設定することにしました。
> 各段階の混雑ポイントに対応する人数の考え方
車両の仕様ごとの「係数補正」や、「混雑ポイント」からの「混雑率」の逆算(推計)、その「平均混雑率」など出されていますが、おもしろい反面、ちょっと(かなり)あやふやな面もあります。
「混雑ポイント」として実測した段階で、かなりの誤差(あくまで数値とみた場合、20ポイント刻みなのでプラスマイナスで最大40ポイントの誤差?=120ポイントと記録したが実は100ポイントかも140ポイントかも知れない、の意※)が出ます。
※そこまでの誤差はないとしても、120ポイントと記録したということは、100ポイントは明らかに超えている、140ポイントには明らかに届かないと判断されたことは保証されますが、120ポイントを超えている、または120ポイントには届いていない、そのあたりの微妙な差(誤差)は、丸められているわけです。もし、「119ポイント」ではない「120ポイント」という1点の絶対値が、混雑に関する認知上の何がしかの境界(所要時間でいう「59分!」と「60分…」のような)であるとしたら、そこを超えているか超えていないかという判定は厳密に行なえることが期待されますが、「混雑ポイント」による評価の枠組みでは、それには応えられないということになります。
その誤差をふまえずに、妙に細かい(パーセント表示で小数第1位まで取った=3桁の)「混雑率」(車両の仕様ごとに一定の換算式で「混雑ポイント」を「混雑率」に換算しているということだと理解しました)を出し、その「平均」を出し、またダイヤ改正など施策の前後で「(独自の)平均混雑率」を比較されているようですが、そもそも「混雑ポイント」が順序尺度とみなされる性質を持つデータである以上、煮ても焼いても…いえ、目安として換算するところまではよいですが、その換算値をさらに平均して比較するのは無謀ではないでしょうか。
いま、順序尺度であることを明確にするならば、「着席状況A〜E」、「立席状況A〜E」、着席と立席を総合した「総合状況A〜E」(※)といった分類(ラベル)にすることになるでしょう。「120ポイント」は「100ポイント」より「20ポイント大きい値」ということではなく、あくまで名前(ラベル)に過ぎないわけです。
※機械的には、AA〜EEまでの25つ(!)のラベルができてしまいますが、そんなに細かい必要がありましょうか。(純然たる数値データの場合の)有効数字に準じた発想で、総合(「掛け算」)する段階では1桁、減らすようなものとして、総合もA〜Eにする、ということです。
また、明示的に着席と立席を分けて考えることで、「日中時の理想として100pを与える」という定義の曖昧さを排除できます。「混雑ポイント」の「100ポイント」は、着席E×立席Aでしょうか、それが本当に「理想」でしょうか。私なら、(現状を肯定するだけという感も、出てしまいますが)立席B〜Cで着席Cでも不満はありません。むしろ、日中に着席Eという状況は、ちょっと不快です。すぐ降りる人がドア付近に立ち、それなりに長く乗る人が着席している、そしてちらほらと空席がある(立っている人も、座ろうと思えば座れる=一種の「ゆとり」)というのが、ほどよい状態(需給がバランスした状態)ではないでしょうか。
> 参考文献を読むと、3等分とか5等分とか2で割り切れない判断は瞬時には難しいことが分かり、それならば2で割り切れる判断が可能なようにしようということで、座席が埋まる段階を4つにしました。
その参考文献が、アンケート(質問紙調査)や官能評価(主観評価)にも触れたものであれば、順序尺度の説明もあるのではないかと思うのですが…それはともかく、もう少し階層的な設計をしてもよいのではないかと思います。例えば、「ほぼゼロ」という判断のやさしい区分を除いて考えれば、「ほぼゼロ」のほかに2分(にぶん)の判断(少ない|多い)をしつつ、さらに超過という「すごく多い」という3つ目(「ほぼゼロ」を入れれば4つ目)の判断をするところまでは、それなりに少ない負荷(認知上の負荷)でできるのではないかと思います。
そして、2択・4択(偶数の選択肢)か、中間に「普通」「中くらい」「どちらでもない」を含めて3択(奇数の選択肢)とするかというのは、調査の目的に応じて決める部分とされます。いわば「白黒」はっきりした結果を得たい場合は偶数に、「どちらでもない」と答えそうな、いわゆる「サイレント・マジョリティー」(「殺到」する電話や電子メールの話[3045]も参照)が多そうなテーマで、その「多数派」の検出が目的とされるなら奇数に、といったことが、よくいわれます。
※光を可視光とそれ以外に分け、可視光は例えば3色や5色や7色に分けつつ、その両端の外側は赤外線と紫外線と呼ぶようなものですね、わかります(わかりませーん)。
・「サイレント・マジョリティー」
https://kotobank.jp/word/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%9E%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC-508672
・個人のブログ「森の精と風神雷神2」(2007年5月6日)
http://tht.sblo.jp/article/3910224.html
> > 大学の学生にヒアリングしたところ、ほとんどのものが何も手を加えなくてもよいから以前のままの状態に戻してほしい、という回答であった。
こういうことも、あるものです。
着席と立席と総合、そのいずれも、「特に問題ない(混みすぎておらず不快でない・ガラガラすぎて不安になることもない)」という区分(ラベル)を中心に置くことは、目的にかなうと思われます。
また、「意見交換するメンバーの混雑の捉え方に有る程度の客観的指標が必要」としている背景には、「混雑率の数字ではわからない『主観的な混雑度・不快感』」を定量的に扱いたいという目的があり、つまるところ客観的に主観評価(官能評価=できれば「快・不快」を評価)したいという目的があるわけです。評価者が自分で感じた体感(快・不快)を持ち寄って、評価者間のばらつきを埋めていくことが、本来なされるべき検討といえます。
いまのまま「混雑ポイント」のデータがいくら蓄積されても、それだけでは、まだ「議論」の材料にはできないわけです。とても長い仕事になりそうで(といっても「楽しい仕事」で)、やりがいがありそうですね。
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