フォーラム - neorail.jp R16
発行:2016/11/11
更新:2018/2/2

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【True Color】

【秋の自由研究】「1問しかたずねない」のは「アンケート」にあらず


「アンケート」…してみる?
どうなる姉ケ崎駅
「ホーム上で3行タイプ」のねらいは?

(約18000字)

・「2016年度 社会調査協会 シンポジウム『コンピュータ支援型調査の課題と可能性』」(11月20日)
 http://jasr.or.jp/task/symposium_2016.html

 > 今回のシンポジウムでは、近年、社会学と政治学において全国規模の訪問型CAI調査を実施したプロジェクトからその経験に基づいた御報告をいただくとともに、実際に現場で数多くの訪問型CAIの実査を担当してきた調査会社から、大学の研究者が気づきにくい点についてもお話しいただく予定である。これらの先駆的な経験から学びつつ、今後の日本での社会調査の目指すべき方向性の一つを参加者みなで考えていきたい。

 そのような動向も踏まえつつ、さて、身近なテーマで何らかの社会調査(規模が小さく「社会調査」とは呼ばれずとも、それなりに方法は共通です、の意)を実施する必要に迫られたとき、どうしたらいいのでしょうか、という話題でございます。

・(あくまで参考)「正しいアンケートの設問設計」(2008年8月19日)
 http://www.jichiro.gr.jp/jichiken_kako/report/rep_hokkaido32/3-1/3-1-jre_3140543/main.pdf

 うーん。なんともいえないクリップアートですねぇ。「ワードアート」にも劣らずとも勝らない…うーん。「ワードアート」に勝ってもうれしくないですって? ごもっともごもっとも。

 この資料を参照しただけでは、とてもではないですがアンケートを適切に実施することはできません。それでも、アンケートを適切に実施するために勉強が必要である(専門家に見てもらったり代行してもらったりしないと適切には実施できない)ことがわかるでしょう。

 > アンケート調査は統計学の考え方に基づいて実施されるものであり、その調査結果は客観的な数字です。しかし、だからと言って、その数字をそのまま鵜呑みにしては、真実を誤解してしまう場合もあるので、注意が必要です。

・ツイッター社のブログ(2015年10月21日)
 https://blog.twitter.com/ja/2015/1022poll

 > 「投票」機能のご案内
 > Twitterの上で簡単な投票ができる機能が追加されます。自分が興味のあるトピックについて他の方々から投票してもらうツイートが簡単に作れる便利な機能です。
 > 新しい投票機能は、AかBかの二択を24時間内公開できるものです。誰でもがどの投票にも参加できますが、誰がどちらに投票したかは公開されません。

 ツイッター社は「投票機能」だといっているのに、なぜか『投票(アンケート)機能』ましてや『アンケート機能』などと勝手に呼ばれてしまうのです。翻って、日本語の「アンケート(調査)」が正しく理解されていない(投票など「決を採る」ことと混同されている)現状や、質問紙に限らず社会調査について広く知られていない実情が浮き彫りになっていると感じられます。

・「決を採る」
 https://kotobank.jp/word/%E6%B1%BA%E3%82%92%E6%8E%A1%E3%82%8B-256958

 > 出席者の賛否の数をかぞえ、議案の可否を決める。採決する。

 (委任状の提出などを前提に)その場にいない人の賛否はかぞえなくてよい、ということです。そうしないと可否が決まらないからです。

・ツイッター(2016年11月9日PST)
 https://twitter.com/ATOS_LED/status/796322414565027841

 > 【アンケート】阿佐ヶ谷・荻窪と、徐々に広がる「フルカラーLED」のATOS連動発車標。皆さんはどちらの方が好きですか? (ATOS連動発車標は、駅の割付設定が見やすさに大きく影響するので、一概に比較できない部分もありますが…)

 いやー、いやー…。それは「アンケート」とはいいませんが、きっと、アンケートをしたかった(あなたの考えを教えてカワサキっ!)のだろうなぁと推察いたします。2択を1問、たったそれだけで考えをカワサキ…いえ、詳しく説明できると思います? 無理でございます。

※ツイッターの投票機能を使って実施しようというのが無理なことで、しかしアンケートなさりたい気持ちはわかります、の意。

・同じかた
 https://twitter.com/ATOS_LED/status/741251271387058177

 > 発車標がATOSに連動=信号に連動しているということ。発車標を考察する上で信号は切っても切れない関係があります。現状の蘇我駅の放送・発車標が、信号に連動しているのか気になります。

 蘇我駅は「昔ながらの連動駅」(=構内にポイントがあり絶対信号が必要で、このため連動装置がローカルに置かれた駅)と見受けられますから、蘇我駅で「信号に連動しない旅客案内装置」(松島海岸駅「CS型」[3210]や「改札系だけ」[3070])は考えにくいかなぁ、と、いまさらながら想像してみます。

 そして、確かに「考える」と日常的に記しますけれども、これを「考察」とは呼びませんので、あしからず。

[3089] 「考察」とは何か
 > > 当社の運転曲線作成システム(ヘラクレス)を使用して、英国高速鉄道新線計画(HS2)の第一期区間において、運転曲線(ランカーブ)の作成を行い、HS2社より提示される既実施の運転曲線と比較し、考察を実施します。

[3100]
 > 「研究とはなんぞや」「テーマを決めよう」「動機とはなんぞや」「考察とはなんぞや」と、具体的な中身もなく方法論だけを言われても、全然ちっともピンと来ないものです。

[3093] 『メタ目次』
 > ・4. 考察(実験や調査の結果から読み取れること)
 > ・4. …というわけで「お題」の答えは××でした(それだけ)
 > ・4. 「それだけ」を超えてはなりません。「それだけ」であるのがエレガントなんです。また、「…というわけで」と3.を受けることが必須です(実験や調査に基づかず勝手な「主張」を述べてはイケマセン)
 > ・「何がどうしてこうなった?」:そのまま3.や4.に書く。「何」「こうなった」を3.に、「どうして(whyにあらず:how)」を4.に書く(必ず分けて書く)
 > ・「予想と違ったのはどこ?」:4.で強調して書く。時間軸的にはウソになるが3.で仮説として入れる(後から入れる、そして4.で受けて答えたかのように見せる)
 > ・「うまくいかなかったのはどこ?」:4.や5.で「今後の課題」に入れておく

 そして、補足ですが「パブリックコメント」はサンプル数が少なすぎることがほとんどで、社会調査としては機能していないと考えます。また、「パブリックコメント」を根拠にして何かを論じる(ディフェンスする)のはアレなことだと、そこだけわかっておればいいんだといって…ぎゃふん。(メッソウでございました。)

※「パブリックコメント」はコメント(見解)であって「賛否(の表明)」ではありませんから、賛否いずれかの立場を主張(ディフェンス)する材料(根拠)として「コメント」を使うことはできません、の意。

・「コメント」
 https://kotobank.jp/word/%E3%82%B3%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88-3477

 > 大辞林 第三版の解説
 > 問題・事件などについての意見や見解を述べること。論評。解説。説明。

 「賛否を明らかにする」ことと「意見を述べる」ことは別のことだという理解でございます。

・「賛否を明ら