フォーラム - neorail.jp R16
発行:2016/4/14
更新:2017/2/8

[3242]

【オートメーションと鉄道】

〔フレッシュおはよう東日本〕82号:「詳しい自動アナウンス」を読み解く


「詳しい自動アナウンス」を情報システムとして読み解く
「詳しい自動アナウンス」の効果を打ち消す『残念系』事案を見る
表1 名状しがたい詳しさ指数のようなもの
表2 活用型応用編(仮)
表3 名状しがたいドミナント・ネガティブ効果のようなもの(仮)

(約11000字)

 この一連の記事では、「じゅんふどうのあっとらんだむ」で「じどうほうそう(ただしはっしゃめろでぃーをふくむ)」を技術面で立体的に読み解くことを目指します。

 お好きな順番でお読みいただけるよう、1つの記事を短めに、そして細切れに掲載いたします。そして、このたび「82号」などと付番して載せたるは、どうにも収まりのよろしくないソレであります。…といって「500番台!」や「800番台!」に飛ばすのはよくあることですね、わかります! レッツ3000番台。わあぃ始発駅で整列乗車の3000番台。***始発駅で整列乗車の3000番台だいすき。

・「一旦ドア閉め整列乗車」(2009年5月10日)
 http://ckworks.jp/blog/archives/2009/05/tokyo_station_rainbow.html

 > 「実際にはなくても、あると信じ込ませるだけで
 >  (略)を躊躇させる効果がある」

※げっ、げふんなのです!


●「詳しい自動アナウンス」を情報システムとして読み解く


 まいど好例いきなり表でゴザイマッス。

■表1 名状しがたい詳しさ指数のようなもの

Lv.CPU(仮)
はいってる
ぐれぇど
メッセージの例備考
1Atom級・列車がまいります・単純に鳴動している
3i3級・列車が通過します
・快速電車がまいります
・ATSを通じて列番がわかる
(列番の1ビットだけ照合している)
【または】
・列車の順序データを持っている
(放送文の番号だけ保持している)
5i5級・快速電車 南東京 行きが まいります
・貨物列車が通過します
・京浜東北 線の 快速 電車は
 当駅 には 停車 いたしません
・列車の順序データ(列番)を持っている
【かつ】
・ATSを通じて列番がわかる
(列番の全ビットを照合している)
・柔軟な制御のため放送文選択コードを用いる
7i7級・約 じゅう 5分 遅れで 運転中です・指令との通信によって遅れ時分がわかる
9Xeon級・遅れや工事のお知らせ
(東京メトロの改札口など)
・音声合成ソフトウェアにより
 現場で音声を生成している


 「CPU(仮)はいってるぐれぇど」については[3199]を参照。一般に商標は登録商標なのです。

[3199]
 > 布→皮→銅→青銅→鉄→鋼→銀→ミスリル→オリハルコン…などと(略)。分解能が9あれば十分で、現実には3、5、7で示せばよいと早合点しながらインテルはいってるぅ? …などと(略)。説明しよう! 1はAtom(SoC)で9はXeonだとかなんとか。これ、順序尺度ですからラベルはなんでもいいんです([3051])。じゃあ遊びましょうよ、の意。Core i7とXeonの実際の性能の差は一概には表せません。サービスサービスぅ!!

 へー…

・「!すでのな」
 http://dic.pixiv.net/a/!%E3%81%99%E3%81%A7%E3%81%AE%E3%81%AA

 …えらい詳しいですね。おお、そして詳しいのです! なんと。誰も気がつかないうちに「かどかわはいいぞ」([3213])といいながらうみはかぞくです…などと(略)。

■表2 活用型応用編(仮)

Lv.メッセージや表示の例備考
0(何も案内がない)・線路閉鎖と手信号での運転時など
・(先行列車が駅を出発しないうちに)
 続行列車が目視により停止信号を越えて接近したとき
1・メリーさんのひつじ
・アマリリス
・こんどの電車は ● ● をでました
・自動踏切
・TC型列警
・単純に鳴動(点灯)している
2・おはようございます・現在の時刻がわかる
2・通過電車がまいります(行灯式表示器)
・いわゆる「賢い踏切」(スマート踏切)
・ATSを通じて列番がわかる
(列番の1ビットだけ照合している)
3・お見送りのお客さまは・回送列車ではないことを把握している
・まだ発車していないことを
 軌道回路の状態の監視により把握している
4・5番 線の 京浜東北 線 ドアがしまります
・3番線から南東京行きの快速電車が発車します
・列車の順序データ(列番)を持っている
【かつ】
・ATSを通じて列番がわかる
(列番の全ビットを照合している)
・柔軟な制御のため放送文選択コードを用いる
5・こんどの 6番線の 電車は じゅう
・6番線に 停車中の 列車は にじゅう
・まだ入線(発車)していないことを
 軌道回路の状態の監視により把握している
6・辻堂 大磯 二宮 鴨宮 には
 停車 いたしません
・列車ごとの停車駅を把握している
【または】
・任意の放送文を、一定の条件を
 満たす列車に自動で付与できる
6・深夜〜早朝に音量を下げる
・発車標と一体型の子時計
・通信によって指令から音量が制御される
・通信によって指令から時刻が配信される
7・この 電車は 南東京 行きの 最終 です・当日の列車の順序データの末尾であるかを判断している
【かつ】
・指令との通信によって、所定の終電より後に
 臨時列車がないことを把握している
8・他線区や他社線の運行情報
(LED発車標や改札外LED、
 異常時案内用ディスプレイなど)
・指令で他線区の情報が集約され、
 通信により配信される
9・自動翻訳
(東芝、JR九州、JR西日本、高電社など)
・自動翻訳ソフトウェアにより
 現場で翻訳される
【かつ】
・音声合成ソフトウェアにより
 現場で音声を生成している
9・GPS列警
・GPSを用いるCBTC
・連動装置を代替するCBTC
・GPSなどの衛星からの電波
(または地上の基地局からの電波)
 を受信し測位している
・測位した結果をサーバーに送信している
・他の列車の位置が通信により配信される
・列車間の距離を計算している


※CPUとの対応付けはあくまで比ゆです。あっ、Atomだって翻訳も音声合成もできるもんっ☆

※この表2に「時計」が入っていることについては[3241]を参照。


●「詳しい自動アナウンス」の効果を打ち消す『残念系』事案を見る


 こう、一気に頭かたい系になって戸惑われるかもしれませんが、10年前の問いかけに、それなりに応えてみようと思いました。

[2703] thtさん(当時)
 > ATOSの導入を機に首都圏のほぼ全域で均質な自動案内が普及するものと期待していましたが、そう甘くはなかったようですね。
 > 企業の取り組みのベースとなるのは個々の社員の認識や意識だと思うのですが、現状では理念が曖昧なまま個別施策や日常業務の「消化」に邁進しているという印象を受けます。
 > 全社的に統一された対応方針がないのなら、どんな判断がなされるかには担当者や責任者の意識が大きく影響するのではないかと思われます。

 方針を決めず、あまりにも過大な判断を乗務員に負わせるというのは、どうなんでしょうか。いまだに、東京メトロでもそういう状況だというのが露わになりました。

・東京新聞「東京メトロ、ドア閉まる合図の改善も ベビーカー事故受け」(2016年4月7日)
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201604/CK2016040702000157.html

 > 同社の広報担当者は「ブザーが分かりづらいのであれば、その声を真摯(しんし)に受け止め、分かりやすい合図に変えていかなければいけない」と話している。

 広報の分を越えた発言と読めてしまうんですが、「…とわが社は考えております」という発言だったのだろうと信じたいです。(記事のほうがイカンのだと…ゲフン。)以下も、広報が説明した「わが社の方針」ですね。

 > アナウンスによる不快感を与えずに乗降を促進する狙いで、九段下駅ではブザーだった。

 > しかし、国土交通省が二〇一〇年に全国の主な鉄道事業者の利用客を対象に行った調査で、閉扉のタイミングがベル、チャイム、放送など多様であることについて、分かりづらいなどとする回答が過半数を占めている。

 この調査、ご紹介しようと思いながら忘れておりました。そのうちできればと思います。

 > 同社は四日の事故後、監督者の巡回指導の回数を増やすなど対応を強化。通勤で半蔵門線など東京メトロを利用する世田谷区の会社員男性(44)は「事故直後だからか、今日は各駅でアナウンスがあり、安心して乗車できた」と話した。
 > 同社は「現時点では、アナウンスをするよう一律に指示したわけではなく、乗務員の判断ではないか」と説明。当面の再発防止策として、乗務員の目視確認を向上させるため、九段下駅のホームの縁に紅白のしま模様のシートを貼ることにしている。

[2855] thtさん(当時)
 > 重要なのは、注意書きに合理性があることです。肝心なことが抜け落ちていたり、無駄に長かったりする文章では、本来の目的を果たせません。そればかりか、かえって利用客を混乱させてしまいます。

 > 無駄に長かったりする文章
 > 無駄に長かったりする文章

※ギク。

 > 駅員さんや鉄道に詳しい方は、わかればわかるほどわからない人のことがわからなくなるということに無自覚にならないで欲しいと思います。
 > 駅側としては「よかれ」と思って注意書きを増やしているというのは重々承知しています。それでも結果的には「案内のわかりやすさ」の低下につながっている点を問題視しているのです。これは私だけの見方ではありません。

 > 各駅で独自の工夫をすることは、それが他の駅への展開も狙った「実験」であるのならよいのですが、そうでない場合には避けてもらいたいものです。「ここをこうすればよくなるのに」と思うことも多いでしょうが、変えた結果「他の駅と違う」というだけで、わかりにくく感じられてしまうこともあります。
 > 駅員という立場にいると、自分の駅のことだけで手一杯になってしまうかも知れませんが、そこを何とかもう一頑張りして、一駅だけでなく路線全体がよくなるようなアイデアを提案することを目指して欲しいと思います。誰もが感心するようなアイデアであれば、誰が言い出したかに関係なく自然と広まっていくことでしょう。

 とはいえ、そのような「提案」ができる範囲は、せいぜい日本語と、中学校までの美術と音楽(高校では選択科目になってしまうのでバラバラである、の意)に留まるという、絶対値としての限界を最初から踏まえておかねばなりません。そこを超える「難しい課題」が見つかった時には、おお、これは自分たちの手には負えないぞ、と、そこがわかるというのが、高校までの間に確実に身に着けておきたい「スキルのようなもの!」ですね、わかります!! …たぶん。

■表3 名状しがたいドミナント・ネガティブ効果のようなもの(仮)

Lv.CPU(仮)
踏んじゃった
メッセージや表示の例備考
-2.9進学祝いの2in1が
満員電車で加圧されたの☆
・自動アナウンスに続いて
 駅員がマイクでアナウンスする
(電車は続いてまいります、
 あわせてご利用ください)
・定型文の自動アナウンスを
 任意のタイミングで流せる
 操作盤やリモコンの実現が期待される
(ワンマン運転の車両では実現している)
-5会社支給のi5ノートが
ひとりでに壊れたの☆
・自動アナウンスを打ち消して
 駅員がマイクでアナウンスする
・英語に対応するのが難しい
-8自腹で買った
i7の黒いのが
黒くなって
黒くなっちゃったの☆
(いろいろな意味で)
・システムにより自動配信され
 旅客に直接、提供される情報と
 食い違う(古い)情報を
 駅員がマイクでアナウンスする
・速さと正確さでシステムにはかなわない
(そのまま使うのが最も合理的であるのに
 わざわざ非合理的なことをした上、
 そのほうが合理的であると誤認している)
・システムと駅員のどちらを
 信用すればいいのかわからない
-9提供されたXeonを
『殻割り』と称して
壊しちゃったの☆
・ボランティアと称して市民が
 無資格のまま案内することを
 許してしまう
・ただし通訳案内士を含まない


 せっかくなので、どのくらい『残念系』であるかを、これまたCPUになぞらえてみます。数字は、表1、表2と同じスケールです。竜巻のスケールみたいなものだと思われるとよいのではないでしょうか。レッツ宇宙竜巻! 宇宙といいさえすれば21世紀だっ!! でんしゃずかんでMM21線を眺めながら昇龍園の春巻を食べて壮大な味の宇宙に飛び立てッ! 対数的なので、8と9の間の差は極めて大きいぞう。(※象の卵は使用しておりません。)このスケールで10.0はありえず、仮に9.9があれば、それはほぼ無限大(測定の限界)だということです。えむえむはいいぞ。昇龍園は宇宙だッ…えっ!?

・Google 実物大☆でんしゃずかん「宮崎台駅」付近
 https://goo.gl/maps/C9KPzWfSDYA2

※MM21線を走る電車(の外観)を一覧できる公的なサイトが見つけられませんでした。「東京時刻表」の表紙くらいしかないんですかねぇ。

・Amazon「My LINE (マイライン) 東京時刻表 2013年 04月号」(2013年3月15日)
 http://ecx.images-amazon.com/images/I/71CGeRENwIL.jpg

・気象庁「藤田(F)スケールとは」
 http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/toppuu/tornado1-2.html

 > 竜巻などの激しい突風をもたらす現象は水平規模が小さく、既存の風速計から風速の実測値を得ることは困難です。このため、1971年にシカゴ大学の藤田哲也博士により、竜巻やダウンバーストなどの突風により発生した被害の状況から風速を大まかに推定する藤田スケール(Fスケール)が考案されました。
 > 被害が大きいほどFの値が大きく、風速が大きかったことを示します。

 おお、竜巻はあくまで結果だといっています。本来、測定したいのは、「結果としての竜巻」を起こした上空のもじゃもじゃ…いえ、もやっと…いえいえ、もやもやした空気の流れ(うずを含む)だということです。…そういうことですよね、デスヨネ?

・国立天文台「宇宙竜巻」
 http://www.nao.ac.jp/news/science/2014/20140818-tornado.html

・食べログ「昇龍園」
 http://tabelog.com/chiba/A1201/A120101/12032767/

・えむえむ
 http://www.kyotomm.jp/about/mm/

・「2in1」
 http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20141112/1061267/

 …といって、その実、『i3未満!』のソレが買われるだろうというのが進学祝いであります。(あくまで想像です。)やだなぁ、CPUにAESのアレがついてないとhttpsがたいへんじゃないですかぁ、などと「素」でたずねてみようと思いましたがやめておきまーす。(CPUのAESのアレはWiFiなどのソレで使い果たされ、ブラウザのhttpsはCPUをフツーにゴリゴリしているんではないですか、の意。)

・「見せてもらおうか、IntelのAES-NIの性能とやらを 〜OpenSSLでベンチしてみた〜」(2012年4月27日)
 http://d.hatena.ne.jp/naga_sawa/20120427/1335488358

※あくまでLinuxの場合です。Windowsではいかほどであるかはよくわからないです。そして、もともとの狙いとしては、HDDをまるごと暗号化したいという大企業向けの機能ですから、HDD(の読み書き)に比べれば通信の暗号化などビットレートが知れている、フツーのCPUで十分でしょ、という実装なのではないかなぁ、と想像するんですが、さすがにソースコードまでは追えません。なにしろWindowsなんで…、といって逃げます。(恐縮です。)

・(翻訳版)「HTTPS化するWebをどう考えるか」(2015年5月5日)
 http://jxck.hatenablog.com/entry/web-over-https

 > Web にはすでに HTTP で公開されたサービスが多く有り、これは徐々にしか移行していくことができません。

 > Web のユーザの多くは、プロトコルや暗号の知識など無いでしょう。 そうした人にも安全に使えるように、安全側に倒されていくのは必然かと思います。

 > ログイン画面だけ HTTPS で後は HTTP という構成も多く有るかと思いますが、 誰がどこで何を盗聴しているかがわからない以上、「どれを暗号化すべきか」ではなく「基本的に全て暗号化する」という考えに移行し、 実際そういったサービスは増え始めています。

 > 端的に言えば「暗号化すべきかどうか」ではなく、「暗号化しない理由があるか」を考えることになっていくんだと思います。つまり、基本は HTTPS という世界です。

 このように考えていくことが、「駅まち」…いえ、駅の快適性のための自動化(人は人との対面での接客に専念する)にも、求められつつあると見ています。「自動化すべきかどうか」ではなく、「自動化しない理由があるか」ということで、いまのところは理由がある(雇用の継続、技術の未成熟など)ので(ATOなど)自動化が足踏みしているということのはずです。しかし、理由のないところまで漫然と、今まで通りにしていればいいんだという考えかた…いえ、それを「考え」と呼ぶのはかなり抵抗があります。考えれば、理由のあるなしにも焦点が当たるはずです。それがない(ように見える)ということは、考えていない、とみなしたほうが妥当であるということになるでしょう。いやいやいや、そうではないんだ、という理由があれば、おお、ダイジョーブ、ダイジョーブ、ちゃんと考えた結果なんですね、といって、賛否とは別の次元で「あなたがたのお考えは理解しました」といって広く受容されましょう。本当でしょうか。

※一般に、「理由を示して考えを述べる」という基本中の基本が身につかないまま社会人になられたかたが大多数だと認識いたしております。その結果が「当社が発表したものではない」「決定した事実はない」([3103])なんですよぉ。なるほどなるほど、それで?(もしゃもしゃ)…あざっす。

・文部科学省「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について(諮問)」(2014年11月20日)
 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/1353440.htm

 > 我が国の子供たちについては,判断の根拠や理由を示しながら自分の考えを述べることについて課題が指摘される

・朝日新聞「ガラスが割れても使いたい 「スマホの絆創膏」発売へ」(2016年4月13日)
 http://www.asahi.com/articles/ASJ4F559DJ4FULFA022.html

 > 買い替えが近い、修理代が高い、といった理由で割れたままにする利用者が多いことに着目。スマホ本体を包むように貼れば、破片のこぼれや耳のケガを防げるという。

・「法人向けノート」
 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/event/20160107_737918.html

・インテル「i7の黒いの」(正規品です)
 http://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/processors/core/core-i7ee-processor.html

・とっても黒い「i7の黒いの」(100枚 7,500円)
 (ご紹介できません)

・近年『殻割り』などと称して横行する行為等(まねしてはいけません)
 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/yajiuma/20160318_749020.html

・東京都「無資格ガイドの使用禁止の徹底について」
 http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/sinsei/tourism/shuchi/pdf/ryokogyo07_01.pdf

 > このような状態を放置すれば、我が国に対する外国人旅行者による適切な理解、良好な印象形成を妨げ、又は外国人旅行者の保護に欠き、ひいては、今後の国際観光振興の取組み自体を阻害することが懸念される。

・観光庁「観光庁による個別ヒアリング結果」(2010年2月)
 http://www.mlit.go.jp/kankocho/shisaku/jinzai/pdf/conference07_6.pdf

 > 通訳案内士
 > 秋葉原に興味がある外国人旅行者は事前にwebで店舗等の情報を調べてはいるが、自分たちだけで入ることは難しいのでガイドをつけたりする。また、webに掲載されていないホットな情報を求めている。

 > 旅行会社
 > 今後、増加するFITに対応するためには、有資格ガイドほど料金が高くなく、ちょっとした道案内のできる人は使い勝手がいいのではないか。

 > 観光施設
 > 観光客が求めているレベルは、ガイドブックのレベルを超え精神文化までも含まれている。そうした知識を全国のすべてのガイドに求めることは難しいので、地域や専門分野を限定したガイドが必要ではないか。
 > 京都に来る欧米人は日本文化を深く知ろうとしていることもあり、非常にディープなガイドの説明を求めるが、日本の通訳案内士はそのニーズに対応できないことが多い。

 [3181](SRD88 〜これがニッポンですぞ!〜)でも触れましたが、そもそも、「高度な専門性」がどれだけ高度であるかをきちんと認識すること自体が、一般には難しいことですので、(資格認定制度に裏付けられた)「高度な専門性」を要するか要しないかの判断を、一般の人が一般の感覚で論じたり判断したりはできないんだとわかっておかなければなりません。

 旅行会社に関する事件としては[3098]もありますが、ここではさておきます。

 付けたしつけたし、積み木細工で「機械化」「電動化」「自動化」「システム化」(※呼ばれかたは時代により変遷が見られますが、だいたい同じことを言っております)が図られてきた中で、何をどこまで機械にまかせてよいのか(※「合理化」といって「人減らしの策」だと見るか、人より安全になるという『積極投資!』だと見るか)、(労使間も大変でしょうが)旅客も含めて、まだ「合意」ができていないのが現状だろうと思います。

[2923]
 > ・東京メトロ「平成24年度に実施した輸送の安全の確保に関する取組みを紹介「安全報告書2013」平成25年9月12日発行(PDF:113KB)」(2013/9/9)
 >  http://www.tokyometro.jp/safety/prevention/safety_report/pdf/anzen2013_9.pdf
 > > 有楽町線飯田橋駅において、新設された運転士用運行表示器がホームドア異常表示灯と誤認しやすいことから、運行指示器の移設を行いました。(平成25年2月)

 > ホーム上では可動式ホーム柵の設置など、付け足し付け足しでの設備の新設が続いたことから、機器が必ずしも最適には配置されておらず、そこへのさらなる付け足しは、新たなヒューマンエラーの原因ともなることを示しています。

・(参考)「ギク」「チョロ」「ぺこぺこ」「クルリ」「ひらり」
 http://www.interbooks.co.jp/column/chinese/20151021/

・「ドミナント・ネガティブ効果」「ドミナントネガティブ作用」
 http://www2.idac.tohoku.ac.jp/dep/mi/professor/zatsubun/dominega.html
 https://www.yodosha.co.jp/jikkenigaku/keyword/832.html

※まったく傍題ですが、こう、「押しのけて優位に働く」という『方向感(ベクトル)のようなもの』を表現するには、形式的に中立を装った「作用」ではなく、あえて「効果」といったほうが実感的ではないですか?


この記事のURL https://neorail.jp/forum/3242/


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