フォーラム - neorail.jp R16
発行:2017/9/22
更新:2020/8/26

[3545]

【どうなる京成線】

【京成】2017年「安全報告書」を読み解く(仮)


どうなるホームドア(京成編)

(約16000字)

 京成電鉄が20日、最新の「安全報告書」を公開しました。同社のホームページで閲覧できます。さっそく閲覧してみましょう。そして、どこに注目しながら読めばいいのか、順に見ていきましょう。

・京成電鉄「安全報告書」(2017年9月20日)
 http://www.keisei.co.jp/keisei/ir/csr/safety.html
 http://www.keisei.co.jp/keisei/ir/csr/dl/safety/2017.pdf

 > 沿線に雨量計・風速計・地震計・積雪量計を設置し、規制値による速度制限や運転休止を実施しています。また、気象庁の気象情報の他に、民間の気象情報会社と契約し、沿線の気象状況(降雨・降雪・風)をきめ細かく把握することにより、台風等の荒天時の運転の規制・解除に活用しています。

 > 転てつ器の可動部に雪が混入することを防止するためにポイントカバーを設置しました。

 同様の態勢(特に「風」に関するもの)が小湊鉄道([3504])でも整えられることが期待されます。

 > 成田湯川駅および根古屋信号場に設置された列車非常停止装置を操作することにより、構内軌道回路に列車を非常停止させる信号を送信し、列車を安全に停止させます。

 > 駅間に約500m間隔で設置した列車防護装置を操作することにより、操作地点付近の列車に停止信号を現示します。

 > 成田湯川駅〜空港第2ビル駅間の一部には、JR線と隣接した併走区間があり、JR線列車が災害・事故等により当社線を支障したとき、迅速に周辺列車の停止手配を行うために限界支障報知装置を設置しています。万が一、当社線を支障した場合には自動的に列車を非常停止させる信号を送信し、列車を停止させます。

 京成本線などの踏切については、ボタンただちに停止現示との実装はされていないと読まれます。小田急線([3541])とは違って、▼踏切の多い区間は概して線形が良いまたは見通しが良い、▼見通しが悪い区間では立体交差化が完了している(※京成高砂[3256]、新京成線を除く)という状況があり、そうでない小田急線でかような実装になるというのは当然でございましょう。

 > 「ゼロ災でいこう ヨシ」
 > 東日本旅客鉄道株式会社の****氏を迎え(略)講師自身が長年、現場で培った貴重な体験をふまえ、分かりやすい言葉で講演をしていただきました。

 > 2016年3月から4月にかけて、安全に関わる意識を確認するため、全ての鉄道本部所属員(約1,700名)に対し、国土交通省が安全意識調査の方法として推奨している同省国土交通政策研究所の「企業風土測定ツール」を使用した、安全に関するアンケートを実施しました。この結果を踏まえ、職場巡視や意見交換会を継続的に実施し、本社と現場間のコミュニケーションを深めていくと共に、現業における自律的人材(現場で明らかとなった課題、潜在している課題等を本社部門に対して報告・上申するとともに、自発的に適切な改善ができる人材)の育成などを実施していきます。

 「「いいからちょっと黙って人の話を聞きなさい」と叱ってもらえる、そういうセンセイやセンパイや上司に恵まれているといいなぁ。(※なんでも「じぶんで考える」を迫られる=「じぶんが知らないことや考えが及ばないことを誰からも直してもらえない」という状況にあると、じぶんがいちばん困りますよね、の意。)」([3508])も参照。これが、京成電鉄にとっての国土交通政策研究所なんですよ。京成電鉄に研究部門(研究所)はないので、国土交通政策研究所なんですよ。国土交通政策研究所が推奨する方法をストレートに導入しておれば、少なくとも導入しなかったり、骨抜きにしたりする場合に起きる何かは、未然に防がれるのですよ。本当でしょうか。ま、国土交通政策研究所のいうことはとりあえずぜんぶ聞いてみるものですよ。うん。(※一部の表現は演出です。)

 > 2016年度は、台風9号の強風による倒木で運転休止に至る大きな輸送障害が発生したため、樹木・竹に関するリスクマップを作成し、注意箇所を明らかにしました。
 > その他、社内ネットワーク上でデータベース化し、全ての職場で常時閲覧できるようにしました。関係用語などのキーワードを入力することにより、関係事例も検索できるようにしており、以前に発生した事例が再発することのないよう、努めています。

 情報検索実習に相当する研修も行わないと、とてもではないですが検索ができないばかりか、じゅうぶんに検索ができないまま「そのような情報や事例はない」と誤認されうるとも思われます。

※「社内や取引先、個人的な知人などに詳しい者がいない限りわからないとする態度は合理的ではありません」([3493])も参照して、「エンタープライズ検索」の限界([3477])や「ドミナント・ネガティブ効果」([3242])に対処されていくことが期待されましょう。

※逆に、検索結果が多すぎるのも「うわぁ…****がいっぱい。」となってしまってですね(略)このフォーラムで「ATOS」などというキーワードで検索なさるかたに対して「すみません 1450件 です」といいながら「検索結果が200件以上あります。キーワードの一覧(索引)をご利用ください。」といって、あなたのキーワードたわし!(でなおしてまいれっ。)恐縮ではございますが、そういうきめ細かなガイドが必要なのかもですよ。

 > 列車の運行情報や大規模災害時の緊急放送などを表示する「運行情報ディスプレイ」を改札口付近に設置し、最新情報を視覚的に提供することで、お客様案内サービスの向上を図っています。

 つまりNHKを流すためのテレビであるとの理解でございます。

 > 京成グループ4社(京成電鉄・新京成電鉄・北総鉄道・京成電設工業)では、各社間の技術交流を目的とした京成グループ技術発表会を実施しています。

 仮に小湊鉄道が電化される場合([3503])には、ここに加わりさえすればよいのだという早合点にございます。

 > C-ATSは、速度制限の種類を増やしたことで、それぞれの信号区間に合わせたより細かい速度照査(スピードチェック)が可能になり、信号区間内を連続的に制御することができます。また、急曲線区間や分岐区間(ポイント)、線路終端部などでの速度制限にも対応するほか、踏切防護機能も有しており、より一層保安度向上に寄与しています。

 > 線路閉鎖と関係する信号機に停止信号を現示させる新たなシステムの検討を開始し、2017年度内の実施を予定しております。

 C-ATSの導入としては、足元のハードウェアの整備が完了したあと、さらにソフトウェア上の設定や運用方法などの細部が「2017年度内」に詰められていくとみられます。千原線を含む全線でのC-ATSの導入完了を受けて、今後、ダイヤ編成のもととなる、いわゆる運転曲線(基準運転時分)や「時隔曲線」の引き直しなどが進められていくとみられます。また、ホームドアの設置に向けてTASCやATOの使用も期待されます。

・東芝レビュー「鉄道輸送の最近のニーズに応える輸送計画・管理システム」(2006年9月)