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まっこうくじらさん([3084])のツイートから、もうひとつ。
・ツイッター(2015年7月3日PST)
https://twitter.com/mkokujira/status/616952960292032512
> 桑園方の引上線不足や苗穂方の直結軌道の悪配線もあるだろうが、5面10線もあって「技術的な問題で運行できなくなる在来線列車が多数発生」と言う技術者は替えたほうがよいと思う。
一般紙では「技術的な問題」とぼやかされて(ぼかそうという意図ではなく、用字用語上、結果的にぼやけて)報道されるので、一般にも、専門家(「時刻表博士」を含みます)にも通じなくなっていますが、これ、十中八九、旅客流動の問題ではないかとみました。本当でしょうか。
・北海道新聞「札幌駅の新幹線ホーム、300m西側へ JR北海道が新設検討」(2015年7月3日)
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0152629.html
> 現駅の線路の一部を新幹線専用にすると、ホームを増やしても、技術的な問題で運行できなくなる在来線列車が多数発生する恐れがあるためだ。
記事中でひたすら線路の本数や「線路の交差回数」などに言及されているので頭がそちらへ行きますが、「増える関係から」というのが新聞ならではの表現で、実は「増える、他にもいろいろある、そうした関係で○○できなくなる」といった文脈を、紙面の都合で大幅に中略としたため、紛らわしくなっているのではないか、とパース(リバースエンジニアリング的な意味で)することができましょう。(「増える」ことだけしか原因がない場合は「増えるため」と書きます。「増えることなどから」でなく「増える関係から」と端折るのは、文字通り、字数が2文字少ないからです、たぶん。放送のニュース原稿なら「早口で言う」という「マル秘テク」が使えるため「増えることなどから」と表現できて誤解が少ないと思われます。いまどき新聞は損ですね、わかります。)
※もっとも旅客流動の問題だけでなく、「など」の部分には信号設備の都合も含まれましょう。線路、そして配線だけでなく、▼同時進入できるか(列車が通過中の分岐器があっても別の進路を開通できるか)、▼速度制限はいかほどか(それによって支障時間がいかほどか)、それに▼在来線の車両や編成長の将来的な見通しなど、JRとしても未定の事項も、いっさい含まれてきましょう。
在来線ホームがたくさんあって、しかし列車の本数も両数も少なく(輸送力が小さく)あったところに、いきなり、新幹線がどかどかと発着しては、新幹線からの降車客が駅構内でさばききれなくなります。新幹線ホームを造るために在来線ホームが減ることも、ホームの数でいえば「16.7%!」も一気に減ってしまうことになり(一部ホームの拡幅や延伸などを行なっても滞留容量が足りない=階段付近での滞留が限度を超えるとシミュレーションされた?)、このことから、線路だけあっても(在来線の)列車の発着はもっと減らさないといけなくなる、といったことも考えられます。(「奥ゆかしい」北朝霞[2911]も参照。)
※あるいは、新函館北斗−函館間の実績次第では新千歳空港などとのシャトル列車も増強(増結)される可能性が出てきます。(新幹線あるいは飛行機のどちらかが運休や欠航となった場合に、簡単に行き来して代替交通を選べ、その日のうちに東京へ帰れます:あくまで東京視点でいえば。)これを踏まえて追加的な検討を行なったところ、滞留容量が足りなくなることが(いま)わかった、ということかもしれません。仮にそうだとすれば、むしろ、JR北海道はかなり意欲的に輸送を改善しようとしている(のに、それが理解されないまま「ちぐはぐだ」などといわれている)ことになります。
新幹線を降りてから在来線に乗り換えるまで(この向きに限定して)、わざと距離を置くことで、乗り換え客を乗り換え通路(そして長い)に「滞留」させることができ、やっとのことで「技術的な問題」を解決できる、という計算をしたのではないでしょうか。(奥ゆかしい新木場の改札外乗換[2963]も参照。ただし、あくまで推測です。)
※ならば、新幹線ホームを降車専用と乗車専用に分け、降車専用ホームからの動線のみを延々と遠回りにするという「一方通行化」([3025],[3026])の応用編もできそうな、と一瞬思いましたが、地元としては札幌より先へも新幹線を延ばしたいなどと考えているのだとしたら、この案も受け入れてもらえないことでしょう。ならば、「こんなこともあろうかと秋葉原」方式([2962])の応用編で、新幹線ホームを高架や地下でつくって、中間のコンコース階をスキップフロアにして面積を稼ぐくらい、してもいいのかもしれません。
※何か「奇策」をば、といえば、駅前のバスロータリーのように、ロータリーの入口で一律に降車(降車専用バースを設ける)→とりあえずロータリー中ほどに回送→乗務員が車内点検そして一服→発車時刻直前に乗り場へ→速やかに発車、という流れをなぞって、これをある一つの長いホームの端から端までを使って行なう、すなわちホーム上の旅客流動を一方通行っぽくして「整流」するということも、考えられなくはありません。空港も(保安検査のため、という違いはありますが)出発と到着は厳然と分けられています。列車の分割・併合の「システム化」を目指せば、自然とこうしたことも可能になるとは思いますけれども、まさに「奇策」ですね、わかります。
この話は、狭い意味での「技術者」(個々の検討事項に専従であたる、個々の技術者)が取り組む話ではなく、もう少し「上」の話で、したがって「(ある特定の分野だけの)技術者目線」で見ていては、見落とすことも出てしまいましょう。ひとつひとつは必ずしも難しいことでなくとも、すべて同時に考えるというのが難しいことで、これを日々こなしているチームとしての実務者はさすがです。
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