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(約4000字)
[3084],[3085]で新聞がどうの放送がどうの、と言及した手前、もうひと手間かけて「ニュース7」の映像から原稿を起こします。著作権はNHKに帰属します。
字幕:【東京駅近くの地下/巨大な空洞が】
字幕:【東京駅地下は複雑】
「JR東京駅や、その周辺の地下は、地下鉄とともに商業施設や連絡通路が複雑に入り組んでいます。」
(地図:東京駅周辺)
「空洞が確認されたのは、そのすぐ北側の国道1号線の真下にあたる付近。」
(CG:断面図)
「東京メトロの東西線や連絡通路より、さらに地上に近いところです。」
(「空洞」内部の映像)
「付近の地下を管理している『東京メトロ』によりますと、」
字幕:【昭和40年ごろ計画のあった/地下自動車道路の一部か】
「昭和40年ごろに、当時、計画のあった地下自動車道路の一部として掘られたとみられます。」
(空撮)
「つまり、」
(「空洞」内部の映像)
「およそ50年前に計画された『幻の地下トンネル』の」
字幕:【“幻の地下トンネル”】
(CG:道路トンネルを自動車が走る)
「一部だということです。」
(「空洞」内部の映像)
字幕:【幻の地下道路/“安全性に問題なし”】
字幕:【使われず/詳しい資料も…】
「ただ、一度も使われたことはなく、詳しい資料も残されていないということです。」
字幕:【出入り口なく/確認できず】
「空洞には、もともと出入り口がつくられておらず、長い間、誰も実際に中を確認できませんでした。東京メトロによりますと、」
字幕:【東京メトロ】
字幕:【平成13年に穴を開けて安全性など調査/→どこに開けたか記録されず】
「平成13年に穴を開けて安全性などを調査したという記録が残っているということです。しかし、その際に、どこに穴を開けたかは記録されておらず、再び中に入れない状態となっていました。」
字幕:【“現在も安全性に問題ない”】
「空洞は現在も安全性に問題はないということです。」
(インタビュー)
字幕:【東京メトロ/丸山茂さん】
字幕:【使われない空間は/もったいないと思うが】
「使われないという空間はもったいないと思いますけれども、」
字幕:【後で もしこの計画を実行しようとすると/どうしても必要なものとなる】
「後でもし、この計画を実行しようとすると、えー、どうしても必要なものとなる、と。」
(1分46秒)
インターネットで公開されている映像は、ここで終わりです。
さすが「ニュース7」といいますか、「いきなり『体言止め』キターっ!」「ここで空撮キターっ!」「とどめにCGキターっ!」などと、いちいち気が散って…いえ、あまりニュースを見ない視聴者を引きつけるべく、多彩な表現が駆使されていることがわかります。
※しかし副作用もあって、ニュースを見慣れて、いわば映像版「紋切型」に慣れていると、CGで道路トンネルを自動車が走っているアニメーションが出ただけで、多重衝突事故(いわゆる「玉突き事故」)やトンネル火災、それにトンネル崩落事故などを連想させられます。CGのシーンから見始めたとしたら、かなりギョッとすることでしょう。それを防ぐためもあって、「“幻の地下トンネル”」という、たいへんやわらかい字幕が大きく表示されるわけです。そうしたこと全体を見ずに「幻」という表現だけを指してケシカランなどということは、著しくバランスを欠いたことともいえます。
そして、Webでの見出しだけが「ソーシャル受け」を狙ったものにされていることがわかります。そうでもしないとインターネットでは見てもらえないと考えられているのでしょう、たぶん。
ちょっと物足りない感じが残りますが、いえいえ、そこは「ニュース7」ですから、ささっと「次のニュース」へ移らなければなりませんし、お天気もかわいくお伝えしなければなりません。たいへんですね、わかります。
「ニュース7」で、この後に「ブラタモリで詳しくお伝えします」などと「宣伝」(※)されたかは不明ですが、テキストで掲載されているほうの原稿は18時台「首都圏」の原稿とみられ、そして「ブラタモリ」東京駅の回は、ローカルアレンジ…いえ、足元の取材(素材やリサーチ)では首都圏のスタッフも入っているとみられます。首都圏としては「ブラタモリ」東京駅の回の視聴率が云々、などということにも巻き込まれるとみられ、それなりに宣伝を兼ねた原稿となるのは、それなりに自然なことといえます。
※宣伝といって、その実、自社(NHK)で自社(NHK)のコンテンツを宣伝するのですから、むしろ歓迎されます。ニュースを深く理解するにも「ブラタモリ」の視聴が薦められ、「ブラタモリ」の視聴によってもニュースへの関心が高まるという、一種「シナジー効果(笑)」のようなものです。
・個人のブログ「金の5gバーを飲み込んだ話」(2015年5月3日)
http://kanrininsitu.cocolog-nifty.com/blog/2015/05/post-c420.html
※そして「きわめて早口」で「どれどれどれどれどれ?」「タモリさん見てください、見て見て見てここここ、このちっちゃいの」「これこれこれ」「大きい〜! これこれこれこれ、これこれこれ、この金!」と、…さすがです。愛宕山の回での「『会社』(NHK)の歴史を勉強し直します」ともあわせ、いろいろなものが垣間見られるように感じられます。
・片山紀生「大量の放送映像から有用なニュース映像を抽出する映像照合・表示方式」国立情報学研究所(NII)
http://www.nii.ac.jp/userdata/seeds/2014katayama.html
ニュースを漫然と聞き流していると、ニュース原稿(や映像)の全体がどのような構成になっているのかまではわからないこともあるかもしれませんが、字幕を追いますと、「巨大な空洞」→「幻の地下トンネル」→「幻の地下道路」という順に詳細化していく構成となっており、視聴者がこれをなぞりながら、無理なく理解できるように配慮されていることがわかります。むしろ、漫然と聞き流していても流れや要点を掴むことができるわけです。さらには、映像だけを(音声なしで)見ていても、内容がわかるだけでなく、話題の重さや軽さ(ここでは、どちらかといえば軽さ:そこに空洞があってもなくても、きょうあすに、あなたが困ることは何もない)までもがわかるように構成されているということでもあります。たいへんユニバーサルですね、わかります。
また、「幻」という表現自体も、「正体がわからない、得体のしれない」という意味から「計画されながら実現していない」という具体的な意味へと移っていきます。これなら「幻のモモやトマートなど」…いえ、「幻のエビ!」よりは、はるかにエレガントだといえます。
俗には、当該箇所の地上を「徒歩で歩く歩行者」にインタビューし「(学生とも買い物客とも会社員ともつかない20代女性)えー、この下、空洞なんですかぁ?(知ってるー? というふうに連れと顔を見合わせる)」「(会社員ふうの40代男性)全然知らない、いや、全然(手も首も振りながら足早に立ち去る)」「(工学部っぽい10代男性)いきなり陥没しないといいな(そして、キミはなぜここにいる?)」などと語ってもらいつつ、それにひとつずつお答えしていく(「この下」→場所について詳しく、「全然知らない」→関係者も十分には知らなかった、「陥没」→安全性に問題はない)という構成にすることもまた、わかりやすくお伝えするための方略の一つでしょう。「見てください、このトンネル!!」…いえ、それよりはおかたく、上述のように「幻」とはいいつつも手堅くまとめている、という点では、やはりNHKはきちんとNHKだなと、思わせられます。
欲をいえば、「東京の地下鉄建設の歴史に詳しいナントカ機構の○○研究員」に、工事誌がズラリと並んだ書棚を背景に語ってもらいたく、そして、成田スカイアクセス線と北千葉道路、ほくほく線、山間部の主要地方道のトンネル化など、網羅的にまとめてほしいところです。欲ばりでしょうか。ここまでの一連の内容で、わかりやすい映像にするには、25分の枠が必要となるでしょう。「クローズアップ現代」な案件ですね、わかります。あるいは、18時台の「首都圏」で月曜から木曜までかけて、「4回に分けて『シリーズ』でお伝え」しないといけません、たぶん。
※そして、この件で「文書主義」を云々しようなどとは、だいぶ気の早い話なのでしょう。それでも云々してしまおうというのが、このフォーラムの位置づけであり、目指すところであります。
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