フォーラム - neorail.jp R16
発行:2016/1/15
更新:2020/8/26

[3162]

「幕張新都心と呼ばれている地域」を読み解く外一式


「容積率200%・建ぺい率60%」の「準工業地域」
「おちょこ」で稼ぐ『劇空間』
やわらかい形であたまをほぐす
「仰角10度」の『壁』
壁の色と「イザヨイ島の人」
建築音響の専門家が温熱環境を学ぶとき

(約27000字)

 [3160]の補足です。

 10日にNHKでも報じられていました。他社(NHKは「社」ではありませんが、いえいえいえ、『中の人』は「カイシャ」と呼ぶらしいです[3086])とはタイミングがずれており、何らかの「独自の取材!」に基づくのかどうかは、ニュースだけからは何ともわかりません。

・NHK「幕張新駅目指し測量調査へ」(2016年1月10日 6時47分)
 http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20160110/4921091.html

 > 千葉県などは(略)今月から測量調査を始めることにしています。

 > 幕張新都心と呼ばれている地域

 > 新しい駅は、費用を地元が負担する形で建設が想定されていて、千葉県は、千葉市や習志野市、それに周辺で大型商業施設を展開する「イオンモール」と新たな組織を立ち上げ、今月から駅の建設予定地の測量調査を開始します。
 > 新駅設置を検討する組織は、駅の規模や必要な事業費などについても検討し、ことし秋に、調査結果をまとめる予定です。
 > 幕張新都心には、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの会場となる「幕張メッセ」があり、今後、観光客などの増加も見込まれることから千葉県などは、新駅設置を検討するための調査を急ぎたいとしています。

 おおー、年度をまたがって夏までに一種「納品」され、精査のあと秋に発表するんですね、と早合点されました。新駅に一種「注文」をつけるなら、いまが最大のチャンスです。みなさまこぞって注文をつけましょう。そして、「No problem!」をバーンと指差しながら、カップクよくゴキゲンに一種「取捨選択!」してみせる『余裕!』のソレを、プロには一種「演じて」もらいたいなぁ、と思われます。(あくまで期待は個人です。)

・Google Earth 「新駅予定」北側の半径1km圏(東側から俯瞰)
 https://goo.gl/maps/MtPBtpF2EWA2

※「新駅予定」の中心から「袖ケ浦東近隣公園」の中心までが直線距離でちょうど1kmでございます。

・Google ストリートビュー 「習志野市境」付近(千葉市美浜区)
 https://goo.gl/maps/z8wPnFZcyaw

・Google ストリートビュー 「千葉市境」付近(習志野市)
 https://goo.gl/maps/nC8pa81s7AH2

 「相手の意見を否定しないのがブレストだ」といって相手を否定するようなソレはソレとして、千葉市それに習志野市としては、「北口」がきちんと整備され、既成の住宅地にも新駅の便益が行きわたるようにする大きな役割がありますが、しかし、住民のニーズを子細に拾おうというのは、予算的にも人員的にもかなり厳しいのではないかと思われます。市民が自ら「ネットで発信!」すれば、そのあたり「ゼロ円調査!」といって、ヨロコバレルと思います。(住民が個別に「1万字くらい!」の自称『要望書』…を「撮影した画像」を送りつけるようなソレや、ましてや「コピペ」された『要望書』が何人もの名義で送りつけられるようなソレは歓迎されません、の意。)

※いくら市民でも、素人が「ああしろこうしろ」と命令調でいうのは「注文」とはいえません。また、市民でありつつ(受注を逃した)プロがアトグサレするのもアレなことです。なかなかバランスが難しいとは感じますが、ふだん考えていない人が「白紙から」パッと思いついたものというのは、それなりに新鮮なのではないかなぁ、と想像してみます。事例を勉強し過ぎると独創性は失われます、たぶん。

・個人の日記「ブレインストーミングが陥る罠 失敗するブレストの7パターン」(2013年12月15日)
 http://d.hatena.ne.jp/shi3z/20131215/1387116305

※学校で「議論のしかた(よりよい学級活動を目指して)」的なタイトルの「副読本」は配られつつ、それっきり、副読本の内容にこどごとく反するような議事進行しか(学校にいるうちに)経験したことがないと、会社に入ってから「これからはブレストの時代だ!」と、渋谷○○だとか○○総合のほうからきました的な人にカッコヨクいわれましても、はあ、そういうものですかと、うわべでしか理解できないのではないかと想像されます。

・文部科学省「「中学生熟議」の流れと指導のポイント・留意点」(2011年11月24日)
 http://www.mext.go.jp/jukugi/archive/jhs.pdf

・茨城県教育研修センター 教職教育課「話合い活動の充実を目指して」(2015年8月10日)
 http://www.center.ibk.ed.jp/?action=common_download_main&upload_id=416

 > 発達段階に即した指導の目安
 > 導く段階(低学年)
 > 人の話を最後までしっかり聞く。
 > ゆだねる段階(高学年)
 > 少数意見を尊重しながら採決をできるだけ避けて話合いをする。

 > 教師がすべきこと
 > 聞く態度やマナーの指導
 > 話合いを深める助言

※議論そのものをおもしろいと感じるようにならなくては本物ではなく(「ジンギスカンは本物」[2948])、興味がないまま「深めましょう」などというと「えー、まだ終わんないの?」となってしまうでしょう。興味を持たせようと「ゲーム感覚」にすると、「ポイントを稼ぐだけ(義務的な所定の役割は果たした、あとはどうでもいい)の児童・生徒」や、「競争や勝負だと思って他者より優位に立とうとする児童・生徒」が出てくるでしょう。学校でも6年かかってやっと身につくかつかないかといったところで(「平均点は65点!(ただし正規分布とする)」[3046],[3061])、これを会社に入ってから数か月で…などと、到底できるものじゃあないですよねぇ。

 「幕張新都心と呼ばれている地域」は、微妙に不正確で、公的には千葉県企業庁の土地だけを指して幕張新都心と呼ぶもので、さらに本件は「拡大地区(豊砂地区)」に限っての話でありつつ、新駅そのものは、過去に企業庁がJRに譲渡した土地などを使って設置されると見込まれます。きわめて正確には「千葉県などが幕張新都心と呼ぶ地域の一部と、隣接する地区、あわせて○○平方メートルです」などとなりそうですが、このニュースでは不要なくらいの細かさですね、わかります。実際には、周辺の地区もなんとなく含めて、「国道14号線より海側は幕張新都心(浜田川横水路を含む※)」という呼ばれかたをされていると思います。ただ、そのように呼ぶのは誰かが決めたことではなく、公的なものではないので、かくして「幕張新都心と呼ばれている地域」と受身形で表現されることがうかがわれます。

※浜田川横水路の水面は国のもので、護岸は「港湾」扱いだとか。

 「新駅設置を検討する組織」「新駅設置を検討するための調査」というのは、「調査会」などという一種「前代未聞!」で「真っ白!」なソレ(行政上の位置づけが不明で、NHKとしては固有名詞では報じることができない?)をよく表しているともいえましょう。すべて千葉県がハンドリングし、千葉県が「イオンモール」から一種「聴取」するという体裁であれば、主語はすべて千葉県になるところです。


★「容積率200%・建ぺい率60%」の「準工業地域」


[3160]
 > 1階は公開の広場だとかなんとか、2階はなくて(!)、『中2階』(人の背丈に満たず窓もない)が機械室(!)、3階のレベルは「スカイウェイ」だと(いって延べ床面積から除外され)、そして、3階の一部と4階(!)が『駅ビル』なんだというような、

 > 北側が自社の敷地内(ほとんどが京葉車両センター、高層マンションでいえば敷地内の駐車場にあたります)ですから、『斜線』もOKなのではないかといってみます。本当でしょうか。

 > 当該の土地の「高さ制限」が不明ですが、「銚子丸」さんが5階建てですから、そういうソレのはずです。

 きちんと千葉市の都市計画図を参照しましたところ、2015年3月の時点では「準工業地域」で、「容積率200%・建ぺい率60%」のハンコがバーンと押されて…いえ、表示されてあります。このままでは、新駅の「駅前」はほとんど『何でもあり』の雑多な土地利用になってしまいかねません。

 それがイイ! という、例えばカラオケやギャンブル、お酒など大好きなかたもいらっしゃるでしょうけれども、この地区でそれが期待されているかといえば、されていないだろうと思われます。時速50キロで運転するドライバーの目に入るところに、種々雑多な欲求を喚起するような店や看板があってはなりません。

・日経BP「0%ノンアルコールビール戦争! 大手4社の製品を飲み比べ」(2009年9月5日)
 http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20090902/1028546/?P=2

 > 「世界初」の0.00%を掲げて先行したキリンは、高速道路のサービスエリアなどで積極的な販売促進を展開。ドライバーや妊娠中の女性など飲みたくても飲めなかったシーンでの飲用に加え、アルコールが苦手な人が宴会で飲む、スポーツをするときやランチタイムに飲むなど、幅広い需要を掘り起こすことに成功した。

 そんな、メッソウもございません。製造ミスでうっかりわずかなアルコール分が含まれてしまうことがゼッタイにないと保証されているのかよくわからない(飲む側にあってハンドリングできない)飲料をおいそれと(一種『乗務』の直前直後などに)飲んではイケマセン。そして、欲求を思い出させるという意味では、いくら『ノンアルコール』といっても、SAやPAで提供するのは好ましいことではありません。

※やだなぁ、お酒へのリスペクトが足りないじゃないですかぁ…などと『素』で言ってみようかと思います。(とはいえ見解は個人です。まだ社会的には結論の出ていない議論だと感じます。)

 仮に新駅の設置が確定していく最中には、「良好な都市環境」を目指すべく、しかるべき「都市計画の変更手続き」がなされてほしいと望まれましょう。


★「おちょこ」で稼ぐ『劇空間』


・はまれぽ「ハマスタの観客席はなぜ勾配が急で間隔が狭いの?」(2011年5月30日)
 http://hamarepo.com/story.php?page_no=1&story_id=238

 > 一般の建物も建築基準法に沿っていろいろと取り決めがあるが、ハマスタは横浜公園の中に立てられているため、都市公園法という法律が関わってくる。この法律では、公園内に建てられる建造物の建ぺい率を規定していて、あれ以上大きくできない事情があるのだ。

 > その部分をクリアし、かつ集客数も考慮してできた今のスタジアムは、地上部分から外に反るように――つまり、おちょこ型に広がっている。これは建ぺい率が地上部分の面積で測られるためだ。

 でも、「横浜公園の中」でアルコール類が提供されているんですよねぇ。規制がチグハグな感じがしないでもありません。もっぱらプロ野球で使われる球場(「魅せる」ための球場=一種『劇場』に近い、の意)を建てるにあたって「公園ではない」とみなして、安全なこう配にするといった「全体を見渡した規制」というものが、本来はなされたほうがよろしいのではないでしょうか。

・むさし野深大寺窯「盃 らくやきコース」(600円)ほか
 http://jindaijigama.com/rakuyaki/pricelist.html#h05
 http://jindaijigama.com/rakuyaki/p02html/p0202html/p0201ho201.html

 > コークスを燃料とした手作りの楽焼窯は気象条件や焼成のタイミングによって焼き上がりが異なります。また、生地や柄も一つ一つ手作りのためすべて一品物となります。

 それがイイ! といいつつ、渋い作品群の中から最もモダンな箸置きを選びます。どことなく「ボーカロイドの人」っぽい配色ですね、わかります!

・横浜スタジアム「フード・ショップ 売り子」
 https://www.yokohama-stadium.co.jp/foods-shop/assistant/

・「劇空間プロ野球 1999」(2000年9月7日)
 http://www.amazon.co.jp/dp/B000069SX1

 とはいえ、「建ぺい率」をクリアする『必勝テク!』のようなものが得られたといって小躍りしてみましょう。

[3159],[3160]
 > 『駅ビルなど商業施設用地として約5000平方メートルをJR側に引き渡し』
 > 「駅舎設置に向けた約3000平方メートルの用地」

 5,000平方メートルの敷地では、3,000平方メートルまで、3,000平方メートルの土地では、1,800平方メートルまで、「おちょこ」の底面積を確保できると一種『打算』されます。(あくまで打算です。のっけから「おちょこ」を想定してはイケマセン。)

 3,000平方メートルといって、その実、約54.8×54.8mの正方形から、3×1000mまで、周囲の長さのとり方には「10倍以上」の幅があることが知られています([3160]※)。さらに、長方形でない形状も考えますと、半径が約30.9mの円も考えられ、この場合、円周は97mで、正方形との間でも「2倍以上」の開きがあり、円から細長い長方形まででは、周囲の長さが「20倍以上」も変わってくることになり、驚かれます。

※ひとつ前の自分の投稿を引いて『知られています』などと…イケマセンねぇ。

・日本経済新聞「子供に説明できる? 「円の面積の公式」の証明」(2015年2月3日)
 http://www.nikkei.com/article/DGXMZO82245510S5A120C1000000/

 もっとも、極端に細長い建築では強度が云々といって、じゃあ「巻けば」いいんですね、と早合点されます。といっても、それでは「建物内の壁」になってしまい、「ここは床」「ここは床でない」という領域を渦巻き状に配置するなどという『方便』は通用せず、「ぜんぶ床でしょ」とみなされるわけです。


★やわらかい形であたまをほぐす


 こう、その、なんといいましょうか、幕張新都心はどこまで行ってもカクカクと区画が四角く、さらに一種「お堅い」建物が多いことも相まって、ことごとく建物まで四角いんですよねぇ。(幕張新都心を「遠く」や「上」から見る分には、ツインタワーのてっぺんが丸っこいなど、いろいろ工夫はされていますが、足元の来街者にはそんな上のほうは見えません。)

 幕張新都心で最も「丸い」建物といえば、「富士通ドームシアター」ですね。

・「IMAX」
 https://ja.wikipedia.org/wiki/IMAX

※現在は「営業」はしていないとのことです。

・「映像現場訪問記 富士通ドームシアター」映像情報メディア学会誌(1998年)
 http://ci.nii.ac.jp/els/110003692376.pdf?id=ART0004579882&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1452775797&cp=

 > 液晶シャッタゴーグル
 > 音響もすごいぞ!
 > 映写室にも侵入

※用字用語を含めて「時代」を感じさせられます。「現在の水準」で比較するのはフェアではありませんが、絶対値のようなものとしては、明らかに「はまれぽ」のほうが「記述のレヴェルが高い!」といえましょう。本当でしょうか。

・Google ストリートビュー 「富士通」バス停付近
 https://goo.gl/maps/d59mp4EApHm

 区画も、周囲の建物も、全体的に四角いため、ひとつ丸い建物があったくらいでは印象が緩和されないことがわかります。

・Google ストリートビュー 旧「海外職業訓練協力センター」(旧OVTA幕張)
 https://goo.gl/maps/Gu1dceuet1R2

 開発時期の異なる住宅地区などを除いて、総合的に「四角くない」と感じさせられるのは、旧「OVTA幕張」のあたりでしょうか。

 道路の自然な曲線(※)、建物の角度、エントランスのデザインなどがあいまって、建物の上層部はまぎれもなく四角いものの、歩行者やドライバーの目線において、ふっと視線が休まる、気楽さがあるように思われま