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(約5000字)
[3227]で〔2報〕を公開しました。
取り急ぎ読みました。可能な範囲で予習はしていたつもりでしたが、なんのなんの、まったく勉強不足であることが痛感されました。…いたたた。
・東京圏における今後の都市鉄道のあり方に関する小委員会「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について(案)」(2016年4月7日)
http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/tetsudo01_sg_000253.html
http://www.mlit.go.jp/common/001126948.pdf
> 9ページ
> 概ね15年後(2030年(平成42年)頃)を念頭に置いた東京圏の都市鉄道のあり方について定量的な検討を行うために、2030年(平成42年)の鉄道輸送需要について需要推計を行った。なお、需要推計モデル等の詳細については、テクニカルレポートとしてまとめ、後日公表するものとする。
> 夜間人口、従業人口等の想定を基に、概ね既存の鉄道ネットワーク及び運行サービスを前提として2030年(平成42年)時点における需要推計を行った結果、
> この場合、2030年(平成42年)において、例えば第18号答申及び交通政策基本計画において定められた、ピーク時における主要31区間の平均混雑率を150%とする目標の達成も困難であると推計される。
> また、大手町駅、豊洲駅、東京駅、渋谷駅、新横浜駅等、駅利用者数が今後大幅に増加すると推計される駅も存在する。
> 図3 鉄道利用による各地域から東京都区部への流入交通量の推計値
「この場合」がどの場合を指すのか、そうでない場合についてはどこに書いてあるのかと探しましたが、直前の「行った結果」しか見つけられませんでした。(私の)探しかたがいけないんだと思いまーす。
※以下、ページ番号は省略します。すべて上掲のPDFを参照するものです。
> 「(4)駅空間の質的進化〜次世代ステーションの創造〜」
「全角波線でどや」については[3181]を参照。英語で(も)考えたという「エレガント」な空気が漂ってきません。
> 複々線化、車両の長編成化等の混雑緩和の取組を推進すべきである。
すぐに達成される見込みのあるソレをわざと答申に盛り込んで、ほら、(期間内に)達成できたよーん、といって「(審議会としての)ポイントのようなもの」を「ゲットだぜっ!」的なアレが濃厚に疑われます。(「あざとい答申」[3058]で既に指摘している通りです。)
> (相互)直通運転の高度化に伴う運行サービスの分かりにくさについては、例えば列車の行き先表示を分かりやすくしたり、路線図を共通化したりする等、相互直通運転を行う鉄道事業者間で連携を図り、より一層きめ細やかな鉄道利用者への情報提供を図るべきである。
> また、近接しているにも関わらず、乗換えに時間を要する駅や駅名が異なるなど分かりにくい乗換駅の改善を図るとともに、線路別複々線区間における快速線と緩行線相互の乗換利便性の向上についても検討を行うべきである。
> さらに将来的には、ICTの進展を踏まえ、例えば改札内外で駅構内を仕切らない駅(ラッチフリーの駅)の実現可能性について検討するなど更なる利便性の向上に努めるものとする。
おお、2030年までの期間で具体的に「うらが黒いきっぷ」(磁気定期券を含む)が姿を消す見込みが出てきた(そのような改札の構想そのものは技報などで既報)ということですね、と早合点しました。とっても未来っぽいと思います。(答申はこうでなくちゃ、の意。)
※「うらもおもても白いきっぷの光学読み取り」については[3071],[3162]を参照。
※快速線と緩行線のソレについては「駅ナンバリング」に関連して[3225]で触れました。
> 「駅まちマネジメント」(駅マネ)の推進
> 個別駅ごとに、地方公共団体等の主導により、関係鉄道事業者や必要に応じて駅周辺の施設管理者が一堂に会して駅に係る課題を共有し調整を図る場(「駅まち会議」)を設置し、PDCAサイクルを実施しながら課題の解決を図ることが重要である。また、課題の共有やPDCAサイクルの実施に当たっては、各駅の様々な取組の進捗状況を「見える化」するため、指標を導入すべきである(「駅のカルテづくり」)。
レッツPDCA! パーッと…あきらめた!!([3089]ほか。)
言葉づかいがアレです。いま端的に、『ベストセラーの本にハッパされている感』で一種「くう疎!」だと思いまーす、の意。アカデミックなバックグラウンドをほとんど持たない委員の「大きな声」が疑われました。本当でしょうか&本当ならとってもよからぬことだと認識されたいと思いました。(『誰によって?』)
> 遅延対策について、鉄道事業者に対して更なる改善の取組を求めるとともに、鉄道利用者に対しても理解と協力を求めていくためには、まず遅延に関する適切な指標を設定し、遅延の現状と改善の状況を分かりやすく「見える化」することが特に重要である。
遅延の『無意味化』(旅客が遅延を気にしなくてよい状況:単純なシャトル運行など)を目指してはいかがかと、以前に[3120],[3187]あたりで述べた気がします。
> 折り返し設備の導入など線路設備の改良等のハード面の対策や、遅延発生時の迅速かつ的確な折り返し運転の実施、(相互)直通運転の中止等の運転整理等ソフト面の対策を実施すべきである。
折り返し運転と直通中止を同時に行なうからたいへんなんではないですか? 直通は何があっても中止せず、局所的な折り返し運転だけを行なえばいいんではないですか?(後でもっとしっかり考えてみます。恐縮です。)
> 地震動
地震に関するとらえかたが土木だけに留まっていることをたいへん心配します。([3224]も参照。)東日本大震災では、(東京に比べれば、ですが)列車そのものが少ないので十分な知見は得られていないと認識しないといけないと思われます。ワーストとして、例えば、▼御茶ノ水駅で、▼(耐震補強のおかげで)土木構造物はすべて無事でありながら、▼直下型の地震動によって車両が持ちあがり横転、▼神田川に転落、ということをどうすれば防げるか、という方向から考える=考えたくもないワーストですが考える、ということが期待されている(部外者が考えるわけにはいかない)ということです。
> 久喜駅での東武伊勢崎線と東北本線の相互直通運転化等の工夫により、さらに広域からの空港アクセス利便性の向上に資する取組についても検討が行われることを期待。
おお、北関東を忘れてはならぬ、ならぬぞっ! といって、忘れかけておりました。たいへん失礼をば。(「ぐんまちゃん」[3130]も参照。)
> (京葉線・りんかい線相互直通運転化)
> ・関係鉄道事業者等において、運賃収受方法の課題等について、解決に向けた検討が行われることを期待。
> ・関連する空港アクセス路線等が整備される場合は、その整備効果が広範囲に及ぶよう本事業との連携を期待。
「関連する空港アクセス路線等」といって東成田線や富里市([3183])が…気になります!(私が勝手に気になっているだけなので気にしないでくださいっ、の意。マコトに恐縮です。)
> 大鳥居までの整備については、軌間が異なる路線間の接続方法等の課題があり、さらなる検討が行われることを期待。
どう検討されることを念頭に置いての記述なのか、ちょっと想像しかねますが、何らかの仮の案くらいはあっての記述なのだろうと見受けます。(勝手に見受けます、の意。)
> 都心部・臨海地域地下鉄構想の新設及び同構想と常磐新線延伸の一体整備(臨海部〜銀座〜東京)
> ・東京駅付近において常磐新線と相互直通運転を行う。
おお、この路線がこれ以上、いっさい枝分かれや合流(=同じことですね)しない限りにおいては、とっても期待されます。「あまねくTX」([3105],[3011])も参照。東京駅を境に、あるいは秋葉原駅を境に、▼境界駅で延々と時間調整だとか、▼乗務員が交代だとか、▼指令室が別々だとか、そういうことがあってはなりません。
> 東京8号線(有楽町線)の延伸(豊洲〜住吉)
> 京葉線及び東西線の混雑の緩和。
東陽町駅の工事にいち早く着手ですかっ!? 南砂町駅の計画も変わるですかっ!?([3182]を参照。)
> 東京12号線(大江戸線)の延伸(光が丘〜大泉学園町〜東所沢)
> 多摩都市モノレールの延伸(上北台〜箱根ヶ崎、多摩センター〜八王子、多摩センター〜町田)
大江戸線の既設線の沿線としては混雑が激しくなる(延伸部からの流入を施設としてはさばける見通しがあっての計画だという理屈のはずですが、具体的な混雑率の見通しについては触れられていない、の意)、武蔵野線の沿線や八高線の沿線としては、アクセスとなるJR線がきちんと増発したり本数を維持したりしてくれるのかが気になる、といったところではないかと想像します。そして、青梅線としてはかなりの不便さを覚悟しないといけないのかもしれませんよ、といって、都賀のほう([3003])など見ながらおどかしてみます…ちょっとだけ。
> (京葉線の中央線方面延伸)
お、おぅ。
これ、総武線の接続線ともセットで事実上の「総武快速・京葉快速の新宿乗入れ」で、▼京葉線の各駅停車はぜんぶりんかい線に行くんだとか、▼越中島・潮見は武蔵野線だけ止まるとか、▼中央特快か青梅特快のどちらかは新宿止まりになるんではないかとか(新宿−東京−船橋間は、とりあえずは15両編成でまかない、将来的には総武快速も12両に短縮されるんではないか)とか、こう、バッサリと、線路は増えたが車両は減った(車両基地が増えるという計画がどこにもない、の意)的なことが想像されてきそうです。本当でしょうか。「編集部より鉄道に詳しいかた」にあって検討されたいなぁ、と思いました。(恐縮ですが、車両の配置数が頭に入っておりません。)
なお、運賃収受についての「奇さく!」は[3211]を参照。技術的にも制度的にもどうにでもできる(問題ない)種類のことで、実際に当事者がどう決めるか、ということだけが課題だということですね。
> 東海道貨物支線貨客併用化(品川・東京テレポート〜浜川崎〜桜木町)及び川崎アプローチ線の新設(浜川崎〜川崎新町〜川崎)
え゛ーっ!! そんなに乗り換えがおきらいですか。そうですか。
> 小田急多摩線の延伸(唐木田〜相模原〜上溝)
リニアですもの、当然です。
> 横浜環状鉄道の新設(日吉〜鶴見、中山〜二俣川〜東戸塚〜上大岡〜根岸〜元町・中華街)
元町・中華街−根岸間などは、いかにも、そういうのを待って、あえて手つかずで置かれた感があるなぁ、とは感じておりました。([3212]を参照。)
※イオン うそ つかない!!
> いずみ野線の延伸(湘南台〜倉見)
> まずはBRTを導入し将来的に中量軌道等に移行するなどの段階的な整備も視野に入れるべき。
やだなぁ、「相鉄のBRTを神奈中が運行するんですね、わかります!」的な図が想像されちゃったじゃないですかぁ。…うーん。
> 成田空港駅・空港第2ビル駅
> 二重改札の解消、空港機能拡張に対応した旅客動線の改良及びデザイン面の改善による利便性及び快適性の向上を期待。
「「暫定整備」による「JR成田空港線(土屋経由)」終了のお知らせ」だと早合点しております。([3183]を参照。)それ以外に、どうやって「二重改札」を解消するのか、ちょっと想像できませんでした。JR線の乗り入れを特急だけにするなんて…おお、それもいいかもしれないですね。代わりに京成線の普通電車が増発されれば、同じホームに短い間隔で普通電車がやってきて便利だと思いまーす。(マコトに勝手な想像で恐縮です。)
> 東武大宮駅の移設等による鉄道路線間の乗換改善や東西自由通路及び東口駅前広場の整備等による回遊性の向上が図られることを期待。
おお、おおー、おおみやー! 土木のソレ([3156])は、「東武大宮駅の移設等」だったんですね。といって、どのように移設されると何がどう改善されるのか、全然わかりません。
> なお、地方公共団体又は鉄道事業者からは、以下のプロジェクトについても提案があった。
> ・川口駅・鶴見駅におけるホーム新設(川口駅:埼玉県、鶴見駅:横浜市)
> ・東戸塚駅におけるホーム、コンコース等の混雑緩和(横浜市)
川口、鶴見とも、総武快速の市川のような追い越し設備が実現されるといいですね、と勝手に期待してみます。そして、東戸塚は、うーん、貨物線ホーム(仮)の用地が、単なる横須賀線ホームの拡幅で一種「浪費」されないといいなぁ、と心配します。
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