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パーソントリップ調査の話題ですが、東京圏からは離れます。
・[3003]
> パーソントリップ調査([2939])で「蚊帳の外」となっている北関東ですが、ここをきちんと含めて議論されるようになれば、必然的に宇都宮線や高崎線の「東京50km圏」への手当て([2910])も現実的な課題として認識されるようになっていくことでしょう。
その後に行なわれた貨物の流動調査では、「東京都市圏」というタイトルのまま、調査対象の地域が群馬・栃木(の一部)に拡大して行なわれたということです。
・「東京都市圏物資流動調査で見る物流拠点立地」(2014年4月)
http://www2.kaiyodai.ac.jp/~hyodo/JSTE_201404.pdf
> 第五回 東京都市圏物資流動調査の課題
> 今回調査は対象を,PT調査域を超え,群馬・栃木両県の一部にまで拡大している.
・千葉県「東京都市圏パーソントリップ調査・物資流動調査」(2014年11月19日)
http://www.pref.chiba.lg.jp/tokei/toukeidata/pa-sontorippu.html
・千葉県「第5回東京都市圏物資流動調査結果【速報版】の公表について」(2014年11月19日)
http://www.pref.chiba.lg.jp/tokei/press/2014/20141118.html
http://www.pref.chiba.lg.jp/tokei/press/2014/documents/sokuhouban6.pdf
旅客についての、つまり「東京圏」のパーソントリップ調査にも同地域が加えられることになっていくのかはわかりませんが(※)、群馬・栃木に限っての(旅客の)パーソントリップ調査が、いままさに行なわれているとのことです。
※(心理的でなく)空間的にかなりの距離があること、貨物と違って旅客の移動(トリップ)においては所要時間(移動を行なえる時間帯を含む)の制約がたいへん厳しいことから、とりあえず新幹線…いえ、新幹線でとりあえずビール…いえ、東武鉄道があるじゃないか(ええじゃないか)といって、国鉄…いえ、JRとしては在来線で特段の手当てをば、という話にはならないだろうということです、たぶん。東武鉄道にあっては、この地域では川のように、都心部で合流しつつ浅草に流れ込むというス…いえ、ツリー型の路線網(浅草をルート=根とするツリー構造)をしていますから、こっちをつつけばあっちが飛び出すという国鉄…いえ、JRのネットワーク型の路線網とは違って、シンプルに対策がとれようというものです、たぶん。
・ウィキペディア「木構造」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%A8%E6%A7%8B%E9%80%A0_%28%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E6%A7%8B%E9%80%A0%29
・ウィキペディア「ネットワーク・トポロジー」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%88%E3%83%9D%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%83%BC
・群馬県「パーソントリップ調査の実施について」
http://www.pref.gunma.jp/06/h5800259.html
> 人口減少局面でも持続可能なまちづくりを行うため、県と関係市町村では平成27年度に、検討の基礎データとなる「人の動き」の実態を把握する「パーソントリップ調査」を実施します。調査対象となる住民の皆様には10月下旬から11月中旬にかけて調査票が郵送されますので、届いた際には調査へのご協力をお願いします。
> パーソントリップ調査とは、日頃の生活の中で「どのような人が」「どのような目的で」「どこからどこへ」「どのような交通手段で」移動したかなど、「人の1日の動き」を調べるものです。調査結果からは、鉄道や自動車、徒歩といった各交通手段の利用割合や交通量などを求めることができ、総合的な都市交通計画の策定をはじめ、都市計画、交通計画、防災計画、福祉対策などのさまざまな分野で活用し、これからの住みやすいまちづくりのための貴重な情報となります。なお、ご回答頂いた内容は、調査の目的以外には活用せず、個人が特定されることはありませんのでご安心ください。
> JR両毛線、上毛電鉄、東武伊勢崎線を分断せずに広域的な移動手段を検討するため、群馬県(前橋市、高崎市、桐生市、伊勢崎市、太田市、館林市、渋川市、藤岡市、富岡市、安中市、みどり市、榛東村、吉岡町、下仁田町、甘楽町、玉村町、板倉町、明和町、千代田町、大泉町、邑楽町)と栃木県(足利市)の22市町村で調査を実施します。このうち、無作為に選ばれた世帯の満5歳以上の方が対象となります。
・群馬県「パーソントリップ調査」
http://www.kendoseibi.pref.gunma.jp/section/toshikeikaku/gunma-pt/index.html
http://www.kendoseibi.pref.gunma.jp/section/toshikeikaku/gunma-pt/kyogikai.html
> 将来における円滑な都市機能の確保など、今後のまちづくりの検討のための「パーソントリップ調査」を実施するにあたり、実施調査に係る調整等を行うため、学識経験者、交通事業者、国、市町村、県から組織される群馬県総合都市交通計画協議会を設置しています。
> 協議会の構成団体
> 早稲田大学 理工学術院 社会環境工学科 森本 章倫 教授
> 日本大学 理工学部 土木工学科 大沢 昌玄 准教授
> 東日本旅客鉄道株式会社 高崎支社
> 東武鉄道株式会社
> 上信電鉄株式会社
> 上毛電気鉄道株式会社
> わたらせ渓谷鐵道株式会社
> 一般社団法人 群馬県バス協会
> 東日本高速道路株式会社 関東支社 高崎管理事務所
> 国土交通省 都市局 都市計画課 都市計画調査室
> 国土交通省 国土技術政策総合研究所 都市研究部 都市施設研究室
> 国土交通省 関東地方整備局 企画部 広域計画課
> 国土交通省 関東地方整備局 建政部 都市整備課
> 国土交通省 関東地方整備局 道路部 道路計画第二課
> 国土交通省 関東地方整備局 高崎河川国道事務所
> 国土交通省 関東運輸局 企画観光部 交通企画課
> 国土交通省 関東運輸局 群馬運輸支局
> 前橋市
> 高崎市
> 桐生市
> 伊勢崎市
> 太田市
> 館林市
> 渋川市
> 藤岡市
> 富岡市
> 安中市
> みどり市
> 榛東村
> 吉岡町
> 下仁田町
> 甘楽町
> 玉村町
> 板倉町
> 明和町
> 千代田町
> 大泉町
> 邑楽町
> 足利市
> 栃木県 県土整備部
> 群馬県警察本部 交通部
> 群馬県 県土整備部
とのことで、自治体が自治体だけで実現性もよくわからないままやっている、などということはなく、しっかりした体制と位置づけをともなった調査であることがわかります。(端的には、調査結果を無視することは、少なくとも協議会の構成者にあっては通常ない、ということです。)
「学識経験者」については、プロフィールや研究テーマもみてみましょう。
・「早稲田大学 理工学術院 社会環境工学科 森本 章倫 教授」
http://www.waseda.jp/sem-morimoto/professor.html
> (財)道路経済研究所・第5回懸賞論文優秀作 平成5年6月
> 受賞題目:「道路ネットワークを考慮した適正容積率の設定に関する研究」
おおー、と驚たんしつつ(わたし的に)喜ばれます。目の前の道路の幅員は、それなりには周辺の道路網(ネットワーク)の様相を反映してはいましょうが、必ずしもすべてを反映しているという保証がなく、そこをもっと、こう、その、ダイレクトに損保…いえ、ネットワーク上の特性値をそのまま使いましょうよという、たいへんグラフ理論な話だと見受けられます。本当でしょうか。
・「日本大学 理工学部 土木工学科 大沢 昌玄 准教授」
http://133.43.106.35/~kishii/member/oosawa.htm
> 車(走り屋ではない、音楽を聴きながらドライブを楽しむほう)
> スキー(この体格と体重では、うまいほうだと思う)
> 旅(最近は、のんびり旅がよい)
> 料理(自分で作って自分で食べるのが好き)
> 買い物(アウトレット、デパート好き)
> 土地区画整理事業の歴史的変遷研究
> 都市計画人物伝
うーん、うーん…。東急の人や西武の人の伝記を書いて満足するようになっては研究者とは呼ばれなくなりそうですからお気を付けいただきたく、できれば「(電車の)まどのそとのシャソウ」([3101])の価値を定量評価して、計画や合意形成に活かす(何でも地下化しさえすればよいというものでない、の意)あたりを攻めていただけると嬉しいなぁ、などと勝手に期待されます。(恐縮です。)
群馬・栃木でのパーソントリップ調査について、たいへんご心配されているようすの方がいらっしゃることがうかがえます。この種の調査になじみがないと、まったくごもっともでございます。
・個人のブログ(2015年11月2日)
http://town.zaq.ne.jp/u/anatanoniki/mznju3b5yzi4h5
> 現在、抽出にあった家庭には、パーソントリップ調査なるものが送付さ
> れているのをご存じですか? その日の素行調査らしいのですが。
> 通勤などは通常の移動としてそんなに気にしないけれど、営業とか、
> 飲み会も含めて、人がどんな移動をしているかを調べる調査なので
> すね。鉄道を使って移動することが年に何回あるかとか、代表的な
> 移動の事例をかけとか。移動量、移動先からして、どういう交通整備を
> していけば良いか参考にするためにデータを取るのだそう。それでも、
> これ、調査の日が指定されており、やる気になれば記載した個人が特定
> できるだけに、まじめに書いていれば、プライベートな個人情報ばりばり
> 資料です。うーむ、やれば良いってものじゃないのじゃないかなと思えたり
> もしますねえ。第一名前がいけない。パーソントリップ? 家族全員の情報
> も書かせる資料が用意されてもいますしね、これってありなのでしょうか?
> その日の移動量調査 で何が悪いのか? 個人情報取りすぎではないのか?
> もう少し気遣った方がいいのじゃあないのか? 回覧板でもやってよねとい
> う周知がなされていましたっけ? どのくらいの頻度で、調査家庭が選ばれ
> ているのかな? もう少し匿名性に配慮した方がいいですよね。 パスワード
> や封書にはコードが記されていますから完全に個人特定してますね。
・個人の日記(2015年10月30日)
http://open.mixi.jp/user/13314670/diary/1947385626
> 今日、仕事が終わり帰宅したところ
> 郵便受けに厚手の封筒が入っていました。
> 時節柄マイナンバー通知でも届いたのかと思ったところが、
> よくよく見れば「パーソントリップ調査」とのこと。
> パーソントリップ調査とは聞きなれない言葉ですけど、
> 日常の生活行動のアンケート調査のようです。
> 調査主体は群馬県と栃木県。
> 該当80万世帯の中から20万世帯を無作為抽出して
> 調査用紙を送りつけているそうで、
> それに運悪く当たってしまったようです。
> 封筒の中にはボールペンが入っておりましたが、
> これは粗品というよりは
> 回答の筆記用具として使え、という意味なのでしょう。
> 調査協力のお礼はステーキ肉や米が別に用意してあるとのことですけど、
> 抽選でプレゼントというのがセコいですね。
> しかも当選人数が10名とか20名では当たる気がしません。
> お礼というなら回答者全員にステーキ肉くらい
> どーんとプレゼントするのが筋というものでしょう。
> さて、こんな調査に協力したものかどうか。
世帯ベースで、1/4(25%)を対象とする、全数調査に次いで大規模な(※)調査であるとわかります。
※大規模かどうかは、件数でなく、母集団に対するサンプル数の比率でみての話です。100人のムラ…いえ、30人のクラスで、全員に調査票を配れば大規模な全数調査、(30人のクラスでは通常、ないとは思いますが)15人だけに配れば50%のサンプリング(サンプル調査)、約8人だけに配れば25%です。
※自動改札機の通過データなどは、調査ではありませんが、調査でいえば全数調査にあたります。先ごろ行なわれました国勢調査は全数調査です。
なぜ世帯全員に回答いただくかというと、そこから「標準世帯」的なモデル化をしたり、世帯単位で下限や上限のようなものを持つと仮定しての平均的なトリップの最小単位のようなものを明らかにしたい([2965])からなのでしょう、たぶん。駅でバラバラにインタビューした、まったく他人同士の会社員と高校生と買い物客のデータでは、世帯のモデル化はできません。
※世帯において交通費の予算に上限があって、その範囲で、子どもの進学先を決めたり、休日に外出したり、夏休みに旅行したりするわけです。かといって、漠然とたずねると「夢や希望」が混じって回答されてしまいますから、具体的な日付を指定して、「この日にどんな移動をしましたか」とたずねるわけです。
・総務省統計局「標本調査とは?〜調査のしくみと設計〜」
http://www.stat.go.jp/teacher/c2hyohon.htm
全数調査に迫る規模のサンプル調査(標本調査)によって、世帯のモデル化ができたとしますと、後は世帯の収入状況や地価、家賃の相場など別の統計を使って、トリップ(移動、旅行)の発生(需要)を推定していくことが可能になるわけですね、わかります!
・群馬県「よくある質問」
http://www.kendoseibi.pref.gunma.jp/section/toshikeikaku/gunma-pt/qa.html
> 調査対象のご家族のみなさま全員の調査票ご記入頂きましたら、同封の返信用封筒でご投函ください。切手等は不要です。
> 返信用封筒の宛先は、お住まいの市役所・役場の担当課になっています。
パーソントリップ調査は、国勢調査、地価や物価の調査などとも並び、統計法に定められる手順や規則を順守して行なわれるものです。
・国土交通省「総合都市交通体系調査の実施方法」
http://www.mlit.go.jp/crd/tosiko/sougou/pdf/05.pdf
> 総務省に対する手続き
> パーソントリップ調査は、統計法(届出統計)、または統計報告調整法(承認統計)に基づき総務省への手続きが必要である。三大都市圏(東京都市圏、中京都市圏、京阪神都市圏)については、『承認統計』調査であり、その他都市圏については、『届出統計』調査として、運用されている。
> 承認統計である三大都市圏の調査については、国土交通省が総務省との協議を行うが、届出統計である地方都市圏の調査については、都道府県が総務省への届出を行う。
> パーソントリップ調査データを活用しやすい形に整備して、幅広く公表すること、データの存在を周知することが重要であるが、一方で、パーソントリップ調査データは、個人情報を含む調査データであり、特定の個人や企業の情報が漏洩することは絶対に避けなければならない。また、大都市圏においては承認統計調査、地方都市圏においては届出統計調査であるため、公開の方法等によっては、統計関係法令にも抵触する恐れがある(データの利用目的の制限など)ため、調査主体の責任において、データの貸し出しルールを定めて運用を行うべきである。
> パーソントリップ調査データは、さまざまな目的で有効活用可能であるが、都市交通の担当者以外には、必ずしも十分に知られているとはいいがたい。このため、データの存在、有効活用方法などをPRすることも重要である。
この「統計法」(※計算方法でなく、法律です)が、いかに厳しいものであるかは、みなさまご承知のことと思います(後述)。POSレジのデータなども、統計法に基いて収集され、物価の調査に使われているということです。
> 総合都市交通体系調査においては、人の1日の行動を調べる交通実態調査に加え、スクリーンライン調査などの補正のための調査や意識・意向を調べる調査、特定の施設において来訪者を対象に行う調査など種々の調査が実施される。以下、これらの調査を総称して「実態調査等」という。
> 調査対象範囲は、調査コストを決める重要な要素であることから、公共交通機関等の機関分担を考慮した都市交通計画を策定する上で必要となる最小限度の範囲に限定することが望ましい。
> 調査項目については、各都市圏における調査目的に合致した内容を精査して設定することとする。交通の分析を行うために必要な基礎的な調査項目はほぼ確立されており、各都市圏において必要に応じて項目を追加する形で調査が行われている。
> 調査項目の追加については、被調査者の負担増やこれによる調査精度の低下、回収率の悪化を招くおそれがあることから、その必要性について十分吟味した上で設定すべきである。
> この式よりrを逆算したものが統計上必要とされる標本率である。このrをもとに目標標本率(有効サンプル率)を設定し、有効回収率を見込んで最終的な抽出率を決定することとする。なお、近年大都市圏を中心に回収率が低下しており、統計上必要な標本数を確保できるよう回収率について十分な検討を行うことが重要である。
> 生成原単位は、前回調査がある場合にはその調査結果を用いるか、2.28(平成17年全国都市交通特性調査(都市調査)の全国平均値)を用いることとする。
> 少しでも回収率が高くなるよう、調査項目変更、調査票の工夫といった対応を行う他に、例えば、丁寧な広報、自治会への協力要請などの調査対象者への働きかけによる対応についても検討することが重要である。
> この他にも、様々な回収率向上方策が考えられる。これらの方策については、有効性が必ずしも検証されていないものの、各都市圏の調査において、調査精度に配慮しつつ、実験的な取り組みを積極的に実施することが望ましい。
> ・ 謝礼の進呈
> ・ 集合住宅へのポスティング調査、モニター調査等による不在世帯の多い地区への対応
> 回収率の低下に伴ってサンプルの属性の偏りが大きくなるなどの問題が発生する可能性が高まる。このため、回収されたサンプルの特性と母集団特性との差異を検証するとともに、慎重に拡大層区分を検討するなど、サンプルの偏りの影響の緩和に努めることが重要である。
> また、調査票配布時に粗品(ペンなど)を同封することで,回収率が向上する事例がこれまでにいくつか見られていることから、これらの方法を試行することが考えられる。
上掲ブログの方ご指摘の通りであります。▼サンプル数を確保すべく配布数を増やすと回収率が下がる、▼回収率を上げるべく不在宅にポスティングとすると広報や「丁寧な説明」が届かないまま調査票だけが届いてしまい不安がられる、▼「謝礼を進呈するのがいいらしい」と小耳に挟んでも予算上、難しく、「粗品」だと強弁してボールペンを同封しても粗品だとは思ってもらえない、などと、なんということでしょう! もはや何の脈絡もなく「ぐんまちゃん」のステッカーでも同封すればいいんではないでしょうか、などと無責任に言い放ってみたくなりますが、いえいえいえ、かように回収率向上のための作戦はことごとく裏目に出るということがわかります。
・レファレンス協同データベース「統計法違反で懲役刑が適用された過去の事例について調べたい。」(2013年11月19日)
http://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000140724
・日本経済新聞「愛知・東浦町人口水増し問題、県警が捜査 統計法違反の疑い」(2012年3月22日)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2201G_S2A320C1CC0000/
「統計法違反」だなんて、通常は『誰得』かという話であって(淡々と統計しさえすればよい業務の中で、また、統計法の対象となるような基礎的な統計であればあるほど、統計=データそのものが何かの利益に直結するということもほとんどなく、通常、違反しようとする動機がなかなか生まれないと考えられる、の意)、2012年にニュースになった時には、珍しいことがあるものだ、という印象を持ちました。そして、(統計上の)逸脱があればきちんと見抜かれるのが統計というものです。統計はウソを(一時的にはつけても最終的には)つけません。このこと自体が自明であることもまた、「統計法違反」を珍しいものだと印象づける方向に(わたし的に)はたらいたと記憶します(=当時)。
三大都市圏以外で行なわれるパーソントリップ調査に関して、情報の取り扱いを心配されるというのは、これまで、「届出統計」の統計法(改正前の旧法)でなく「承認統計」の統計報告調整法(現在は廃止)が適用されてきたという面からは一理あるとも思います。
※現在は統計法の改正により、いずれも統計法(新法)が適用されますが、手続きとしては、▼国による調査については総務省が審査・承認、▼調査を行なわない統計作成、自治体などが行なう公的な統計調査については総務省への通知や届出が必要とのことで、これまでと同様に取り扱いに差があります。
それでも、サンプルの偏りを少なくすることに「貢献してコミット!」([3103])するんだというつもりで、多少のご不満はあっても、ぜひ回答いただきたく思います。
そうしないと、例えば▼ほとんど移動しない高齢者世帯にサンプルが偏る、▼公共交通へのニーズが過小評価され、デマンドバスやタクシーのクーポン、コミュニティバス(小型バス)で足りると判断される、▼フタを開けてみれば小型バスが超満員で不満の声が殺到する、といったことが起きてしまいかねません。調査に基づいて施策を立案するということは、調査がしっかりと行えることが前提です。調査がうまくいかなかったといっても、調査結果に出てもいないことを恣意的に施策に盛り込むことは許されません。
道端でカチカチと、通行量を計るだけの簡単なお仕事…いえ、これも大事なお仕事ではありますが、仮に、特徴的な持ち物や服装(大きな楽器ケースを担いでいるとか礼服を着こんでいる等)をしていて、仕事の内容や目的地までわかってしまうような人が歩いて(あるいは走って)いても、それをデータとして使うことはできないのです。こうしたことは、あくまで調査票によって、本人や家族によって記入されない限り、いっさい、データとして使われることがないのです。
・総務省「統計の審査・調整」
http://www.soumu.go.jp/toukei_toukatsu/index/seido/8.htm
> 国の行政機関が統計調査を行う場合は、統計法の規定により、あらかじめ総務大臣の審査・承認を受ける必要があります。
> また、統計調査によらない基幹統計の作成や、地方公共団体や独立行政法人等が統計調査を行う場合にも総務省への通知や届出を行う必要があります。
・総務省「統計法について」
http://www.soumu.go.jp/toukei_toukatsu/index/seido/1-1n.htm
> 国の行政機関が行う統計調査については、調査間の重複を排除して被調査者の負担を軽減し、公的統計を体系的に整備する観点から、総務大臣が統計調査の審査・調整を行います(第9条〜第11条、第19条〜第21条)。
> 統計調査は、統計の作成を目的として、個人や法人などに対し事実の報告を求める調査です。国の行政機関が行う統計調査は、「基幹統計」を作成するために行われる「基幹統計調査」と、 それ以外の「一般統計調査」とに分けられます。なお、統計調査には、意見・意識など、事実に該当しない項目を調査する世論調査などは含まれません。
> 未遂も含めて2年以下の懲役又は100万円以下の罰金
> 未遂も含めて2年以下の懲役又は100万円以下の罰金
データの営利的な流用などよりも、被調査者の秘密の保護、公的統計制度に対する公共の信用を確保するための「かたり調査」の禁止において、より重い刑を定めているとわかります。
※むしろ、統計法ほどの法規制がおよばない巨大ECサイト(A社やR社)のデータや、交通系ICカード(特にP…と呼ばれるカード)の利用履歴データのほうが、心配されます。しかし本題ではありませんので、ここでは述べません。
・個人のブログ「一律500円でお許しを」(2006年12月9日)
http://tht.sblo.jp/article/2094704.html
・「積極的に貢献していくことをコミット」
http://www1.jp.dell.com/content/topics/segtopic.aspx/commitment/contribution?c=jp&l=ja&s=corp
・「積極的にコミットすると決めた」「貢献しているのに心が折れてしまう」
http://thinkit.co.jp/story/2015/04/14/5709
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