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Googleの「AIによる概要」で誤った内容が表示される事象について
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(約5000字)
・[3076]
> ※「運転時刻表制定制度」は原文ママですが「運転時刻表制定速度」の誤記でしょう。
ウィキペディアに記述のある「運転時刻表制定速度」という名称ですが、Googleでフレーズ検索しても、公的な資料(鉄道会社や官公庁、国会会議録など、あるいは民間の出版物)がいっさい出てきません。アーグルトン([2932])のような「わざと混ぜたウソ」なんでしょうか。
・インプレス「リアル民明書房? 出典に記載される出版社の実在が確認できず、Wikipediaで話題に」(2015年7月2日)
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/yajiuma/20150702_709784.html
この話と似ていて、ないものをないと証明するのは、本当に並大抵ではありません。
履歴を見ますと、2003年11月16日の版(ほぼ初版)では「表定速度」だけで「評定速度」という記述はなく、当然ながらページ名も「表定速度」で作成されたところから始まります。しかし、同じ日のうちに「もしくは評定速度」という記述と「一般的に、データを分析する事を「評定」と云うのが正しいが、その結果を一覧表にしてデータとして使用していることから「表定」という表記が定着している。」とする、筆者自身が迷っているかのような記述が追加されています。
2011年10月9日の版で突如「運転時刻表制定速度」が正式名称だとする記述が匿名のユーザーによって追記されていますが、ページ内では完全に「浮いている」格好で、ページ全体を見渡しての編集ではなかったことがうかがえます。その後の議論では、降ってわいた「運転時刻表制定速度」に関しては、なぜか話題になっていないようです。
2011年12月15日の版で、日本民営鉄道協会のページが出典として(このページでは初めて明示された出典として)追加され、2012年1月5日の版で「もしくは評定速度」の箇所が削除され、(文面での表面的な)矛盾が解消されています。
いえ、(背景がわからない以上は最大限に信用するとして)きっと昔の紙の資料で、国会図書館には納められないようなもの(部内資料、運転規則、業界団体の印刷物など)には、確かに正式名称が書かれていたのでしょう、と信じます。一般向けにも、見学会や博物館などで、口頭では正式名称に言及されていたのかもしれません。
しかし、孫引きでも「ひ孫引き」でもいいからそれを引用している資料が何かないかと探しても、オンラインではどうにも見つけられません。古書店で鉄道雑誌のバックナンバーを漁れば、出てくるでしょうか。でも、それはちょっと論文では挙げづらいですよねぇ。(東急線の「ATC」[2941]も参照。)
※鉄道工学の教科書([2289])で「正式名称」が言及されていたか、記憶にございません。その上、手元に本がなく(=いえいえ、売り払ってはいません。どこかに紛れているはずです=)確かめられません。どなたか、確認いただけませんでしょうか。そして、その暁にはついでに、ウィキペディアに「出典」を追記いただけるとありがたく…欲ばりですね、わかります。そして、すみません。
・[2289]
> ※天野光三他「第2版 図説 鉄道工学」丸善、2001年。工学部向けの教科書ですが、一般でも「ミニ鉄道事典」として十分役立つ平易な解説がなされています。図が多いのもわかりやすくて◎。3,600円。
想像ですが、口頭で「ヒョーテイソクド」「ヒョーテイソクド」としか聞かされずに(座学で文字として目にする機会もなく、あるいは目にしていても記憶に残らず)育てられてきた人々が、(後に立場が上がって)いざ文字にすることを迫られたときに、思い思いの漢字で表記した結果が「評定速度」(さらには「法定速度」などとの混同:自分より「上」で決まっていることを、すべて同列に考える≒法令と社内規則を意識して分けては考えない:考える前に守れと言われて育てられた=それ自体は大事で必要なこと)なのでしょう。
何かを書くときには、辞書(「ことばてん」、そこになければ「もじてん」も)や事典(「ことてん」)、業界のハンドブックなどをきちんと引けることが求められますが、そうしたことが求められるということすら知らない(教わる機会すらない)まま何かを書くことを迫られる、一種、職域を越えた何かのようなものも、(昔は)あったのかもしれません。
…とはいえ、いま一度、ウィキペディアを参照してみます。
・ウィキペディア「ダイヤグラム」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0
> 運行図表ともいう
> 線の形がダイヤに見えるからダイヤと呼ばれているは誤認識である
> 列車運行図表は鉄道ダイヤ情報などの鉄道雑誌に掲載されているほか、業務用の実物も各鉄道会社のイベント、鉄道趣味用品店やインターネットオークションなどで多く出回っており、比較的入手は容易である
ダイヤ(運行図表)を秘匿して、「秘匿したから安全」などと言い放つような時代や社会にならないとも限りませんが、それは限りなく望まれません。
> ダイヤの規模を測定する指標
> 列車の走行距離をすべて合計した列車キロ
> 列車キロにさらに使用する車両数を掛けて車両キロも算出され、これが使用する車両数を検討する根拠となる。
> 運転される時間を合計して計算したものはトレインアワー、カーアワーと呼ばれる。トレインアワーは、乗務員の拘束時間が計算できるため、必要となる乗務員数を検討する根拠となっている。
さすがに、筆者の多そうな項目では、しっかり記述されていますね。教科書に書いてあったのと、ほとんど同じことが書いてあるように感じます。(うろ覚えですが。)指標と、その用途まで明記されていて、好感が持てます。
> 所要時間については、車両性能や制限速度に基づき地点ごとの速度を表した運転曲線(ランカーブ)から基準運転時分を定め、そこに余裕時分を加えて決めている。
・富井規雄「ワンポイント基礎知識 運転曲線と列車ダイヤ」鉄道総合技術研究所(RTRI)(2005年)
http://bunken.rtri.or.jp/PDF/cdroms1/0004/2005/20000405050501.pdf
ウィキペディアの記述は、このあたりの説明そのまま、ともいえますが、この説明も教科書そのまま、あるいは同じ著者が教科書も書いてます的な狭い何かもあって、まあ、実質的に問題ないわけですが、できればウィキペディアでは「雑学本」の類でなく、鉄道工学の教科書を参考に挙げたほうが、より信頼性が高まりましょう。
・Amazon「鉄道とコンピュータ (情報フロンティアシリーズ) 単行本 – 1998/2」のカスタマーレビュー
http://www.amazon.co.jp/dp/4320028384
> 鉄道関係の計算機プログラムの動作原理を知りたいと思って購入しました。
> ダイヤの作成等が非常にコンピュータ化が難しいことは聞き及んでいましたが、ここに書かれていることは聞き及んでいた範囲を出ません。
> 実際にコンピュータを導入しているわけですから、難しい問題にどうアプローチしたのかもっと具体的かつ詳細に書いて欲しかったです。
> まるで計算機の初心者に評論家かジャーナリストが書いたような内容でがっかりしました。
※「座席予約、列車ダイヤの作成、列車の運行管理など、鉄道とコンピュータとのかかわりについて、それぞれの分野ごとに、システム開発の歴史と将来の見通しについて解説する。」としている本書ですから、実務的な内容を期待するのは無謀というものです。あとは技報なり論文なりを(場合によっては協会の会員になって=会員社の社員になってから仕事の上で)読めば済む、とされているのでしょう。それでは部外者が勉強できなくて困ります。(現に困っています。)その点での不満には同感ですが、とはいえ、何かスバラシイ知見が秘蔵、秘伝されているというわけでもなさそうで、単に「文書主義」(書いて残す、書いたものは必ず公開する)や研究開発をオープンに進める文化(メーカーや電話会社、それにIT関連企業のような)がない、ということに尽きるのではないかとみられます。本当でしょうか。
いま、これまた想像ですが、「運転時刻表制定速度」なるものは、<正式に>はどこにもなく(いつの時代にも<正式に>はあったことがなく)、<正式でなく>(乗務員や指令員などの間で)口頭で「運転時刻表に定められた速度」といった(これまた微妙に不正確な)表現があり、これをやむなく文書化するときに「○○に定められた××」を意図して「○○制定××」(「○○型××」[2643]も参照)と表記してしまう(ありもしない専門用語をアドホックに造ってしまう)人が(たまたま)いた、ということなのかもしれません。ひらがなの助詞を適切に運用する能力という意味での日本語運用能力が問われるケースといえましょう。本当でしょうか。
そして、仮にそうした用語を<正式に>造るとして、「制定」を辞書で引けば、およそ運転時刻表や速度に対して用いる語ではない(重すぎる[2643])ことに気づいたはずです。逆にいえば、そうしたことがわからないからこそ「○○制定××」と表記してしまうということでもあり、どうにも防ぎようがありません。
さらに、間違っていようとも、(現場で)通用してしまえば、それはれっきとした(現場での)専門用語であり、後の時代に、ちょっとキレイな事典を(例えば日本民営鉄道協会が)まとめようとすれば、もともとの語の成り立ちは把握の上で、あえて説明文に入れず、(何かの略でなく)あたかも最初から「表定速度」なる用語があったかのような位置づけを貫徹することになる(そうしないと、過去の大センパイ方の拙くもアツイ仕事にケチをつけることになる?)とみられます。もっと本当でしょうか。(あくまで想像です。)
・「制定」
http://ejje.weblio.jp/content/%E5%88%B6%E5%AE%9A
・国土地理院 子どものページ「2万5千分1地形図の読み方・使い方:送電線」
http://www.gsi.go.jp/KIDS/map-sign-tizukigou-h07-02-01soudensen.htm
・「地形図のオンライン提供始まる 国土地理院 省略された送電線記号など "復活"」(2012年8月21日)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/33225
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/33225?page=2
・富士通研究所「暗号化したまま検索が可能な秘匿検索技術を開発 16,000文字の検索を1秒で実現しゲノム研究など機密データの検索に応用可能」(2014年1月15日)
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2014/01/15.html
・日立評論「安全なビッグデータ分析をクラウド上で実現する秘匿分析技術」(2014年7月)
http://www.hitachihyoron.com/jp/pdf/2014/07_08/2014_07_08_05.pdf
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