フォーラム - neorail.jp R16
発行:2017/7/8
更新:2019/4/2

[3506]

【どうなる京成線】

【65km/h】小湊鉄道線を読み解く(プロパルジョン編)【パブリカあり】


小湊鉄道に新型車両を納められる気動車メーカーはあるか(談)
「統括制御」とはにわを知りたい(談)
千葉駅(1963年)で「パブリカ」を愛でる(談)

(約17000字)

 この一連の記事では、これまでもっぱら趣味的・郷土史的に語られることの多かった小湊鉄道線について、地元・市原市の現在の視点に沿って、技術的に読み解くことを目指します。

 プロパルジョン編([3506])では、車齢が40年を超えた「キハ200形気動車」の後継となる車両について、多角的に予想を試みます。補助金による由利高原鉄道の車両更新(3両)の事例に着目しながらも、14両の車両の更新ひいては増発が期待される小湊鉄道線における効率的な車両調達のあり方を探ります。

 運用編([3505])では、現行の車両・人員の状況も踏まえながら、地元・市原市で必要とされる輸送を担う平日ダイヤを読み解きます。五井駅のほかに留置線を持たない小湊鉄道線で、車両がどのように運用されているのか、早朝時間帯の仕業に着目しながら、上総牛久駅における夜間滞泊の実情を探ります。

 線路編([3504])では、YouTubeに投稿された映像およびGoogleストリートビューの画像その他を参照し、小湊鉄道線の下り方向について、曲線区間の速度制限や信号の状況を立体的に読み解くことを目指します。また、1995年に導入されたATSについて概観するとともに、風速計の設置状況についても確認していきます。

 施設編([3503])では、開業した年代が近い長野電鉄それに上信電鉄と比較しながら、仮に小湊鉄道線が電化される場合に予想される施設配置や改良等について概観します。また、2019年に当面の免許の期限を迎える京成千原線の海士有木延伸に関連して、小湊鉄道線の施設が共用される可能性について探ります。


 まずは今般の気動車に関する話題でございます。

・日本経済新聞「川重、鉄道車両の生産能力3割増 国内で更新需要」(2017年6月26日)
 http://www.nikkei.com/article/DGXLZO18087870V20C17A6TJC000/

 > 国内での車両更新需要に対応し、ハイブリッド式のディーゼル車両の製造を本格化する

 > 造船部門の不振でリストラを進める坂出工場(香川県坂出市)の設備や人員の活用も検討する。

 > 川重は18年以降、国内の鉄道事業者による車両更新の需要が高まるとみている。

 2018年以降に、小湊鉄道の車両も狙えるんではございませんでしょうか&メッソウでございました。

 JRや(国が出資する)3セクは外国からも調達しないとアレ([2999]ほか)だといって、私鉄の需要を狙おうというのは自然な流れですよね。(あくまで一般的な想像です。)

・ウィキペディア「新潟トランシス」
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E6%BD%9F%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%82%B9

 > 石川島播磨重工業が70%出資するなどし、新潟トランシスが設立(従業員などもそのまま引き継ぐ)。さらに富士重工業(現・SUBARU)が鉄道車両の設計・製造から撤退した為、その鉄道車両製造部門も引き継いだ。

 > 第三セクター鉄道向け軽快気動車では独占的シェアを誇る。これは、同社がこの分野においてシェアを二分していた新潟鐵工所と富士重工業の両社から鉄道車両部門を統合する形で引き継いだためである。富士重工業は新潟トランシスへ鉄道事業を継承する際に設計図などを譲渡、設備・部品等を売却し、アフターサービス等を委託するとともに、業務履行の為に社員を出向させている。

 いつかどこかで「レールバス」みたいなのが導入されかけた線区(カイシャ)はこぞって新潟トランシスさんとの何かが(かなり長いスパンを経ながら)続けられているということです。芝山鉄道が「小型軽量電車」でなく『普通電車』([3183])になったのはよかったですよねぇ&そっちですかっ。(※恐縮です。)

・鹿島臨海鉄道「大洗鹿島線「新型車両8000形」の導入について」より「別紙」(2016年1月15日)
 http://www.rintetsu.co.jp/archives/10133
 http://www.rintetsu.co.jp/wp-content/uploads/2016/01/f2ed76a448d42a5c8cd847348c0daa83.pdf

 (操縦の免許の都合上)運転士の世代交代などと(社内で)タイミングが合わないと、いま、まったくの気動車(※電気式でないばかりか、後から電気式への改造を狙えそうなハイブリッド式でもない)を新製してしまうということになることがわかります。「標高が高い」([3501])ならいざ知らず、平たいところを淡々と走る限りにおいて、ハイブリッド式の車両の特性や性能に不安があるというわけではないはずで、導入費用には補助金の設定も可能ではないかとみられながらなお、そうした外部の状況より、社内の(雇用の)状況こそが(カイシャにとっては)最大の決定要因であることがうかがわれてきます。

 本来、運転士というのは神経をすり減らす業務であり、漫然と同じ線区を運転し続けて30年のベテランただちに安心とはまったくいえないのでございます(※)。そんな業務はどんどん若い者に任せて、注意が散漫になってきた者(…ギクッ)としては、負担の少ない…じゃなくて、年齢に見合った落ち着きのある業務(※賃金は下がることもございます)を要望してこそ、カイシャが活きるのではないんでしょうかねぇ。(※あくまで私見ではございます。)

※(従業員が)同じ業務をしていさえおれば(本人が)安心という、そんなことが鉄道の運転士にあっては困ります、の意。ひいては、線区の状況に変化がないのでミスが起きない(⇔そのようにするために変化させない=追い越し設備の新設や最高速度の引き上げなどが人的要因で阻まれる)ということを、本人の力量だと思いこまれては慢心そのものでございます。「十分な線路見学」([3419])も参照。

※だからといって、そば屋に配置転換を迫られるというのも、たいへんつらいことではございます。

・そば屋のイメージです
 http://isumi.rail.shop-pro.jp/?eid=2461

 > 国鉄時代やJR初期に見られた、「やりたくない感満載」の走らせてやってる、乗せてやってるというイメージが先に来てイライラするのですが、それは55歳の私にとってイライラするということであって、40代の人たちからしてみたら、子供のころに見た懐かしい列車の貴重な姿ということなのです。
 > 「へ〜、そうなんだ。」

 (法定の)年金は出してあげるからじぶんで何とかしなさいという、そういう「じぶんで考えなさい」ということが迫られなかった(=代わりの職場を用意「してあげる」ものだ)というのがおかしかったのではないかと…ゲフンゲフン。そして、ここまでの世代のかたは、(比ゆ的に極端には)人生で一度たりとも「じぶんで考えなさい」とはいわれずに育ってきているのです。個人を責めることはできません。背景にどのような社会情勢、教育(カリキュラム)、カイシャの制度などがあったのか、1つ1つ追わないまま、目先のひとの印象だけを述べることは、厳に慎まなくてはなりません。

・きょうはここで日刊ゲンダイの見解をご覧いただきます付近
 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/133616/1

・ウィキペディア「K重工」付近のイメージです