フォーラム - neorail.jp R16
発行:2017/2/25
更新:2018/1/8

[3421]

【発電もなか】いま問う「電車特定区間」のココロ(後編)


【千代田線ほか】「電車特定区間」を国会会議録で読み解くココロミ(試)
(続)国会会議録で「電車特定区間」からの「ある程度共通的な料金制度」(1971年5月)付近
(続々)国会会議録で「電車特定区間」からの「一万円札ははなはだしい」(1971年7月)付近
(続続々)国会会議録「私鉄の同一区間」「企業別に適正原価主義」「斉合性」(1972年4月)付近
(新)国会会議録「公共食掛」からの「シーズンオフ割引」「通勤地獄」「総合交通体系」付近(1972年4月)
(新々)国会会議録「専用線」からの「貨物線」「ATS」付近(1972年4月)
(新新々)国会会議録「成田新幹線」と「南武線」付近(1972年4月)からの東海道新幹線「若返り工事」(1976年)
【阿倍野だんご本舗】Googleで国会会議録を検索するココロミ(試)【発電もなか】
【大阪市内(新加美駅を除く)】「◎印の駅」を「MARS」で読み解く(磁)【神戸市内(道場駅を除く)】

(約40000字)

 前編([3424])、中編([3426])の続きです。


 [3419]の補足として、「電車特定区間」(1984年4月)をあらためて読み解くことを試みます。この一連の記事としては、「(趣味誌やウィキペディアなど)みんながそういっているがでどころがよくわからない『鉄識』」([3107])を脱するべく、一次資料(や、それに準じるもの)をじぶんで参照して、間違ってもいいですからじぶんで理屈を考えてみるということを目指します。※たぶん、鉄道にはまったく詳しくないわたし、たわし的に(≒はでに、ひどく)間違えると思いますから、この一連の記事をうのみになさらぬようオネガイシマス。(恐縮です。)

 前編([3424])では、東京よりもシンプルな大阪の「電車特定区間」を読み解きながら、東京と大阪に共通する「電車特定区間」設定の理屈(条件や根拠)を探ります。特に片町線(学研都市線)に着目し、東京の京葉線との比較を試みます。

 中編([3426])では、新幹線の駅と県庁所在地、それに貨物線を除く複々線化区間という観点から「電車特定区間」に迫ります。また、東京都および千葉県における「電車特定区間」について、「大島空港」「調布飛行場」「千葉県庁立体駐車場」を含めて深めます。

 後編([3421])では、主に1970年ごろの国会会議録を検索し、現在の「電車特定区間」の設定につながる事案や議論などの発掘を試みます。また、現在のJRが定める「旅客営業規則」から「特定都区市内にある駅」「中心駅」などの項目にも注目しながら、「電車特定区間」が、鉄道事業者と利用者の間での便宜的な取り決め(約款)に過ぎないことを再確認します。

 この一連の記事では、「電車特定区間」について理解することはさることながら、興に任せての…いえ、Googleストリートビューの画像やYouTubeの映像も参照して臨場感を高めながら、「電車特定区間」の全域にわたって具体的なイメージを持つことを目指します。


☆【千代田線ほか】「電車特定区間」を国会会議録で読み解くココロミ(試)


 さて、国会会議録というものがあるじゃないのん@なんてこったい。(恐縮です。)

 図書館に備えられたデータベース! さっそく「電車特定区間」といって検索してがっかりしたフレッシュなキミよ、あきらめるなかれですぞ! 「電車特定区間」というものは、それより前から議論されていたことの集大成もしくは追認としての制度(料金体系)なのですよ。つくばエクスプレスについて調べたければ「常磐新線」ひいては「第2常磐線」で検索だっ。わあぃ検索けんさくぅ。…メッソウではございますが、そういう、「電車特定区間」に対する「第2常磐線」みたいなの(キーワード)は何かといって、うーん。仮には「国電」あたりですかねぇ。…わあぃヒットひっとぉ。(恐縮です。)※以下、運輸委員会だけ見ていきます。もっと恐縮です。

・国会会議録「第11号 昭和46年5月7日」(1971年5月)

 http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/065/1290/06505071290011a.html

 > ○国務大臣(橋本登美三郎君) (略)企業体が一つであるか、もしくは運賃制度が一つであるか。これは、一つならば問題はなかったわけですが、一つは運賃制度が違うと。(略)私鉄から地下鉄を乗り入れて、たとえば京浜なら京浜急行というものが押上まで行くわけですね。それから京成――そこまでやっぱり地下鉄が乗り入れをしておる。(略)国鉄は一応この国鉄の運賃表で、東京都内のいわゆる国電と称するものですかね、山手線とか中央線とかというものを、地下鉄のいわゆる運賃制度とは別個に切り離して料金制度をきめておる。(略)現行制度は加算制度をとっておるということが大きな原因だろうと思うのです。 > (略)もしどうしても、自分のほうは原価計算から見てやはり地下鉄の定期券の金額でもって計算をしなければ困ると、こういうことになれば、それだけ国鉄が、国鉄として売った定期券の中からやはり支払わなければならぬ、(略)全体の国鉄の収入の上から見ればそう大きな問題ではないかもしれませんけれども、その金の問題よりも、(略)運賃制度の問題をどう考えるかということがまず頭にきておる。ここだけの問題ではなく、ほかにもそういう問題が、もしそうなればこういうことがほかにも出てくると、こういう問題があるわけなんです。
 > (略)いま直ちにこれを実行できるかどうかは別にしましても、(略)この東京二十三区内といいますかあるいは地下鉄の及ぶ範囲内において共通する場合、これを共通料金といいますかね、そういうものをひとつ将来は考えなければ、(略)もっと簡単な、(略)もっと計算のしいいような状態をつくらないと利用者にも迷惑をかけるということにもなりますから、(略)
 > (略)西日暮里のほうは非常に簡単に乗りかえができる。一方の北千住の場合ですと、おそらく二分とか三分以上かかるでしょう。その上に上野でまた長いホームを乗りかえる。たいへん不便じゃないか。そうなれば、いわゆる混雑度も少ないのだから、西日暮里で乗りかえさしてもらう。しかしながら、(略)いわゆる地下鉄を通る通らぬはそちらのほうで解決してもらいたいという使用者の考え方も無理はないと思います。そちらのほうでそういうふうにした、そのほうが流れがよくなるわけですから、考えてもらいたい、こういう問題は、利用者側の意見も、まあ気持ちとしてわからぬわけではありませんけれども、現在のいわゆる料金制度の問題、及び従来からとってきました処理方針から見ますと、料金加算制というやり方をとってきたということが、しかもその金額が(略)一カ月何百円という相違が出てくることは、はなはだ迷惑千万、がまんのしようがない。しかも乗りかえが、幾らか西日暮里のほうが簡単かもしれませんが、いずれにせよ乗りかえが一ぺんあるのですから、そういう点においては迷惑千万だという意見もよくわかります。(略)

※頭にきておる:筆頭、優先の議題になっている。迷惑千万:じぶんではどうにもできないことで不快になったり困ったりするようす。

 > ○説明員(伊江朝雄君) (略)乗りかえの便宜という面から、構造的に、現在、快速電車がとまってないところについても乗りかえ設備をつくったらどうかという御質問だろうと思いますが、その構造的な問題の前に、今回、常磐線の輸送力の増強のために複々線にして、そしてだんだん外延化いたしますところの通勤者の需要の増というものをまかなう方法として考えましたのが、緩行線の運営のしかたとそれから直通快速線のスピードアップ、こういう輸送のパターンを位置づけるための線増工事であったわけであります。したがいまして、(略)どの駅からも乗りかえが自由に快速線も緩行線もできるというふうな立場は、実はこの輸送の増強の趣旨からは出てまいらない。それから一方、構造的な面から申しますと、御承知のとおりあそこはずっと高架でございまして、初めからそういう輸送力増強のパターンを、姿を描いてつくりました構造になっておりますものですから、(略)緩行線からも乗りかえるというふうな設備には実は構造的にはできなくなっている、こういう姿でございます。そこで、輸送力増強の立場から踏まえましたこの線増工事でございますが、確かに(略)金町あるいは亀有の方々は、国鉄線を利用される限りにおいては北千住での乗りかえの御不便というのはあるかと思います。しかし全体の、つまり松戸以遠のお客さまにつきましては、非常に大きな輸送力増のプラスの効果を私どもは実現できておるというふうに考えますし、現に快速線それから緩行線も含めまして昨年の状態から輸送改善いたしました今日では、実に輸送力的には五割の輸送力の増強になっておると、こういうことでございますので、常磐線を全線ながめて見ました場合の輸送力の増と、それから利用される方々の便宜という大きな最大公約数にはこたえているというふうに実は考えているわけでございます。

※「緩行線の運営のしかたとそれから直通快速線のスピードアップ」は会議録の原文ママですが「▼緩行線の運営のしかたと▼直通、▼快速線のスピードアップ」の3項目を挙げている答弁ですね、わかります。

 > ○説明員(伊江朝雄君) お客さまをわざわざ不便にするような設備は――私どもは乏しい財源の中からたいへんな大きな金を投じまして輸送力増強をした設備でございますので、全体のために輸送力を増強して混雑緩和ということをはかるのが最大の使命と考えているわけでございますけれども、そのために、(略)近間の者は不便させてもよろしいかというのは、あまりにもちょっと私は端的な御質問じゃないかと、まあ恐縮でございますけれども、そう申し上げざるを得ないと思います。
 > (略)都市がだんだん輸送が高層的になってまいりますと、やはり平面での乗りかえという設備は都内どこを見ましても実はないわけでございます。ほとんど立体化しているわけでございます。そういうふうなことでございまして、乗りかえの設備にどういうふうな便利な乗りかえ設備をつくるかというのは、確かに御指摘のとおりの私は課題であろうかと思いますが、現に、(略)先ほど北千住ではエスカレーターがないんだというふうな御指摘でございますけれども、現在ございまして、多少、なるほど三分と申しましても、ホームに上がります場合のエスカレーターの待ち時間などを加えますとあるいは四分、長くて五分というようなこともあろうかと思いますが、一応乗りかえの便宜のためにはエスカレーターをつけて皆さまに利便を与える、こういう感じでおりますし、今後ともそういうふうな設備を考えてまいりたいと、かように存ずるわけでございます。

※近間の者:東京からあまり離れていない地域の旅客。
※あまりにも端的な御質問じゃないか:あまりにも鉄道事業を理解せずに目先の不満だけを述べた発言ではないか。

 エスカレーターと乗り換え(「乗換上下移動時間」と「乗換水平移動時間」)については[2911],[3003],[3047],[3272]も参照。


☆(続)国会会議録で「電車特定区間」からの「ある程度共通的な料金制度」(1971年5月)付近


・同「第18号 昭和46年5月12日」(1971年5月)
 http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/065/0290/06505120290018a.html

 > ○橋本国務大臣 常磐線の問題、皆さんにたいへん御心配をかけて、まことに恐縮に存ずる次第であります。
 > (略)国鉄の運賃のきめ方は一キロから五キロまでという単位であります。それから営団地下鉄は、一キロ幾らという計算をしておりますから、したがって、一キロ乗っても国鉄は五キロ分を払わなければならぬ。地下鉄のほうは一キロ一キロでありますから違うわけであります。そういうことからして、常磐線だけでなくあらゆる例を持ってこいということで、あらゆる例を持ち出しましてやってみると、たとえは中野から船橋までを国電で通うということになりますと、国電のほうでは四千数百円取られます。ところが、最近地下鉄ができて乗り入れをしておりますが、それで船橋まで距離が短くなるわけでありますけれども、それで参りますと約三千円足らずであります。二千数百円です。地下鉄がべらぼうに安くなるのですね。どういうわけでそうなるのか。距離が少し短い点もありますけれども、それだけではなくて、要するに、運賃制度がいま松本さんがおっしゃったように、大都市というものは通勤圏といいますか、一つの通勤範囲内であるから、企業体が変わっても運賃制度が共通点があれば、こういうことは出てこないのですね。
 > いま、われわれ政府といいますか、運輸大臣として考えますと、問題は、料金のあり方もさることながら、大都市交通圏における旅客の流れをいかにして順調にさせるかということが、地下鉄をつくり、認可し、あるいは私鉄の乗り入れを認め、あるいは国鉄の複々線をつくっておるところの最大の理由であります。お客さんを円滑に運ぶ。その結果生まれてくるところの障害は何かというと、いまのように運賃制度が各企業体でばらばらである。これは日本が特殊な事情にあるわけであって、ロンドンでありますと、大体ああいう交通機関が国営企業で統一されておりますから、その点ではそういうことは比較的に少ないのでありますけれども、日本では、私鉄あるいは営団あるいは国鉄、こういうように分かれておりますために、たとえば、御承知のように名古屋から豊橋まで、これは通勤線であります。全く同じところを走っておる通勤線でありながら、国鉄は一カ月の定期が七千三百円、それに対して私鉄の名鉄が通っているのですが、これが五千円、こういう違いが出てきている。問題は、ああいう場合はたしてこれを通勤線とみなすかどうかという問題もありますけれども、少なくともある地域の、大都会の地域内においては共通運賃というものがあっていいんじゃないかということを、この会議で私は強調をした。ただ、いまは実際法律改正なりいろいろの問題がありますからして、いまこれを実行することはむずかしいということでありますが、しかし、何とかして現在においてもこの制度を変える方法はないだろうかということでやってみたんですが、いま直ちにこれが実現することはむずかしいという結論に達しました。
 > そこで、私からは関係当局、いわゆる鉄監局並びに国鉄に向かって、大臣はこういう考え方を持っておる。すなわち、ある通勤区域というものは共通運賃といいますか、金額の上で一キロあるいは一キロから五キロというような考え方じゃなく、もちろん通過する駅も利用者にまかせる。原則としてあまり違わない三角地帯のようなものはどう通ってもいいだろう。ただ問題は、どこを通ってもいいということになると、実は再三申しましたように、乗客のほうでも尋常に押えていくということができなくなりますので、広範囲にはできない。どこにもここにもそれをやりますと、私鉄にしても国鉄にしても地下鉄にしても、どういう乗客さばきをしていいかわからない、こうなりますから、全体的にはどこを通ってもいいというわけにはいきますまいけれども、あまり距離の違わないところについては共通的なものを認める。大きな都市圏の通勤に関しては、これを共通運賃、しかし、これでどこでも乗れるというのではなくして、ある程度共通的な料金制度を考えるということを検討する。
 > (略)実際上からいえば通勤範囲が広くなってまいりましたから、昔であれば複々線というものは、いわゆる旧東京というものを中心としたものを考えておった。いまでは御承知のように、複々線というものは中距離といいますか、相当長距離まで、たとえば今度は千葉まで複々線ができ上がる、あるいは常磐線も将来は水戸もしくは仙台まで複々線にする、あるいは中央線も相当距離まで複々線ができ上がるということになりますと(略)

※乗客を尋常に押えていく:旅客の混雑や滞留が限度内に収まるようにする。

 > 常磐線も将来は水戸もしくは仙台まで複々線にする、あるいは中央線も相当距離まで複々線ができ上がる
 > 常磐線も将来は水戸もしくは仙台まで複々線にする、あるいは中央線も相当距離まで複々線ができ上がる

 えーっ!! …きっと、複線の交流電化の急行線と非電化の複線の貨物線といったような、東京近郊でいう複々線化とは異なる趣が想像されそうでした。本当でしょうか。

※1967年には既に東北新幹線を含む構想が出されており、仙台というのは新幹線のことであろう(⇒「東北本線の複々線化としての東北新幹線」であろう)との理解にございます。水戸から東京へ通勤といって「ビジネス特急」が云々というのは、160km/hを念頭にした交流電化([3108])とともに、もっと早い時期の話ではなかったでしたっけ。…常磐線の全線電化は1967年8月とのことでございます。おお、4年前に全線電化されたばかりの常磐線をさらに水戸まで複々線化ですと? まったく「鼻息が荒い」とはこのことだよ@ちゃんと知ってるよ。(違)いえいえいえ、だからこそ緩行線は取手まで引かれているんですね、わかります! なお、常磐快速線の15両化は1987年12月で、国鉄時代に着手されたソレが民営化後に完成したものの一例でございます。そして、常磐新線としてのソレによって、1971年の視点でいえば取手(守谷)−土浦(つくば)間の線増をしたような実質の効果が出ていると見ることができましょう([2828])。

 > ○**(*)委員 (略)夜おそくなりますと綾瀬がどういうことになるかというと、十五分から二十分間隔になる。それはどういうわけかというと、車庫へ入ってしまうのです。これは夜になれば車庫に入れるのはあたりまえだと言えばそれまでですが、下りの人があのホームで二十分から三十分待たなければならないということになっておる。(略)
 > それから、これはこの間も行って見てきましたけれども、三駅の放送です。電車が入ってくるから白線の内側へお下がりください、これはどこの駅でもやっています。テープです。ところが、そのテープを聞いていますと、下り線が来るのか上り線が来るのかさっぱりわからないのですよ。そんなサービスの悪いのをおっぽっておいてはいけないと思うのです。やはりそういうところは、鉄監局長が営団へ直せと言うのが私は当然だと思うのです。私は二十八日に行ったときにそれを指摘してきました。至急直すべきだ、わかりました、こういう返事なんです。私ゆうべ電話をかけて確認してみた。依然として直ってない、こういう状態です。ほんとうに乗客を無視している扱いだ、こう言わざるを得ないのです。
 > いろいろありますけれども、原岡常務、ひとつ聞いてもらいたいのは、国鉄の京浜東北あるいは山手、こういうようなものが二十日以降、カラー電車といって国鉄では評判にしていたのがだいぶ狂ってきました。色がめちゃめちゃになってきた。どこへ行くのだかさっぱりわからないということになる。おまけに、現在の国鉄は一番前に行き先の表示板がついているだけです。それを見はぐったらあとは放送にたよる以外にない。列車の横っ腹にはどこどこ行きと書いてあるでしょう。差しかえて入れるようになっているでしょう。列車は青森行きだとか、盛岡行きだとか、一本の列車だって前のほうが盛岡で後のほうが青森、こうなった列車が走っています。あの式に国電でも、山手はいいですけれども、やはり京浜東北はやらなければいかぬと思う。薄田で終わるのか、あるいはまた桜木町まで行くのか、あるいは洋光台まで行くのか、この辺のところが前の掲示板を見ない限りさっぱりわからない。それを見はぐったら、どこに持って行かれるかさっぱりわからない。夜になれば特に本数が少なくなるのですから、この点も私は至急改善をすべきじゃないか、こう思うのです。

※テープ:⇒自動放送装置。

 > 電車が入ってくるから白線の内側へお下がりください、これはどこの駅でもやっています。テープです。ところが、そのテープを聞いていますと、下り線が来るのか上り線が来るのかさっぱりわからないのですよ。
 > 電車が入ってくるから白線の内側へお下がりください、これはどこの駅でもやっています。テープです。ところが、そのテープを聞いていますと、下り線が来るのか上り線が来るのかさっぱりわからないのですよ。

※どこの駅でも:(このたび開業した区間の)どこの駅でも⇒綾瀬−北千住間の全駅で。

 この時代の人は、自動でしゃべる機械はぜんぶ『テープ!』といいますんで…ゲフンゲフン。この時点での営団地下鉄の駅の自動放送がテープであったのか、ICであったのか、ひいては磁気ドラムであったのかなど、いまのところ確認できません。しかし、綾瀬−北千住間の開業は1971年4月ですから、最初からICを使用した「新しく新開発!」の「音声ファイル装置」(大阪万博1970年からの1971年「成田駅」[3208])が綾瀬−北千住間に備えられたとみるのが最も自然だとは思いました。そして、「音声ファイル装置」の収録内容がわずか2週間で修正できるわけがないでしょ&ROMの容量がタイトだじぇ★。…いえいえいえ、開業直後の装置は「試行中!」のソレで、仮のものだったのではないんですかねぇ。すぐに本式のソレと取り替えることが決まっていたので「すぐ直します!」的な回答がなされたのではないんでしょうかねぇ。(まったく想像です。)

※なお、桜木町−洋光台間の開業は前年の1970年3月17日で、大船までの延伸は1973年4月9日にございます。「湘南日野駅」については[3413],[3412],[3411]を参照。そういう、できたばかりの「洋光台駅」を「ちゃんと知ってるよ☆」アピールしながら…おお、神奈川県庁の最寄り駅は根岸線の関内駅であります。

・Google ストリートビュー 「県庁前交差点」付近および地下
 https://goo.gl/maps/DQ9ArWJcWgM2
 https://goo.gl/maps/LhrjtYDakP72


☆(続々)国会会議録で「電車特定区間」からの「一万円札ははなはだしい」(1971年7月)付近


・(たぶん再掲)国会会議録「第1号 昭和46年7月23日」(1971年7月)
 http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/066/0304/06607230304001a.html

 > ○**小委員
 > (略)東京の国電の区間で券売機ばかりある駅があったそうです。そういう駅があるのかどうか私も調べてませんが、いまはないのでしょうね。券売機ばかりあるというか、人間が切符を売らない駅があるそうでありますが、夜十時過ぎると売店はしまってしまう。そうすると、一万円札ははなはだしいけれども、たとえば百円玉でもおつりが出ない券売機ならば、両がえするところがないというのですよ。どうしたらいいんだろうという投書が一ぺんありましたね。

※一万円札ははなはだしい:甚だしい⇒一万円札というのは極端な例だが。

 変な時間帯にいきなり1万円札しかないよといって…そういうひとは本当は公用車…じゃなくて、タクシーに乗るんでは、ないんですかねぇ。本当に電車に乗るんでしょうか@このまえ乗ったもん☆のりかた知ってるよ([3302])。なお、「四谷スタジオ」([3396])…じゃなくて、通称「四谷かい談」については[3111]を参照。

 > ○磯崎説明員 (略)いままで幹線はほとんど全部自動信号になりましたので、これはもう自動信号の扱いとして自動的に動いて、応急非常時のときにだけ人間がいればいいというふうにだんだん変わりつつあります。大部分の幹線は自動信号に変わりつつある。問題は、むしろ幹線とローカル線の中間のような準幹線、そういうところについては、自動信号にするには少し金がかかってもったいないけれども、しかし人は減らしたい、ことに運転扱いの人を減らしたいということで、(略)CTC、これは端的に申しますと駅長と助役を減らす方式であります。
 > たとえば、いま水戸線はたしかCTCになっていたと思います。水郡線は輸送力がもう一段低いものですから、これは結局リモートコントロールで、いずれCTC方式になっていく。いまおっしゃった併合運転は、あまりいい感心したやり方ではございません。深夜とか何かはやっておりますけれども、お客さまや荷物があるのに運転方式のために列車の運転本数を減らすということは、これは全く本末転倒でございますので、輸送力の必要なところについては、やはりそういう近代化された運転方式というものをとっていくのが一番いいんじゃないかということで(略)現在進んでおるわけでございます。非常にいま過渡期でもって全国ばらばらでございますけれども、方向としてはそういう方向で、やはり運転要員、いわゆる乗務員でない運転要員を減らすということが、一番問題だというふうに考えております。

[2856]も参照。

・同「第2号 昭和46年10月26日」(1971年10月)
 http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/067/1290/06710261290002a.html

 > ○政府委員(野村一彦君) 浜松町の、御指摘のバスターミナルでございますが、(略)バスターミナルの収入が非常に低い、そうして非常に収支も悪いということは御指摘のとおりでございます。私ども、率直に言いまして、浜松町のバスターミナルというものは、設立当初におきましては、非常に交通の要所でございますし、ほかとの連絡、都内の各交通の結節点との連絡、国電との連絡、そういう面から見て非常に地の利を得ておって、バスターミナルとしての何といいますか、効用が非常に高いという評価をしておったわけでございますが、現実は(略)御指摘のような状況でございまして、バスターミナルとしての機能というものは、これは期待したとおりの機能を十分果たしていないという点は、残念ながら御指摘のとおりでございます。ただ、今後私どもは、都内におけるバス路線の再編成とか、いろいろな指導をしていかなければなりませんので、せっかくこういうふうに多額の建設資金を使ってできましたターミナルの有効利用については、さらに研究をいたしたいと思います。 > しかしながら、浜松町のバスターミナルにつきましては、ほかの貿易センタービル等として建物の大部分はそういう方面に利用されておるということは、バスターミナル本来から見ますと奇異の感が持たれるわけでございますけれども、バスターミナル事業の支障の有無という点からだけ見ますと、バスターミナルとしての事業は支障なく行なわれているということで、私ども、好ましい先例とは思いません、将来こういうようなものはやはり十分検討すべきものだと思いますけれども、現状においては、これはやむを得ない措置ではなかろうかと思います。

 やーいバスタはままつちょー([3209])。(メッソウではございました。)…それだけむずかしいということはわかります([3382])。浜松町駅前のデッキなどについては[3289]を参照。


☆(続続々)国会会議録「私鉄の同一区間」「企業別に適正原価主義」「斉合性」(1972年4月)付近


・同「第15号 昭和47年4月19日」(1972年4月)