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「場内信号機 作り方」「信号機に名前をつける機能」とは


発行:2015/8/31
更新:2021/11/3

[3108]

【車両とサービスの協調設計(co-design)】

「車両限界と建築限界」を読み解く(後編) 在来線「裾絞り車体」の開発から普及まで


「国電」にも車両基地の問題
私鉄・地下鉄における「車両の大型化」
「青ガエル」のテープにみる「普及」
表 国鉄(JR)在来線における「裾絞り車体」の普及(ウィキペディアなどによる)

(約12000字)

 「車両限界と建築限界」を読み解くと題し、前編([3107])では、日比谷線の「車両限界と建築限界」が、これまでどのように扱われてきたのかを、資料から(想像で補う部分もありますが)まとめました。

 後編([3108])では、(戦後の)国鉄の在来線における車両の開発の歴史をひも解き、近年JRでいう「幅広車両」、国鉄でいう「裾絞り車体」の普及の経緯を追ってみます。


 近年JRでいう「幅広車両」(2950mmのソレ)は、「混雑緩和の切り札!」という前評判(≒広報)とともに導入が進められてきています。

・「JRのE233、E231などの最近の車両は車幅が…」(2013年7月4日)
 http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12109759377

 > 特急車両は、1957年から、裾を絞り、上方も絞った車体を試用しているし(電車で2946mm巾)、急行型も1958年から裾を絞った車体(2900mm巾)を使っている。実際の車両限界は3000mmまであるので、211系から2950mm車体がつくられるようになり、そのサイズが通勤型にも普及した。

 > どこかの電車区(車庫)の設備が幅広車両の対応してなくて、隣の車両に接触する危険が有った

 > 混雑の緩和の為に幅広車体を採用

 車両の歴史に不勉強で恐縮です。いま、簡易に調べてみましょう。(誰でも同じことがインターネットを使っていますぐ調べられます。スバラシイ時代になったといってヨロコバレます。)

 そしてこちら、表にまとめてございます…といって、いきなり表でございます。(いろいろと端折って、恐縮です。)

■表 国鉄(JR)在来線における「裾絞り車体」の普及(ウィキペディアなどによる)

1956年151系直流特急形電車の開発
(1956年の東海道本線の全線電化にあわせ計画、
1958年11月に営業運転を開始
〜1964年9月まで「こだま」として運転)
1957年101系直流通勤形電車(〜電動車の製造は1966年まで)
※裾絞り車体ではありません
1958年153系直流急行形電車(〜1962年)
1959年6月1日称号規程改正(昭和34年5月30日総裁達第237号)
1960年常磐線に401系交直流電車の量産先行試作車
(1961年6月の取手−勝田間交流電化にあわせ量産投入〜1966年)
※関門トンネルの直流電化にあわせ421系交直流電車も同時に開発・量産
1962年401系・421系をもとに111系直流電車
(113系直流電車に続く)
1964年481系交直流特急形電車(1965年からは483系も製造)
1964年10月1日東海道新幹線が開業
1965年151系・161系を統合し181系の製造へ
1968年481系・483系を統合し485系の製造へ
1972年総武・東京トンネル乗り入れに対応する113系・183系
1987年4月1日国鉄民営化、JR発足
1989年(東海道線・横須賀線などに2階建てグリーン車)
1991年(常磐線に2階建て普通車「クハ415-1901」〜2005年7月まで営業運転)
1992年4月(東海道線に「オール2階建て」の215系)
1994年12月(総武快速・横須賀線にE217系)
1998年10月総武緩行線に209系950番代
(E231系の量産先行試作車)


 この時代の気分を味わうため、「昔の写真」を掲載されている貴重な個人のページを散策いた