フォーラム - neorail.jp R16

いま問うA9のココロ
信号機のG現示の色がこんなにメロンソーダなわけがない
ATC・ATSの「Aの字」も出さずに効果音と動作を実装するには
「場内信号機 作り方」「信号機に名前をつける機能」とは


発行:2015/11/1
更新:2017/8/19

[3123]

Re:[3122] 小田急の「D-ATS-P」は、なぜATCと呼ばれないのか


小田急の「D-ATS-P」は、なぜATCと呼ばれないのか
ATCに関する博士論文を「見る」
つくばエクスプレスは150bpsで20bit

(約11000字)

 直接には[3122]の補足ですが、後半では、ATCに関する電磁気工学の話に移ります。


●小田急の「D-ATS-P」は、なぜATCと呼ばれないのか


[3122]
 > 9月12日に小田急線内で新しい保安装置「D-ATS-P」への切り替えが行なわれ、現在、JRの車両の小田急線での試運転などが進められています。
 > 小田急線で先月12日に使用が開始された「D-ATS-P」は、ATCと同等の機能を備えた、最新のATSです。名前こそ「ATS」ですが、情報のやり取りはレールと車輪を通して行なう方式です。

 小田急の「D-ATS-P」は、なぜATCと呼ばれないのでしょうか。

・個人のブログ「小田急の新しい信号・保安装置「D-ATS-P」」(2011年4月5日)
 http://mirai-report.com/blog-entry-1012.html

 あっ、なるほど、と「氷解」しました。線路条件のデータベースを車上に持たせるとATC、そうでない(どこにも持たせない、または、地上に持たせる)とATSだということですね。

※呼び分けの視点が列車≒運転士にあり、外部からの信号を「パッシブに受ける」だけならATS(止まれと言われたので止まります、しかじかの速度以下で走れと言われたので減速します)、外部からの信号を基に「アクティブに考える」ならATCだということですね。

※地上側にデータベースを持たせ、これはもう、ほとんどATCでしょ、という場合でも、列車としては「(地上装置から)詳細な指示を受け、その通りに走ります(考えません)」ということですから、あくまでATSと呼ばれるということだと思います。

 レールを通じて連続的に通信を行なう方式の保安装置において、通信ができないとなれば、ただちに停止すべし(あるいは、次の信号機が停止現示だとみなせ)、という「愚直にして最高のロジック」を車上に備えておくことになりましょう。その時、▼(新幹線や地下鉄など)停止するまでにも線路条件がわかっていないと安全に停止できない、という場合と、▼見通しがよいので、とにかく停止しさえすればよい(架線のセクションや曲線のカントなど考えない:何か別の方法で対応することとする)、という場合とに分けられ、前者ではATCでないといけない、後者では、データベースを地上に持たせて「ATS」だと呼ばれる構成であっても、まあ、ダイジョーブ、ダイジョーブ、ということなのだろうか、と読み解かれました。本当でしょうか。

・(再掲)個人のブログ「小田急の新しい信号・保安装置「D-ATS-P」」(2011年4月5日)