・「組合せ計画法」を遠目に眺める ・「さまざまな分布」で「4.84」を読み解くココロミ(試) ・「整数論」をさらに遠目に眺める ・「これはおもしろい」から「書名をクリックすると詳しい内容がわかります」まで ・対数正規分布 ・N=500の場合 ・ひゅーっとヒューリスティックにN=500の場合 ・どひゃーっとヒューリスティックにN=500の場合 ・ずんばらぼー! N=500の場合 ・表4.84 改めて問おう!「4.84」(N=500)
(約19000字)
この一連の記事では、徳間書店「ゲーム通信簿」の『歴代最高点』である「4.84」という値を(あの手この手で)実感的に読み解きながら、「カスタマーレビュー」を数量的に扱うことのむずかしさを追体験していきます。
前編([3401])では、まず、なぜ「ゲーム通信簿」は6項目なのか、ほぼ同時代といえる「6つの基礎食品」(1981年)を振り返りながら探ります。次に、もっとエレガントな方法はなかったのか、1990年代にOR(オペレーションズ・リサーチ)の分野で知られていた、複数の評価値を総合する方法について参照します。あわせて、数学的に平易な方法であっても、現実の社会で実際に重要な指標の算出に使われていることを実感するため、国連開発計画(UNGP)が算出している指標「HDI」「IHDI」について参照します。
中編([3400])では、読者に5段階で評価させていた「ゲーム通信簿」の「平均」について、整数の組合せの問題と読み替え、結果として「平均」が「4.84」になる評点の組合せを実際に探します。評価者の数を1から500までと仮定したとき、整数の評点の組合せがそれぞれ何通りになるのかについて、コンピューターで約4時間20分かけて調べます。
後編([3399])では、評価者の数を500と仮定し、正規分布、t分布、それにコーシー分布として知られる分布などを念頭に、5段階評価の評点の平均が「4.84」になる分布は不自然ではないのかを検討してみます。あわせて、現に「4.84」という平均になったとき、その重みはどのくらいであるのかを考えるため、架空の操作として、評点のスケールの拡張を試します。最後に、日常にひそむ数学と、研究・開発との接点として、「組合せ計画法」「整数論」を遠目に眺めます。
補遺編([3398])では、現在「レーダーチャート」と呼ばれて知られているデータをプロットする方法について英語版のWikipediaを参照しながら探ります。また、4軸以上のレーダーチャートにおいて、プロットされた面積をうのみにできないことを確かめます。算数・数学の教科書を出版する各社のページを参照するとともに、小学校からのプログラミング教育それに統計教育に関する最新の議論につなげます。
また、各記事では、統計や数学に関する書籍を、新旧それに硬軟とりまぜて紹介します。
これに先立ち、導入編([3402])では、徳間書店「ファミリーコンピュータMagazine」がどのような雑誌であったのか、「元・2代目編集長が今だから明かす」との触れ込み(※)で2011年に出版された本などを参照しながら、振り返っています。
☆「組合せ計画法」を遠目に眺める
・「ナップサック」ございます付近
https://s-media-cache-ak0.pinimg.com/736x/40/30/12/403012d13400a75b96746c32fc5b0780.jpg
「線幅も拡大縮小」については[3368]を…コレジャナイ。
・大西仁「組合せ計画法」放送大学(2013年度)
http://www.campus.ouj.ac.jp/~maps13/12/12Comb_subtitles.pdf
http://www.campus.ouj.ac.jp/~maps13/12/
> 計算の手続きは,実際に手を動かすと理解しやすい.いきなり講義を聴いて,即分かるというものではない.
ごもっともごもっとも。Excelではちょっとねぇ、といって、Rは自信がないなぁ…とあらば、みなさまPHPと呼ばれる業界標準のほう…ゲフンゲフン。使うのは何でもいいということです。ええ。
・「GLPKの簡易メモ」(2014年10月28日)
http://wwwcs23.cs.kobe-u.ac.jp/~mori/4students/GLPK/glpk.html
GLPKは「よろず○○! さあさあいらっしゃい!」を目指しつつも、部分部分ではコードがかなりアレだとの評判のようで(※確かめてはいません)、かえって、特定のアルゴリズムだけをきっちり実装してある小粒のツールやライブラリを使うほうが安心かもですよ。まあ、きちんと勉強して自分で実装するのがいちばん安心なのはいうまでもないことではありますけれどもね。…ギクッ。
・「Using lpsolve from PHP」
http://lpsolve.sourceforge.net/5.5/PHP.htm
そしてPDFのほうを参照します。
> 人数や物の個数が変数になっている問題は,それらの変数が整数値しかとらないので,本来は組み合わせ計画問題,より詳しくは整数計画問題です.
> 解法の研究が進み,現在では控えめに言っても,千以上の変数からなる整数計画問題が高速に解けるようになっています.
> 最小木問題
> 最小の距離ですべての地点間を行き来できる道路の敷設計画を完成させよ
> 欲張り法では,一般には最適解が得られる保証はありませんが,単純なアルゴリズムなので,高速に近似解を得るためによく用いられます.
> クラスカル法は最小木問題における欲張り法ですが,最小木問題はクラスカル法により最適解を得られることが保証されています.
> ナップサック問題
> 目的関数はナップサックに詰める品物の価値の総和で,これを最大化するxiの値を決定します.
数学を遠巻きに眺めているだけの人(=私です)としては、(問題やアルゴリズムの)名前だけは知っていつつも具体的な操作は知らないという類のソレであります。
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