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「羽田空港アクセス線」の構想に関して、各社の報道やニュースサイトの記事があまりにも一面的すぎると感じ、今回、独自にまとめました。
・【羽田空港アクセス線】 休止中の貨物線を活用、羽田空港乗り入れを検討(2014/8/20)
http://atos.neorail.jp/atos3/news/news_140820.html
といっても、取材のノウハウ(広報部への問い合わせなど)は持っていませんので、あくまで公開されている資料だけを用いての話です。いわば、誰でもできることしかしておりません。取材できる人には、もっと深く取材してほしいなぁと常々思いつつ、最近は特にそう思います。
・ITmedia/Business Media 誠「都心〜羽田「JR東日本の羽田新線」、新案で再浮上する「やっかいな問題」」(2014/8/22)
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1408/22/news017.html
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1408/22/news017_2.html
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1408/22/news017_3.html
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1408/22/news017_4.html
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1408/22/news017_5.html
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1408/22/news017_6.html
こちらの記事では線路に関する話がたいへん詳しいのですが、緊急輸送道路に関係する耐震補強の時限の話が出てこず、運賃収受については不必要に話を複雑にしています。北千住や綾瀬、白金高輪など、いざとなればどうにでもできる(現に、してきた)という先例もあります。たいした問題ではないでしょう。
この記事に限らず、「3000億円」=「巨額」と決め付けて、3000億円とはどの程度のインパクトを持つ数字であるかを正確に記述しようとする書き手が少ないように感じます。通勤形電車3000両分、と考えると大きな額に思えますが、JR東日本が5年間で投じる耐震補強の費用と同額だといえば、その程度か、という理解に至ります。工期が2倍の10年とすれば、1期あたりの投資額は半分になります。大きな額ではありますが、「巨額」と断じるほどの額ではない、3000億円を「巨額」というのであれば、同じく「巨額」を投じて耐震補強を進めている話にも触れなければフェアでない、といえます。
それはそれとしまして、りんかい線のCTC装置が、実質、JRの装置である(中央装置がJR側に設置されている)というのは盲点(※)で、このCTC装置の改修が関係する話は、東京臨海高速鉄道(TWR)の案件ではなく、JRの案件であるということになります。買収云々という一部報道もあるようですが、そもそも信号設備上は最初から現在まで「JRりんかい線」なのです。
※私も今回、大井町の「出発時機表示器」について調べるまで知りませんでした。
・【りんかい線】 PTC更新で大井町に「出発時機表示器」(2012/9/25)
http://atos.neorail.jp/atos3/news/news_120925.html
CTC駅装置は、一応、TWRの管理となっているように読み取れますが、何しろCTCですから(中央装置と駅装置の両方が正常に動作して成り立つシステムですから)、実質的な管理はすべてJRが行なっている可能性があります。TWRとしては、装置の管理ではなく、設置場所の管理だけを行なっているようなものではないかと推測します。
・【ネットワーク信号制御システム】 京葉線全線に導入、2016年12月予定(2012/11/20)
http://atos.neorail.jp/atos3/news/news_121120.html
ここからが本題ですが、りんかい線のCTC中央装置は京葉線のCTC装置とともに、京葉線側に設置されているとみられます。京葉線ではネットワーク信号制御システムの導入が進められるとともに、既設PRCのATOSへの切り換えが予定されています。特に、ネットワーク信号制御システムの導入に際してはCTC装置にも何らかの改修が必要になるとみられることから、間接的に、りんかい線のCTC装置にも手をつける必要が出てくる可能性があります。ならば、休止中の貨物線の耐震補強もしなければならない(時限つきで迫られている)ので、いっさいまとめて取り組んでしまえ、と、鉛筆をなめることになった(※上のほうでスピーディーに決められた、の意)のではないかなぁ、という想像ができるわけです。
もう一方、東海道貨物線(新鶴見信号場−東京貨物ターミナル間)については、PRCはおろか、CTCも導入されていません([2904])。といいますと何か非常に前近代的であるかのような印象が生まれますが、実質、連動駅は新鶴見信号場と東京貨物ターミナルだけで、新鶴見信号場は既に、東海道線と同時に導入されたATOSで管理されています(ただし、旅客駅とは事情が違いますから、きっと駅での扱いも残されていることでしょう)。東京貨物ターミナルは、実態に照らせば現状のように駅で信号を扱うのが最も合理的といえます。
上掲しましたITmediaの記事でもまとめられているように、「羽田空港アクセス線」では、東京貨物ターミナルの連動装置に極力、関係しない形で、あくまで京葉線CTCの案件として完結するよう計画されていることがわかります。
なお、休止中の貨物線について、徒歩や自転車で見学しようとなさる方もいらっしゃるかと思いますが、おやめになることをおすすめします。この地区の道路は大型車両の通行が多い一方、通常の街路のように歩行者や自転車が通行することは、ほとんど考慮されていません。
・個人のブログ「3962 東海道貨物支線を見に行ってみた」(2013/11/11)
http://www.ronworld.net/blog/archives/2013/11/11-224541.html
> 会社の始業前に見に行ってみることにした。
> 今日はこのへんにしておこう…というより、早く行かないと遅刻してしまう。
まさに、ここまでが「住民」の生活圏で、これより先には「住民」というものがほとんどいません。この方が引き返す判断をした背景には、無意識のうちに、認知地図上のエッジとなる風景やオブジェクト(※)に行き当たったためとみられます。つまり、その先には、ここまでとは別のディストリクトがある、と認知した、ということです。
※看板類が急に減った、自販機がない、路面が汚れている、歩道がない、町が灰色である、等々、この地区でのエッジとしては、「その先に生活感がない」ということですね。「住民」であれば、子どもに「あの道路より先へは行ってはいけない」と言い聞かせるような、特定の道路があるかもしれません。
・高原健一郎「認知地図(頭の中の地図)の構成」
http://www.arxi.co.jp/olt/kuko/term/ninchimap.html
※上掲ページの内容は、箱田裕司編『認知科学のフロンティアI』サイエンス社(1991)から抜粋されたものです。勉強する方は、ぜひ原典にあたってください。
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