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いま、鉄道のサービス(運行体系やダイヤ)を決めているもっとも大きな要因として、線路と進路制御(連動装置からPRCやATOSまで)を挙げることができるでしょう。今後のサービスの再編(運行体系の再編やダイヤの刷新)の動向を見極めるには、まず、線路と進路制御、その上位システムについて、しっかり見ていく必要があるといえます。[2940]に続き、千葉駅の1〜6番線について、東京圏を広く見渡しながら見ていきましょう。
※千葉駅もまた、バタフライな話([2955])の渦中にあり、千葉駅がどうなるか(どうできて、どうできないか)を見極めるには、バタフライなプロセスの上流工程といいましょうか、より根っこのほう(といいますと上下が逆さまになってしまいますが)を見ていくことが重要になってきます。なぜ、いままで動きがなかったのか、これからどうなるのか、むしろ、そうなるしかないんだなといったこともまた、見えてくるかもしれません。
※なぜ、7〜10番線について先に[2940]でまとめたかも、おわかりいただけるかと思います。7〜10番線のほうが依存関係が少なく、先に取り組める話(ほかの案件が進むのを待たずに取りかかることが可能である案件)といえます。
青梅線・五日市線へのATOS導入が、中央線と線区別ホスト(線区中央装置)を共用する形で行なわれるとされている([2905])ことからも、今後のATOS拡大(対象線区の追加)において、新規の線区別ホストを設置する形は極力とられず、既存の線区別ホストの増強によって進められていくだろうということは容易に想像できることです。
※また、ATOSの位置付けが「研究開発」から「お客さま満足」へ移ったという話([2890])も、新しい線区別ホストを構築することは今後、(原則として)ない(たぶん)、という意味(だけ)なのかもしれません。ATOSの細かい機能の改良などで、開発がいっさい行なわれないとは思えませんし、まだまだいろいろ改良していただきたくもあり、狭い意味での「研究開発の終わり」が何かないかと、探したくなります。
※そもそも、ATOSを導入する目的(=指令の一元化や効率化)からしても、担当者を増やす必要があるような形での導入は避けて当然といえます。これは、単に人数という「量の問題」ではなく、ある対象線区が複数の指令に分かれていると、指令と指令との間での情報共有に手間取るという「質の問題」があるためです。(交通新聞社新書「東京総合指令室」でも触れられています。)一般にも、難しい作業や知的な作業ほど、人を増やせば増やすほど効率が低下することが知られています。一人に任せたほうが圧倒的に速いのです。自分の頭の中で完結でき、人と会話しなくて済むからです。
京葉線では、線区別ホストが単独で構築される見込み(JR East Technical Reviewによります)で、導入当初は能力を持て余すことになるとみられます。ゆくゆくは内房線(蘇我以南)・外房線(蘇我以東)を対象に加えていくことも、最初から想定されているのかもしれません。蘇我から先どこまで、という点では、全線が東京100km圏に含まれること、内房線のPRCが館山まで全線(※)を対象としていることから、いまさら、わざわざ東京70km圏(君津、上総一ノ宮)で分断してATOSとPRCが併存するということは考えにくいかと思います。
※館山−安房鴨川間は、外房線のシステムで管理されている模様です。現地の状況はよくわかりませんが、何か、そうするほうが合理的だという事情があるのでしょう。
なぜ武蔵野線と共用しないのか、という疑問も出てきますが、武蔵野線には、いわゆる「武蔵野南線」も含まれ、輸送指令としてはJR貨物との密な連携が求められることから、貨物対応を一元化するため、武蔵野線は単独で扱う(それだけで大仕事である)ということなのではないかと思われます。(JR東日本の指令室にJR貨物の人が常駐しているという話が交通新聞社新書「東京総合指令室」にも出てきますので、そういうことかなと思い当りました。上下分離って、いまさらですが難しい仕組みですね。)
また、この観点からは、システム化されずに残っている東海道貨物線の新鶴見信号場−東京貨物ターミナル間(※)も、武蔵野線(武蔵野南線)と一体的に管理されていくのではないか(もしかすると既にされているかもしれない)と考えられます。これは、主要な貨物ターミナルを一元的に管理するという、とてもシンプルな話です。逆に、線区を通り抜ける列車が多く、相鉄・JR直通線の開業で旅客列車の管理も重要となる東海道貨物線の新鶴見信号場−小田原間については、引き続き東海道線と一体的に管理されていくとみられます。
※[2913]の通り、実質的にはシステム化してもしなくても、ほとんど状況は同じであります。つまり、(狭い意味で)システム化されても駅扱いのまま(広い意味ではシステム化されないまま)だろうということです。それでも、指令から在線が見えることは重要でしょうから、適切なタイミングでATOSへの取り込みが進められていくのではないでしょうか。
同様に、成田線・総武本線・鹿島線(※)については、東京−成田空港間での増発や輸送の安定化に主眼を置きながら、総武線(快速)の線区別ホストによって、対象を延伸する形でのATOS化(東京の指令室への一元化)が図られるというシナリオも、かなり現実的なものといえます。
※ダイヤの世代([2910])、パーソントリップ調査([2939])も参照。えっ、成田空港の話なのに鹿島線? と思われるかもしれませんが、鹿島線は貨物列車が通り抜けますし、距離もさほど長くはなく(駅の数も多くはなく)、鹿島線だけを別の指令やシステムとして残すほうが、かえってムダが多くなりそうです。
こうなると、千葉−蘇我間だけが、どこにもうまく収まらず、取り残されてしまいます。もっともシンプルなのは、総武線(各駅停車)の線区別ホストによって、西千葉までだった管理の範囲を蘇我まで(正確には蘇我の場内信号機の手前まで、駅としては本千葉まで)延伸することです。
[2940]でも触れましたが、千葉駅の連動装置について、駅全体を考えながら改めてまとめてみます。
千葉駅の連動装置が既に電子連動化されているか、把握できていないのですが、まだであるとすれば、電子連動化に際して、1〜6番線の系統と7〜10番線の系統で分割して構築されることが考えられます。また、既に電子連動化されている場合、そういう分割が内部的に(一式の電子連動装置の中で論理部が2組?)なされている可能性があります。互いに独立して進路を構成できることで、列車間隔を詰めることができるようになり、それによって増発、緩急接続や退避(優等列車の追い越し待ち)がしやすくなったりという利点が出てくるとみられます。
現状では、千葉駅にホームはたくさんあるのに緩急接続や退避ができない(しにくい)という、たいへん残念な状態にあるとみられます。(ダイヤの刷新を怠ってきたのではなく、信号設備上、できなかったとみるほうが妥当でしょう。)
こうした点を加味すれば、千葉駅でのCTCの移築は、単なる移築という以上に大きな意味を持つだろうことが容易に想像できるかと思います。駅としても、駅舎がピカピカになるという見かけ上の変化に留まらず、輸送サービスの質の上で重要な進化を遂げようとしているところだといえます。しばらくは目が離せませんね。
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