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貨物線ですが電車特定区間の話です。そして南武線の浜川崎支線([3007],[2904])についての補足です。沿線の状況について、まだ知らなかったことを知って、ちょっとワクワクしてみます(ちょっとでもないですが)。
・趣味誌のニュースサイト「E233系N5編成が東海道貨物線で試運転」(2015年4月25日)
http://railf.jp/news/2015/04/27/162500.html
何か特別な運行でもするのかと早合点しかけましたが…
・個人のページ「09.1.26〜18 / 中原電車区〜国府津車両センターの回送訓練実施」(2009年1月27日)
http://nambusen.s225.xrea.com/news/090127-koudu.htm
…もともと、南武線の車両の「車輪転削」を国府津で行なう(※)ため、武蔵中原から浜川崎折り返しで東海道貨物線を経由する回送のダイヤ(スジ)が用意されているんですね。なるほどです。
※実施の頻度からして、すべての電車区でなく、いくつかの電車区に絞って作業できる態勢となっているようです。
・JR東日本運輸サービス「車輪転削作業」
http://www.jets.jregroup.ne.jp/business/maintenance/
> 車両の車輪は鉄でできており、長い間、レールの上を走行すると、レールとの摩擦や制輪子と呼ばれるブレーキシューとの摩擦、雨による滑走などにより、車輪の表面が減ったり損傷してきます。このような状態では乗り心地が悪くなるだけではなく車両にも悪い影響を与えます。
> このため、車輪を新しいものに取り替えたり、削って正常な状態にする必要がありますが、車輪の取り替えには、大掛かりな設備と手間がかかります。そのために車輪旋盤(車輪転削盤と呼ばれるものもあります)という装置を使って、電車はそのままの状態で車輪を正常な状態に削る作業(削正作業といいます)を行います。
転がる車輪にコケは付かないが「すり減り方」が偏るということですね、わかります。南武線へのE233系の導入開始から、今般、車輪転削のための回送の習熟運転をば(※運転の目的は非公表のため推測とされます)というタイムラインから、最新の車両における(そして通勤路線で運用される車両における)車輪転削の頻度がおぼろげながら(※)浮かんできます。
※明示的には公表されていないのになんとなく知られている「(鉄な)知識」(これしき、知識などとは呼びがたくも思えますが)とは、およそこういうところから推測されて広まっているのでしょう。いえ、見学会で質問すれば教えてくれることかもしれませんが、それが伝聞としてしか広まっていないのなら、仮にWikipediaに記述したとすると「要出典」と問われます。そして、典拠がないことに気づいて立ち尽くしてしまうわけです。(東急線のATC[2941]も参照。)
趣味のニュースでは便宜上、浜川崎「駅」で折り返して云々、と記述されますが、実際は旅客ホーム(2番線の南武支線ホーム)でなく、貨物列車用の線路に引き上げて、その後、折り返しということなんですね。とはいえ、仮に電子連動化なりシステム化なりを進めるとなれば、まったく配線を整理しないということもないのではないかと期待されます。南武支線ホームを1面2線化したり、有効長を1番線は6〜8両、2番線はせめて4両といった形で拡張しつつ、地元(川崎市)とともに道路の付け替え、駐輪場の整備、鶴見線のりばとの一体化など、いろいろ考えられます(=誰が考えても一度は考えます)。
仮に4両なり6両なりを南武線から浜川崎支線に直通させるとなれば、鶴見線との乗り換え利便性(川崎、鶴見で2回乗り換える代わりに浜川崎で1回乗り換え、という利便性)が(鹿島田などから臨海部へ向かうお客さまから)期待され、(旅客流動上の)ワーストケースとして4両なり6両なりの電車が満員の状態で浜川崎駅に到着し、乗客が一斉に降車するという状況を想定することが求められます。E233系6両編成の定員は924名で、乗車率200%とすると1,848名が、終点で一斉に降車することになります。200%まではいかないとしても、これに近い数字は川崎駅では日常の光景でしょう。
・日本損害保険協会「防災対策の手がかり」
http://www.sonpo.or.jp/archive/publish/bousai/jiho/pdf/no_218/yj21802.pdf
> 建物の避難安全検証法では、廊下や階段へ避難する場合に滞留する人の密度を3.3〜5.0人/m2としている
この数字をそのまま用いれば、満員の6両編成から降車した客が滞留するには370〜560平方メートルの空間が必要となります。幅2.5メートルとすれば148〜224メートルということになります。駅にこの広さ(広場や通路を通じての合計で※)を確保できない限りは、「長い4両編成」や「長い6両編成」の乗り入れは実現できないことがわかります。
※編成長120メートルに対応するホームのみで確保するとすれば、3.08〜4.67メートルの幅が必要となります。
このことは、中期的には小田栄地区の新駅で利用者が急増しても輸送力増強ができず、結局、沿線住民がバスや自転車に回帰してしまって「戦略的新駅」が失敗するということにもつながりかねません。もっとも、新駅を6両対応可能とし、当初2両(現行ママ)が3両(鶴見線車両による応援)に、3両が4両(青梅線・五日市線などの余剰編成による同)に、そして6両(南武線と共通運用)に、と、新駅と尻手の間だけを増強していくという方法もありましょう。
えー、あんな臨海部の(工場地帯の)ワンマン運転の区間で輸送力増強だなんて、と思われる方が多いかもしれませんが、南武支線(浜川崎支線)、鶴見線とも、全線が川崎市内または横浜市内(立地として)かつ、全線が(立地が川崎市内であっても)「横浜市内」(きっぷに「浜」と印字)で、さらにかつ、電車特定区間に含まれます。電車特定区間が見直されない限りは、たいへん手厚く運行が継続されると期待されつつ、かといって需要が減れば、(電車特定区間に含まれない)川越線([3005])とは正反対に、需要を増やすべく施策が講じられ、運行が維持されていくことになるとみられます。
※(ちょっと大げさではありますが)これが電車特定区間というもののチカラです。なんということでしょう。
・「横浜市内」
http://www.jreast.co.jp/ryokaku/02_hen/03_syo/02_setsu/13.html
沿線の概況や貨物列車の状況などには不勉強で恐縮ですが、線路だけを見れば浜川崎から先も小島新田、天空橋(※1)、天王洲アイルへと続き、また神奈川臨海鉄道の末広町、浮島町(いずれも貨物駅)という方向にも線路があります(※2)。いろいろな立場の方がそれぞれに「夢」を持たれるのが自然というものです。それでも、実際に旅客化なり何なりとなれば、どれかを採用し、他はあきらめるということになってくるでしょう。それをどうやって選ぶ、決めるのかといえば、単に「声の大きさ」(や地元が負担できる額)で決めるというのは「原始時代」そのもので、ぜひとも合理的に、誰が考えてもそうなるという結論にたどり着きたいものです。
※1 天空橋駅付近の貨物線に旅客駅を新設できるかといえば、かなり難しいとみられます。容易にできるのであれば「羽田空港アクセス線」構想で天空橋で乗り換えるルートを暫定整備するとしているところでしょう。するとしていないということは、すなわち難しいということのはずです。
※2 旅客需要があるか/作れるかといえば、東京湾アクアラインのバスターミナルを都心部から臨海部へ追い出して渋滞緩和に資することなどが考えられます。八潮PAでの高速バスからつくばエクスプレス(TX)への乗り継ぎと同様、バス側にも定時性と速達性が生じる施策です。
鉄道には、道路にはない直進性や速達性、それに大きな輸送力があってこそ、鉄道という方式で(道路よりもコストをかけて)交通を提供していく効果が出てくるというものです。この点からは、鶴見線(鶴見−浜川崎間)よりも南武支線のほうに分があります。鶴見線の増発云々より先に南武支線で施策が進められようというのにも納得がいきます。
電車特定区間の改訂(追加指定)が迫られるかもしれない話としては、相鉄・JR直通線にかかる東海道貨物線の扱いが気になるところです。現在は、貨物線を経由する旅客列車の運賃が、旅客線経由で計算されているため、貨物線が電車特定区間かどうかが実質的に不問となっていますが、横浜羽沢に駅(いくら相鉄の駅といえども、鶴見−横浜羽沢間の線路はJRです)ができるとなれば話は別です。消極的には、特定区間運賃のみを定めることによって対応することによって、電車特定区間をいっさい触らないということが考えられますが、そんなことでよいのでしょうか。
仮に、東海道貨物線の鶴見−横浜羽沢間だけを電車特定区間に追加するとなれば、一例として川越線の大宮−川越間を追加しない理由を説明できることまで自動的に求められてきます。横浜羽沢−東戸塚間は、東戸塚に貨物線ホームができない限り追加指定はないでしょうけれども、逆に貨物線ホームができた暁には、大船までが電車特定区間である東海道線と並行してともに都心に向かうわけですから、指定しないほうがおかしいという話になってきます。そうした議論(電車特定区間の改訂)を避けるために東戸塚での貨物線ホームの整備が「できない」などと回答されるようになっては、本末転倒(※)ともいえます。
※もともとの経緯はどうであれ、いま、現に電車特定区間という制度を続けている限りは、それはお客さまのためであってほしく、制度を(つつがなく)続けるためにお客さまの利便性向上にブレーキ(比ゆ的な意味で)がかかることは(お客さまとしては)ないことを期待するものです。
・川越市「東武東上線・JR川越線に関する要望活動について」(2015年1月3日) https://www.city.kawagoe.saitama.jp/kurashi/kotsudorokasen/train_bus/yobokatsudo.html
・川越市「要望・回答(JR川越線)」(2011年5月16日) http://www.city.kawagoe.saitama.jp/kurashi/kotsudorokasen/train_bus/yobokatsudo.files/youboukaitoukawagoesen.pdf
> 電車特定区間の拡大をお願いします。
> (回答)
> 弊社は埼玉県を含む広範なエリアにおいて事業を展開していることから、一部区間であっても電車特定区間を変更することは、他の線区への波及は必至と考えており、合理的基準に基づき設定している電車特定区間の運賃制度そのものの維持が困難になるものと考えております。
> 電車特定区間を拡大する考えはございません。
> 特定区間の運賃設定をお願いします。
> (回答)
> 川越駅から新宿、渋谷方面へのアクセスは経由地が異なることから、競合している路線ととらえる事は難しいため、特定区間の運賃割引は考えておりません。
「合理的基準」というのは逃げ口上ではなく、本当に合理的な基準(調査結果や収入データに基づく機械的な判断)があるわけで、逆に、東海道貨物線では基準によって合理的に改訂を迫られることになる可能性もあるのではないでしょうか。
川越から都心まで、東武東上線や西武線とJR川越線(と埼京線)が競合するのかについては、確かにJRの回答のような判断になるしかありません。とはいえ、そういう判断をしていて許されるのは「特定区間運賃の設定をしない」という判断をする局面に限られるもので、川越線を乗り通して八王子と大宮を移動する流動を考えずに川越線を減便するという判断になってしまうことを避けるためには、経由地が違おうとも、それなりに遠回りであろうとも、一定の区間として着目していくことが重要になってきます。([3005]も参照。)
京葉線の電車特定区間が千葉みなとまでとなっているのも、蘇我を含めると千葉−蘇我間も含めないとおかしいということになり、千葉−蘇我間を含めるとなると、蘇我より東や南はどこまでにすればいいのか、千葉市内か、などといったことを判断できる基準を作る(直接、判断するのでなく、基準を作るというところがミソ[3009]です)ことが求められ、それを避ければ千葉みなとまでということになるのでしょう。
※仮に千葉市内とする基準を作ったなら、自動的に千葉−都賀間も電車特定区間に入れなければならなくなります。
その結果なのか何なのか、どうも千葉市内の京葉線は本数が少ないように見受けられます。東京−千葉みなと間で折り返すわけにもいかず、電車特定区間でない蘇我に多数の電車を乗り入れるわけにもいかず、ということなのであれば、何のための京葉線なのでしょうか(総武線の混雑を逃がすための京葉線ではないのでしょうか)。千葉みなと−蘇我間を「みなし電車特定区間」とでもして、電車特定区間としてのダイヤ編成を東京−蘇我間の全線を通して実施していくような柔軟さがあってもよいのではないでしょうか…といっても、そういう柔軟さを許さないところが、電車特定区間のよさ(チカラ)でもあるのです。
※なんということでしょう。
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