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・「小田踏切」を読み解く ・踏切にかかる「イライラ」を読み解く ・「羽田トンネル」 ・図1 「浜川崎線」にかかる主な運行系統(概略) ・表1 川崎市周辺を通過する貨物列車の主な運行経路別の本数(概略) ・表2 「小田踏切」を8時台に通過する列車
(約8000字)
[3032]に続いて南武支線(浜川崎線)を中心とする話題ですが、「戦略的新駅」の「小田栄」新駅が設置される「小田踏切」から一歩も動かずに眺めてみようと思います。そして、南武支線が(名目上でなくダイヤ上の実態として)いかに「貨物線」であるかを、「JR貨物時刻表2015」(鉄道貨物協会)を参照しながら一種「実感」してみようと思います。
・タウンニュース 川崎区版「小田栄新駅(仮称) 上下線ホームを対角に設置 短工期とコスト圧縮鑑み」(2015年7月24日)
http://www.townnews.co.jp/0206/2015/07/24/292798.html
> 踏切が鳴動し遮断機が降りて開くまでの時間が、これまで8時台の1時間で合計16分間だった時間が、推定24分間になるというJRの説明に、住民からは「踏切を渡る路線バスや車、自転車が混雑し渋滞を招くことは必至。どう対策するのか」という厳しい意見も上がった。
記者によって「厳しい意見」と記される=声を荒げた人がいらっしゃった(記者の主観によるものです)、ということですね。しかし、計画のプロが立てた計画は緻密であってあたりまえで(フタを開ける前にわかる[3025]も参照)、周辺の道路の渋滞についても「許容範囲」に収まることを確認の上で最終決定している…はずです(「施策パッケージ」[3079],[3080]も参照)。現状に対してわずかでも渋滞が増えたら許さない、とするような態度は、合理的とはいえません。合理的でないものを「意見」と(記事中で)呼ぶことには、たいへん抵抗を感じます。(「(自称)『議論』」[3105]も参照。)記者として客観視を徹底するのであれば、「厳しい声もあがった」などと、その内容よりも「声が大きかった=声を荒げた住民がいた」ということそのものを、一種「冷たく」報じるのがスジではないでしょうか。(説明回…いえ、「説明会」の報道については「トウモコロシ」[3087]も参照。)
・神奈川臨海鉄道(JR貨物グループ)「鉄道路線図」
http://www.kanarin.co.jp/com04.html
■図1 「浜川崎線」にかかる主な運行系統(概略)| 東京(タ) | …新幹線大井基地、りんかい線(敷地が隣接) | | (羽田トンネル) | ※大田市場→昭和島→天空橋→多摩川→殿町(後述) | | 川崎貨物 | →神奈川臨海鉄道 | | 浜川崎 | →ヤード(現況は不明)、鶴見線(扇町方面) | | (小田栄) | ※新駅 | | (川崎新町) | ※旅客電車の退避、交換(行き違い) | | (八丁畷) | →【A】鶴見→東海道貨物線(横浜羽沢方面) | | 尻手 | (分岐)→【B】南武線(鹿島田方面)→青梅線・中央線方面 | | 新鶴見(信) | →【C】横須賀線(西大井方面)→山手貨物線・東北貨物線方面 | ↓ 【D】武蔵野線 (梶ヶ谷(タ)方面) | |
東京(タ)を基準にし、概ね川崎市内(※)での経路の分岐までを含めて俯瞰しますと、貨物列車の進出していくルートは【A】【B】【C】【D】の4通りあり、そのいずれもが「小田踏切」を通過することがわかります。
※新川崎(新鶴見)、八丁畷、武蔵白石は「川崎市内」ですが、尻手駅の西側や、鶴見、安善は、横浜市鶴見区です。…いえ、逆に川崎市内の一部が「横浜市内」に含まれる(鶴見線[3032])ということでした。見る立場によってどちらがどちらに含まれると扱うのが自然であるかは、変わってきます。
あらゆる貨物列車が容赦なく「小田踏切」をドカドカと通過しているのかといえば、そうではなく、東京(タ)や川崎貨物に発着することが必須の積荷の列車だけが「小田踏切」を通過しています。梶ヶ谷(タ)−新鶴見(信)−横浜羽沢という経路(【E】とします)で、東京に立ち寄らず「直行」する経路での貨物列車も多く設定されています。
■表1 川崎市周辺を通過する貨物列車の主な運行経路別の本数(概略)| 貨物列車の運行経路 | 貨物列車の本数(臨時列車・専用列車を除く) | 【A】 川崎貨物−東海道貨物線方面 | ▼コンテナ25本 (うち川崎貨物発横浜羽沢行1本) ※「JR貨物時刻表2015」p.68-71 | 【B】 川崎貨物−南武線方面 | ▼0本 (ただし、いずれも川崎貨物発で ▼臨時専用石油八王子行1本、 ▼臨時専用「その他」篠ノ井行1本) ※「JR貨物時刻表2015」p.96 | 【C】 川崎貨物−山手貨物線方面 | ▼0本 (ただし、いずれも川崎貨物発で ▼臨時砕石返空郡山(タ)行1本、 ▼臨時専用「その他」宇都宮(タ)行1本) ※「JR貨物時刻表2015」p.129-130 | 【D】 川崎貨物−武蔵野線方面 | ▼コンテナ13本 (うち土・日曜日など運休5本、川崎貨物発梶ヶ谷(タ)行1本) ▼石油2本 (いずれも川崎貨物発で土曜日運休、うち日曜日運休1本) ※「JR貨物時刻表2015」p.68-71 | 【E】 武蔵野線−東海道貨物線直通 | ▼コンテナ22本 ※「JR貨物時刻表2015」p.68-71 |
専用列車では、川崎貨物発(南流山経由)千葉貨物行で、編成内容は「その他」となっている「5971列車」、などに目が留まります。川崎から千葉まで、りんかい線や京葉線を経由しての「直行」(大きく迂回せず最短の経路で到達できること)が期待されることがわかります。また、上掲の表中でカッコ書きしました、運転区間が短い列車は、貨車やコンテナの融通など、貨物ならではの需要から設定されているスジ(列車)だろうと読み取れます。
神奈川臨海鉄道については(「JR貨物時刻表2015」p.158)、▼浮島町発の上り石油列車(浮島町行の下りは石油返空および単機)、▼末広町発着のコンテナ1.5往復(下り1本は単機、上りはコンテナ2本)、▼末広町発着の特大貨物1本(臨時)、▼千鳥町発着の化学薬品および甲種車両、といった内訳になっています。それぞれの駅のようすが何となく浮かびますね。
他に、▼鶴見線の安善発、浜川崎のヤードで折り返し、武蔵野南線・南武線・青梅線経由で拝島に向かう臨時の石油列車もありますが、▼根岸発、東高島・新鶴見(信)・武蔵野線経由で中央線・高崎線・宇都宮線方面に向かう石油列車のほうが本数は多く、石油列車が極力、武蔵野線を経由、そして「直行」できるよう考えられているのではないかと見受けられます。(安善発着の列車が一種「残って」いるのは外部の要因によるもので、JRグループとしてはいかんともしがたい、そして川崎市としてもいかんともしがたい話でありましょう。)
●「小田踏切」を読み解く
さて、「JR貨物時刻表2015」を参照して、くだんの「小田踏切」を8時台に通過する列車を表2にまとめます。
■表2 「小田踏切」を8時台に通過する列車| 方向(※) | 列車番号 | 浜川崎(貨物は川崎貨物)発着時刻 | 踏切通過時刻(推定) | | ← | 801H | 8:06(+1分) | 8:07 | | → | 802H | 8:12(-2分) | 8:10 | | → | 貨物7082 | 8:20(-4分) | 8:16 | | ← | 803H | 8:17(+1分) | 8:18 | | ← | 貨物5073 | 8:17(+4分) | 8:21 | | → | 800H | 8:23(-2分) | 8:21 | | ← | 貨物1151 | 8:23(+4分) | 8:27 | | ← | 811H | 8:28(+1分) | 8:29 | | → | 812H | 8:34(-2分) | 8:32 | | ← | 813H | 8:42(+1分) | 8:43 | | → | 822H | 8:59(-2分) | 8:57 |
※「方向」は、現地南側から見ての向きを示します。
※川崎貨物駅と「小田踏切」の間の所要時間は、YouTubeに投稿された映像からの推定です(後述)。浜川崎については、浜川崎駅への入線では(線路が終端のため)速度制限が厳しく「2分」、尻手方向へは「1分」と見込みます。
上下線で通過時刻が揃わないという前提では、単純には「1本あたり1分27秒」で計「16分」だった、ということです。
電車が踏切の手前で停車することによって1分ずつ増える([3105]も参照)ことで、計8分増え(電車に限って、1本あたり2分27秒になる)、貨物列車との合計で「24分」になるという概算ですね、わかります。
踏切の「遮断時間」が難しいのは、単に「単位:分」で比べるだけではいかんともわからない、住民の「気持ち」が影響してくる面が大きいことにあります。
仮に電車が増発(増便)となった場合には、「遮断時間」がもっと増えます。しかし、京成千葉線で毎時6本(10分間隔)…を身近に感じて育った身としては、うーん、踏切なんてすぐに開きますし、むしろ、踏切が閉まるおかげで駅前の道路を安全に渡れるという、歩行者や自転車にとってはありがたいものでもあったりします。
現状のダイヤのままでは、線路北側(の大規模なマンション)から811H(尻手行き)に乗りたい利用者は、貨物の1151列車のために踏切が閉まるより前に線路南側へ渡れていなければなりません。なかなか「イライラ」しそうなソレですね、と想像されます。しかし、大きな道路の交差点だって、同じくらいの時間、待たされるでしょう。踏切だからといって交差点よりも「イライラ」するというのは、よく考えてみればおかしなことです。いいかえれば、踏切にかかる「イライラ」の原因は遮断時間や回数ではないところにありそうだ、と見る必要があると考えられるということです。いろいろ考えてみましょう。
●踏切にかかる「イライラ」を読み解く
現状では「小田踏切」の遮断時間の大部分は、(旅客の電車ではなく)貨物列車の通過によるもの(※)で、この場合、「運悪く」貨物列車の通過にあたってしまうと、ちょっと向こう側へ行きたいだけなのに(新駅ができるまでは踏切近傍に目的地はなく、歩行者としても通過地点に過ぎない)遮断機がなかなか上がらないという「イライラ」があるのではないかと見られます。
その感覚のまま(理解が不十分な状態で)「24分」と聞くと、「イライラが24分続く」かのような、一種「誤解」をされたのだろうと心配されます。その「誤解」を解かないまま(用意していた想定問答の、えーと、これが一番近いかな、などと一種「パターンマッチ」するかのように、そして一種「検索結果が0件!」だったといってなかば自動的に)「今後の課題です」などと答えているようでは、日本語のコミュニケーション(「C2」[3101]も参照)として及第点は取れません。住民の誤解を、その場で解消できずして、どこが「説明会」(※※)なんでしょうか、などと、ちょっと「厳しい意見」を言ってみたくなります…ちょっとだけ。(事業そのものはたいへん合理的だと見受けられます…のに、そうしたささいなところで誤解や「不満」を残しては後々、何かに響きかねません。)
※貨物列車の本数は表1の通りですが、その時間帯はといいますと(川崎貨物駅の発時刻で見て)、実に1日中まんべんなく、特に17時台には17:20発、17:25発、17:42発と続き(ただし曜日により運休の列車もあり、実際に3本とも同日に運転される日が年間に何日あるのかは不明です)ますから、17時台に小田踏切を通ろうとして貨物列車に遭う確率はそれなりに高いわけです。また、午前3時台や4時台にも(上りでは午前0時台や1時台にも)設定がありますから、沿線の住宅にあっては列車の騒音も含め、かなりの「イライラ」だろうと、容易に想像されます。説明する側にあっては、その「気持ち」にしっかり寄り添いつつ、しかし合理的に説明を尽くす(誤解はきちんと解く)ことが期待されます。
※東京貨物ターミナルに発着する貨物列車は(臨時列車を除いて)コンテナ38本、石油2本があり、必ず「小田踏切」を通過するわけです。他方、東京貨物ターミナルに発着せず、武蔵野線(武蔵野南線)から鶴見経由で横浜羽沢方面に直通(直行)する列車も、(この進行方向で)臨時列車を除いてコンテナ22本あります。「小田踏切」を通過するかどうかという視点で見れば、40:22という割合になります。概ね「川崎市内」を通過する貨物列車のうち64.5%の列車が「小田踏切」を通過するというわけです。安易に「旅客化」云々とも旅客電車の増発云々ともいえない、たいへん重要な線路であることがうかがわれます。
※ただし、貨物列車について、JR東日本のかたはいっさい言及できないとみられますから(地下鉄博物館でJRについて質問する[3107]も参照)、「説明会」(※※)で貨物列車に関する(貨物列車が原因である「お困り」や「イライラ」についての)発言が住民からなされたとしても、川崎市のかた(しかも物流は担当されず新駅や都市計画の担当)がわかる範囲で答えるしかなく、おのずから、どれだけ正確で的確な答えができるかといえば、かなり難しいように思われます。
※※いえ、法令上の義務としての「説明会」ではないようで「現状報告会」と銘打たれて催されたと報じられています。
●「羽田トンネル」
直接には「小田踏切」における貨物列車の通過時刻を推定するべく、貨物列車における川崎貨物−浜川崎間の所要時分(≒運転曲線)がわかる資料をオンラインで探そうとしますと、以下の動画(映像)が見つかります。
映像へのコメントが受け付けられておらず、映像の内容をテキストに起こしたものがどこにもないように見受けられましたので、ここでは仮に、文字に起こしておきたく存じます。
・YouTube 神奈川新聞(カナロコ)「浜川崎駅〜川崎貨物駅〜東京貨物ターミナル駅までの車窓/神奈川新聞」(2013年1月30日)
https://www.youtube.com/watch?v=oiFBtAZtEaQ
> (映像中の車内アナウンスより:一部、聞き取れず)
> 「列車は浜川崎駅を通過しております。」
> 「浜川崎駅××(を通過して、この)列車は川崎貨物駅へ向かっております。左手に見えている高速道路ですが、首都高速横羽線でございます。電車はこれから川崎貨物駅に入ります。」
> 「右手に多数の線路が××(並んでいるようすが)ご覧いただけますでしょうか。このあたりが川崎貨物駅となりますが、この川崎貨物駅からは、××が××(※神奈川臨海鉄道と接続)、『川崎臨海部』××(※浮島?)方面へと分岐しております。」
※「川崎臨海部」は、関係者にとって固有名詞扱いの、一種「地名」のようなものですね、たぶん。
> 「列車はこの先、羽田トンネルに入ってまいりますぅ。」
> 「この羽田トンネル××は、多摩川・羽田空港・昭和島・××の下を通る、総延長約×キロのトンネルで、東京大田区にある大田市場の近くに××(※地上に出る)していますぅ。昭和4×年×月××(に着工)、×年の歳月をかけて昭和4×年に××××したぁ。×××は××に××××××、××××××××××、××××××××した。」
> 「羽田トンネルは平成23年12月に国から指定を受けた京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区の川崎殿町区域を通っています。この特区では、医薬品、医療機器、××××、および関連産業や中小企業等への波及効果を××、××経済成長とライフイノベーションの実現を図る取り組みが行われています。また、このトンネルは、東京モノレールと京浜急行空港線の2路線が乗り入れる天空橋駅の××を通っております。」
※(トンネル内で車内の騒音が大きく)自分の声が自分で聞こえないと「ますぅ」「したぁ」になるんですね、わかります。
> 「××ターミナル構内に入ってきております。こちらから進行方向が変わります。××電車×折り返し×なりますので××アナウンス××ます(※折り返しのため乗務員が交代するのに時間がかかり、その間、アナウンスができません?)。みなさまには恐れ入りますが、この間を利用しまして、お座席の方向転換にご協力くださりますようよろしくお願いいたします。」
・(参考)京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区
https://www.keihin-tokku.jp/
アナウンスで「このあたりが川崎貨物駅」と言っているところで、浜川崎駅から(停車せず通過で)3分30秒くらいです。この区間では貨物列車のスジ(運転曲線)しか用意されていないはずですから、関係者を乗せた試乗列車も、貨物列車の運転曲線で運転されたとみられます。川崎貨物駅と浜川崎駅の間の所要時間は「4分」と見ておけばいいのではないでしょうか。
※臨時の貨物列車のスジであれば最高速度は65km/h、定期の貨物列車(が運休で空いた)のスジであれば最高速度75km/hで運転されていたのではないかと思われますが、正確には不明です。視察の目的(「旅客化」の検討)からして、少なくとも最高速度75km/hで運転されてほしいと思われるところです。
※アナウンスをしているかたの所属が不明ですが、(1)主催者、(2)JR貨物などの広報担当者など、(3)JR東日本の車掌、の順に考えられ、しかし十中八九、主催者だろうと想像されます。トンネル内でアナウンスしようなどと、たいへん難易度の高い「チャレンジ」をなさって…え゛ー? 聞き取れませんです。
・「羽田空港の地下に、JR在来線の線路がある」(2010年1月10日)
http://news.mynavi.jp/series/trivia/030/
> 大井埠頭の新幹線車両基地に隣接した「東京貨物ターミナル駅」から南下して海底トンネルに入り、東京モノレールの車両基地のある昭和島を経由して羽田空港島に入る。首都高速の空港西インター、東京モノレールの羽田整備場駅、天空橋駅の地下を通り、多摩川を潜って川崎臨海部で地上に出て、鶴見で東海道本線と合流するという路線だ。
(鉄道の)トンネルの名称には言及されていませんが「羽田トンネル」のことを述べているとみられます。(道路のトンネルも「羽田トンネル」であります。)
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