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発行:2018/6/1
更新:2023/4/11

[3650]

【田沢湖線】短絡トンネルで「輸送障害の解消」、JR東日本が検討

田沢湖線 220km 遮音板 トキ 河北新報 輸送障害 320km 運行区間 行違


「ミニ新幹線」「中速鉄道」とは
「県境」またぐ難しさ

(約11000字)

 「秋田新幹線」の列車が運行されているJR田沢湖線で、新しいトンネルを建設しルートを直線化する構想があることが31日、大仙市議会で明らかになりました。1日、河北新報が報じました。

・河北新報「<秋田新幹線>JR東、新ルート検討 岩手県境にトンネル、防災強化し運行安定化へ」(2018年6月1日)
 https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201806/20180601_73007.html

 > 秋田新幹線が通る田沢湖線の赤渕(岩手県雫石町)−田沢湖(仙北市)間(18.1キロ)。

 > JR東日本は輸送障害の解消のため、約3.9キロの仙岩トンネルよりも長く、直線的な単線の新トンネルを構想した。複数のルートを検討しているとみられ、2015年5月にボーリングなどの現地調査に着手。17年11月、県に結果を説明した。

 積雪の多い地域では、明かり区間を減らしてトンネル区間を多くすることにより除雪作業を減らすことができます。しかし、建設された年代の古い路線では、当時の列車の動力や工事技術などのため、必ずしも理想的とはいえないルートを通っていることが知られています。田沢湖線も、そのような路線の1つです。

 > 県の担当者によると、JR東日本は「整備費用がかかっても維持費は少なく、災害に強いなどのメリットがある」と話したという。

 線路としての田沢湖線は在来線であるため、線路付け替えや線増などの判断はJR東日本が行なう立場にあります。一方、▼新幹線の運行は国の事業、▼いわゆる「新在直通」列車の運行は県を中心とする事業です。新しいトンネルにより「秋田新幹線」の列車の高速化(新幹線区間を含めての速達化)が可能になるかどうかについて、JR東日本も自治体も言及していません。しかし、トンネルの設計しだいで「秋田新幹線」の列車の高速化が可能となることは明らかで、在来線としての整備との差額を新幹線側の負担とするよう求めるなどの動きが今後、出てくるとみられます。

・Google ストリートビュー 田沢湖線と並行する国道46号線「蛇沢橋」「堀木橋」(秋田県)付近
 https://goo.gl/maps/e5Eirqo9hD92
 https://goo.gl/maps/7JpQRfYkjhN2

・(参考)YouTube 赤渕⇒田沢湖(2014年12月30日)
 https://www.youtube.com/watch?v=dY7O3QlyyrY




・Google ストリートビュー 「赤渕駅」(岩手県岩手郡雫石町)付近
 https://goo.gl/maps/ZBajgxKZ5dT2

・Google ストリートビュー 「田沢湖駅」(秋田県仙北市)付近
 https://goo.gl/maps/n988JNLTKs42

・土木学会「秋田新幹線の線区改善に関する一考察」(2010年3月6日)
 https://www.jsce.or.jp/branch/tohoku/info/pastgiken/pdf/20100306gikenpuroguramu-3.pdf
 http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00322/2010/47-06-0030.pdf

 > キーワード:新幹線高速化、短絡トンネル

 新幹線としての検討であることが示されています。

 > 盛岡〜秋田間は、線区の最高速度130km/hで走行可能な区間が約23%に過ぎない。特に、赤渕〜田沢湖間は急曲線が多く、速度制限箇所が多い。

 > 新幹線高速化後の320km/h運転のダイヤは、東京駅発着時刻を現行と同じにすることが考えられる。この場合、盛岡駅における発着時刻が変更となることから、盛岡〜秋田間の行違い箇所の変更や不要な待ち時間の増加が懸念される。

 北海道新幹線の進捗に合わせ、青函トンネル内で「すれ違い時に減速」するシステムの開発も進められているという報道がありました([3378])。その後さらに、東北新幹線では360km/hでの運転が目指されています。東北新幹線の主な区間での高速化は、「秋田新幹線」にも時間短縮の効果をもたらす一方、「秋田新幹線」の遅れが東北新幹線の運行にも影響を与えるという密接な関係にあることがわかります。

 > 経年40年以上の橋りょうが、赤渕〜田沢湖間に集中している。

 この橋りょうを架け替える工事との間でコストが比較されているとうかがえます。

 > 3案について比較検討
 > 案3を選定した

 JR東日本としては2010年3月の時点で、新しいトンネルのおおよそのルートを1つの案に絞っていたとうかがえます。その後の検討では、この時点での「案3」を基本として、詳細なルートを複数、検討してきたものとみられます。


○「ミニ新幹線」「中速鉄道」とは


・「ミニ新幹線」とは
 https://kotobank.jp/word/%E3%83%9F%E3%83%8B%E6%96%B0%E5%B9%B9%E7%B7%9A-160152

 > 高速鉄道網の整備を促進するため,暫定的に従来の狭軌線を標準軌に改めて新幹線鉄道直通線とし,フル規格の新幹線車両よりやや小型の直通用車両を原則として時速130km以上で運行する方式。1990年から整備新幹線の建設方式の一つとして制度化されたが,新幹線の計画区間以外でも92年7月福島〜山形間(山形新幹線),97年3月盛岡〜秋田間(秋田新幹線)が東北新幹線への直通線として同様の方式で開業し,これらは新幹線と在来線の直通という意味で新在直通運転とも呼ばれる。

 > ミニ新幹線はあくまで通称であって、全国新幹線鉄道整備法などに定める新幹線(整備新幹線)ではなく、法的には在来線の一部とみなされる。

・(再掲)「中央線や長崎線、在来線を「中速鉄道」に」(2016年4月18日)
 http://response.jp/article/2016/04/18/273721.html

 > 「日本には中速鉄道というカテゴリが存在しない。在来線では、京成スカイライナーの一部区間に160km/h運転が存在するだけ。低速か高速しかない、いびつな関係」

 > 曽根教授のいう「中速鉄道」とはどんな速さか。最近のニュースでは、2015年9月に発信した朝日新聞の記事にこの中速鉄道という表現が使われている。日本と中国が受注争奪戦を繰り広げてきたインドネシア高速鉄道計画の経過について、「ジョコ大統領は高速鉄道ではなく、時速200〜250kmの中速鉄道で十分だという判断だ」という具合だ。

・ウィキペディア「高速鉄道」
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E9%80%9F%E9%89%84%E9%81%93

 > 国際的な定義のひとつとして、国際鉄道連合 (UIC) では最高速度250km/h以上で走行する列車を指す。

 UICの定義で「高速鉄道」に含まれない、250km/h未満の最高速度で運行する路線を指して「中速鉄道」と呼べることが知られています。一方、日本では新幹線特例法により200km/h以上の最高速度で列車を運転する線路に対する規制があります。この規制が、160km/hから200km/hまでの速度で運行する線路に対しても適用することが必要かどうかという論点もあるでしょう。

※200km/h以上の最高速度で運行する路線を「新幹線鉄道」とする定義は、全国新幹線鉄道整備法に定められています。新幹線特例法は、路線ではなく線路と列車に関する罰則を定める法律です。

 北越急行「ほくほく線」では、トンネルが在来線規格で単線であり断面が狭いことなどから、高速化すると風圧(気圧変動)で車体が損傷するおそれがあったため、160km/hまでの速度しか実現できなかったことが知られています。

・ウィキペディア「北越急行ほくほく線」
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E8%B6%8A%E6%80%A5%E8%A1%8C%E3%81%BB%E3%81%8F%E3%81%BB%E3%81%8F%E7%B7%9A

 > 単線トンネルでの気圧変動が車体に及ぼすダメージが経年とともに顕在化する恐れがあったため、北越急行自らの判断でさらなる技術的な検討を待ってから実際の160km/h運転を開始することにとし、当初の特急列車の最高速度は140km/hとされた。

 > 1996年から開始された開業前の試運転の際には、高速走行時の車内で予想以上の気圧変動が発生しており、気密構造でなかった681系を使用した試運転で窓の接着部分には指が入るほどの隙間ができてしまったことすらあった。これらの現象は、ほくほく線のトンネルが単線断面であり、かつトンネル断面が複雑であることが要因であり、ほくほく線で高速運転を行う特急形車両については、客室扉が閉じた際に車体に圧着させるなどの対策を施した簡易気密構造の車両に限定されることになった。その後の半年にわたる試運転で安全性は立証されたものの、万全を期して、開業当初の最高速度は140km/hとした。その2年後に行われた特急形車両の重要部検査時には、車両の構体に亀裂などがないかを微細に確認した上で、1998年12月8日から150km/h運転を開始した。さらに2年後に行われた全般検査時にも構体に対して同様の確認を行い、2000年11月21日には160km/h運転の試運転を行った上で問題がないことを確認、2002年3月23日から160km/h運転が開始されている。

・ウィキペディア「レンフェ120系電車」ほか
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A7120%E7%B3%BB%E9%9B%BB%E8%BB%8A
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%81%AE%E9%89%84%E9%81%93

 > スペインのCAFが製造し、レンフェ(スペイン国鉄)の高速列車アルビア向けに導入された軌間可変対応の電車である。

 > 120系は高速新線と在来路線の両区間を走行出来るよう軌間可変が可能な他に、複電圧に対応しており、高速新線上では最高250km/h、在来路線上では220km/hでの走行が可能である。短い4両編成の構成によって高速新線から在来路線区間へのきめ細かい輸送に対応している。

 > 電気方式 直流3kV、交流25kV50Hz

 > 最高運転速度
 > 220 km/h (広軌)
 > 250 km/h (標準軌)

 「広軌」(標準軌より広い)の在来線では220km/hで走り、「標準軌」(日本の新幹線と同じ)の高速新線では250km/hで走るという電車が実用されているということです。

 > 広軌 (1668 mm): 11,829 km (うち6,950 kmが直流3000V電化)
 > 標準軌 (1435 mm): 998 km (全区間交流25000V電化)

 在来線の電化方式が直流3000V(日本で一般的な1500Vの2倍の電圧)であることが特筆されましょう。このおかげで在来線でも、沿線の環境しだいで220km/hでの運転(力行)が可能なのだとわかります。

 > 広軌線の標準軌への改軌に併せて駅のプラットホームの嵩上げも予定されている。

 その後も電化方式の違いから「在来線」という扱いが残るのか、やがては交流25000Vに統一されていくのかなどは不明です。(※これはスペイン国鉄の話です。)

・ウィキペディア「あさぎり」
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%B5%E3%81%98%E3%81%95%E3%82%93

 > 御殿場線の電化は運輸省が行い、直通列車の運行を大東急が行なうというもので、東海道本線の混雑緩和と同時に富士山麓の観光開発にも対応させるものであった。

 > 当時の御殿場線からの東京方面への直通列車は普通列車のみであったが、沿線自治体からは東京方面への直通急行列車の運行を求める声もあった。

 自治体からの要望に応えて実施するという構図が用意されて進められたようすがうかがえます。

 > 1968年7月1日からSSE車による直通運転が開始された。この時から、それまで列車別に設定されていた愛称は、4往復とも「あさぎり」に統一された。号車指定制の座席定員制はそのままで、小田急乗務員が車両とともに御殿場まで乗り入れる仕組みもそのままであった。

 > 国鉄分割民営化後の1988年7月、小田急はJR東海に対して、車齢30年を超えたSSE車の置き換えを申し入れた。
 > 1989年8月8日には、2社がそれぞれ新形車両のRSE車・371系を導入した上で相互直通運転に変更、特急に格上げした上で運行区間も新宿駅 - 沼津駅間に延長するという、基本的なプランについて2社間で合意した。
 > この時から、小田急とJR東海の乗務員が松田で交代し、それぞれの自社区間のみを乗務する運行形態に改められた。

 https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/9/94/Asagiri-Morning-Set-Japan-style.jpg
 https://youtu.be/sEU5mAe3gRc?t=17s




 > 当時のバブル経済による好景気もあって、御殿場線沿線に点在するゴルフ場への旅客で満席になることも多かった。東海道本線静岡駅発着の延長運転を求める声も出ていたが、JR東海では「新宿駅と静岡駅では3時間程度の所要時間となり、新幹線との時間差が大きすぎる」として、考えられていなかった。

 どのような列車を運行するかということが、時の経済情勢その他に大きく左右されるようすが浮かび上がります。「ALPS」を前提とした「東海道開発線」構想については[3494]を参照。

・ウィキペディア「E6系」
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E5%B9%B9%E7%B7%9AE6%E7%B3%BB%E9%9B%BB%E8%BB%8A

 > 新幹線区間での320km/h運転において、直進安定性能を確保するため、軸距をフル規格新幹線車両と同じ2,500mmまで延長しており、台車枠と車体の間を側面で連結してヨーイングを抑制するアンチヨーダンパーは、2本横に平行して取付けており、その内の1本を減衰力切替式にすることにより台車の首振り角度の許容度を広げられるようにして在来線区間での曲線通過性能を確保している。

 FGTではないけれども、かなりの工夫を要していることがうかがえます。

 > 架線からの単相交流25kV(新幹線)または20kV(在来線)を主変圧器で降圧した上で、主変換装置で直流に整流

 どちらでもよいとすら読めてきます。

 > パンタグラフは編成中2基設置されているが、高速走行時の騒音低減及び在来線区間でのセクション対策として実際に使用するのは1基のみとなる。そこで高速走行時の離線対策を施した多分割すり板付き低騒音パンタグラフ「PS209」を装備する。パンタグラフ側面には騒音防止のための遮音板が装着されるが、E955形で使用した可動式ではなく固定式である。これはE5系・H5系と同サイズの遮音板では在来線区間の車両限界に支障するが、可動式とした場合、故障して可動できなくなった際の支障があまりにも大きいため、信頼性の観点から固定式とし、遮音板を在来線の車両限界内に収めるためE5系・H5系よりもサイズが小さくなっている。

 いちばん難しいのはパンタグラフであるとうかがえます。

・柏崎市ほか「上越・北陸新幹線直行特急実現期成同盟会」
 http://www.joetsu-chokko.jp/activity/purpose.php

 > 既存の優等列車の維持・継続による信越本線の利便性の維持・向上と上越・北陸新幹線間の接続性、速達性確保による県土分断の回避
 > 新幹線・在来線直通運転化の実現をもって日本海縦貫高速鉄道網の一端を担い、持続可能な鉄道ネットワークを構築するための取組の実施

 2系統の新幹線が通っているからこその切実な危機感が伝わってまいります。

・東洋経済オンライン「E7系試験車両の屋根に設置された「あの物体」」(2017年11月12日)
 https://toyokeizai.net/articles/-/196281

 > パンタグラフ遮音板の役割は、文字どおりパンタグラフが発する騒音を遮断して沿線への騒音を低減させることだ。パンタグラフ関連の騒音はいろいろあり、走行風による風切り音や、架線との摩擦音、架線から離線する際に発生するスパーク音などが知られている。このうち、スパーク音についてはほぼ解消されている。また架線との摩擦音もさほど大きな問題となされておらず、いちばん重要視されるのは風切り音だといえる。

 > 新潟駅の在来線の高架化工事とあわせて上越新幹線と在来線特急「いなほ」の同一ホーム乗り換えも実施される計画となっており、東京と庄内エリアの移動に伴う所要時間の短縮も狙いの1つだと考えられる。

 新幹線網や新在直通などの拡大や列車の所要時間の短縮には制約が多い中、新幹線と在来線特急の乗り換え時間を圧倒的に短くすることで旅行時間を短くする、「名」より「実」を取った施策ともいえます。しかし、東京に近い県での新幹線沿線の負荷に頼った速達化には限度があり、究極的には当地での在来線の高速化が求められることに変わりありません。


○「県境」またぐ難しさ


・秋田魁新報「仙岩峠に新トンネル要望へ 新幹線こまち荒天対策、大仙市」(2018年6月1日)
 http://www.sakigake.jp/news/article/20180601AK0007/

 > 秋田県大仙市は31日、秋田新幹線の安全性向上や運行時間短縮を図るため、秋田県と岩手県の県境の仙岩峠付近に新たなトンネルを整備するよう国などに求める期成同盟会を結成すると発表した。

 ▼東京駅までの所要時間の短縮を求めることは市町村ではできないとみられます。また、▼この区間での普通列車の待ち時間の短縮なども、県境をまたぐことから市町村では要望がしにくいとみられます。

 同様の難しさは、北陸新幹線が高崎−軽井沢間(※直線距離で39.9km、北陸新幹線の実キロで41.8キロ)に通っていながら、在来線の高崎線としなの鉄道線の連絡がない([3552])ことにもみられます。この区間には群馬県内の駅として「安中榛名」駅がありますが、▼線路が北陸新幹線(いわゆるフル規格の整備新幹線)であること、▼県境をまたぐことから、普通列車の運行はありません。

・Google ストリートビュー 「安中榛名駅」(群馬県安中市東上秋間)付近
 https://goo.gl/maps/3MMkJigBvK62

・ウィキペディア「信越本線」「碓氷峠」
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BF%A1%E8%B6%8A%E6%9C%AC%E7%B7%9A
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A2%93%E6%B0%B7%E5%B3%A0

 > 新幹線の並行在来線区間のうち、碓氷峠を越える横川駅 - 軽井沢駅間が廃止、軽井沢駅 - 篠ノ井駅間が第三セクターのしなの鉄道に経営が移管され、
 > 長野駅 - 妙高高原駅間がしなの鉄道に、妙高高原駅 - 直江津駅間がえちごトキめき鉄道に移管され、

 > 高崎駅 - 横川駅間は臨時列車を除けば各駅に停車する普通列車のみの運行で、ほぼ群馬県内のローカル輸送に徹した形となっている。
 > 列車によっては後述の軽井沢方面への代替バス(ジェイアールバス関東が運行)に接続している。

 > 代替交通機関として横川駅 - 軽井沢駅間を片道34分で結ぶジェイアールバス関東小諸支店による碓氷線1日7往復の運行に移行した。
 > 群馬県安中市の**高等学校に長野県から通学する生徒の保護者を中心に廃止許可の取消を求める行政訴訟(取消訴訟)が前橋地方裁判所に起こされたが、裁判所は「(廃止の手続きを定めた)鉄道事業法は利用者個々の利益を直接保護するものではない」として原告適格を認めず、訴えを却下した。

 「並行在来線」すなわち普通列車というものが、あくまで各県の県域に閉じて考えられてきたことがわかります。群馬県側では高崎から横川までの信越本線の存続が優先され、高崎と軽井沢を普通列車の水準(※運賃や所要時間)で結ぶことは重視されなかったとうかがえます。

※▼北陸新幹線の線路を使用して普通列車を運行する(またはそのようなきっぷを発売する)ことと▼信越本線(高崎−横川間)を存続することが両立しなかった(択一が迫られた)とみられます。

 ある区間の途中に「県境」があるということに左右されず、実際の距離に基づいて都市間の普通列車が確保されていくことが期待されます。

・タイトルが不明な記事です(2015年7月25日)
 http://hamarepo.com/story.php?page_no=1&story_id=4353

 > 川崎縦貫鉄道の計画休止は横浜市にも影響はあるのか。
 > 「近隣都県の状況を踏まえて国が実施するシミュレーションを見ない以上、乗客の流れがどう変わるかなど、正確なことは申し上げられない」という。

 市町村としても広域の状況に左右され、また、そのように左右されるとして様子見をしながら停滞すること自体が、他の市町村にも影響するようすがうかがえます。

※「生田トンネル」については[3607]を参照。

・「東海道貨物支線の旅客列車運行計画はどうなった?」(2017年5月19日)
 http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1705/19/news017_3.html

 > 鶴見線は工業地域の通勤手段として朝夕の運行本数が多く、南武線直通の貨物列車もあるため、鶴見線も触らずに新線を作る。

 > このルートは「あくまでも協議会における検討ルート」とのこと。既存線利用より新線建設のほうが費用がかさむ。実現に向けた課題のうち費用の面で問題が大きい。しかし、説明を聞けば納得だ。今のところ最善のルートのように思えてきた。

 個々の工事の金額(単価)の大小、ひいては目先の直接の事業だけで算出した「B/Cの値」(費用便益比)では出せない結論もあることがわかる1例です。

・「総合的な交通戦略に基づく施策の展開に向けて」(2007年2月15日)
 http://www.mlit.go.jp/singikai/infra/city_history/city_planning/city_traffic/h18_6/images/shiryou3.pdf

 > 急激な人口の高齢化や人口減少が現実のものとして認識されてきた
 > 社会的背景の激変により、コンパクトなまちづくりの必要性および交通が表裏一体であることが、社会的に浸透し、理解を得られるようになってきた

 > 地方公共団体や交通事業者等の都市交通施策関係者の責任と役割、立案・策定・実行の体制や手続き、確実な実行を担保するルールのあり方
 > 協議会方式を基本に、利用者、市民を含む各主体の合意形成と、より積極的な参画を促す仕組みのあり方
 > 都市交通に関する施策が総合的に推進されるよう、ハード、ソフト施策を包含した総合的な補助制度等の推進方策

 > 需要追随型から目標達成型への転換
 > ハード施策とソフト施策が一体となった効率的・重点的な施策展開

 > 市町村の主導による「最適なパッケージ」の追求
 > 行政(特に市町村)が主体となって、限られた資源を有効活用した望ましい都市交通を実現

 > 行政界

 「県境」をまたぐのは、なお難しそうです。

・佐賀新聞「見直し限定的か ダイヤ改正でJR九州社長」(2018年5月31日)
 http://www.saga-s.co.jp/articles/-/224231

 > 在来線を大幅に減便した3月のダイヤ改正を元に戻すように、佐賀など九州7県から要望を受けたJR九州の****社長は、各県と市町村に6月中旬に回答する方針を30日の定例会見で示した。佐賀県内では、到着時間の変更で始業を遅らせる対応を余儀なくされている高校があるが「そうした例はこれまでもある。限りある列車を有効活用するため協力いただければ」と述べ、見直しの対象にはならない可能性を示唆した。

 基準はJRグループで一貫しており、各地の旅客鉄道(会社)に裁量の余地はない(JR九州において独自の判断をするという権限はJR九州には与えられていない)とみられます。

 http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1704/07/news021.html

・(参考)ジェイアールグループ健康保険組合(JR健保)
 http://www.jrkenpo.or.jp/about/
 http://www.jrkenpo.or.jp/common/pdf/58_guidebook.pdf

 > JRグループ14法人の事業所で働く方が、原則としてJR健保の被保険者となります。
 > JRグループ14法人で働く方は、自動的にJR健保にお入りいただくことになります。

 > 設立 平成9年4月1日
 > 被保険者数 148,985人(平成29年3月末現在)
 > 被扶養者数 149,172人(平成29年3月末現在)

 平成9年は1997年です。わたしたちが素朴に思うほどJRはJRではなく、少なくとも健康保険が14法人で共通であるというくらいには国鉄そのものであるということを心に留めておかなければならないでしょう。佐賀県と近隣の他県の市町村との間で在来線が不便にならないためには、佐賀県とJR九州の間でやりとりをするのでなく、例えば群馬県などと共通の前提で議論していくことが必要になるといえます。


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