|
・あまり使われていない線区もある ・通告伝達システムによって取って代わられる?
(約1000字)
今後のATOS導入線区で出発時機表示器が設置されないのではないかというウワサが、あちこちの掲示板やブログなどで流れているようですが、一理あるなぁと思うとともに、設置されない場合について、その背景を洗い出してみました。
★あまり使われていない線区もある・[2501]
> この時出発時機表示器は稼動しておらず、着いてからすぐに発車していきました。
・[2530]
> 事故発生直後の「抑止」はあるでしょうから、使われていないわけではないと思いますが…列車が過密ではない分、このようなケースで「延発」の出番はなさそうですね。駅間に止まっている間に無線での通告も完了してしまえば「通知」の出る幕もない、と…。
埼京線、京葉線の「通知合図器」と同じ末路をたどるというケースが考えられます。
★通告伝達システムによって取って代わられる? 通告伝達システムでは、乗務員による明示的な受領確認が行なえる、列車の在線位置にかかわらず伝達できる(駅間でも大丈夫)点で、出発時機表示器に対する優位性があります。また、当初の通告伝達システムでは通信にNTTのDoPa網を使用していましたが、列車無線のデジタル化により、自前の高信頼な通信回線(※)で運用できるようになっています。特に、車両がE233系に統一された線区では、指令、運輸区、電車区、乗務員の研修など一連の対応が済めば、通告伝達システムを本格的に運用できる状況となっています。
※DoPa網が高信頼でないとまでは申しませんが、列車無線ほどにはクリティカル対応ではないという意味です。
一見、列車無線と地上側(出発時機表示器)とで二重化しておくという見方もできそうに思えますが、列車無線そのものが十分に高信頼である上、列車無線が使えない状況では運転が許されないため、地上側は事実上、無意味である、ということになるのではないかと思います。
とはいえ、埼京線の「通知合図器」がATOS導入まで撤去されなかったように、既設の線区で出発時機表示器が撤去されることは当面ないでしょう。撤去するにもシステム側の対応が必要になるはずです。逆に、今後の導入線区で最初から出発時機表示器の設置を見送ることは、無理なく行なえると見られます。
この点から、中央線でのATOS更新と青梅線・五日市線への導入における出発時機表示器の扱いは、たいへん注目されます。出発時機表示器を今後も長期にわたって使い続ける予定であれば、計画的に順次、更新、特に今回の中央線での線区別ホスト(線区中央装置)の更新に際しては全線的に更新されてもおかしくありません。しかし中央線では、出発時機表示器の更新が行なわれていない駅が多数あるほか、一部の設置箇所のみが更新されている駅(国分寺など)もあります。
※最大限に予断を持って見れば、計画的な更新ではなく、現に故障した箇所のみをやむなく交換しているようにも見えます。
青梅線・五日市線の側でも、立川−拝島間では4両・6両・10両で停止位置が異なり、出発時機表示器の設置箇所が多くなるか、あるいは4両・6両を対象外とする(運用に制約が残る)必要が生じます。
また、中央線で出発時機表示器を廃止して、青梅線・五日市線とともに全面的に通告伝達システムを活用する態勢をつくるとなると、システムの構築や更新とは別の次元で、かなり大がかりな話になるかと思います。それによってATOSの更新や導入が遅れているのだとすれば(態勢づくりが終わるまで「待った」の状態)、とても納得できる話になります。
|