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[2978]に補足です。
・読売新聞「世界初、無線で踏切制御…JR仙石線でスタート」(2014/12/14)
http://www.yomiuri.co.jp/national/20141214-OYT1T50030.html
> あおば通―東塩釜駅間にある踏切14か所のうち2か所を、14日に新システムへ切り替え、約半年かけて、切り替えを全て完了させる方針だ。
さすがに記者が取材(もしくは記者クラブで質問)するとプレスリリースより詳しく、プレスリリースには書かれていない今後のスケジュールが報じられています。まだ半年かかるとのこと。一方で、質疑がかみ合っていないのか、記者の理解が浅かったのか、ちぐはぐな印象のある内容も混ざっています。
※質問されたことにはきちんと答えているはずですから、質問する側がいたらなかった可能性が大きいと思います。自分がわからないことを質問するのは、とても難しいことです。何がわからないかが、わからないのですから。
> 従来の踏切制御は、線路上の装置が列車の通過を検知すると、踏切が鳴ったり、止まったりする仕組みだ。列車の速度が遅い場合などに、不要な鳴動時間が発生する場合もあった。
> 今回、無線を使った踏切制御の導入により、列車の位置や速度を無線で把握し、鳴動時間を適正化できるという。また、従来の仕組みで必要だった地上設備の保守・管理業務も軽減される。
前者は無線制御とは関係なく、従来の「スマート踏切」で既に実現していることで、後者こそが無線制御、すなわち「脱・軌道回路」によって得られる直接のメリットですね。とはいえ、踏切自体の設備はこれまで通りで、軌道回路と「踏切器具箱」が直結していたところに、I/Fのようなものが挟まって、直結しなくなったというイメージだと理解しました。(プレスリリースからわかるのはこのくらいが限界ですけれども。)
踏切の難しいところは、歩行者や自動車(の運転者)という一般の人を相手とする設備であることです。ここでは「フェールセーフ」が一筋縄ではいかず、例えば、踏切が鳴動したまま延々と列車が来なければ、踏切の故障だと思われて、遮断機をくぐって横断してしまう人が出かねません。実際、過去に、誤って「こしょう」(故障)と表示の出た踏切で死亡事故がありました([2553])。
・共同通信「「こしょう」表示廃止へ 踏切死亡事故受け国交省」(2006/3/29)
http://www.47news.jp/CN/200603/CN2006032901001605.html
> 遮断機が一定時間下りたままだと「こしょう」と表示される警報機は全国に約1万8300カ所あり、9割以上がJR各社の保有。
[2978]で述べました「タイミングやシーケンスだけ」というのは、こういう「一定時間下りたまま=こしょう」という類の愚直なロジックのことを指しています。まさか先進的なATACSによる先進的な制御にあたって、そんなことはいまさらしていないだろうと思いつつ、(組み込み系でありがちな)ゼロベースで設計するとうっかり、ということもあるかなぁ、と心配になったりします。どなたか、大丈夫だといってくださると安心できるのですが。
東日本大震災の直後の「輪番停電」では、踏切の電源だけが東京電力だったりという話もありました。
・JR East Technical Review「繰返し充放電時における鉛蓄電池の性能評価試験」(2012)
http://www.jreast.co.jp/development/tech/pdf_39/Tech-39-71-74.pdf
踏切に、あくまで非常用として装備されていた鉛蓄電池を、メーカー保証外となる短時間サイクルで充放電する話です。まさに、私も自宅のUPS(無停電電源装置)を、同様にヒヤヒヤしながら充放電を繰り返しました。結果的には技報にある実験結果と同じで、極端な劣化はなかったと思います。
※家庭用の洗濯機を毎日20回ずつ運転するくらいの「保証外」ならいざ知らず、鉛蓄電池はもともと充電に時間がかかりますから、短時間サイクルとはいっても、さほど極端な条件ではないともいえます。技報の実験としては、むしろ短時間「充電」でいかほど充電できるのか、のほうに関心があったようですね。これまた、いまどきみなさまスマホで痛感なさっているところかと思います。
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