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[2971],[2981]に続いて、上野東京ラインの旅客流動の話です。といっても、列車ではなく駅の側に注目します。
・[2971]
> 朝ラッシュ時の山手線(外回り)・京浜東北線(南行)、上野→東京(この方向のみ)の混雑率を低下(できるだけ大幅に低下)させることが至上命題である(東北縦貫線の効果測定の指標となる)
これまで同区間の混雑が東京で一段落していたということは、(単純に考えれば※)この流動が上野東京ラインに移っても、同様に東京で一段落する、すなわち、これまで東京駅の5・6番線のホームや階段が降車客であふれていたのが、こんどは9・10番線があふれるようになるということを意味します。
※実際には単純ではありません。別途まとめます。
これまで、9・10番線は快速アクティーや湘南ライナー、特急列車の発着に使われ、また、7・8番線との間でも分散することから、9・10番線の階段には、5・6番線ホームほどの容量(通路幅)は求められていませんでした。
・JR東日本「駅構内図(東京駅)」
http://www.jreast.co.jp/estation/stations/1039.html
http://www.jreast.co.jp/estation/stations/img/map/hm_1039-1.pdf
http://www.jreast.co.jp/estation/stations/img/map/hm_1039-2.pdf
PDF版の「1階」と「1〜23ホーム」を照らし合わせていただきますと、よくわかります。「新幹線中央乗換口」の前に広い空間を確保するためもあってか、東京駅では、9・10番線ホームだけ中央通路に降りる階段が1か所しかありません。(ほかのホームは、中央通路を左右から挟むように2か所ずつあります。)このままでは、上野東京ラインの開業後に東京で降りる乗客が9・10番線のホーム上に滞留し、後続の列車が遅れる原因にもなりかねない状態でした。
そこで整備されたのが、北通路へ降りる3か所目の階段です。駅構内図には反映されていない(当該階段の整備後に改訂された版でも掲載されていない)ことから、暫定の通路(※)という位置づけであるとみられます。
※現地をご覧いただくと一目瞭然ですが、特に床が床材でなく舗装となっており、いかにも仮設という印象を受けます。
・個人のブログ「9・10番線の階段が付け変わっていた」(2014年7月17日)
http://blogs.yahoo.co.jp/tom_0629/64404400.html
・JR東日本「2012年秋、東京駅が生まれ変わります!」(2012年4月10日)
http://www.jreast.co.jp/press/2012/20120403.pdf
> 北通路の改良工事に着手します
> 現在の東京駅改札内北通路は、他の改札内の通路と比べて幅員も狭く混雑しているほか、天井も低いため、2016年度中の使用開始を目指して、この北通路を生まれ変わった駅舎にふさわしい、明るい開放感のある通路に改良してまいります。
とのことで、まだ2年ほど工事が続くようです。上野東京ラインが「大増発!」となるまでには、7・8番線も含め、また新橋駅の工事の進捗もあわせ、旅客流動上の問題(狭い意味では階段や通路の容量)が十分に解消されることが前提となります。[2966],[2971]では仮に「(開業)2年目以降」としましたが、事実上、「3年目以降」となる2017年3月以降でないと「大増発!」はできない、ということになるでしょうか。
・土木学会 第66回年次学術講演会「新橋駅改良における課題と改良計画」(2011年)
http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00035/2011/66-04/66-04-0153.pdf
> 旅客流動調査及び汐留周辺開発や東北縦貫線開業に伴い増加する乗降人員を推計し、東海道線の乗降人員の予測値を算出した。その結果、乗降人員の増加に伴い現状の昇降設備(階段、エスカレーター)では容量を満たさないため、ホーム中央に新たに階段・エスカレーターを増設する(図-3)。
・個人のブログ「新橋駅改良工事(2013年5月5日取材)」(2013年5月24日)
http://mirai-report.com/blog-entry-1271.html
※先行して整備された横浜の9・10番線ホームの「だだっ広さ」([2940])が、今後どのように活かされてくるのか(=何のためにここまで「だだっ広く」したのか)についても注目されます。
・「だだっ広い」
http://www.weblio.jp/content/%E3%81%A0%E3%81%A0%E3%81%A3%E5%BA%83%E3%81%84
※感想は個人ですが、なぜ「だだっ広い」と形容するかといえば、施策の背景がわからないからということに尽きます。無駄な広さだとは思いませんし、狙い(目的)があっての必要な広さなのだろうと思うのですが、なぜ、何のために必要なのか(いつから必要になるのか)が、いまいちわからないということです。
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