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[2966]の続きです。ここまでは比較的、ニュートラルな、淡々とした運用上の話ですが、これに加え、営業上の話も関係してきます。
・成田エクスプレスが「不振」?
成田エクスプレスが6両編成に減車されたり、余った編成が伊豆急行線や富士急行線への直通に充当されたりと、成田エクスプレスには「ほろ苦い」話題が増えています。
鉄道における付加価値的なサービスとして、「速達性」「座れること(着席サービス、指定席、ライナー)」「高級感(ファーストクラス、特別車)」は、それぞれ本来は別のサービスですが、国鉄以来の運賃制度やダイヤ編成上、また成田エクスプレスでは車両のインテリアデザイン上、不可分のものとなっています。
・E259系
http://ja.wikipedia.org/wiki/JR%E6%9D%B1%E6%97%A5%E6%9C%ACE259%E7%B3%BB%E9%9B%BB%E8%BB%8A
このことから、いくら成田エクスプレスがガラガラだとしても、いまさら自由席にする(実質の割引になる)ことはできない(「高級感」が損なわれ、「高級感」を求める客に応えられなくなる)といった事情があるとみられます。とはいえ、「速達性」も「座れること」も、JRの在来線ではすべて「特急」に任された格好となっており、特に成田エクスプレスが走る区間では特急といえば(ほぼ)成田エクスプレスしかなく、「座れなくてもいいから速く」という需要に対して、いわゆる「立席特急券」を買えという、おかしな話になっています。特急列車のスジのままでも、特急に普通列車(一般車)を併結すれば、解消できる問題です。
・名鉄「空港線ご利用案内」
http://www.meitetsu.co.jp/train/centrair/guidance/index.html
> ミュースカイ・快速特急・特急の特別車をご利用の場合は、特別車両券(ミューチケット:1乗車360円)が別途必要です。
・名鉄2200系(1700系・2300系)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%8D%E9%89%842200%E7%B3%BB%E9%9B%BB%E8%BB%8A
※千葉駅の話なのに名鉄で恐縮ですが、ここまで順にお読みいただければ、名鉄を例に挙げる意図がおわかりいただけるものと思います。
名鉄(名古屋鉄道)の中部国際空港へのアクセスでは、全車特別車となる2000系車両による「ミュースカイ」と、一部特別車となる2200系(1700系・2300系)による「特急」(一般車は特別料金不要)の2本立てになっています。「特別車両券」も360円と、かなり低廉です。貴重なダイヤ(スジ)を費やして運行するからには乗車率を上げないともったいない、という、しごくまっとうな判断から決められた料金とみられます。また、この360円は、明確に着席サービスへの(だけの)対価となるもので、速達性は一般車でも特別車でも変わりありません。たいへん、わかりやすいサービスが実現しているといえます。
JRの成田空港へのアクセスでも、グレードを下げた車両を成田エクスプレスに増結し(いわば、普通列車へのグリーン車連結の逆となる意味合いを持つ施策として)、「速達性」だけを提供する部分と、「高級感」をあわせて提供する部分とを混成させた列車にしていくことも考えられます。成田エクスプレスでは、E259系への置き換えによって、従来、グリーン車で「1+2列」のシートだったところが、普通車と同じ「2+2列」のシートになるなどして、「高級感」や「ゆとり」を求める利用客からは不満も出ているとされます。新幹線での「グランクラス」とも似た方向性で、今後、より大きな差をつける施策も検討されていくのではないかとみられます。
新幹線でいえば、一つの編成に普通車・グリーン車・グランクラスという、複数のグレードを備えながら、「速達性」は一律に提供されるという、いわば「あたりまえのこと」が実現しています。在来線では(新幹線がなかった時代からの慣例として)「速達性」を別料金として収受するためには「特急」や「急行」とする必要があったことから、なかば必然的に、1つの編成で複数のグレードを提供するということはあまり考えてこられなかったという経緯があります。
※運賃と別の料金を取る以上は、普通車もそれなりに高いグレードでないといけない、という考え方ですね。もっとも、185系(「新特急」)のような例もありましたが、結局は新しい車両へ置き換えが進みました。185系は、あくまで例外的な経過措置だった、あるいは「失敗」だったのだろうと、あとからみればそうみえます。
1つの編成で「成田エクスプレス」の性格と「快速(特別快速)エアポート成田」の性格を併せ持つことができれば、もはや列車を分ける必要はなく、成田空港に乗り入れる列車はすべてこれ、どの列車にも、指定席と自由席があるという、一種のユニバーサルなサービスが実現します。見方によっては「成田エクスプレスの大増発!(毎時5本!)」とも「グランクラスつきの特別快速」ともいえます。指定席だけを別料金とするならば、成田空港駅のホームで指定席の乗車位置にアテンダントを常駐させることで、誤乗を完全に防ぐことができます。また、成田空港駅で、停車している列車がすべて同じ見た目をしていて、どれに乗っても速達性に違いがない(どれに乗っても、東京へ最短で到着できる)となれば、もはや「どの列車に乗ればいいのですか?」という問い合わせ自体をなくすことができると考えられます。
上述のようにユニバーサルな列車としていく場合、あくまで「特急」として続けていくのか、事実上の「特別快速」への格下げとなるのか、という点も注目されます。もっとも、そのような「つじつまあわせ」ともいうべき位置付けの話は、あくまでJRの社内で決着すべき話(誰が責任を取るのかなど)であって、利用客からみれば、実質のサービスが格段によくなって選択肢も増えるとあらば、「格下げ」を悪いことと受け止める客は少ないことでしょう。
このあたりに関しては、「スワローあかぎ」の利用動向や「お客さまの声」などを分析した上で、取り組まれていくのだろうと思います。また、東海道線の特急列車やライナー列車の再編や統合(端的には185系や215系の置き換え)のほうが成田線よりも優先順位が高いとみられますので、成田線で動きが出てくるには、まだまだかなり時間がかかる話になろうかと思います。
東海道線にしても、「スーパービュー踊り子」のようなリゾート色の強い、名鉄でいうところの「全車特別車」も欠かせないでしょうが、一方で「踊り子」やライナーは中途半端で、また快速(東海道線内での快速:「アクティー」)も本数が少なく、速達性も不十分という状況かと思います。名鉄でいうところの「一部特別車」的な形での再編や統合は、東海道線でも求められてきているかと思います。とはいえ、まずは「スワロー踊り子」への統合(ライナーの廃止)、ということなのかもしれません。
※(夢のある若い人がいろいろゼロベースで検討したのに、上のほうで結局そうなったとすると)いかにもJRですね。その結果しだいで成田線がどうなるかが決まってくると思います。東海道線での施策が「絶望的なもの」であった場合は、その時点で成田線も「絶望的」だと思ったほうがよいのでしょう。
中央線から他線区に追い出されるとウワサされるE257系ですが、ここにE257系とエクステリアを揃えた4扉なり3扉なりの「普通車」を新造して混成とするとか、何らかの方法で座席のグレードを下げて(あるいはほかの特急の座席をすべからくグレードアップして、相対的に下げるなどして)一般車(特急券不要)の特別快速として運用する(そのまま、ラッシュ時はライナーとして、これまでのように整理券方式とする:京急の2100形に近いですね)など、既成概念にとらわれない柔軟な発想でサービスを高めていってほしいと思います。「スワローあかぎ」を唯一の正解とするような(一度、社内の競争を勝ち抜いて採用された施策が、各地の事情をよく考慮しないまま機械的に展開されていく)ことは、社内では許されても、利用客が許さない(≒そっぽを向く)といえます。
・京急2100形
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%AC%E6%80%A52100%E5%BD%A2%E9%9B%BB%E8%BB%8A
※こうした点からも、東北縦貫線の試運転に使われている車両の1つが185系であるのが、いろいろと意味深だなぁと、勝手にフカヨミしてワクワクしております。185系でいまさら「特急」とはいえませんし、特別快速ともライナーともつかない上述のような列車が、まずは185系でスタートし、後からE257系になっていく(そして「大増発!」という)のかな、と、これまでの湘南新宿ラインでの段階的なダイヤ拡充を振り返ってみると、思います。
目先の課題として、千葉駅や、東千葉の留置線などを改修・整理するにあたっては、当然、このような動向もすべて考慮に入れて計画される必要があります。逆に、車両や列車をどうしていくのかという施策が完全には固まらない段階でも、時間のかかる線路関係の工事は着実に進められていく必要があります(列車をどうにかしようとしたときに駅や線路がまだだった…では、何もできません)ので、千葉駅で、駅舎の改修に留まらない工事が始まるまでには、上述のような、きわめて多岐にわたる施策が、1つ1つ入念に検討されていくのだろうと思います。
※本当に、たいへんな仕事ですね。
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