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この一連の記事では、「じゅんふどうのあっとらんだむ」で「じどうほうそう(ただしはっしゃめろでぃーをふくむ)」を技術面で立体的に読み解くことを目指します。
お好きな順番でお読みいただけるよう、1つの記事を短めに、そして細切れに掲載いたします。その分、1つの記事を読むだけではよくわからないということになるでしょう。
※21世紀は使用許諾契約の時代だっ! 「赤い目」をして契約書にサインしさえすれば、きょうからキミも「使用許諾済み」だっっ!!! 「電気・電子」への「最短の近道」的なものへ進む人がもれなく著作権や芸術の振興など「文化庁なソレ」を一通り勉強するようになったのは最近のことです…たぶん。
JRや国鉄との長くて厚いソレのありそうな業者さん、といって、▼ユニペックスさん([3202])、…だけではひいきだぞー、ということで、▼永楽電気さんも見てみましょう。(マコトに恐縮です。)
・YouTube 防災行政無線のための永楽電気(たぶんメロディーIC)
https://www.youtube.com/watch?v=yX8Pp0OAbFc
これ、メロディーICが先にあってのソレで、永楽電気さんとしても、ほかの電気屋さんとしても、メロディーICは「買ってきて取り付けるレヴェル」のはずですから、そこに「選曲の自由!」は(ほとんど)なかった、と決めつけることができます。(かなり確かです。)
※(いまはどうだか知らないけれど)「子供の科学」の巻末に電子部品の通販のソレが載ってたじゃないですかぁ。メロディーICってば、同時に1音しか出せないオルゴールのようなもので、そういう制約下でも違和感のない選曲かつ著作権が消滅していそうなソレということで「アマリリス」「牧場の朝」「ムーンリバー」「メリーさんの羊」くらいしかなかったじゃないですかぁ。なるほどなるほど、それで?(もしゃもしゃ)…あざっす。
・「アマリリス」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%82%B9_%28%E3%81%BF%E3%82%93%E3%81%AA%E3%81%AE%E3%81%86%E3%81%9F%29
> 1968年2月
> フランス国王ルイ13世が作ったとされる楽曲『アマリリス』を元にした歌。
…あのっ! メロディーICの「開発の命が下って」選曲に悩みながら「ご自慢のカラーテレビ!(この前やっと買うたのよ、まだヒミツにしといてぇな)」を選局したら「みんなのうた」で「アマリリス」がっ…などと、妙に生々しく想像しちゃったじゃないですかぁ。やだなぁ。
メロディーICというものは、だいたいそのくらいの時期に登場したもので、その時点でメロディーICに採用される確率の高い楽曲として、「テレビをつけたら流れてくる楽曲」というのは大いに候補になりそうだと早合点されます。(あくまで早合点です。)とはいえ、電気屋さんなら誰でも「耳コピ」できるかといえば無謀で、▼曲を決めてから「ご指名」で楽譜を買ってきた、あるいは、▼現に容易に入手できた楽譜集の中から選曲した、どちらかかなぁ、とも思われます。
・「牧場の朝」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%A7%E5%A0%B4%E3%81%AE%E6%9C%9D
> 1932年12月「新訂尋常小学唱歌(四)」
・「ムーン・リバー」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A0%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%90%E3%83%BC
> 1961年に作詞ジョニー・マーサー・作曲ヘンリー・マンシーニによって作られた曲。同年に公開された映画『ティファニーで朝食を』の主題歌
・「メリーさんのひつじ」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%AE%E3%81%B2%E3%81%A4%E3%81%98
> 1830年5月24日
> 19世紀のアメリカ合衆国に起源を持つ英語の童謡
※…あれ? おかしいなぁ。「ムーン・リバー」だけは、ちょっと新しいですぞ&心配ですぞ。
ICのメーカーとしても、やはり電気屋さんの仲間ではあるので、「手元になんとなく楽譜があった」(きわめて狭くは「子どもの音楽の教科書を借りてきた」)とか「社長がいつも名曲だといってるヤツ」とか、そういう、あたかも「なんでもいいや」…いえ、「これでいいや」的な選曲をしたのだろうといって決めつけたくなります。本当でしょうか。
仮に、▼著作権が云々、▼技術上の制約で曲調が云々、といえば、「これからはメロディーICの時代だっ! 21世紀にふさわしい楽曲を委嘱して制作してもらおう!!」といって、きわめて大ざっぱには冨田さんや冨田さん、それに冨田さんなど(もしかすると武満さん)に委嘱されるという「『X』な開発ストーリーのひそみ!」的なものが(当時)展開されてもよかったのではないか、とも素朴には思えるところです。
※しかし、現実には「これでいいや選曲」事案で済まされたわけです。あくまでいまから見れば、まるで独創性が追求されない、(製品の開発が、「電気・電子」のセカイで閉じている)『未熟な業界』であったとすらいうこともできますが、いえいえいえ、そんなこといっていいんでしょうか。ダメな気がします。当時はあくまで当時なんです、という視点が欠かせないと思われてきましょう。
・「冨田勲」(2012年11月23日)
http://wired.jp/2012/11/23/tower_recordommune_shibuya/
http://wired.jp/wp-content/uploads/2012/11/TOP1.jpg
・「武満徹」(1930年10月8日〜1996年2月20日)
http://www.schottjapan.com/composer/takemitsu/bio.html
・TOA「ジーベック」
http://www.toa.co.jp/mecenat/culture/approach/xebec.htm
http://www.xebec.co.jp/company/
似たような話として「日本語変換」の開発もありましょう。
・「30周年を迎えたATOKにかける思い」(2012年2月10日)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/miura/20120210_510911.html
> 福良社長は、ATOKというか、その前進製品であるKTISが開発された当時からジャストシステムに在籍されていたんですね。
> アルバイトでジャストシステムに入ったのが1982年ですから、まさに「KTIS」開発の真っ直中の頃だと思います。いや、当時は開発段階ですから正式にそういう名称がついていなかったんじゃないかと記憶していますが……(笑)。
> 「アルバイトしながら、プログラムが勉強できるぞ」と。
※「前進製品」は原文ママ。「ぜんしんの_せいひん_」と『手動単文節変換!』しておれば間違えないものを…などと(略)。
> 他社がそういうものを作っているからとか、ビジネス的にそれが必要という前に、日本語変換システムとはどうあるべきか、真剣に考え、検討したから、早い段階から辞書を用意する必要があるという発想になったのだと思います。
しかし、その辞書がどこからどうやってつくられたかといって、ここだけの話、「市販の国語辞典を片っ端から単漢字変換で入力!」したんだとかなんとか、という「ここだけの話」が以前にどこかで公開されていたやのように記憶していますが…(私の)記憶違いでしょうか。
・[3155]
> ・「エアチェック」
> ・「バブルラジカセファンサイト バブリズム」
> ・ワープロ専用機(2012年9月5日)
> > 国土交通省にいたっては、「著作権法上の問題が出てくるとは知らなかった」とのたまったそうな・・・。
※ぐ…、ぐふっ。
・シリコンハウス共立「電子オルゴールをつくっちゃおう」(2005年7月10日)
http://blog.siliconhouse.jp/archives/27632093.html
http://livedoor.blogimg.jp/siliconhouse/imgs/2/4/2411a95a.jpg
顔の見える…いえ、「昔ながらのメロディーIC」ですよ、コレですよっ。ICといいながら3本脚っ!! 1つで1曲! 2曲つかいたければIC2個をスイッチで切り換えっ!!(⇔高度なデジタル回路など組まずとも、ましてやマイコンなど使わずとも「選曲スイッチ!」を実装できるっ! 地味に便利っ!!)
…といいながら、いまどき、「基板完成品!」をまるごとスイッチするかのような「モジュール設計っ!」(なんと、電源も増幅も、曲の数だけあるっ!!)が一種「はびこって」…いえ、趣味の界隈でも、回路を自分の用途に合わせて手直しするという、とっても基本(だと思う)のソレが「だい胆にスキップ」されて、あるいは、いきなりラズベリーだぞー…などと、(「電子」分野への入門としては:製造の技能でなく設計の知識を問うもの、の意)ひきょーだぞー(まったく勉強にならない「意味のないこと」や、ひいては「勉強の妨げとなるようなこと」をしているのではないか)、と思ったりするとかなんとか。ゲフン。
※「地味な便利さ」を最低コストで実現するための「地味な設計」が省みられなくなっているのではないか、という「懸ねん」ですが、あくまで個人です。
・最近の「メロディーIC」の例
http://www.npc.co.jp/product/audio-video-melody/
http://www.npc.co.jp/wp-content/uploads/SM1350AAQM_ND12004J02.pdf
> 著作権処理(録音使用許諾)につきましては、最終製品を日本国内で使用(販売)される場合には、当社へお問合せください。
> 最終製品を日本以外(海外)で使用(販売)される場合には、別途、当該国の法律に従い、お客様側で著作権使用許諾を得ていただくことになります。
おお。電気屋さんとしてはハンドリングしかねるといって何かが投げられそうに思われますが、使いたければ適切に手続きすればいいんですよぉ。
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