フォーラム - neorail.jp R16

Googleの「AIによる概要」で誤った内容が表示される事象について


発行:2014/12/21
更新:2015/2/16

[2983]

日常感覚と統計(1) 窓のある指令室

突風 ウェイト 風速計 イライラ 蘇我駅 症状 観測 外房線 モノレール


(約3000字)

 羽越線の脱線事故(2005年12月25日)から9年になります。来年は「節目の年」となるわけですが、そうなってしまうと「情緒的なもの」のウェイトが大きくなってしまいがちです。このフォーラムとしては、1年ほど前倒しで一度、振り返っておきたく思います。

[2552]
 > 付近の住民は、雷やあられとともに突風が吹いたとしています。天気が荒れていたことは誰の目にも明らかだったはず。そういう「直観」を指令室に持ち込むことができれば、計器による観測を補うものとして活用できるのではないでしょうか。

・個人のブログ「羽越線事故:毎日社説をながめよみ」(2006/1/1)
 http://tht.sblo.jp/article/241700.html

 > 気象庁のまねをするくらいなら、気象庁からデータをもらえばいい。

・個人のブログ「毎日社説:指令室に日常生活の感覚を+天気に無関心すぎる人々?」(2006/1/3)
 http://tht.sblo.jp/article/244896.html

 > 暖かい部屋の中で窓の外も見ず風速計のデータだけを見て(…というのはあくまで想像図ですが)

・失敗知識データベース「羽越線脱線事故」(2007年)
 http://www.sozogaku.com/fkd/cf/CZ0200715.html

 > 2.風速計による風速観測が不十分
 > JR東日本の風速計は、第二最上川橋梁から酒田よりに35mの位置と、新潟寄りに18kmの距離にある赤川橋梁に設置されていたが、事故現場での風速把握としては不十分であった。
 > 3.気象情報の活用不十分
 > 当時発令されていた暴風雨・波浪警報を利用していれば、対応が異なった可能性がある。
 > 鉄道会社が、強風に備えて線路沿いにいくら多くの風速計を設置したとしても、その情報は線路上に限られる。本事例のような事故を防ぐためには、鉄道という「線」で捉えるのではなく、その地域全体の「面」でこれから線路上に発生する状況を捉える必要がある。気象予報の推移も、気象衛星などによってかなり正確に予測可能になってきており、線路上に「これから起こりうる気象状況」を鉄道の運行計画に反映することで、このような「未知」の失敗への対応が可能と考える。

 専門家が2年ほどかけて調査してまとめても、ほとんど同じ結論しか出てこなかったといえます。また、明言されてはいませんが、事実上、風速計だけに頼る「強風警報システム」では同種の事故を防ぎきれないことを指摘しています。

 「東京総合指令室」(交通新聞社新書)にも「窓」の話が出てきていました。ほとんどの指令室では窓がないとのことで、くだんの指令室(…とぼかしておくのが礼儀というものでもあるのでしょうか)では「小さな窓」があるものの、指令員が窓の外を見ることはほとんどないということです。やはり上掲の記事で書いたような懸念は長年あったということになります。

 また、日常生活の感覚という話では、同書には「24時間勤務」と「1年が短く感じる」という話も出てきます。ここに、たいへん大きな問題があるように思いました。およそ「普通の人」の生活感覚からはかけ離れており、このことがあらゆる問題の遠因になっているように見受けられます。(別途まとめます。)

・NHK クローズアップ現代「“からだの時計”が医療を変える」(2012/4/23)
 http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3188_all.html

 > 明石真教授は、早出や夜勤など勤務の交代制がある工場で働く人の時計遺伝子がどうなっているか調べてきました。
 > こうした研究の結果、時計遺伝子が勤務時間の変動になかなかついていけないことが分かりました。

 > 2年前の調査で2時間以上、仮眠を取った場合高血圧や生理不順などの症状が減ることが分かっています。
 > 樋口教授は、短時間でも暗い部屋で寝ることで時計遺伝子への影響が抑えられるのではないかと考えています。

 もちろん、病院や消防などと並んで勤務時間が不規則な職場の一つとして、いまどきふつうの対策のほとんどが既に講じられているものと信じます。しかし、病院や消防にとっての「お客様」は、非常事態に見舞われた、いわば「非日常のお客様」です。これに対し、鉄道のお客様は「日常のお客様」ですから、サービスを提供する側にも日常の感覚がなければ、真に「お客様目線」に立つことはできないといえます。今日は暑いのか寒いのか、ジメジメしていてお客様がイライラしているのかどうか、それだけのことでも、ずっと建物内にいてはわからないことです。

 「普通の人」と同じように電車に乗って職場に通勤し、可能な限り「普通の人」と同じ生活リズムで生活できるように業務を作り替えていくことが「上のほう」には求められているのではないかと思います。これは、現場では変えようのないことで、「上のほう」が先に動かなくてはいけません。

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 > よその掲示板でちょっと前に、内房・外房線が止まった時に蘇我駅で抑止になった電車の車内ではその遅れの情報ばかり案内していて、ほとんどの乗客が動くのをじっと待っているが、特に影響を受けずスムーズに動いている京葉線とバスやモノレールを乗り継げば(いつになるかわからない)内房・外房線の運転再開を待たずとも千葉や稲毛や都賀に行ける…そのことを車掌氏に言ったら(その人は京葉線が動いているかたずねたついでに言っただけのようですが)アナウンスしてくれて、ほとんどの乗客が京葉線に乗り換えた、という話が出ていました。

 他社線やバス路線など、地元の人が知っていて当然のことを知らないままでいては、「お客様目線」とはいえません。もちろん、乗務する区間の全域でそれを知っておくというのは困難ですが、それでもゼロではなくある程度は知っているということが潜在的には求められているのではないかと思います。

 ただちに変えることができるものでもないでしょうが、決して、現状がベストなんだとか、これを変えたら鉄道ではないんだといった観念的な話にしていてはいけないでしょう。「鉄道は特殊だから」と思い込んでしまって何も考えず、何も感じなくなっている部分をこそ、何とかしなければならないという視点から見ていくことが重要といえます。


この記事のURL https://neorail.jp/forum/2983/


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