フォーラム - neorail.jp R16
2024年4月の話題
更新:2024/5/1

[5210]

【実例に見る日英対訳】

実例に見る日英対訳(44) 「レオンチェフの逆説」と「PageRank」


(約7000字)

 [5192],[5193],[5194],[5196],[5201][5207]の続きです。


・(♪〜)
 https://img.dailyportalz.jp/2615/5988/6559/slack-imgs.jpg

※画像はイメージです。

[5207]
 > > 開始時から建設途中の上記AIの超高層ビル
 > > シナリオ開始時点で何とAIが超高層ビルを何棟か建て始めているという粋なシュチュエーションから始まる。

 > 「A列車で行こう9」の公式の説明には「AI」という言いかたはいっさい出てこない。「このフォーラム」で「他社物件」を「CPU」(※レトロゲームでいう「COM」)と呼んでみせたことがあった。その話に変に感化されてしまうと、からかいということでなく本当に何かを納得したという感じで「AI」と書いてしまうのだろうが、メーカーが使っていない用語を使うのは避けたい。

[4248]
 > 産業連関表を引き合いに出して解説できなければだめだ。産業連関表は行列である。

 > 数学用語だけで言えば、取引額を重みとした隣接行列である。(※「指標」という用語は数学ではなく社会科学の用語。)

[4293]
 > 「取引額を重みとした隣接行列」ということを意識した呼びかたである「産業連関表」は好ましい訳語であり、『出入表!』などと直訳してよしとはしなかった先人の偉大さに感服するところ。

 > 経済学を専攻した人のほかは、業務で使う人だけが、その場その時に学べばいいんだという扱いなんですかね。

 > 「産業連関表を引き合いに出して解説できなければだめだ」とわからなければいけないというのは、修士であり学芸員である人に対しての要求であるので、そのどちらでもない人は気にしなくてよいです。「産業連関表」というものがどのくらい一般教養たりえるのかについてわたしは実感を持たないのでなんともいえんです。すんません。

 ここで述べているのは、「産業連関表」というものがあるということを知っている(名前を知っている)ということではなく、数学用語だけで言えば、取引額を重みとした隣接行列であるということをすらっと言えるということである。

※下を向いたまま音声を変えています。

・(2022年12月21日)
 https://youtu.be/3g8zSZZdykI




 > 立命館大学経済学部

 > 秋学期1回生向け入門講義の2022年12月21日の対面大講義授業のズーム参加者向け配信を録画したもの
 > 行列やベクトルを初めて見る人にもその計算の仕方が理解できるように解説して、「レオンチェフ逆行列」による波及効果計算の原理を説明しています。

 「レオンチェフ逆行列」による波及効果計算の原理を説明しなければいけない(もっといえば「レオンチェフ逆行列」という呼び方とその説明を学生に暗記させなければいけない=そうしないと学生が就職できない=)お立場であらせられるので、そちらに力点があるし、なるべく早くそこまで話を進めなければいけないというご事情は理解した。(※敬語)しかし「産業連関表」についての説明を能動的に探すような人の中に「行列やベクトルを初めて見る人」はいないだろう。「レオンチェフ逆行列」が、この分析の上でのユーティリティなものに過ぎず、そこに何らかの数学的発見があるでもないのに名前がついているというのは、数学的にはおこがましいという印象がないといえばうそになる。(※持って回った言いかた)

・…やーい「Word」のファイルを直に公開しちゃうセンセイ(※事実です)
 https://www.sanken.keio.ac.jp/user/kiji/lecture/susume.doc

 > 産業連関表の創始者はレオンチェフであり、1936年にハーバード大学で発表した「アメリカ経済の構造」と題する論文の中で、産業連関表によるアメリカ経済の分析を行った。

 > Wassily W. Leontief. 1906年ロシアのサンクト・ペテルブルグ生まれ。

 師匠と弟子のような関係性のもと「レオンチェフ」の名前を(弟子たちに)呼び続けさせることじたいが思想であるとか言われると困惑してしまいます。

 > 逆行列係数とは

 > それを計算したのが「逆行列係数」であり、「逆行列係数表」には、各産業に1単位の新たな需要が発生した時、究極的に見て必要となる各産業の生産額が、当初需要に対する倍率で示されている。

 > 逆行列係数表の対角要素(同一部門の交点)

 「逆行列係数とは」のところに「逆行列係数とは」という文が出てこない。(※呆然)「逆行列係数表の対角要素」それはつまり「行列の対角要素」ではないのか。そこの話を避けて「逆行列係数表」と呼び、「計算」とひとことで片づける。えー…(てんてんてん)。

 > 逆行列係数を計算するためには、行列式による方程式を解かなければないので、コンピュータが未発達の時代には大変困難な作業であったが、現在では、ExcelやLotusに計算ソフトが組み込まれているので、誰でも簡単に計算することができる。

 「行列式による方程式を解」くというところまで立ち戻って話をする必要はないということを理解していないと見受けられる。数学の証明という意味合いで方程式を解くというのは偉大な先人が1回やれば、それでいい。あとはエンジニアがアルゴリズムとして実装してくれているので、われわれはそれを利用するのがいちばん“正しい”のだ。コンピューターというものを理解しておらず、数学の知識を(手で問題を解くような形そのままでなく)どのようにコンピューターのプログラムにしていくのかということについて、いっさいのイメージを持っていない人だと疑う。(※見解です。)

 > 本稿では、その意味(前項)の説明にとどめ、計算方法は省略するので、正確に理解したい人は、日経文庫『産業連関分析入門』宮沢賢一編、第III章「基本モデルとその応用」を参照していただきたい。

[3527]
 > > 実は、かつてトヨタグループもそうでした。理論的な説明が中心の多変量解析の研修を行っていたところ、難しくて、技術者といえども実務で使いこなせなかった。研修の講座として学んでおしまいで、実践には至らない。それでは多変量解析を学ぶ意味はありません。

 > > こうして理論を学んだ上で手計算する方法をやめ、計算を自動化できるソフトウエアを使うことにしました。加えて、実践形式の研修を始めました。講義に加えて、職場から持ち寄った課題をテーマにグループワークを行う方法を取り入れたのです。すると、現場での多変量解析の活用率が飛躍的に伸びました。

・(♪〜)
 https://img.dailyportalz.jp/cache/thumbnails/b7d1a0b54402c35b7b1c8e4017fdf0fa.jpg

※画像はイメージです。

・「「対角要素」の意味・わかりやすい解説」とは(※嫌味)
 https://kotobank.jp/word/%E5%AF%BE%E8%A7%92%E8%A6%81%E7%B4%A0-90898

 > 対角成分または対角元素ともいう。

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%95%E3%81%AE%E9%80%86%E8%AA%AC

 > レオンチェフの逆説
 > Leontief paradox

 ノーベル経済学賞の授賞理由(だと思う)「レオンチェフの逆説」との(日本語での字面としての)混同がなかったか。えー…(てんてんてん)。

※「逆行列」は「inverse matrix」で、「逆説」は「paradox」。英語であればまったく混同のしようがない。

・その本は数学的にはさっぱりだと!(※倒置法)
 https://www.amazon.co.jp/dp/4532108578

 > 逆行列の話は説明不足で、さっぱり解りませんでした。

 ほほぅ。

 > 行列の演算になれていたとしても、
 > 行間の説明が不親切なため、非常に読解が困難

 > 専門用語が定義なしに使われたりするためか、日本語としても意味がわからない部分が多々ある。

 数学をきちんと勉強してきてから臨んでいる人ほど戸惑いが大きいという重大な問題。(※見解です。)

[4637]
 > > もちろん海外では、「経済学を学ぶためには、理系並みの数学力が必要」という認識が普通
 > > 政治学に関しても、さまざまな内容についての統計学的分析が基礎となる時代であるにもかかわらず、「算数の%が理解できれば十分」と考えるのは残念でならない。

 これからはますます、戸惑う人のほうが多くなる。(※私的な予想です。…予想は外れる場合があります!)

・(♪〜)ばざーいっ(※誤読)
 https://youtu.be/Vzall-zzARY




 > Morgenblätter, Walzer Op. 279
 > Johann Strauss II

 なんかむにゃむにゃいいながら、飼い犬が持ってきてくれた朝刊をにぎりしめて、…はっ!?(※語感)

 https://grapee.jp/wp-content/uploads/2024/02/98761_01.jpg
 https://m.media-amazon.com/images/I/71yXgLgw3+L._SL1000_.jpg
 https://mpreview.aflo.com/o7Afj7EENUWI/afloimagemart_236336952.jpg

※画像はイメージです。

・英語でEnglish!!(※白目)英語でWikipediaを読むデース!
 https://en.wikipedia.org/wiki/Wassily_Leontief

 > Leontief is credited with developing early contributions to input–output analysis and earned the Nobel Prize in Economics for his development of its associated theory. He has also made contributions in other areas of economics, such as international trade where he documented the Leontief paradox.

 > Leontief earned the Nobel Prize in economics for his work on input–output tables. Input–output tables analyze the process by which inputs from one industry produce outputs for consumption or for inputs for another industry. With the input–output table, one can estimate the change in demand for inputs resulting from a change in production of the final good. The analysis assumes that input proportions are fixed; thus the use of input–output analysis is limited to rough approximations rather than prediction. Input–output was novel and inspired large-scale empirical work; in 2010 its iterative method was recognized as an early intellectual precursor to Google's PageRank.

 …Googleほにゃく先生かも〜ん(っぬ)!!!(※誤った発音)

 > レオンチェフは産業連関分析への初期の貢献を開発したことで知られており、関連理論の開発によりノーベル経済学賞を受賞しました。彼は、レオンチェフのパラドックスを文書化した国際貿易など、経済学の他の分野でも貢献しています。

 > レオンチェフは産業連関表に関する研究でノーベル経済学賞を受賞した。産業連関表は、ある産業からの投入が、消費のための産出、または別の産業への投入のための産出を生み出すプロセスを分析します。産業連関表を使用すると、最終財の生産量の変化に伴う投入需要の変化を推定できます。この分析では、入力比率が固定されていることを前提としています。したがって、入出力分析の使用は、予測ではなく大まかな近似に限定されます。インプットとアウトプットは斬新で、大規模な実証研究にインスピレーションを与えました。2010年に、その反復手法はGoogleのPageRankの初期の知的先駆者として認識されました。

 英語版ならPageRankへの言及がある。いわんこっちゃない。もっとも、なんかぐちゃぐちゃと「反復」させて「収束」したと思ったらやめるという非常に“やわ”な手法を「手法」と認めようという発想じたいが近年までなかったといえばなかった。こんなのは『数学』ではないという人がいるとすれば(…いるはずですけど!)、そこには反論できない。あくまで応用的な「手法」(アルゴリズム=プログラムとしてのアイデア)だという認識および呼び方が無難であるとは思う。(※個人の感想です。)

・(♪〜)
 https://img.dailyportalz.jp/4615/5750/0061/60c3fa040dadb45d38d111e304983ec6.jpg

※画像はイメージです。

・(再掲)日経リサーチ「固有値分解」
 https://www.nikkei-r.co.jp/glossary/id=1605

 > 実は、一連の次元縮小法は、ほとんど同じ解析法なのである。それは特異値分解、その特殊な場合の固有値分解である。つまり、

 > (1)相関行列の固有値分解 ==> 主成分分析(因子分析)
 > (2)頻度行列の特異値分解 ==> コレスポンデンス分析(数量化3類)
 > (3)分散比行列の固有値分解 ==> 判別分析
 > (4)距離行列の固有値分解 ==> MDS

 > というように、入力データが違うだけで、データの解析法は同じである。

・(♪〜)
 https://img.dailyportalz.jp/6315/6298/3368/8599fbf1f8034d0685a6b13d29e118ad.jpg

※画像はイメージです。

[3566]
 > 「それを先に言ってよ!!」の筆頭格ですよね、わかります!!(棒読み)

 > 同じ並びで「(5)隣接行列の固有値分解 ==> HITS(PageRank)」との早合点をすれば、『現代の水準!』で新規わたしたち(以下略)

 いま「AI」と呼ばれているもの(なんとかモデルの類)は、学習に用いたデータに特色があって性能が出るということを除いて見たとき、せいぜい「(5)」止まりであるものと、「(6)」や「(7)」に相当する計算を行なっているものとがある(と思う)。いま「一般教養」として「AI」を教えるのであれば、主成分分析をものすごく丁寧に教えて「完全に理解した」という状態に持っていってあげたうえで、毛色の違うものとしてPageRankを説明し、その2つからの敷衍で「AI」の正確なイメージを持たせるべき。(※上から目線)いちばん新しいやつ(※ひらがな)や、いちばん性能がいい(と言われている)やつ(※ひらがな)を持ってきて動かしてみせるといったことでは「一般教養」と呼べる見地には到達しない(と思う)。


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きょうは西葛飾駅北口駐輪場でブレインストーミング。

2024/6/1


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