フォーラム - neorail.jp R16

Googleの「AIによる概要」で誤った内容が表示される事象について


発行:2015/4/9
更新:2016/2/13

[3028]

Re:[3027] 「オレンジ色の改札機」と「どっちーも」「だぶるーと」

実装 北与野駅 Air 武蔵小杉駅 PASMO 連絡通路 掲示物 例外条項 ビーコン


(約6000字)

 [3027]の補足です。京葉線とりんかい線の直通運転に際して「懸案」とされる運賃収受についてまとめます。

[3027]
 > 京王線や東武線、西武線で特殊連絡定期券が発売されるに至った背景そのもの

・京王電鉄「新・通勤定期券どっちーも どっちーもとは?」
 http://www.keio.co.jp/campaign/teiki/detail.html

 > 「どっちーも」は、通常の定期運賃に1,000円※をプラスした金額で、新宿駅と渋谷駅のどちらでも乗り降りできる定期券です。
 > ※1か月定期券の場合

・東京メトロ「2区間定期券とは」
 http://www.tokyometro.jp/ticket/types/pass/commuter/two_sections/

・西武鉄道「だぶるーと・Oneだぶる♪(PASMO定期券)」
 http://www.seibu-group.co.jp/railways/railway/ticket-info/pasmo_teiki/

 > だぶるーと
 > 『PASMO定期券1枚』で2つの経路をご利用いただける便利な連絡定期券です。お客さまのご都合にあわせてご利用いただけます。
 > 1ヶ月定期運賃の場合、西武線発駅から西武線池袋駅を接続駅とした東京メトロ線・東急線との連絡定期券の運賃より2,000円程度加算した額になります。

 別経路の初乗り運賃×期間に相当する額、ということでしょうか、その額を上乗せして払うだけで2つの経路が利用可能となる定期券です。正確には、京王線では別経路の途中駅では乗降できないという制限がありますが、西武・東武・東京メトロでは両経路について途中駅での乗降が可能という違いがあります。

 なお、JRでいう「2区間連絡定期券」とは異なります。

・JR東日本「JR東日本線と私鉄・地下鉄線の定期券を1枚のSuicaでお求めいただける範囲が広がります。」(2012年3月5日)
 http://www.jreast.co.jp/suica/new_s/info_2kukan.html

 > 「Suica2区間連絡定期券」とは?
 > 定期運賃は、第1区間と第2区間の定期運賃の合計となります。

 JRでいう「Suica2区間連絡定期券」は、単純に2枚の定期券が1枚になるだけで、定期運賃の額は2経路の合計となります。なお、西武線の「Oneだぶる♪」も「Suica2区間連絡定期券」と同じく、2経路の合計額です。


 京葉線とりんかい線の直通運転にかかる運賃収受の問題について、考えられる(誰が考えてもだいたい同じ結論が得られる)解決策をまとめましょう。

・1.京葉線の東京駅に改札を設ける
 東京駅での京葉線と他路線の乗り換えを改札外での乗り換えとする。
 あわせて有楽町駅経由での乗り継ぎを自動で対応できるようにする。

・2.京葉線内−渋谷等の特定区間の定期券に、りんかい線の運賃(の一部)を上乗せする
 (東京駅経由を指定しない限り)自動的に「りんかい線オプション」(と、仮に呼びます:りんかい線との差額、または初乗り運賃×期間の相当額)を付与し、新木場−大崎間でJR線とりんかい線のどちらも利用できるようにする。
 (客が実際に利用してもしなくても、りんかい線に収入が生じる制度とする。)
 東京駅経由の定期券については、1.の改札を通過していないと、最終的に出場できない(精算が必要となる)ようにする。

 1.については、東京メトロでおなじみの「オレンジ色の改札機」ですね。これまでJRで導入がなかった(※1)背景には、「オレンジ色の改札機」すなわち磁気券(うらが黒いきっぷ)での対応をするとなると、磁気券の再投入によって自動改札機の「券詰まり」が指数関数的に増える(改札外乗り換えで、同じ磁気券を投入する回数が2倍になる)のを懸念していたのではないかとみられます。

※1 横須賀線ホーム設置から連絡通路完成までの武蔵小杉を除きます(後述)。私鉄や地下鉄であたりまえでもJRでは(規模ゆえに)できないことというのは、いろいろあります。

・東京メトロ「オレンジ色の改札機」
 http://www.tokyometro.jp/support/startguide/pdf/startguide_04.pdf

 また、自動改札機の処理能力の面からも、私鉄や地下鉄に比べて膨大な発着駅パターン(組み合わせ)を抱えるJRでは、これまでなかなか余裕がなかったのではないかとみられます。ICカードの利用が大半となって磁気券の実数が減ったいま、そして自動改札機も世代を重ねて処理能力(演算速度)が増強されてきたいまなら、JRでも「オレンジ色の改札機」を導入していくことが可能なのではないでしょうか。

※「できるのにやっていなかった」ことはほとんどなく、何らかの「できない理由があった」はずだと仮定して見ていくと、いろいろなことが見えてきます。こういう見かたをしていくと、10年前や15年前には不可能だったことが、これからは可能になっていくという、技術面での進歩を実感できる気がします。


 1.の改札(以下、「京葉東京」と仮に呼びます)について、技術面では、履歴印字で「京葉東京」とでも印字されるような、これまでの「東京」と別の駅という扱い(新たなコードを割り当て)にした上で、▼「東京」と「京葉東京」、それに▼「有楽町」と「京葉東京」の間で改札外連絡を設定することが可能とみられます。

 ただ、「京葉東京」で出場したときに、それまでの最短経路に応じた運賃を差し引くと、その後の乗車経路が「大回り」となって最終的に、途中で差し引いた額より安い運賃となった場合に返金するのか(どこで返金するのか)が難題となります。最も単純な解決策は、「京葉東京」の改札を出入りした場合には「大回り」を適用しないという例外条項を設けることです。

 武蔵小杉では、横須賀線ホームの設置(2010年3月)から連絡通路が完成するまでの期間(1年3か月)、改札外乗り換えのための「オレンジ色の改札機」が設置されていたということです。

※恥ずかしながら、今回調べるまで知りませんでした。このサイトのニュースで武蔵小杉駅についてまとめた際にも、見落としていました。

・このサイト「【横須賀線】 武蔵小杉に横須賀線ホーム、成田エクスプレスも停車」(2014年9月16日)
 http://atos.neorail.jp/atos3/news/news_100313.html

・個人のブログ「横須賀線武蔵小杉駅開業!」(2010年3月13日)
 http://szh-449901.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/post-22ff.html

 > 武蔵小杉駅の自動改札機の画像です。オレンジ色にしてありますが、これは「途中下車の特例」に対応するためのようです。
 > 武蔵小杉駅における「改札外お乗り換えのご案内」の表示です。オレンジ色の改札機で30分以内に乗り継ぎをするように案内しています(連絡通路が暫定開業のためのようです)。

・個人のブログ(2011月8年17日)
 http://mitsuka115jnr.blog119.fc2.com/blog-entry-114.html?sp

 > なお、南武線北改札〜横須賀線新南改札の間を、いったん改札を出て、外部の道路経由で乗り継げる制度が暫定的に実施されていましたが、正式な連絡通路の使用開始に伴い、暫定措置は6月24日限りで廃止され、おそらくJR東日本では唯一の存在だった「オレンジ色の自動改札機」も姿を消しました。

 武蔵小杉駅のJRの改札口に「オレンジ色の改札機」が設置されていた時点での掲示物では、「※Suica等のICカードの場合、「武蔵小杉駅までの運賃>到着駅までの運賃」となる場合は、着駅までの運賃との差額をお返しできませんのでご注意ください。」との注記がなされていたことがわかります。

 つまり、武蔵小杉では「最も単純な解決策」で解決していたわけです。事実上、こうするしかないともいえます。

 技術上、しかたのないことですが、武蔵小杉のためだけであっても、約款を改訂するなどたいへん大がかりな準備が必要であったと思われます。そこまでして設置されながら、連絡通路ができたら即座に廃止されるというのは、恒常的に人的対応が必要となる場合のコストと(その時点で)天秤にかけた結果なのではないかとみられます。

※JR東日本の「管内全駅」で「オレンジ色の改札機」について広報することなく、武蔵小杉だけに(一時的に)手厚い要員を配置して乗り切った、まさに「乗り切った」という印象を受けます。(一例として)この期間に武蔵小杉駅を利用しなかった私は、知る機会がまったくありませんでした。


 これまで(武蔵小杉を除き)導入されずに来た「オレンジ色の改札機」を(会社として、一時的でなく恒常的に)導入するということは、単に機器の設置費用がかかるというだけでなく、それよりもむしろ、対応のマニュアルを大幅に改訂したり、新しいマニュアルで研修をやり直したり、「お客さま」への広報も必要、という「人」に関する部分でかかる費用や時間が大きいという難しさがあるとみられます(前述)。

 自動改札機を含むICカード出改札システムの改修にあたっては、ある駅1つだけのために特別な処理を入れるという例外的な対応は、基本的にはトラブルのもとで、一般に忌避されることです。それをおして対応する(実装する)となれば、それに見合う導入効果が出ることが求められてきます。

 武蔵小杉で現に一時期だけとはいえ「オレンジ色の改札機」が設置されていたということは、武蔵小杉の横須賀線ホーム設置に際してのシステム改修で、「オレンジ色の改札機」に対応する処理が実装されていたことを示しています。システムでの実装が済んでいるということは、その他、周辺の環境も整ってくれば、どんどん使わなければもったいないという話にもなってくるでしょう。

 となると、▼東京駅(と有楽町駅)だけでなく、▼大久保駅と新大久保駅、▼新川崎駅と鹿島田駅、▼十条駅と東十条駅、それに▼さいたま新都心駅と北与野駅などでの改札外乗り換えの実現にも活かしていくことが期待されます。また、▼武蔵小杉駅でも、連絡通路ができたとはいえ狭くて長いのですから、公道や駅前広場などを経由した柔軟な乗り換えができるようにして混雑を分散するために再度、「オレンジ色の改札機」を設置することも考えられます。▼西船橋駅でも、特例運賃となる隣の船橋や下総中山から乗車した客が、中間改札ではなく通常の改札を出て東西線に乗り換え(て、原木中山など近距離で降り)た場合にもきちんと特例運賃で通算できるよう、「オレンジ色の改札機」相当の処理を黙って行なうという「親切」をしてもよいのかもしれません。

※狭い話としては、「オレンジ色の改札機」という施策が、このように広域にわたって便益があるということを明らかにしておかないと、京葉線の東京駅に改札を設ける費用がいっさい、りんかい線との相互直通運転にかかる費用として計上されてしまい、回り回って沿線自治体のみの負担とされてしまいかねないという心配もあります。沿線だけでなくあらゆる利用者にとって利益になることですから、その運賃収入から手当てされることが妥当といえます。


 2.については、りんかい線は経路(線形)としても運行体系としても、さほどの速達性が見込めないことから、りんかい線経由で長距離を乗り通す利用者が大量に出るとは考えにくく(また、そうなるように、りんかい線内での速達性向上を行なわないなどして)、定期券での差額の徴収(といいますとアレですが、「どっちーも」とか「だぶるーと」と呼べばおトクな感じがしてきます)と京葉線の東京駅への改札設置によって、現状の総武線(津田沼発着列車)−東西線−中央線と同程度の収受漏れに抑えることができると判断されるのではないかと考えられます。

※このあたり、法務面に「カリカリチューン」された「(狭い意味でリーガルな)鉄道に詳しい方」としては、きっちりかっちりしていないとすっきりしないでしょうが、実務的には結構、鉛筆(いわゆる「リーガルマインド」:現実的に大きな問題にならなければ、問題ないとみなすような柔軟さ、の意)なのでしょう、たぶん。

 京葉線の東京駅に改札を設けるだけ(「だけ」といいきるにはたいへんですが)で実現できる特殊連絡定期券としては、以下の3タイプが挙げられます。

・A.「どっちーも」型(JR線〜りんかい線〜JR線となる経路+東京駅):りんかい線経由の定期運賃「+α」で、「京葉東京」の改札を通過できる(が新木場−大崎間のJR線内では乗降できない)、東京駅での乗降ができる(新幹線に乗り換えられる)
・B.「だぶるーと」型(京葉線+りんかい線):JR線経由の定期運賃「+α」で、りんかい線内の駅でも乗降できる
・C.「Oneだぶる♪」型(JR線〜りんかい線…JR線+新木場−東京間):両経路の定期運賃を合計した額で、全区間の駅で乗降ができる、「京葉東京」の改札を出た時点で運賃の通算が打ち切られる

 新たな改札を設置できるのは「京葉東京」に限られることから(大崎では通り抜けとなることから)、「どっちーも」型で「JR線の運賃+α」という券種は成り立たないことがわかります。また、A.とB.とで同じ「+α」といっても、B.の場合はかなり割高な印象が残りそうですね。

 2.についても技術面で検討するとしますと、山手線の車両で試行中の「ビーコン」(音波装置、NTTドコモの「Air Stamp」)を使用して、乗車した列車を特定し、正しく運賃を収受していくことが可能になると見込まれます。スマートフォンを使用したモバイルSuicaといいましょうか、仮にスマホSuicaとでもいうべき次世代の乗車システム(運賃収受システム)においては、もはや「大回り」は、あってないようなものになっていくのかもしれません。

・このサイト「【山手線】 NTTドコモの「Air Stamp」を採用、スマートフォン向け乗車位置ごとの情報を提供」(2014年3月4日)
 http://atos.neorail.jp/atos3/news/news_140304.html

・JR東日本「山手線チェックイン機能の提供トライアル〜電車の中でビーコンを活用したO2Oサービスが始まります〜」(2015年3月12日)
 http://www.jreast.co.jp/press/2014/20150315.pdf


この記事のURL https://neorail.jp/forum/3028/


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