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ちょうどここで「社会調べ学習で野帳は必要?」という検索で[3520]を読んでいかれたモバイルなかたがおられたので、ちょっとなにをかいわんや。
※「社会科のテーマの自由研究」として提出するという前提で。
・どんな体裁でも「メモ」をとりさえすれば「野帳(のもと)」
・そういういちばん雑な意味で言って「野帳が不要」ということはありえないと思へ
・指定の様式(フォーマット)で記録を取れと指示される場合は、その様式のことを「野帳」と言う
・「野帳」という商品名の豪華なノートを買えということでは決してない
・日本語には「帳面」という単語があるよ?
・[3520]
> 「野帳」は、▼「ブツ(物)」としては市販のB5判(6号)などの大学ノート(JIS規格品)、▼内容としては「日付入りのメモ(証拠!)」
> 「JIS規格品の大学ノート」じゃないと、耐久性が不十分で、作品展を渡り歩く間に損壊しかねません。たいした差額でもないのですから、きちんと「JISマークがついているノート」をお求めください。
それは昔話。その昔はJISマークがついていたブランドなら仮の信用を与えてやる。えー…(てんてんてん)。そして、改ざんさせないためには紙を半分に折って糸で綴じてあるノートじゃないといけない。ページの順番を入れ替えたり、途中をなかったことにしたり、後から書いたのを挿入したりできてしまうリングノートの類ではダメだ。製本が糊付けのノートもダメだ。えー…(てんてんてん)。
https://thesaurus.weblio.jp/content/%E3%83%A1%E3%83%A2%E3%81%99%E3%82%8B
> 紙などに物を書くこと
消えないボールペンで書き、氏名(署名=サイン)と日付を書いて、押印するのだ。ありがとうございました。
・調べ学習にも「それをじぶんでしましたという証拠」という意味の「野帳」は必要
・理科の実験と同じように、インタビューや現地調査や図書館での情報探索などを厳密に記録せよ(日付や相手の名前も書け)
これだね。(キリッ
・[4057]
> 「目立つものがすばらしい実装になっているか」ではなく「地味なものがちゃんとしているか」
・学研がよけいなことをいう。
https://kids.gakken.co.jp/jiyuu/summary/social/
> スケッチブック
それは「みなし掲示物」ではないか。野帳も主論文もなしで掲示物だけ。それでは自由研究にはならない。
・【PDF】「自由研究とその周辺」
https://neorail.jp/reports/20170128_A_Survey_of_Recent_JIYUU-KENKYU_in_Japan.pdf
テーマがかたいのやわいの社会科であっても、研究の方法を厳密に守るという学習をするのだと思いましょう。
「調べ学習」と「自由研究」の見境がないままではいけません。「仮説」があって「考察」があれば「自由研究」です。単に本を読んで調べました(本にはこう書いてありました&よかったと思いました)というのでは「自由研究」になりません。理科でいう「実験」の部分が「社会調査」(アンケートやインタビュー)になるだけで、それ以外の厳しさは何も甘くならないと思えばよいでしょう。
・(何度目かの再掲)甲南大学文学部社会学科「社会調査工房オンライン」
http://kccn.konan-u.ac.jp/sociology/research/
> 多様で複雑な社会事象を把握するために、様々なデータ(情報)を収集し分析する営みを「社会調査」ということにしましょう。そして、その収集・分析の方法を「社会調査法」といいます。
> 社会調査法は、ひとつの方法論を指すのではなく、社会学や人類学を中心に行われている様々な方法論や手続き、調査態度の総称です。どの方法を用いるかによって得られる情報は異なるため、調査を行う前に、まず自分が「知りたい」ことに迫るにはどの方法がより相応しいかをよく考えることが重要です。
決して難しいことは書いてありません。特別な道具が要るというものばかりでもありません。しかし、やさしいとは限りません。
> ドキュメント分析
アンケートもインタビューも難しいものだとわかるのが先決です。図書館に行って県紙の縮刷版を使って何かの数などを調べる、あるテーマに関する記事の内容の分類をするなど、そういうのがよいのではありませんか。
このとき重要なのは、資料が「量」としてたくさんあることです。貴重な資料をうやうやしく扱うのでなく、たくさんあるものを使って、数に何かを語らせるのです。
> J-POPやJ-ROCKの研究にあたって、有力な音楽誌や大規模店舗のフライヤーを内容分析するのも良いでしょう。ティーンの世界観やメンタリティの理解には、その時代を代表する人気作品が連載される『週刊少年ジャンプ』といったマンガ誌の内容分析が欠かせないはずです。
いかにも大量の資料がありそうです。(棒読み)
社会科というのは初等教育での科目名(教科)ですから、例えば図書館で資料を探したいときに「社会科」という言葉だけではほとんど意味をなさないとわかっておきましょう。
・「経済」? 「地理」?(コンビニの分布など)
・「工学」? 「土木」?(道路や橋など)
・「応用数学」?(コンピューターを使ったシミュレーションや最適化など)
・「農業だけど理科的な意味の農学ではなく社会のしくみとしての農政」?
そういうところを大人の言葉で言い換えるのが先決です。そうすると、図書館で児童書ではなく大人の本の棚からも資料が探せるのです。
・「旺文社」です
https://www.obunsha.co.jp/gakkon/application.html
> 社会科自由研究部門
> 人文社会科学研究部門
「社会科自由研究部門」で「小学生は模造紙・画用紙使用も可。」とはいうけれど、それはあくまで「人文社会科学研究部門」(※「高校生の部」のみ)につなげてほしいというねらいである。
こんどは「自由研究 主論文必要か?」という検索で[3520]を読んでいかれたモバイルなかたがおられたので、ちょっとなにをかいわんや。
・自由研究の『本体』はどれか?⇒いうまでもなく「主論文」である
・そういういちばん雑な意味で言って「主論文が不要」ということはありえないと思へ
・「掲示物」ができているなら、頭の中には「主論文」相当の枠組みができている
・「主論文」という体裁や、この「主論文」という呼び方におじけづく
https://coelog.chuden.jp/wp-content/uploads/2020/07/main-bg-5.jpg
※画像は「中部電力」です。
もっと単純に、横書きのレポート用紙という見慣れないものに面食らうということではありませんか。逆にいえば、その程度のこと。「掲示物」を指さしてしゃべって説明するのを録音・録画して、そこから文字に起こして、最終的に「主論文」らしく整えてから、最後にレポート用紙に手書きで清書すればよい。
本来は、まっさきに他人の過去の「主論文」を見て、なるほど「主論文」とはこういう目次でこういう文体でこういう分量で書くんだな、と明確にイメージを持っていただくのが大前提です。そのイメージこそが、「自由研究 どうすれば?」への絶対の答え(『型』)となるわけです。「主論文」というもの(形式・様式)が指定されているからこそ、みんながだいたい同じくらいの「自由研究」を仕上げられるのですよ。「主論文」というものをよく理解して忠実になぞることこそが「自由研究」を楽に、しかも圧倒的に“正しく”仕上げる近道なのですよ。
そのように意義深いからこそ、茨城県ではいまでも「主論文」という呼びかたで指示しているのだという理解であります。無駄にレガシーということではなく、意味があるんですよ。ほかの県はみんな忘れちゃったものが茨城県にはあるんですよ。(キリッ
https://coelog.chuden.jp/trend/free-study/
> 名古屋市にある『でんきの科学館』は、新型コロナ対策のため臨時休館していましたが、7月21日(火)から再開します。
> ご来館の前に、新型コロナウイルス感染拡大防止対策等をあらかじめご確認ください。感染の拡大など状況の変化により急遽、休館となる場合がございます。ご了承ください。
たいへんな中でもよくがんばった! だから「掲示物」ができているのに「主論文」ができていないというへんなところまできた。(棒読み)
> 自由研究は、調べたり、作ったりして終わりではありません。自分のしたことをまとめて、誰から見ても分かる形にすることが大切です。
このことを『本体』だの「形式・様式」だの『型』だのという言葉で認識しましょう。「目次」という言葉で即物的に理解するだけではだめです。その通りにすればいいということではなく(※もちろんその通りにするんですけど)、その「目次」は、なぜそのようにするのか、ひとつひとつの項目の「はたらき」「意味」を考えて、そこに納得してから、お手本をなぞりましょうということです。やみくもになぞりさえすればというものではないのです。
・ぬるい冷やしあまえび(※設定温度にご注意ください)
https://www.kouenirai.com/profile/8998
「中部電力」の記事を書いているひと! 文学部で心理学ですな。厳格な卒論に合格して卒業した確かな人ですな。だから「自由研究」について書いてあることの表層は正しい。しかし、根底のところを理解するには至っていない。これは学部卒の宿命である。卒論というものを1回、書いたきりなのである。臨床心理士の資格を維持しているでもない。それはそれだけれど、少なくとも修論を仕上げて修士了でなければ、資格が不足だと思ったほうがよい。あるいは、資格のあるひとにインタビューしてまとめましたというワークフローをとってほしい。これだね。(※見解です。)
※「主論文」の「主」は、「じぶんが第一著者である」という意味。
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