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発行:2016/3/17
更新:2018/5/20

[3193]

「等ラウドネス曲線」「K特性フィルタ」ほか(補)


(約4000字)

 傍題ですが「等ラウドネス曲線」([2989])に関連して、身近な感じのする話題が鉄道の他にもございました。

[3195],[3194]への補足も兼ねます。

・「適切な音量について考える。ゲームサウンドの「ラウドネス基準」はどうあるべきか」(2012年11月3日)
 http://www.4gamer.net/games/032/G003263/20121103005/

 > 従来のアナログ放送では,映像に悪影響を及ぼさないよう,電波法上,送信側がコンプレッサやリミッタなどダイナミックレンジを圧縮する機器を使用してレベル制限を行わなければならない取り決めになっていた。本来の目的は違うが,結果としてこういう処理が必須であったため,たとえ素材(放送前のコンテンツ)の音量がばらついていても,放送時にはある程度緩和されていたわけだ。
 > ところが,デジタル放送に一本化されると,デジタル放送はそもそもCD-DA品質(16bit/44.1kHz)以上の品質で伝送できる仕様であるため,レベル制限など行わず(そのまま)伝送しようということになった。
 > 結果として,素材の音量のばらつきが,そのまま放送されてしまうことになり,

 > 松永氏をはじめとする関係者は当初,国際標準化されたラウドネス基準を国内に導入しようと考えていたそうである。
 > TR-B32で一番重要な点は,ラウドネスの運用基準で,「番組全体の大きさを一つの値で示す平均ラウドネス値を規定して,その値が番組内で一定に収まるように運用することで,家庭における聴取レベルを一定に保つこと」になっている。
 > 例外規定もあり,例えば,単純に音楽が流れているだけ番組では,−24LKFSをターゲットを適用するとかなりうるさくなってしまうため,本来は−24LKFSより低いラウドネス値で制作することが望ましい。なので,こういう番組の場合は,目標値を下回る値で制作しても構わないことになっている。

 > (ばっさり中略)
 > 松永氏は「これまでVUメーターでなんとかしようと各社が試行錯誤してきましたが,うまくいきませんでした。今回,平均ラウドネス基準値という明確な数字が用意されたことで公平性が保たれ,客観化も可能になりました。これまでの,無用な音圧競争に終止符が打たれることで,結果的に番組間,放送局間のバラツキが解消され,視聴者に優しい放送を届けられるようになります。さらに『自然で豊かな音作り』が可能になるので,放送音声の品質向上も期待できます。これからは音量ではなく『中身で勝負』できる時代になるのではないでしょうか」と語っている。

 あれ? 「関係者は当初,国際標準化されたラウドネス基準を国内に導入しようと考えていたそうである。」の一文からは、「だけどうまくいかなかった」「しかじかの工夫をした」という話の流れが想像されるのですが、うーん、(あたりまえですが=国際標準というのは、そのまま使えるものです)「日本独自の対応」をすることはなくそのまま導入されたように読めるのは気のせいでしょうか。記事中で箇条書きも小見出しもないため、筆者がどこかで混乱しているのかなぁ、と想像されてしまいました。

http://www.4gamer.net/games/032/G003263/20121103005/TN/017.jpg

 > 大もとになっているのが国際勧告のITUの基準であり,これが基となってARIB TR-B32という国内運用規定が決められ,さらにそれに沿ってNHKと民放連がそれぞれ運用を開始するということになる。

 いえ、発表者のスライドの構成がグダグダだと、そっちのほうこそが問われたほうがいいのかもしれませんね。

 > ラウドネスメーターのアルゴリズムの簡単な説明が行われた。これは,騒音測定で使用される等価騒音レベルの測定法を応用したアルゴリズムで,5チャネルの入力を持ち,モノラルから5.1chのサラウンドまで測定が可能になっている。
 > 5.1chについては,LFE(Low Frequency Effect)成分は測定に含まれないということになっているそうだ(5.0chでの入力となる)。モノラル/ステレオ/マルチチャネルといった音声モードに関わらず,ラウドネス値は一つの値として算出される。

※「皿うどん 5.0!」ですね! わかりますわかります!!

 > 特徴的なのは,「K特性フィルタ」と呼ばれる,人間の耳で聴く状態に近い周波数補正フィルタが各チャネルに用意されていることだ。フィルタを通ったあとで演算が行われ,さらにそのあと前述のゲーティングによって無音または小さな音量の信号が除去されるというアルゴリズムが採用されており,これによって,人間の感覚に近い数値が得られるものになっているという。
 > ラウドネスメーターはITU勧告に準拠して作られており,3つの計測方法が存在するという。

 やはり、国内で独自の何かが必要となったとは読めません。

 筆者としては音の話題を専門とされているようで、おかしなことが書かれているわけではないので、まあいいかぁ、と思うことにいたしました。

・「声優・新井里美さんの協力を得て,ゲーム実況向けマイクの上位モデルを検証する」(2015年8月22日)
 http://www.4gamer.net/games/023/G002318/20150822003/

 > 世の中には,何でもかんでもハイエンドモデルに「Pro」と付ける風潮があるので,つい「Proなし」と「Pro付き」のモデルが並んでいると,つい後者を「よりよいもの」として認識してしまいがちだが,***のXLRアナログ出力に関して言えば,これは完全に“素人お断り”だ。
 > 製品ボックスや簡易マニュアルのどこにも注意書きは書かれていないが,プロオーディオの世界では常識の話ではあるので,***としては「XLRアナログ出力使うなら当然知っているでしょ?」ということなのかもしれない。

 おおー、よくぞいった! といって手をたたいて、残響時間を確かめてみます。

 > 実際に音声を収録するときに最も難度が高いのは,「しゃべる音量を一定にする」こと。筆者も含めた素人にはこれがほぼ不可能で,純粋なマイク設定の比較にならない。そこで,演技だけでなくナレーションも数多くこなしている,一線級の声優である新井さんに,ナレーションぽく,一定の音量かつ同じ調子でしゃべってもらうようお願いした次第だ。

 そこまではいいんですけどぉ、そのあとがぁ、ちょっとぉ…(略)。

 > 録音環境は***の会議室
 > 基本仕様の解説を一切合切省いたにもかかわらず,例によって長くなってしまった。
 > 「とにかくいい音で録音したい」という考えを持つ実況者にとって,
 > さらに上を目指す人にとって,相当に意義深い選択肢となるだろう。

 うーん。聴取者(リスナー)のリスニング環境とバランスしていないと、とてつもなくバランスがわるいのではないかと心配しました。(機材と人を揃えながら「会議室!」というところからして「無ぼう!」だと思いまーす、の意。)

 きわめて実際的には、英語のセンセイが自分でリスニング問題を録音される環境(ご自宅を含む)などが、必要十分なソレだと認められましょう。このためもあって、英語のセンセイが異様にオーディオに詳しかったりするものです。(そんな話をできるくらいにはセンセイと日頃からコミュニケーションをとってくださいな、の意。)

・英語のセンセイとオーディオ
 http://www.senshu-u.ac.jp/School/eibeibun/teacher-self-introduction/miura.html

 > 現地でのフィールドワーク(音声収録)をもとにして,音声の音響的な分析と音韻論と呼ばれる理論的な説明付けをしながら,現在の各方言のありさまを記録しています。
 > 今年(2014年)の夏は,ウェールズ南部の3都市,カーディフ,ポンティプリーズ,ペンブルックで方言収録をしました。方言を使用している労働者階級の老人をさがすために,社交クラブ,ローンボーリング場,スポーツクラブやパブを毎日録音機材をもって回りました。

 > ロンドン便り
 > 現在はBBCがスポンサーとなっている「プロムス」(プロムナード・コンサート)
 > 廉価な値段でコンサートが楽しめます。

 いいなぁいいなぁ! …というのはさておき、やはり音響といって声だけでなく音楽も楽しまれるんですね。

・(参考)NHK「K特性フィルタ」
 https://www.nhk.or.jp/pr/marukaji/pdf_ver/321.pdf

・「5.1ch 皿うどん」
 http://kotonoha.cc/no/215259

 > こないだ「皿うどん どるびー」で食べましたよ。
 > なんかね、全方向から香ばしさと鰹節が飛んでくる感覚なんですよね。味は食事に集中出来なかったので覚えてません。

 世田谷区某所で22.2chの皿うどんをば…ゲフンゲフン。リスニングに適したポイントというかゾーンというか、それが単一であるというのが、鰹節をふんだんに…いえ、わざわざ22.2chもあってモッタイナイと感じられました。しかし、装置とDSPの上では、同じシステムで「映画館の座席ごとに異なる音声をお届け!」みたいなソレ(きわめて高度なDSP!)もできそうだなぁ、と思えてきます。そして、皿うどんに鰹節って使いませんよねぇ。え? え? …わさびですと!?

 視線の測定もできるHMDで、映像中の注視しているオブジェクトの音を強調したりといった、インタラクティブっぽいのもおもしろそうです。しかし余談でした。

・「高度なDSP」の例
 http://jp.yamaha.com/products/audio-visual/av-amplifiers/dsp-ax8_gold__j/?mode=model

・YouTube もどかしいといわれるDSP(2003〜2007年インド)
 https://www.youtube.com/watch?v=6dFnpz_AEyA




・YouTube シンセなDSP(1975年アメリカ)
 https://www.youtube.com/watch?v=rkvEM5Y3N60




 …こう、その、たいへん主観的ですが、インドのほうがうきうき([3171])してきそうです。本当でしょうか。


この記事のURL https://neorail.jp/forum/3193/


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