・「インターシティ」とはにわを知りたい ・空気をたたえて『情報知識』 ・でっかい大きなビジョンをあなたに
(約8000字)
千葉駅に関連して「あやめ3号しおさい17号すぺしゃる」([3515])を眺めながら、ちょっと英語っぽい話題になります。
論文や技報に準ずる技術的な内容について国際的な感覚(?)とともに一種「そつなく」記述する(≒ニュートラルに記述する)には、どのようなことを考えていけばよいのでしょうか(=昔の人は考えていなかったかもしれないといってゲフンゲフンいいながら、の意)。
・「そつなく」
http://thesaurus.weblio.jp/content/%E3%81%9D%E3%81%A4%E3%81%AA%E3%81%8F
> 欠けた部分や誤った部分がないさま
> 手際や技術などがすぐれているさま
・[3386]
> 原文ではたいへんシステマティックに単語が吟味されていることがわかります。同じことは同じ語で述べ、似たようなことやあいまいなことは排除して、高度に規格化されたコンクリートブロック…いえ、レゴブロックで『補強レゴブロック造』の建物を建てるかのように文章が一種「構造計算」の上で「構築」されているわけです。この感覚を、日本語の母語話者としては、古文や漢文、英語などを学ぶ体験なしには得ることができず、体験してもなお、その方法(構文に注意して、きわめて慎重に、正確に読む)を母語にも適用しよう、そうしよう! …とは、なかなかならないことに気づかれましょう。
日本語で「そつなく」と表現すると、「無難に」「あたりさわりなく」とも受け取られますでしょうか。これはいかんなぁ。(棒読み)そういうことではなくてですね(大巾に略)システマティックで「欠けた部分や誤った部分がな」く、そのような文章にする「手際や技術などがすぐれてい」たいですよね、と、こういうわけです。
★「インターシティ」とはにわを知りたい
・ウィキペディア「エル特急」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AB%E7%89%B9%E6%80%A5
> 同一方面に等間隔で特急を設定するダイヤは、当時イギリス国鉄が運行していた「インターシティ」をヒントにしたものである。
他国の先進的な知見を「ヒント」などと軽薄(※)な表現でですね(略)…いえ、「ヒント」といえば象印!([3491])じぶん、いまいいこといった! …そういう認識で書かれた図書のほうなど原典にされているのかなぁ。えー、どれどれ? ウィキペディアで「文献2」として挙げられているのは「須田寛『須田寛の鉄道ばなし』 JTBパブリッシング、2012年」でした。…やーい象印クイズっ。
音節、つづりとも極端に短い語は、よほど直感的であるか(すごーい!)、原始的であるか(たーのしー!)、生理的(おかわりをよこすのです!)っぽいんですよ。あなたはインターシティという運行計画の方法や考えかたを、そういうレヴェルでしか論じないつもりなんですか? …その発想はなかった!(棒読み)
・[3061]
> 一般には、新聞記事や書店で売られる本などをランダムにとってきて、そこに出てくる単語の、単語ごとの出てくる回数を調べます(本当に調べるんですよ)。
> 出てくる回数の多い単語は、確率的には読者の目に触れる回数が増えることとなり、結果として社会においてよく知られた、「やさしい単語」とみなすことができます。その逆の「むずかしい単語」は、単純には、出てくる回数が少ないということで決めることができます。
回数だけでは決めがたいという語もあるのは当然でございます。
・「hint」
http://ejje.weblio.jp/content/hint
> レベル:3
> 学校レベル:高校2年以上の水準
外国語として学ぶ場合に「高校2年」すなわち5年目もしくは17歳で習うくらいだということです。
・「suggest」
http://ejje.weblio.jp/content/suggest
> 学校レベル:中学以上の水準
> 彼女は劇を見に行ってはと言い出した
日常会話としてありふれているという、頻度だけを1次元で見て「中学以上」と分類されるのだとうかがえます。本当でしょうか。近年日本語でいえば、子どもがおもしろがって「独立国家共同体!」…いえ、「○○な案件!」「○○マター!」「○○ドリヴン!」とか…ゲフンゲフン…いっていたとしても、やはりことばそのものは難しいと思うのですよ。
> suggest は相手に考慮してもらえないかと控えめに提案する; propose は積極的に提案する
・「propose」
http://ejje.weblio.jp/content/propose
> 学校レベル:高校2年以上の水準
これまた頻度だけで上がり下がりしてるっぽくないですか? そうですか。論文もしくは企画書を書くのが仕事のひとでもない限り、やたらめったら「propose」なんて、しませんからね。…その発想はなかった!(棒読み)
・[3089]
> 技報でMITを(裏返せばMITだけをことさらに)ほめたたえる(ということになってしまっています)ということは、▼著者の立場や視点が明確でない(端的には、おこがましい)、あるいは▼論文でない文章の書き方で書いている、といった、いずれにしても技術的な文章を書こうというときには避けられることをしてしまっているとみなされます。
「(研究者や実務者の)A、Bらによって提案(考案)され、イギリス国鉄が実証してみせた「インターシティ」から、わが国の国鉄も大きな刺激を受けて」くらいの表現がよいのではないですかねぇ。刺激を受ける側は、かなり受身でありフォロワーであるという、そこを恥じることなく淡々と書かなければなりませぬぞ。
※そこで一種『無邪気』に「イギリスにもあるけど、キホン、じぶんたちでつくった!」的な記述がされていますと、こう、比ゆ的にですね(中略)じぶんたちはふんぞりかえって「セカイの銘品を集めた本!」みたいなのをぱらぱらめくっていたら、ちょっと目を惹くのがあって、おもむろに受話器を持ち上げて『オイ、アレ!』のほうなど…するてぇと詳しい資料が手元に届けられて…からの…ゲフンゲフン…みたいなのが想起されてしまうのですよ。そうならないような文章にしておきたいですよね。
★空気をたたえて『情報知識』
というわけで、Wikipedia「InterCity」のほうを検めてみます。
・「InterCity」
https://en.wikipedia.org/wiki/InterCity
> The Inter-City Rapid Transit Company was an Ohio interurban company, which began operations in 1930
限りなく一般的な名称であるので、サービスを模索すれば同じように結論されるということもあるわけではございますが、サービスの名称として高い認知度を誇り広く親しまれるというのは、別格の何かでございます。
> The use of Inter-City was reborn in the United Kingdom: A daily train of that name was introduced in 1950, running between the cities of London and Birmingham.
> In 1966 British Rail introduced the brand InterCity for all of its express train routes, and in 1986 the term was adopted by the InterCity sector of British Rail.
1966年、ドゴール空港([3495])みたいな「CIブーム」の前夜っぽい空気をたたえながら「列車種別のブランド化」のほうなど図られたという、ここが直接の「参考文献」っぽいですよね。
・「たたえる」
http://thesaurus.weblio.jp/content/%E6%B0%B4%E3%82%92%E3%81%9F%E3%81%9F%E3%81%88%E3%82%8B
> 池やダム、容器などに一杯に水が溜まること
※転じて、ある1つの同じものを目指す空気や機運が高まって、傾ければ流れ出しそうという状況や時代を「空気をたたえる」と表現…しますよねぇ。
・グローバルCOEプログラム「国家と市場の相互関係におけるソフトロー」より「空気をたたえる」の用例です(2010年8月)
http://www.gcoe.j.u-tokyo.ac.jp/publications/Newsletter5.pdf
> 細いのどを思いっきり伸ばし、目を細め、今日の風のにおいを確かめる子鹿犬。その耳のパタパタを聴きながら、木漏れ日の差す深い森を抜け、清々しい空気をたたえる湖畔を半周し、広大な敷地にゆったりと広がる高校へと吸い込まれていく…
・「1966年」から「1972年」まで付近
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A0%88%E7%94%B0%E5%AF%9B
> 1954年(昭和29年)4月:日本国有鉄道(国鉄)に入社
> 1964年(昭和39年):国鉄本社営業局総務課課長補佐
> 1968年(昭和43年):国鉄名古屋鉄道管理局総務部長
> 1969年(昭和44年):国鉄本社旅客局設備課長
> 1972年(昭和47年):国鉄本社旅客局営業課長
1966年は12年目(35歳)、1972年は18年目(41歳)と、こういうわけです。3年で追いついて、3年で実現した(6年かかった)と、こういうことなのかなぁ。
・[3405]
> 『教養問題!』『設備体制!』『事業本部!』『情報知識!』『聞書!』『明快平易!』それに「鋭意開発中(字余り)」など([3393])参照。いや〜、1970年代って、本当に***ですね!(棒読み)
1970年代に(山陽新幹線が完成してからのうのうと東北新幹線に着手されながらの)『若手』として活躍した世代のかたのひどさ(※当社比)に比べれば、もっと手探りで地道に、じぶんでクロウしながらいろいろなものを勝ち取ってこられた感の高い(しかし経済情勢からして失敗のしようはほとんどなかったかもしれないという甘さはありつつも)須田氏の世代というのは、研究体制としては確かなものがあったのだと思われそうです。
※大学というものが一度こわれた時代を挟んでいるのですよ。大学を出ていても勉強していない(じぶんはよく勉強したという実感や自信が持てなかった)ひとというのが一種『量産体制!』に入ったわけですよ。…ギクッ。これはもう大いにギクッとしていただきたいと、こういうわけです。(※演出ですが事実です。)大学というものは、ある程度は少ないほうがよさそうですよ。短大って、あるじゃないですかぁ([3469])。『変な幻想!』は持たないで、きちんと短大(都道府県などの大学校それに高専も含む)が機能するような制度設計を、どうしてむざむざとこわしてしまいますかねぇ。(※個人の見解です。)そんな感じのこともポヤンと頭に入れていただいて、その上で、植草学園さんは代わりの利かない、とてつもなく重要な学校なんですよ。ええ。(なぜに植草学園だし…じゃなくて、重ね重ね今回は千葉駅の話題でございました。恐縮です。)
・再びウィキペディア「エル特急」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AB%E7%89%B9%E6%80%A5
> 1972年(昭和47年)10月2日のダイヤ改正で、昼間毎時同分に発着する9種(関東地区6種、山陽地区3種)の在来線特急が「エル特急」と名付けられた。この年は、山陽新幹線新大阪駅 - 岡山駅間が開業し(略)
> まだ一般的に都市間輸送は急行が主力をなし、数少ない特急は全席指定が原則だった時代に特急のダイヤをパターン化して自由席を設置、更に自由席特急券つき回数券を販売したりして、特急大衆化に努めようという画期的な試みであり、「数自慢、カッキリ発車、自由席」というキャッチコピーと共に国鉄らしからぬソフトなネーミングも受け(略)
このページの記述全体が須田氏の文章を(丸写しとはいわないまでも、ささいな表現の端々など)色濃く反映しているのかなぁ。「ヒント」とか「国鉄らしからぬ」とか、いかにも(当時の)国鉄のひとがじぶんで書きそうだよね。(棒読み)
★でっかい大きなビジョンをあなたに
それはそれとしまして(恐縮です!)、ウィキペディアとしては、英語版「InterCity」も引いてほしいかなぁ。わたしたち、もっと長期的で世界的な流れの上にのっているんですよ。…たぶん! 「住友精神」については[3494]を参照。
・(先述)
> 修士でありさえすればぎゃふんだというフーチョー的なものはアレですが、最低限、(具体的な業種は不問としつつ)「仕事のしかたを考える仕事!(メタ仕事! ただし他社との整合性は考えないものとするッ!)」をするには修士が必須だと理解されましょう。(整合性まで考えないといけないのが博士なんですよ。三井さんが勝手に「知融」[3274]といって「®」されちゃって困るんですけれども、それを研究というのですよ。三井さんだけで完結することではないのに「®」なんかしちゃって、やだなぁ。実にやだなぁ。)
ま、「住友精神」というのもそういうことだと(住友さんであろうとなかろうと持っているべき心構えであると)思われますけれども、「®」されているわけではなさそうなだけ、三井さんよりは一種「セカイが見えて」いるのかなぁ。本当でしょうか。
・[3213]
> 「メタ目次」([3093])でいう「2章」をしっかり書くことができていれば、一種「セカイが見えて」いて、そんな「不そん」な態度にはならないはずですが、いえ、もとから「不そん」であった人はいつまでも「不そん」なままである、ということなのではないかなぁ、といって「名状しがたい疑似相関のようなもの」を疑います。
・[3103]
> 「適時開示情報」の発信が促された結果、安易に「ノーコメント」できなくなって、苦肉の策として「決定の事実はありません(キリッ」と、いわば開き直るしかなくなったという面もあるでしょう。それでもベストを尽くす(不誠実な対応は仮にも一時的にもしない=後から訂正すればいいんだ、そんなもの、などと不そんな態度をとってはならない=「あざとい業界」[3058]も参照)には、黒沼氏が指摘しているように、発表を前倒しにする、もっと進めば、大事なことほど検討段階から何でも公表しておく、自社が何に迷っているのかをハズカシがらずツマビラカにしておく(実用化やサービスインに至らない研究開発の途中の段階でも、論文や特許として公表される⇒ぜんぶがぜんぶ最終製品に使われるとは限らず、ちょっとでも可能性のあるものはぜんぶ固めておく(一種の「迷い」)⇒事業の先行きが確率的にツマビラカになる≒公表されているうちのどれかにはなるだろうと、誰もが予想できる⇒そして予想が楽しくウラギラレル=そこにアコガレルという形で技術者や研究者のタマゴが育っていく)、ということへと進んでいくのかなぁ、などと想像されます。
・[3494]
> > 鉄道省で運転担当の****技師が「国鉄の「つばめ」がまだ100キロにも満たないのに、…「あじあ」は…“やりやがったな”ということですよ」と述べたと書かれている。
負けてはおれんと発奮なさるようすが活写されていると思いました。(現代の読者にはわかりにくいですけど)とっても前向きな描写ではあるんですよ。わあぃ『前向き発車!』…あたりまえですっ。いや、「後ろ向き発車」もありますけどね。うん。(※表現は演出です。)
・[3257]
> > 有事の際の情報発信に関し、鉄道統括部計画課 主任の****氏は「東日本大震災では東京メトロの全線で運転を見合わせました。そのような大きな災害時においては、お客さまは運行情報よりも今何が起きているのか現状を把握したいはずです。そこで、日本放送協会様に申し入れ、有事の際にはNHKの非常災害時緊急放送を放映できることになりました。今年度中には放映システム整備が完了する見込みです」と語ります。こうしたメディアミックスもデジタルサイネージだからこそ実現可能なのでしょう。
> この文脈で「有事」と「メディアミックス」が一緒に並ぶのは軽々しすぎる(個々の語の軽重を承知していない=おこがましい)印象が出ませんか…そうですか。ビル管理会社の『日本語力!』はその程度なのか、その程度なのかっ…
※ここで指摘しているのは記事の書き手(ひいてはビル管理会社のホームページを検品するひと!)のほうの未熟さですので混同なきよう。
あわせて、千葉駅…いえ、松本駅のほうなど眺めながら、しかし英文アブストラクトがこれでいいのか&これでいいのかっ…と、気になったのでございました。(恐縮です。)
・JR East Technical Review「ICT動向から考える鉄道メンテナンスの将来」(2014年)
https://www.jreast.co.jp/development/tech/pdf_48/tech-48-09-12.pdf
> The Technical Center aims for the innovation of railway maintenance based on the vision “Smart Maintenance”.
> (略)
> This report discusses changing future railway maintenance through latest ICT trend.
えーっ…。…えーっ。
※えーっ…。:基本的には「I」、せめて「Our company」「We」でしょ。本当です&ゼッタイたぶんです! 「report」に目と口と手と足があって、プールから上がったら『十分洗い』ましょう…じゃなくて、ステージの上を自在カッタツに動き回りながら“雄弁”をふるうんですね、わかります。同じく「center」が重い荷物を背負って険しい山の頂上まで登るんですね、わかります。そもそも「目指す」という表現を避ければいいのではないかなぁ&そこからですかっ。頂上は遠いなぁ。
※…えーっ。:もとの「vision」は、かなり「でっかい大きな態度!」なので、ふつうのひとが使うときは小さくなりながら「a vision of」と控えめにポヤンというところ、そうではなく『the vision!!!』といってのけてしまうというのは「ふっきんほーかい」的な印象とかありません? 「plan」などと言い換えるか、直接「○○に取り組んでいる(=センターの中で、わたしたちが責任を持つ分野である)」「○○という難しい課題に挑んでいる(=わたしたち、がんばってる)」と簡潔に述べるかのどちらかではないかなぁ。本当でしょうか。
・ハイアール「10分洗い」の見解です
http://www.haierjapan.com/lhl/tml/
> 現代の日本人に、ピッタリの洗い方!
えーっ…。日本語の感覚じゃない文章っぽくありませんこと? うーん。翻って、こういう感じが、わたしたちの書く英文からは漂っていそうですよね。…ギクッ。(※他人のことをいえるほどのソレじゃありませんことよ、の意。)
・「vision」
http://ejje.weblio.jp/content/vision
> 学校レベル:高校2年以上の水準
ニュースや新聞で多用されるからといって、やさしい単語ではないと思われる一方、しかし、論文や技報には不釣り合いな印象の出てしまう、そういう意味ではやさしすぎる単語ではないかなぁ。(※私見です。)
|