|
(約6000字)
そろそろ8月も22日ということで、「まとめかた」に関する検索問合せをいただいております。
・「自由研究 方言のまとめ方」
・「小学生 自由研究 主論文書き方」
・「実験ノート 小学生 手本」
・「エジソン 自由研究 ノート」
・「自由研究 地球の誕生 書き方」
あくまで私見ですが、「作品応募規定」のある「科学賞」に応募させようとして(応募件数ひいては入賞件数を学校間や教員間で競おうとして)「主論文」「野帳」「掲示物」という形式(の、古くさい呼びかた)をことさらに振りかざすフーチョー的なモノには、まったく共感いたしません。
やさし〜く、ふつーに、むにゃーっと。しかし、着実に研究のプロセスを体験して、できれば身につけたいですよね(あとから直しにくい「変なクセ」はつけないように)、というスタンスであります。
・「主論文」「野帳」「掲示物」を掲げる指示の一例です
http://www.sopia.or.jp/onohara/wp/wp-content/uploads/2014/08/H26-%E7%90%86%E7%A7%91%E7%A0%94%E7%A9%B6%E3%81%AE%E6%89%8B%E5%BC%95%E3%81%8D%E3%83%BB%E6%89%8B%E9%A0%86.pdf
ふつうにノート(せめて実験ノート)と呼べばよく、そしてノートと呼べば自然とわかるように、何かに取り組むとき、つけてあたりまえであるのがノートです。もし、ノートをつける(「とる」ではなく「つける」=文字や図になっていない「生の情報(見たことや聞いたこと、考えたこと=一次情報)」を「じぶんのことば(先生や本のことばではない)」で書きとめる)ことが習慣化されていないとあらば、自由研究以前の問題ですから、日常の生活の中(※)でノートをつけることに取り組むのが先でしょう。
※例えば食事の内容やつくりかた、味の感想などをメモするくらいでいいんですよ、の意。これ、大人になってからSNSを使うようになって、初めて取り組むのでは遅すぎです!(見解には相違がございます!)
「主論文」は論文(ペーパー)そのものですから、以下、『メタ目次』([3093])に沿って、しかし、目次の順番ではなく、実際に研究に取り組むときの順番に沿って並べ替えて、それぞれ、ノートに書いたことと論文に書くことの対応関係を眺めてみましょう。
・テーマや実験計画を考える途中のメモ(⇒「動機」として「1章」に書いたり、タイトルを決めるときに使います&最終的に決めた実験計画は「3章」に書きます)
・いつ、何をしたか(誰といっしょにしたか⇒貢献度に応じて共著に入ってもらいます※)
・何を参照して何を知ったか(⇒後から参考文献のリストに入れます&「2章」をまとめるのにも使います)
・何を試して何に失敗したか(⇒「5章」で「今後の課題」に入れます)
・何をどんな条件で行ったか(⇒「3章」に書きます)
・実験や観察の詳細、生のデータぜんぶ(⇒図表にまとめて、要点を「4章」で説明し、考察するときに何度も繰り返し見ます&タイトルは考察を終えてから最終決定します)
上3つは研究の外枠(箱のようなもの)に関することがら、下3つは研究の具体的な中身(内容)です。
※最初はいっしょに取り組んだけれども、てんでばらばらのまとめになったなら、別々に発表(提出)なさればよいということです。
「実験計画」には仮説や条件、試料(何を使って調べるのか)が含まれ、「動機」とも渾然一体としていましょう。「動機」だけをとってつけたように書く(「これを調べると我々○ッピーである」「みんなやってるもん☆」等)必要は薄く、具体的な計画が先にあってこそ、「できそうだ⇒これでいこう」といって「動機が固まる」ということもありましょう。
実験や調査の結果の分析方法については[3330]を参照。
厳密な意味での「実験ノート」については、おお、既に詳しい記事があるではないですか。
・「実験ノートには何を記録するのか?」(2014年4月3日)
http://www.huffingtonpost.jp/takahiko-nojima/experiment-note_b_5081677.html
> ケシゴムをつかわない←二重線で訂正する
> 実験ノートにウソを書いてはいけません.
> 共同実験者のメアドとか電話番号とかSNSアカウントとか
> (2013年6月1日「大学1年生の化学(北里大学・野島高彦)」より転載)
さて、表計算ソフトについては[3336]でだらだらと述べましたが、ワープロと呼ばれる日本語ワードプロセッサ(ソフトウェア)は、まだ『解きん!』されて…いないんでしょうねぇ。
・国内で最も一般的と思われる「原稿用紙」のイメージです
http://store.ito-ya.co.jp/client_info/ITOYA/itemimage/4901480075808-1.jpg
図表も手書きせよとまでいわれますか。ならば、別の用紙を探そうではありませんか。(…文字数が数えられるならいいんでしょ?)
・コクヨ「キャンパス レポート箋(ドット入り罫線)」のイメージです
http://www.kokuyo-st.co.jp/stationery/dotreport/
http://www.kokuyo-st.co.jp/stationery/dotreport/image/index_img_15.png
http://www.kokuyo-st.co.jp/stationery/dotkei/image/index_title.jpg
http://www.kokuyo-st.co.jp/stationery/dotkei/image/index_pict08.gif
A4で400字で横書きということです。10枚以上ということは、4000字以上ということですね。むしろ、4000字に収めるほうがむずかしいという分量だと思います。(感じかたには個人差がございます。)
・投稿規定に「4000字」と書かれている例
http://seikishou.jp/paper_2.html
> 2.論文の種類
> 総説(4,000〜12,000字程度)、原著(4,000〜12,000字程度)、短報(800〜3,200字程度)、資料(800〜4,000字程度)、その他とする。
だいたい3,600字くらいで考えておいて、書きあがってから分類を決めて、長ければ削り、足りなければ書き足すんですよ。(マコトに勝手な想像です。)
・「4000字の論文」の一例です(2016年、2010年)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/seikisho/53/2/53_95/_pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/seikisho/47/4/47_4_165/_pdf
▼大人(大学などの研究室にいる人)しか使えない「すごい道具」(分析法や装置)は、そういうものだとあきらめて、▼英語の勉強は別口で取り組むとして後回しにしつつ、▼参考文献の数の多さを喜びながら、『いまのじぶん!』にわかるのは2〜3つくらいかなぁ、などと端折りながら、しかし実際の論文を読んで、形をお手本にするのが近道です。(個人の見解です。)
『メタ目次』との違いを以下に示します。
・1. ここで先行研究についてもまとめる
・2. 実験方法だけを書く
・3. 実験結果だけを書く
・4. 考察
・5. まとめ
『メタ目次』でいう「2章」が1章にまとめられ、「3章」をより詳しく、方法と結果に分けて書くというスタイルですね。このほうが科学実験(を報告する論文)らしい書きかたでしょう。(『メタ目次』は、分野ごとの違いをあえて無視して一般化を試みたものです。「2章が厚くなるぞ☆」というのは「諸説あって議論がある」「解決法は無数にあるが優劣が比べにくい」という『架空の研究分野のようなもの!』を念頭にしたものです。)
※(学位論文以外は)「章」とは呼ばず「節」(と呼ぶ=どこにも書いていないので、どう呼ぶのかは仲間内でしかわからない!)ですよ、という分野もありましょう。
「掲示物」はポスター([3325])そのものであるので省略します。
さあさあ、実験ノート⇒論文⇒ポスターの順に「精製!(上澄みをすくってすくって、後の工程ほど純度が高まる!)」するのですよ。いいですか、我々、材料もないのにいきなりポスターがつくれるわけがないんですよ。同じことは論文についてもいえるんです。材料がないのに論文が書ける人がいたら連れてきてほしいものですッ!!(わざとケンカ腰を演じています☆もし学校とケンカしなければならなくなったときに、どうぞご活用ください!)
子どもとして納得いかないのは、実験ノート(研究のアイデア)だって、材料がないのにできるわけないよ(こんなのゼッタイおかしいよ)、ということだろうと想像します。そこで行なうのが「サーベイ」([3306],[3137])なんです。
サーベイだって材料がないのに…同。そこは教科書や参考書、辞書、百科事典、地図帳、新聞やテレビのニュース、学校の廊下に掲示される写真ニュース(!)など参考になさってください。
・「学校の廊下に掲示される写真ニュース」のイメージです(ただしかなり古い)
http://portal.nifty.com/kiji/130605160819_1.htm
http://portal.nifty.com/2013/06/05/a/img/pc/17.jpg
http://portal.nifty.com/2013/06/05/a/img/pc/21b.jpg
> ──やはり、写真重視なんですね
> 「そうですね、逆に言えば、子供の目を引く面白い写真があればニュースになります。いくら面白いニュースでも、いい写真がないとボツにすることもあります」
> 海中を走る列車は豊後水道を横断する予定だったようです
ほぉお! へぇー…。
きっかけはそれでいいんですよ。「人に言われたから」「なんとなく」というのはアウトで、自発的で意識的であることがゼッタイです。ゼッタイですよぉ。
・[3093] 考察のしかた&「まとめ」に書くことがら
> ・「何がどうしてこうなった?」:そのまま3.や4.に書く。「何」「こうなった」を3.に、「どうして(whyにあらず:how)」を4.に書く(必ず分けて書く)
> ・「予想と違ったのはどこ?」:4.で強調して書く。時間軸的にはウソになるが3.で仮説として入れる(後から入れる、そして4.で受けて答えたかのように見せる)
> ・「うまくいかなかったのはどこ?」:4.や5.で「今後の課題」に入れておく
> ・「次は何してみたい?」:突拍子もなく脈絡のないことでなければ、同。突拍子だったらそれはそれで「○○にも興味を持つなど関心が広がった」などと「強弁」すればいいんですね、わかります
これはあくまで学校に提出する場合の、「家庭での学習の成果」としての到達点を示すもので、コンクールに応募するときに個人的な達成感(やりがい、よろこび)など書いてはミットモナイ、と了解されましょう。
ほぼ同じ内容をかた〜くかった〜く[3340]で再構成してございます。そしてわかりました! つくばエクスプレスの開業後に沿線(ただし茨城県内に限る)に住まわれたかた、お子さまが今年10歳くらいになられて、「県南展」に出せるような『本格自由研究!』をばせんとす! …ということですね、わかりますわかります!(…調べてわかりました。)
※去年はなかったのに今年、急に「主論文」「野帳」の検索問合せが増えたのです。
・つくばみらい市の一例です
http://blog.city.tsukubamirai.lg.jp/blog/yawara/archives/1853
http://blog.city.tsukubamirai.lg.jp/blog/bk/yawara/files/20120725122848.jpg
> 県南展では必要!
・「茨城県児童生徒科学研究作品展・発明くふう展県南地区展」
http://www.tsukuba-banpaku.jp/?page_id=2053
http://www.expocenter.or.jp/?page_id=1898
県南展の形式に合わせて市町村のコンクールも運営されるということです。1973年くらいから時間が止まっているのですよ…などと、背中のネジのほうなど気にしながらぎゃふん。形と呼び方だけが残って、当初、目指されていたものはどこへやら、ということを疑います。実に疑いますとも。(メッソウです!)こう、県南展としても、今年は急に、驚きの白さ!! …だったりして。(まったく楽観的な観測はキボウです。レッツいおんえんじんっ。)
・Google ストリートビュー 「エキスポセンター前」付近
https://goo.gl/maps/XnJ2oKqXEYN2
https://goo.gl/maps/S9p9HAz6XUD2
https://goo.gl/maps/C6Q6LeqQs7w
https://goo.gl/maps/UeeSqFCQif12
https://goo.gl/maps/2rEu86bY2252
| |