・「土気往還」と「本寿寺」「善勝寺」 ・大網白里市「季美の森」 ・外房線・土気−本納間:「電車特急」を実現したCTC
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[3004],[3005],[3050]に続き、電車特定区間を外れてすぐの区間や、そのちょっと先の区間での輸送改善や輸送力増強が、これまでどのように進められ、いま、どのような「カード(切り札)」が温存されているのか、探ってみようと思います。
・[3004] 神奈川県厚木市・清川村・愛川町
> 2000年の「18号答申」から現在までの大きなできごととして、リニア中央新幹線の着工が筆頭に挙げられます。東京圏における鉄道整備において、これまでのように狭い地域だけ、沿線の需要だけを考えて新線や接続線を検討していくだけでなく、より広域の流動を見渡して検討していくことが求められてきます。
> 「18号答申フォローアップ」([3003])でも指摘されていますように、都市圏の外縁部を高速に移動できる軸は重要です。今後30年のモデルになるような(略)は直感的には意義の大きいことですが、この効果をいかにして定量化するか、どのくらい広域まで、きちんと便益を算定していけるかが、今後の課題といえます。
・[3005] 八高線・川越線
> 表題は八高線・川越線ですが、まずは内房線・京葉線の話です。
> 環境の変化に対応でき、自らも環境に影響するのだという自覚のもとにサービスを計画していく、いわば新しい計画手法に基づく施策、あるいは、そうした計画手法を適切なタイミングで開発していける能力(※)というもの
> いわゆる「利用意向」については十分な調査が行なわれず、また本質的にも信頼性を出しにくい調査項目である(聞き方や聞く相手によって変動が大きい)ことから、新しい列車やダイヤを開発していく方向の施策は打ち出しにくいのでしょう。
> 道路でいえば「小田原厚木道路」([2583])にあたるような周縁的な線区(八高線、川越線、相模線、成田線など)は、電車特定区間に含まれていません。これは、1984年においては妥当な判断ですが、30年経ったいま、果たして妥当であり続けるでしょうか(※)。
> 当該区間の外側から外側へ乗り通す客の流れを考えるということは、ネットワークの設計に近い発想になってきます。路線網が持つネットワーク構造や構造上の重みをほとんど考慮に入れていないために、こういうこと(需要を喚起するような施策の立案ができない)が起きるといえます。
> 川越から八王子まで、自社線で直通できるのに、その途中の列車本数が非常に少ないとなれば、利用客としては(あるいはナビタイムのアルゴリズムとしては)私鉄と武蔵野線を乗り継ぐほうを選ばざるを得ません。かくして武蔵野線が、本来さばくべきニーズ以上に混雑するということになってきます。武蔵野線への過剰な投資を抑制しつつ、その混雑を緩和したければ、武蔵野線より外側の路線(路線網)の利便性を高めて、そちらにも乗客が流れるようにしていくことが求められてきます。
・[3050] 水郡線・鹿島線
> 都市圏の周縁部における鉄道の利便性や速達性などに関する考えかたを考えて(※)みましょう。
> もっと難しいのは、ほとんどの統計が互いに、それぞれ同じような関係にあるということです。トレードオフですね、わかります。すべてをほうり込んで「ディープラーニング」(deep learning)でもさせれば、何かは出てくるでしょうが、どうしてそうなるのかまでは(自動的には)出せません。また、何を変えれば何がどう変わるかの予測も自動的には出てきま |