・紙でつくるロボット(の手) ・制御とプログラミング、そしてマニュアルの質と「人材」 ・機構を学ぶ:プーリーとベルト ・「標準10歳」が自力で見つけた「マイ教科書」
(約13000字)
これまで何度か、(一種「教養」としての=専門ではない)ロボットの話題をいたしております。
★紙でつくるロボット(の手)
・[3106]
> > 「家の材料だけで買わないで作れるリモコンロボット」
こんどはなんと、「モーターを使わない身の回りのものでできる簡単ロボット」との検索問合せをいただきました。「高価なサーボモーターを使わない」という意味であれば、ぜひ「タミヤ ミニモーターセット」で取り組んでみてください。
「モーターを使わない身の回りのものでできる簡単ロボット」で検索しますと、段ボールと釣り糸を用いて「ロボットの関節」を模擬する例が出てきました。なるほどです。
※小さな子ども相手のワークショップなので「関節」とは呼ばず、単に「手」と呼んでいるようですが、大人としては「関節(のメカニズムがわかる教材)」といったほうが理解がはやいと思います。
・「かみロボット研究室」東京大学先端科学技術研究センター人間支援工学分野
http://kamiroboken.com/
> ダンボールでできるロボットを使った子供向け科学教育プログラムに関する研究
うーん、ロボットといって、その実、どの部分に注目するかというのは、分野によって本当にぜんぜんちっとも違うんだなぁ、と改めて実感されます。(逆にいえば、そのようにして非常に多くの分野の知見が積み上げられて、ロボットが成り立っているんだなぁ、ということです。)
> 目の前にある「電動デカダンテ」の動きに心を弾ませながら、大きくなった一本指をつくります。
> ワークショップが終わるとみんな一斉に前に置かれた「電動デカダンテ」に集まり、リモコングローブをはめて5本の指を動かすことに目を輝かせていました。
子どもに手作りさせているほうの「手(電動でない)」は、まさに(航空機や重機などでいう)油圧系のソレ=「機械」(電気・電子・機械のうちの機械)の勉強だと感じます。そして、デモンストレーションしている「大きな手(電動)」のほうは、いきなり「電子」(電気・電子・機械のうちの電子)で、子どもにとってはブラックボックスです。その場では「大きな手(電動)」の魅力によって、お手元の「手(電動でない)」への注意が持続すると期待されつつ、しかし、「手(電動でない)」を家に持って帰った後には、ウンともスンとも…放っておかれ、忘れられるのではないかと心配されます。
> 身近にある素材を使って、基本的なモノのしくみが分かれば、いろんなアイデアの組み合わせで、どんどんオモシロいモノがつくれることを改めて体験頂けたと思います。
機械って、(子ども自身が構想し設計し製作するには)とっても難しいと思っていました。そして、「自由研究」という観点では、用意されたパーツがパチッとはまったり、できあがりがピシッと決まる「キット」を使うなんて考えられない、と考えていました。かといって、ゴールが見えない、完成したかどうかわからないという状況下(いっさい指導のない「自由研究」を思い浮かべてください)に、最初から放り込まれるのでは、たいへん「ブラック」な「チャレンジ」だと心配されます。
工程の全体もそうですが、まず、段ボールだけが与えられフルスクラッチで、カッターは使えずハサミだけで、となると、部材を切り出すだけでもヨレヨレのナミナミ、クシャクシャのペーペケペーと(子どもの年齢によって、手の発達の段階によって)ならざるをえないと、最初から決めつけて心配します。
「かみロボット」は、誰でも一定のクオリティの完成品に到達できる「キット」であり、これに、さらに指導役が付くというワークショップは、全体としてたいへんすばらしいチュートリアルになっていると見受けられます。ただ、この「体験」から「自分なりに工夫」(狭くは開発、そして発明)するところへ至るのは、まだまだかなり大きくジャンプしないといけない、むずかしいことだと思わ
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